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「チャンス」のピーター・セラーズが主演した'68年のMGMコメディ、冒頭の劇中劇で状況が分からないうちから笑わされました!
インドから来た駆け出し俳優に扮して、Mr.ビーンの原点か?っていう密室サイレント・コメディ・・・から騒ぎの果てが微妙にセンチメンタルなオチ、という抜け感もまた洒落てますよ。
紹介記事【2017.08.02】
デイブは宇宙船 [DVD]
デイブは宇宙船 [DVD] (JUGEMレビュー »)

「現代文化を異文化の視点で描く」という「星の王子 ニューヨークへ行く」パターンを、もう一捻りして「異星人集団のSF冒険活劇」に練り込んだ本作。
時代遅れの事前情報で人工衛星から計算外、妙に多機能なデイブ・ミン・チャン号・・・原始的で野蛮な文明に毒されていく乗組員、そして地球人と宇宙船のロマンス!
個人的にはクローゼットで大笑い、Old Navyネタも可笑しいな・・・「キャプテン・クランチ」ネタやアイスクリーム屋と間違われるコンチなスーツ姿など、分かればウケる要素も。
紹介記事【2017.03.14】
コンボイ [DVD]
コンボイ [DVD] (JUGEMレビュー »)

故サム・ペキンパー監督作では評価の低い本作、分かってねーよなぁ。
70年代に隆盛したカー・アクション的ロード・ムービーの流れを汲みつつも、救世主の物語が仕込まれてるのは何故?
少なくとも当時のアメリカにおけるトラック運転手という生業の社会的地位はド底辺、その連中からエクソダスが始まり・・・賞賛から憎悪へ豹変する世間に諦めない男と男、死して英雄となる世の中を笑うラストは痛快の一語!
紹介記事【2017.01.17】
PlayStation 2 ミッドナイト・ブラック SCPH-50000NB【メーカー生産終了】
PlayStation 2 ミッドナイト・ブラック SCPH-50000NB【メーカー生産終了】 (JUGEMレビュー »)

正直、ゲームはこれで未だに事足ります。
メーカーには悪いけど、精彩グラとかオンラインとか不要だし。笑
紹介記事【2017.04.21】
勝手に観光協会 勝手に御当地ソング47+1
勝手に観光協会 勝手に御当地ソング47+1 (JUGEMレビュー »)
勝手に観光協会
みうらじゅん&安斎肇による歌とコーラスで、全国各地の郷土愛を歌い上げる本作。
モチーフ探しの観光後、旅館の角部屋で共同作詞&レコーディング…テレコ直録りの部屋鳴りがまたトリップ感を昂ぶらせます。
10年越しの生みの苦しみは、ラスト沖縄の不自然なフェードアウトで昇天したかのよう。笑
[Disc1]紹介記事【2017.06.07】
[Disc2]紹介記事【2017.06.17】
ミッドナイト・ドリーム
ミッドナイト・ドリーム (JUGEMレビュー »)
マンハッタンズ
日本版ジャケの、煌めく摩天楼の夜景がピッタリな甘々コーラス。
ドゥワップ時代から息の長い男声グループによる、ブラック・コンテンポラリーなA.O.R.盤です。
正直、こういう毒にも薬にもならんようなベタさって本来は苦手な筈なんですが・・・1曲目でガッチリ掴まれましたよ、改めて聴いてみても非の打ち所がありません。
紹介記事【2017.01.31】
Discovery
Discovery (JUGEMレビュー »)
藤田千章,佐藤竹善,アンドリュー・オセロット,クリアー・フィッシャー,小林正弘,キャット・グレイ,西村智彦
今となってはジャケのCGがチープですけど、本作のサウンド・デザインは今でも驚異的です・・・楽器の各パートやフレーズと、イコライジングによる音域(周波数)特性の強弱とを緻密に計算してミックスされている気が。
特に最初の2曲に顕著で、更にラスト2曲ではデヴィッド・T・ウォーカーのギターをフィーチャーした佐藤竹善A.O.R.という意外性も。
紹介記事【2017.03.09】
 (JUGEMレビュー »)

久々に腹の皮が捩れるほど笑わせてもらいました、北海道ローカル局には勿体無いほど優秀なマジメ君の斜め上を行く“バカ枠入社”の花子さん・・・放送事故か奇跡の視聴率かとハラハラ、腹の皮がw
紹介記事【2017.01.19】
ローグギャラクシー ディレクターズカット PlayStation 2 the Best
ローグギャラクシー ディレクターズカット PlayStation 2 the Best (JUGEMレビュー »)

通常版に様々な新要素を追加し、ゲームバランスも再調整された本作・・・いわゆるクソゲー要素が低減したかは判りませんが、新たに水の星アリスティアへ行けるようになり嬉しい!
ただし武器が増えた分、その合成ルールが通常版から一部変更されて思い通りにいかないもどかしさも。
紹介記事【2017.08.16】
もののけ姫 [DVD]
もののけ姫 [DVD] (JUGEMレビュー »)

世間では不当なほど評価が低いようですが、宮崎駿のジブリ作品では本作こそが最高傑作です。
鎮西の乙事主の“このままでは わしらはただの肉として 人間に狩られるようになるだろう”という言葉が、やがて“小さくバカになりつつある”猪たちを狩りもせず流れ作業で食らう千尋の親に繋がるのです。
紹介記事【2017.04.29】
Zill O'll ~infinite~
Zill O'll ~infinite~ (JUGEMレビュー »)

PS版からのグラフック向上と、仲間キャラクターやイベントの増加で分岐するエンディングもアップした本作。
出身地によって変化する展開、イベントでの対処次第で敵にも味方にもなるキャラクター。
そして奥深い歴史設定が反映された人物造形など、何周しても飽きのこないゲームソフトです。
紹介記事【2017.11.15】
EMOTION the Best 機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]
EMOTION the Best 機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD] (JUGEMレビュー »)

前作の(大規模ハッキングによるサイバー・テロ)が絵空事ではなくなった現在と、フェイク情報に自衛隊と警察が翻弄されて東京が戒厳令下に置かれる本作。
冒頭の場面は、PKO日報問題で揺れる現在が25年も前に描かれた本作に重なります。
ハードボイルドな展開に織り込まれた大人の恋路に、古典芸能の趣きを漂わせた演出は意味深です。
紹介記事【2017.04.30】
 (JUGEMレビュー »)

正直に言って、この作者の絵柄は苦手です・・・でも、本作にはこの絵柄しかない!って感じ。
だから苦手な方にも読んでみてほしいです、あの戦争について語らなかった人の気持ちが伝わってきます。
そしてラストの、現代に突き刺さる批評に思いを巡らせてほしいです。
紹介記事【2017.06.20】

最近読んだ本
穂村弘「もしもし、運命の人ですか。」

本書は初版'17年の角川文庫ですが、単行本として出版されたのは10年前…ですよねぇ、だってタイトルは初めて著者の本を読んだ時点で知ってましたから。
8年前のMF文庫ダ・ヴィンチに続く、二度目の文庫化なのだそうで…出版不況などと叫ばれる昨今でも売れる、だからこその再文庫化という事なのでしょう。
穂村弘といえば恋愛エッセイ、今や平成の俵万智といえるトップ短歌人にも関わらず短歌集よりエッセイ集の方が出版点数が多いのでは?とも噂される(要出典)著者が本領発揮した一冊。
恋愛エッセイじゃなくても女性への妄想を炸裂させる、そんな著者の本領発揮。

そう、妄想こそが著者の凄味といえるでしょう…何故かエロには発展しない、甘さ控えめな塩っぱいロマンチックさは我々が抱く女性への妄想と微妙に異なる次元で繰り広げられる世界。
それは正に「心の関節を外す」短歌の延長線上にある著者の主戦場、決してアウェイでは勝負しない戦略が奏功している事は巻末解説でも明らかです…漫画家とミュージシャンという、言葉に関わる異業種の女性2人が解説文を寄せているなんて異例中の異例ですよ。
放っておいたら次作の解説は後2〜3人ぐらい増えてそう、しかも女性ばかりが…このマーケティング巧者め、この屁理屈解説者め!

悔しいので、僕も著者に倣って内心に秘めていた妄想を公言する事にしました…まっすぐ「やらせて」と口に出す清々しさとは裏腹に、お叱りやらお小言などを頂くばかりてすけれど。
もし(嘘ばっかり)と思ったならば、著者の明かすエピソードはどうなんだろう?と考えてみてください…本書に限らずエッセイの8割方が塩ロマンて、そこまでネタ帳みたいな恋愛未満遍歴が真実であるのかを。
ですから女性読者のみなさん、著作の中の著者と本人を混同してきゅんきゅんしないでください…実際、著者は“平成二十五年くらいにはアクシデントと流血が似合う男になっているだろう”と書いてるじゃない?

だけど、だからといって女性読者が夢から醒めたような目で僕に振り向いたりはしないんだよね…そんな風に思った瞬間、雷に撃たれたように著者の気持ちが僕の心に伝わってきました。
“知っているよ。そんなこと。行きなさい。行きなさい。行って雨にうたれて血と泥にまみれて罵って平手打ちして泣きじゃくって抱き合って、一度きりの命を燃やしてくるがいい。あとのことは気にしなくていいよ。デザートは君の分も食べてあげるから。私は怒りや羨望を通り越した静かなやけくその境地に達していた”(p.27)
妄想の新形態を切り拓いたトップランナーによる、妄想男子のバイブル的一冊。


〈穂村弘〉関連記事:
【最近読んだ本】穂村弘「いじわるな天使」| 2007.09.21
【最近読んだ本】穂村弘「本当はちがうんだ日記」| 2007.09.23
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【最近読んだ本】穂村弘「現実入門」| 2007.10.08
【最近読んだ本】穂村弘×寺田克也「車掌」| 2009.02.23
【最近読んだ本】穂村弘「絶叫委員会」| 2011.09.11
【最近読んだ本】穂村弘「にょにょっ記」| 2012.09.14

〈短歌〉関連記事:
【最近読んだマンガ】小手川ゆあ「ショートソング」1巻| 2009.11.07
【最近読んだマンガ】小手川ゆあ「ショートソング」2巻| 2009.11.19
【最近読んだ本】枡野浩一・選「ドラえもん短歌」| 2013.01.24


以下、個人的メモ。
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    | books | 2018.11.26 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |
    最近読んだ本
    塩田信之 & CB's PROJECT(編)「エクソダスギルティー ワールドガイダンス」

    初版'99年、ソフトバンク パブリッシング刊…久しぶりのゲーム攻略本ですよ(正確には攻略本じゃないか)、しかもPS1のゲームの。笑
    昔やった事はあるんですけど、途中で詰まってクリアせずに売っちゃったんだよな…そんで思い出した勢いで、ソフトも併せて購入。
    ま、どちらも中古で安かったから…本書が¥351でゲームソフトの方が¥159、それぞれ送料込みの値段です。
    最初はCB's Projectで検索して「〜のあるきかた」シリーズをチェックしてたのです、そしたら本書を発見して(そういや気になるストーリーだったような?)と…確か、旧約聖書の世界を下敷きにしてたなぁと。

    大型本とは記載されてましたが、如何にも90年代ファンタジーなアニメタッチの美女がバ〜ン!と描かれているので妙に気恥ずかしい…攻略本ではないしイラストが中心ながらもストーリーの流れは最後まで追っていて、過去と現在と未来の3人の主人公が織り成し絡み合う謎解きもチャート式で分かりやすいですね。
    そしてキーワード毎に解説する旧約世界の分かりやすさは意外でした、むしろこの部分だけ独立させて新書で出版しても好いのでは?
    おそらく聖書学の専門家が執筆すると、同業他者の異論や横槍への予防線を張りまくるからゴチャゴチャしちゃうんじゃないかな?

    しかし本書でエンディングまでネタバレしちゃったら、今更ソフトで追体験する意味ないかもね…すっかり忘れてましたけと、このゲームってRPGじゃなくADVだった気もしてきて。
    まぁADVなのかヴィジュアル・ノベルなのか、それはともかく…背景にキャラ絵が被さり、手前の小窓にテキストと選択肢が表示されて進行するタイプかも。
    多分ムービー中でなければ随時セーブ可能で、その際に異なる時間軸へとザッピングも可能というね…舞台となる地は南ヨーロッパとしながら明らかにエルサレム周辺で、遺跡と神は出てくるけども別に具体的な宗教は関係なかったのね?

    巻末は「エクソダスギルティー」生みの親でゲーム制作会社アーベルを設立したばかりだった菅野ひろゆきインタビュー&キャラ解説、クリアランク最高位の取得条件やムービーモード出現コマンド(○→×→R1→L1→スタート)そしてブルーダイヤモンドの全メッセージと表示タイミングも公開…更には本書の旧約世界を執筆する上での参考文献&ブックガイドと至れり尽くせり、当時話題になった「小説『聖書』」やラヴロックガイア理論などはゲームのネタ元だったりしてね?
    いずれにしてもクリア後のお楽しみ本ですな、でも読んだら詰まってた理由が判明したので再プレイする意欲が湧いてきましたよ!笑


    〈CB'S PROJECT〉関連記事:
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      | books | 2018.11.03 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |
      最近読んだ本
      木原浩勝「九十九怪談 第一夜」

      初版'10年の角川文庫で、同'08年の単行本より加筆・修正…「第一夜」とありますが、厚みの割に本書一冊で九十九話を収録してます。
      もしや九十九話を九十九夜まで続けるのでしょうか?笑
      それはともかく、著者の怪談は僕の好みと合うのです…簡潔でシュールで作為を感じない、この人なら肝試しなど不敬なネタでも気にせず読めてしまえる気が。
      こうした本にありがちな前口上やあとがきのない、素っ気なさにも好感が…ただ第八十四話と第八十五話の間に題名のない章があってビビらされましたよ、しかも本書のゲラチェック中に著者が体験した怪異って!
      下手な煽り文より怖い!笑

      特に印象的だったのは、夜道で執拗に追ってくる子犬の第十四話「こんばんは」ですね…あとは湯船に浸かるペラペラの大仏に関して友達の母親が電話してくる第五十一話「大仏様」、唖然とする程のシュールさと薄気味の悪さが妙味です。
      自分が知ってる場所の話は別の意味で印象的でした、第十九話「白無垢」の鶴川街道といえば妙に胸騒ぎがする場所があったし第六十八話「部屋違い」の“新大阪駅そばのビジネスホテル”は過去に泊まったけど驚いた顔で消える宿泊客に遭遇しなくて良かったなと。
      第十一話からの3連作「山のスタジオ」は、湯河原−箱根間に行けなくなる位!

      第九十四話から6連作で〆る「のんちゃん」シリーズは創作のようで、創作にしては逆に不自然な描写が不思議な感じでした…筒井康隆を連想させる幼い頃のかくれんぼ、一昔前の人々から採話したような死生観などを思わせる読後感の些細な薄ら寒さも独特ですし。
      掘り返された戦前の坑道に蠢く、白く目鼻のない人(第二十三話「地下坑道」)には有名な「地下の井戸」を傍証する不気味さが…先生の家の押し入れに飼われている小さな人(第五十七話「飼育箱」)といった、人ならざる何者かの話は自分の現実認識を強く揺さぶられた気分になります。
      読み返してみたら、他の話にも背筋が粟立ちました。


      〈木原浩勝〉関連記事:
      【最近読んだ本】木原浩勝「隣之怪 木守り」| 2008.07.18
      【最近読んだ本】木原浩勝「隣之怪 蔵の中」| 2008.08.02
      【最近読んだ本】木原浩勝+中山市朗(著)、恩田陸(編)「新耳袋コレクション」| 2014.09.11
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        | books | 2018.10.24 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
        最近読んだ本
        加門七海「心霊づきあい 11人の作法」

        初版'11年のメディアファクトリー刊ダ・ヴィンチMF文庫で、'08年の単行本に加筆修正を行って巻末に漫画家の山本英夫による著者へのインタビューを追加+幽文庫通信に投稿怪談とオマケ要素も盛り沢山!
        本書は先に出版された「うわさの人物―神霊と生きる人々」という霊能者へのインタビュー集と並行して、著名人の“さまざまな「視える」人たち”と語らう企画から生まれたそうです。
        自身も「見る」質(たち)である著者は“私の「見る」と他者の「見る」には、どれほどの差があるのだろうか”という関心を軸に、各人の体験談や対処スタンスなどを聞き出しています。

        インタビューを終えた著者の感想としては、工藤美代子や立原透耶の“霊的なものへのスタンス”を近いと感じたそうで…要は“通りすがりの幽霊は気にしない”という、まぁ見えちゃう人は全般的に「害がなければ放置」だった気もしましたけど。笑
        霊は生前の性格が影響していて、行きずりの人間にちょっかいを出してくるのは“ほんっとに性格が悪い”とか…著者は怒鳴ったり柏手のような破裂音を出したり、人こみで他所に行かせる事で祓っているそう。
        幽霊がバカ話やお笑い、下ネタに弱いのは話が盛り上がっている場のエネルギーを嫌うのではないか?という考察は腑に落ちる感じ。

        更に、怪談専門誌「幽」の出張所として三輪チサと平金魚による2編を収録。
        その上、普通の文庫本なら別の執筆家による作品を紹介しているスペースまで1ページ1話の「投稿怪談」3編を掲載…先の幽文庫通信よりも一段と細かい活字ながら、文字通り(尻尾の先までアンコ詰まってる)本書の気前の良さは出版不振からなのでしょうか?
        個人的に大概の創作怪談は面白いと思わないので、そんなにオトク感はありませんでしたが…それでも、この出版社の熱意と工夫は特筆に値すると思いました。
        そうそう、本編の構成も好かったな…各インタビューを挟むように前書きと後書きがあって、会話の状況が伝わりやすくなってるなぁと。


        〈加門七海〉関連記事:
        【最近読んだ本】加門七海「怪のはなし」| 2016.06.26
        【最近読んだ本】加門七海「怪談を書く怪談」| 2016.07.21


        本編の各インタビューに関しては、長くなったので下欄に。
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          | books | 2018.10.15 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |
          最近読んだ本
          マーク・トウェイン(著)、大久保博(訳)「アーサー王宮廷のヤンキー」

          中学生の時に読みかけて、文庫本の分厚さと読み辛さに挫折してしまった本作。
          本書は'80年に出版された文庫版を改訂した、初版'09年の角川文庫「トウェイン完訳コレクション」の一冊です…かつて読んでいたバージョンと同じかどうかまでは覚えていませんが、一緒な気がします。
          表紙カバーとか、厚みが。
          話の中身を一言にまとめると「19世紀末のコネチカット・ヤンキーが何故か6世紀のイギリスで大活躍」、なので文中の現代とは今から130年も前なのです…つまり「読者の現代>著者の現代>回想の中の現代」と、著者も予期しなかった入れ子構造なのです。

          実際のところ、本書が遥か未来のアジアの島国で読まれる事とは著者もビックリ!でしょうな…巻末の「改訂版刊行にあたって」によると改訂翌年の'10年はトウェインの没後100年目だったそうで、著者と同い年の有名人という“篤姫、小松帯刀、坂本龍馬、福澤諭吉、松平容保、土方歳三”から(明治時代→飛鳥時代)と日本バージョンを想像してみたりすると別の意味でまたビックリ!です。
          ひょっとしたらタイムスリップ物の元祖かもしれませんがSFじゃありません、ファンタジーというより法螺話なのですが最晩年の「不思議な少年」に劣らぬ辛口批評は著者らしいな。笑

          本書は「著者が遭遇した奇妙な人物の手記」といった体裁で書かれており、その点でも入れ子になってて…更には脚注の解説から察するに、本書は「アーサー王の死」というトマス・マロリーの古典文学に基づくパロディ小説っぽいのです。
          そういった複眼的メタ要素を読み解けるならば、きっと下手なラノベなんかよりスリリングなんだろうけど…なんといっても発想が古いっていうかアイデアをパクられ過ぎた出涸らし状態なのと、アーサー伝承が文化教養レベルで根付いている欧米の感覚で理解する事は出来ないですから誰にもオススメしづらいですね。
          活字は小さいし、厚いし。

          個人的には「コネチカット州で職人頭を務めていた」というヤンキーが、やけに広範な知識と政治的なバランス感覚に長けている点はご都合主義だと思いましたけど…やはり皆既日蝕を予言する逆転劇は改めて読んでも楽しめました、ただし記憶では中盤エピソードだった筈が序盤でアーサー王の宰相に引き立てられる契機だったとは意外でした。
          彼をライバル視する魔術師マーリンが突っ掛かってくる度に体よくあしらい、民衆を虐げる君主制を改革すべく東奔西走する主人公…ロマン幻想を抱く人が顔を真っ赤にしそうな、不潔で無知蒙昧な中世や騎士鎧の描写など今でも可笑しい!

          統一通貨の発行から印刷物の流通に通信網の整備と、慎重かつ急速に下準備を進めて貴族制度も実質的に解体してしまうのですが…やはりラスボスは英国国教会、つまり宗教なのですな。
          ほんの油断から寝首を掻かれて大ピンチに陥るも、迫る大軍勢を近代的叡知で死体の絨毯に…苦い勝利に酔う間もなくマーリンが忍び寄り、予想外な形で呆気ない幕切れを迎えました。
          思わず最終章を二度読みしましたが、このオチのなさは歴史改変モノとしての宿命という気もしてきます。
          それにしても最近ちょっと話題になった「賢者の孫」とかいうなろう小説さ、本書をパクってません?笑


          関連あるかもしれない記事:
          【最近読んだ本】ライマン・フランク・ボーム「オズのふしぎな魔法使い」| 2013.01.09


          以下、個人的メモ。
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            | books | 2018.09.28 Friday | comments(0) | trackbacks(0) |
            最近読んだ本
            アーヴィング・ペニグ(著)、片岡義男(訳)「メシア・ストーンズ 聖なる石をもとめて」

            初版'95年、角川春樹事務所刊…本書を購入したのは、3つの理由からでした。
            1・カラフルな表紙カバーのデザインに惹かれて。
            2・久々に90年代スピリチュアル本も好いかなぁ?
            3・このテの本を片岡義男が翻訳してるのは何故?
            まぁ理由1&2は文字どおりの意味ですが、3番目の理由には補足が要りますよね…少なくとも僕のイメージでは片岡の書く小説って唯物論的というか人物の内面描写が非常に少ないのに、本書のように個人の神秘的な体験というプラグマティズムとは対極にあるメンタリティを扱う物語と関わりを持つ事が正直なところ不可解に思えたからです。

            主人公は妻子ある大学教授で、むしろ非科学的なスピリチュアル系には否定的な人物です…その彼に父の代理人を名乗る弁護士から手紙が届くのですが、幼少期に家族を捨てて失踪した父への嫌悪感と怒りを消し去る事は未だに出来ません。
            父の遺した手紙から、彼が失踪に至った信じ難い事実を知る主人公…父への葛藤を抱えつつも半信半疑で、人類が神より賜りし遺産へと近付いていくのでした。
            しかしながら、誰が“「インディ・ジョーンズ」のスリルとサスペンス、「聖なる予言」の深遠さをも凌駕した”などと評したんだ?…結局、徹頭徹尾B級ドラマの筋書きじゃないか!

            大体ね、旧約聖書時代の石板とか思い切り風呂敷拡げて投げっ放しじゃん…合間の奇跡エピソードも杜撰で、こっちは気分好く騙されたいのにグダグダ引っ張って現地入りまでに残りページ数が半分以下の有様。
            いよいよ二千年紀を超えるオーパーツにご対面か、ってとこで呆気なく出現し読者無視のハッピーエンド。
            おいおい、オマエら勝手に感動したり満足してんじゃねーよ!…こんなんキリスト者だって納得いかねーだろ、CIAが関わってる割に出て来ないのも謎だし。
            言うなれば「アドベンチャー要素抜きの笑えないロマンシング・ストーン」だな、観た訳じゃないけどさロマンシング・ストーン。

            ただし文体は意外なほど読みやすく、翻訳の片岡が自身の小説で用いる特徴的な文体を本書では欠片も見せない点が気になりました。
            片岡が80年代の文体を捨てたのか、あるいは意図的に本書では避けたのか…だとすれば、あの文体には如何なる意図があったのか?
            まぁ本書とは無関係な事ですが、個人的には(何故こんな話を引き受けたのか?)という疑問と共に興味が湧きました…もしかしたら依頼を選り好みしている状況じゃなかったからかも?なぁんて、余計な想像までしちゃったりもして。笑
            初版'95年、角川春樹事務所刊…出版時は、まだギリギリでラビン首相暗殺前の中東和平に希望が満ちていたんだな。


            以下、個人的メモ。
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              | books | 2018.09.12 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
              最近読んだ本
              B・V・ラーソン(著)、中原尚哉(訳)「スターフォース 最強の軍団、誕生!」

              ちょうど「スターウォーズ」の事を思い出している時(あの頃に氾濫した真似っこSF映画に「スターフォース」ってあったような)と考えていて、しばらく経って古本屋に行ったら本書を発見し…そりゃ買うでしょ奇遇だし、といっても本書は70年代に出版された訳ではないのですけども。
              初版'12年のハヤカワ文庫SFで原書は'10年、しかも元は電子書籍として発表されたそうで…要はアメリカ版「なろう」作家という事でしょうか、出版形態も様変わりしつつあるのね?
              それにしては昔っぽいタイトルですな、わざと狙った気もするし名付け親の年齢を反映したのかな?とも。

              主人公は子持ちの大学教授、舞台は現代の地球および周辺…自宅から子供と妻を拉致したUFOに遺体を投棄され、自らもアブダクションされ殺されかけた教授ですが専門知識を活かしてUFOの意図を理解しマスターとして認識されます。
              世界各地で同様の出来事が発生している事や、彼と同様にUFOから認められた乗員の存在を知るに至り…更には敵対する大艦隊との初戦に勝利し、各国政府に自分達UFO軍団「スターフォース」を承認させ。
              その過程すべてがサバイバル感覚で、予測不能な状況を分析し対処する教授の頭脳が唯一の武器なのです。

              一度はUFOから不合格者として投棄された女子大生をホニャララし、更に…ってネタバレはこの辺で止しましょう、知らないで読んだ方が楽しめますからね!
              そりゃあ何だってそうですけど、特に本書は意外性あふれる教授の頭脳サバイバルがキモなので…宇宙からの侵略者を撃退する、古臭いSF設定に密室サスペンスばりの謎解き要素を融合させたユニークさは見事。
              終盤の肉弾戦は、読んでるだけで息が詰まるほど!
              ただ連載してたかのように章を繋ぐ筋運びには、あざとさを感じなくもないですな…電子書籍のランキングを上げるためだったのか?などと考えてしまい、ちょっと興が殺がれました。

              追記:スターフォース、ありましたね・・・Wikipedia情報によりますと“1984年にテーカン(後にテクモと改称、現・コーエーテクモゲームス)から稼働されたアーケードゲーム。北米向けに稼働されたアーケード版のタイトルは、『MEGA FORCE』”だったそうで、画像検索したら'77年にSPI社から販売された戦略ボードゲームもヒット。知らなかったなぁー。
              スターフォース(←左クリックで拡大表示されます)
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                | books | 2018.08.29 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                最近読んだ本
                黒木あるじ(監修)「怪談四十九夜 怖気」

                現在、小説5冊を同時進行で読んでまして…その合間にちょっと怪談も読みたくなって、それで先に読み終えちゃったのが先日の「怪談標本箱」と本書という。
                こういう超短編の実話怪談集って読みやすいんですよ、自分としては主食に対するお惣菜感覚なんですが…それはともかく、本書の中身について書きますね。
                収録順に、小田イ輔/神薫/真白圭/百目鬼野干/伊計翼(たすく)/冨士玉女/宇津呂鹿太郎/つくね乱蔵/黒木あるじ/吉澤有貴の10名…監修者のみ4編、他の9名は各自5編という構成のアンソロジーです。

                奇妙なのは巻末の著者紹介に、我妻俊樹という1編も収録していない作家の名前が筆頭に加えられていて吉澤有貴の紹介が抜けている点です…これはもしかしたら、我妻と吉澤は同一人物でペンネームを使い分けていたのかもしれませんが。
                因みに「まえがき」によると、四十九日は「満中隠」とも呼ばれ“死者が初七日から七日ごとに受ける裁きの最後の日”であり“現世との別離をあらわす〈忌明け〉の夜”なのだそうで。
                しかし最初はありきたりな怪談のフォーマットを思わせて予想外の方向へと捻ってゆくパターンが多いですね、まぁイメージのし易さは重要なんですけども。

                思い描くのが難しい、込み入った状況や特殊なシチュエーションですと怖さを感じる場面で話が混乱しちゃったりしますからね…それと実話怪談って基本的に著者自身の体験談か体験者からの聞き書き或いは孫聞きを文章化してると思いますが、話の最後に例えば“そう言って彼女はククッと笑い声を洩らした”とかいったオチが付くと全体が創作めいた印象になってしまうのも(書き方の匙加減が難しいジャンルだよなぁ)と改めて思わされました。
                完全な創作とは違うしノンフィクションともまた違う、実に独特な筆力を要するジャンルなんですなぁ。
                初版'17年、竹書房刊。


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                【最近読んだ本】戸神重明「怪談標本箱 生霊ノ左」| 2018.05.30
                【最近読んだ本】「心霊づきあい 11人の作法」| 2018.10.15
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                  | books | 2018.07.12 Thursday | comments(0) | trackbacks(0) |
                  最近読んだ本
                  戸神重明「怪談標本箱 生霊ノ左」

                  今更なんですが、どうやら僕は古本屋に行くと怪談本を探してしまうようで…今まで買った怪談本は、ほとんど同じ古本屋で見付けていた事に気が付きました。
                  今回のも実話系の文庫本で、半年前に出たばかりなのに半値でしたよ…出版元は「恐怖箱」という怪談本シリーズを出している竹書房で、裏表紙の見返しに書かれていた既刊を数えてみたら「深怪」から始まって21冊も出ているのでした。
                  その全部が実話怪談を謳っている訳ではないのでしょうし、複数の著者や編者が手掛けているにしてもねぇ…こんなペースで吐き出させていたら、底が割れるのも時間の問題という気が。

                  本書に収録された33編は、群馬県に在住の著者が地元を中心に全国各地の怪異体験者から集めた話を文章にまとめた怪談です…クワガタ好きの著者自身も、前に読んだ本で体験談を記していたのを覚えています。
                  確かにゾクッとする話がない訳じゃないのですけれど、特筆に値するエキセントリックさが感じられないといいますか…いわゆる「呪われた土地」的な話って、あんまり耳袋や柳斎志異っぽい味わいがなくてね。
                  逆に(気のせいでは?)レベルの、怪談未満な話の実話らしさは楽しめましたが。
                  印象としては全体に小粒で、それ故に(出版社の皆伐によって実話リソースが枯渇しているのでは?)という憶測を抱かせるのです。

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                    | books | 2018.05.30 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                    最近読んだ本
                    高千穂遙「異世界の勇士」

                    ヒロイック・ファンタジーという言葉は、本書で初めて知りました…「クラッシャージョウ」「ダーティペア」のシリーズで人気を博していた著者による、高校生が異世界に英雄として召喚される非SF小説です。
                    最初に読んだのは小6か中1か、当時は現実世界とファンタジーをリンクさせる発想に驚いたものでした。
                    既にフォーマットとしては使い古された感もあるし、本当に異世界で敵を倒すだけの直球展開なのですが。
                    読みやすい文章でサクサク話が進むので、色々とオーソドックスながら飽きさせません…むしろこのアッサリとした終幕が心地好いです、個人的にはですが。笑

                    白昼夢に悩まされるサッカー少年のリュウジは、自分が見知らぬ場所にいる事に気付き…そのまま異形の怪物に襲われ混乱するも、現れた少女に託された霊剣で訳も分からず敵を撃退し。
                    一族の王は彼を召喚し命尽き、人々の精神力を束ねる王の娘は敵に捕らわれ…屈強な戦士と身軽な少年、そして敵から寝返った小魔と共に囚われた王女を救出し更に苦難の旅を経て魔海城に乗り込みラスボス打倒。
                    しかし村の祭壇で封魔の結界を施している最中、復活したラスボスが逆襲に…霊剣の奥義発動で押し返し、間一髪で封じ込めますが。
                    王女の側に駆け寄る途中、召喚の場を踏んでしまい。

                    と、完璧にネタバレですけども…まぁ粗筋が分かったところで物語に惹き込まれるのは間違いないし、結末は読んでのお楽しみです。
                    背中合わせの現実世界と異世界、物質世界と精神世界…微妙に「ダンバイン」的ですが刊行は'79年ですからね、因みに横田順彌による解説も学生時代の著者や当時のSF事情が伺えてなかなか興味深いものが。
                    初版'81年、徳間文庫版。


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                    【最近読んだ本】田中光二「エデンの戦士」| 2009.10.15

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                      | books | 2018.05.05 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |




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