Voyage of Prayer―祈りの旅
Voyage of Prayer―祈りの旅 (JUGEMレビュー »)
今西 勇人
祈りの姿勢は、手を合わせ目を閉じる形だけではありません…人が祈る姿は千差万別なのに、祈るという行為やその思いには共通性が感じられるのです。
宗教の奥にある、世界じゅう一人ひとりの心の静けさに。
紹介記事【2016.09.06】
チャンス [DVD]
チャンス [DVD] (JUGEMレビュー »)

「人生とは心の姿なり」
シャーリー・マクレーンは、本作の撮影中にピーター・セラーズが前世について話した事を著書「アウト・オン・ア・リム」で書いていました。
それを意識したせいでスピリチュアルな印象を受けましたけど、むしろ本作の笑いはそうした見方にあるような。
無知な老人チャンスが教養人を翻弄するシュールな寓話、ですが予想外に可笑しいのです。
紹介記事【2016.10.08】
逮捕しちゃうぞ [DVD]
逮捕しちゃうぞ [DVD] (JUGEMレビュー »)

藤島康介が原作の、婦警コンビが活躍するOVAです。
図々しいまでに快活な夏実と大人しそうで冴えたドラテクの美幸、という動と静のバランスは同じ原作者の「パラダイスレジデンス」を思わせますが。
この後に続く同名のTVシリーズにはない凝った実車ディテールや派手なカー・アクション、まだ昭和の気配が色濃い東京の風景は90年代のトレンディ・ドラマっぽいけど…ま、肩の凝らないノリが好い案配なのです。
紹介記事【2016.08.21】
となり町戦争 (集英社文庫)
となり町戦争 (集英社文庫) (JUGEMレビュー »)
三崎 亜記
2016年に読んだ小説から一冊を挙げるのは本当に悩みましたが、本書は外すことが出来ません。
デビュー作でこれって、凄すぎない?
ちょっとシュールでフワフワとした空気の中、自治体行政の地域活性化という名目で遂行されているらしき戦争…“僕”が聞く唯一の銃声は終戦を告げる号砲で、これは「地獄の黙示録」で引用されていた詩の一節“これが世界の終わりのすがただ/ドンともいわないで、すすりなきのひと声で”を連想させます。
文庫の表紙カバーに惹かれたのですけど、これが衝撃的な場面とリンクしてたとは…戦争とは銃器や死体ではなく、本質は経済の真の顔なのだと実感しました。
紹介記事【2016.11.13】
Yesterday,Yes a day (フラワーコミックス)
Yesterday,Yes a day (フラワーコミックス) (JUGEMレビュー »)
岩本 ナオ
話の舞台が共通する「雨無村役場産業課兼観光課」も好かったけれど、個人的には先に読んだ本作の方が好みかも。
地方暮らしの女子高生とか恋愛未満のリアリティが新鮮、この年頃だって恋愛が日常の中心にある訳じゃないんだよねっていう。
紹介記事【2016.03.30】
Eagle Has Landed: Live
Eagle Has Landed: Live (JUGEMレビュー »)
Saxon
どう見てもビジュアルが「スパイナル・タップ」そのものですが、当時の僕にとってはAC/DCの「BACK IN BLACK」とマイケル・シェンカー・グループの「MSG」と並ぶHR/HM愛聴盤でもありました。
でも他のメンバーはあんまりメタルっぽい出で立ちじゃなくて、ストラト遣いのポールは野球帽かぶってたし…ぶっちゃけボーカルのビフ以外はギブソンSG遣いのグラハムも当時は滅多に見かけなかったプレベ弾きのスティーブも見た目がオッサン臭くて、そういうビジュアル無視な姿勢が僕には却ってシブく思えたのです。
意外にロックンロールしてるベースラインや無駄に手数はないけどツーバス並みに速いドラムスやメタルにしては珍しいワウペダルを使ったギターソロなど今でも充分カッコイイ!
リフ中心とはいえメロディアスなフレーズも織り込み、改めて聴くと楽曲構成も隙がないなと感じました。
紹介記事【2016.02.27】
アイアン・スカイ [DVD]
アイアン・スカイ [DVD] (JUGEMレビュー »)

2018年、月からナチスが攻めてくる?!
パルプSFテイストにシニカルなユーモアを絡めた、おバカ路線のB級映画。
フィンランド人がサウナで酔っ払いながらアイディアを出し合い、製作費のうち約1億円をカンパで集めたというフィンランド・ドイツ・オーストラリア合作。
ほぼ全編ブルーバック撮影というレトロ活劇「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」と併せてオススメします、もちろん両作品とも特撮だけの映画じゃあありませんよ?
紹介記事【2016.04.16】
忘れられた日本人 (岩波文庫)
忘れられた日本人 (岩波文庫) (JUGEMレビュー »)
宮本 常一
本書は主に、対馬や周防大島や伊予といった西日本の村落で聞き取った話から構成されています…本業の傍ら、農家に泊めてもらうので米を持参で戦時中も日本各地を歩いて回ったそう。
正直、読み始めは部外者が首を突っ込んでいるような取っ付きにくさを感じたのですが…間をおいて開いたら、妙にスラスラ入ってきました。
何だか不思議です、本書自体が村の古老のようで…この深い根っこに繋がるような安心感、古臭く陳腐な表現ですが「元気が出る」のです。
紹介記事【2016.06.21】
幻想水滸伝III
幻想水滸伝III (JUGEMレビュー »)

明代中国の伝奇歴史小説「水滸伝」をベースにしたRPGシリーズの1つで、本作の特徴は同じ物語を複数の主人公を通じて体験するという趣向です。
今回は商業国家の騎士団長、名門貴族のクリスでプレイ…以前にプレイした平原部族の少年ヒューゴや大国の傭兵を率いるゲド隊長と違ってしがらみだらけの気丈な女性。
商業国家と平原部族の対立に乗じて領土拡大を画策する大国と、裏で暗躍する一味…シリーズの他作品は知りませんが、異世界クライム・サスペンスといった感じ?
絶対悪など存在しない、なんて分かってはいても相互理解は難しいというね。
小説や漫画などとは異なる、RPGという形式ならではの物語を味わえます。
紹介記事【2016.06.29】
イノセンス スタンダード版 [DVD]
イノセンス スタンダード版 [DVD] (JUGEMレビュー »)

前作「ゴースト・イン・ザ・シェル」から引き続き押井守監督が描くは、攻殻機動隊のバトーとトグサが挑む「暴走ガイノイド連続殺人事件」の顛末。
そして、ネット上の全一となった少佐こと草薙素子を、もはや見つめる事も触れる事も叶わないバトーの愛の物語でもあります。
重厚なCGアニメで表現される電脳社会の、二重の意味で人工的な儚さ…「私」や「貴方」の定義とは何か、肉体は自由の枷なのか。
前作のラストで少佐が言っていた“2501…それいつか、再会する時の合言葉にしましょ”という台詞を覚えていると、ちょっと感動的かもしれません。
紹介記事【2016.11.27】
二週間の休暇 (MouRa)
二週間の休暇 (MouRa) (JUGEMレビュー »)
フジモト マサル
まるで村上春樹ワールドの絵物語、といったら失礼でしょうか…あの読後感を簡易化して視覚的にまとめたような一冊、安直すぎるオチも却って心地よく感じられました。
うぐいす色と黒の二色刷り、計算されたコマ割りとアングル…奥付けページの縁に這わせたカマキリに至るまで、ちょっと手元に置いておきたくなります。
紹介記事【2016.02.04】
パートナーズ・イン・クライム
パートナーズ・イン・クライム (JUGEMレビュー »)
ルパート・ホームズ
1曲目「Escape (the pina colada song)」は、ケイト・ブッシュの「Babooshka」と対になるようなシチュエーションを歌っていながらライトで喜劇的な展開…また「Answering machine」ELOの名曲「Telephone line」と対になるような、どこか惚けた味わいのある留守番電話の歌なのです。
フェイズ・ギターに'79年リリースという時代を感じます、今でこそ好きな音ですけど十代の頃は中途半端なエフェクト感が気持ち悪かったので一概にオススメとは言い難いのですが。
紹介記事【2016.01.23】
クン・パオ! 燃えよ鉄拳〈特別編〉 [DVD]
クン・パオ! 燃えよ鉄拳〈特別編〉 [DVD] (JUGEMレビュー »)

本当にね、どんだけ買って観てんだ僕は!
70年代のB級カンフー映画を元にデジタル処理で大胆に改変、正直この笑いは人を選ぶと思います。
実際、ちょっとオススメしにくいコメディです…特にCGパートなんて、全然オススメ出来ませんけども。
音声バリエーションの豊富さで、何度でもどこかツボにくるのです僕は。
紹介記事【2016.06.19】
図説 国旗の世界史 (ふくろうの本)
図説 国旗の世界史 (ふくろうの本) (JUGEMレビュー »)
辻原 康夫
いつもながら面白い、河出書房新社の図説シリーズ「ふくろうの本」の一冊です。
紋章学の見地に基づいて、色遣いや図柄で世界各国の国旗を分類すると…割と知ってる国旗の雑学レベルから歴史的な成り立ちが見えてくる、この切り口が実に面白い!
本来は支配者の紋章であり権力への服従を意味していた「旗印」が、フランス革命から民衆の団結や社会の理想を表明するように…赤青白で構成された国旗を“民主主義国家の旗印にふさわしい配色という固定観念”と断言し、9・11後の「SHOW THE FLAG」を“恫喝的スローガン”とブッタ斬る著者は本書自体も“疑問の解明に寄与するとは到底思えない”と切り捨てますが。笑
「世界史を読みたくなる」歴史ネタの雑学本、として辻原康夫(編)「読みたくなる世界史」と併せてオススメします。
紹介記事【2016.11.24】

最近みたDVD
「DRAGON LOAD」

ジャッキー・チェン主演の「ドラゴンロード」リマスター版です、しかし“ドラゴン道”って意味だと思ってましたが違ったのね…先日の「天中拳」に続き、未見のジャッキー映画を探したら本作しか見付からず。
勿論「スパルタンX」とか「プロジェクトA」といった、サモ・ハン&ユン・ピョウとの御三家物は置いてましたが…そこまで行っちゃうと大して惹かれないのです、せめて「ヤング・マスター」位は置いてあるだろうと思ってたのになぁ!
因みに本作、音声は広東語だけで日本語は吹き替えなしの字幕のみ…まさかTV放映された事がなかったのか、あるいは諸事情的な?

本作でもジャッキーの役どころは軽薄で怠惰で素直な青年、ただし金満家の子息で名前がドラゴンとは予想外でしたね…それと話に聞いた事はありましたが、本当に広東語でも「はい」は「ハイ」なんですなぁ。笑
しかし最大の予想外は、まさかのストーリー展開でした…盗賊退治が見せ場かと思いきや、全体的にはドラゴンと同類のボンクラを軸とする恋の鞘当て&村の伝統行事がメインというね。
滅亡した清王朝の宝を海外へ売り飛ばそうとする連中に苦悩を匂わせるも、それが「漢民族の宝」って…まぁ(清は満州族が興した国である)という歴史認識が無いのは、むしろリアルかも?笑

本作の見せ場は、中盤の羽子板の羽根みたいなカンフー・サッカー(?)とクライマックスの荒々しくも牧歌的な金餅争奪ラグビー風カンフー・バトルなのですね…ネタバレしますがボンクラ親友の父親は悪事に加担した腐敗官僚だったにも関わらず「政府に褒賞された」の一言で片付けられており、もしや香港の映画人はそこに大陸人民への皮肉を込めていたのでしょうか。
それにしても、オチに若衆総出の村祭りとはなぁ…正直(は?)って感じですけど、多人数アクション+長尺スタントは殺陣界の伝説だったりするのかもね。
エンドロールは恒例のNG集、ではなく名場面集。笑

ジャッキーは本作で監督と脚本、それに演技指導も兼務していたようですね…ルイス・シットなるゴールデン・ハーベスト社プロデューサーのインタビューで(そりゃあジャッキー映画が毎回予算オーバーする訳だ)と納得、また完全無欠のヒーローだったブルース・リーとは逆にジャッキーを身近で庶民的なキャラクターを売りにしたのだとか。
そういえば日本も70年代はアイドルの転換期だったと気付かされ、なかなか興味深い話ではありましたが…ただ「スターは映画会社が作り出す」的な発言を臆面もなく出来るって、メディア慣れしてないんでしょうけどヤな親父ですなルイス!笑
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    | cinema | 2018.02.22 Thursday | comments(0) | trackbacks(0) |
    最近みたDVD
    「カンニング・モンキー 天中拳」

    原題は「HALF A LOAF OF KUNG FU!」、つまり(カンフーのパン半分!)ってか?…おそらくカンフー未熟/半端者、的な意味ですな。
    というか原題は英語じゃないんだよね、まだ英国領だった'78年に製作された香港映画で主演はジャッキー・チェン…ブルース・リー亡き後の香港映画界に現れたカンフー・スターだった頃の「蛇拳」や「酔拳」に続く、一段とコミカル寄りな肉体アクション作です。
    当時は「天中殺」という言葉が流行っていたので、おそらくそれに便乗した邦題なのでしょうな…それにしてもギャグも効果音もベタ中のベタで、今更コレ観て腹抱える奴ぁいません。笑

    というかね、古臭いノリで笑いを取りに行く日本語字幕は若干イラッときますな…でもまぁ仕方ありません、こっちもその位は承知の上で観てる訳ですし?笑
    しかしこの頃の香港映画って、オープニング・クレジットが流れてる間は本編と関係ない小芝居なのね…案外と中国劇の伝統とか約束事を踏襲してたりするのかもしれないにせよ、流石に5分も観るのはキツい!笑
    何故か座頭市のパロディから始まって、後は由来不明の剣士や高僧に扮したジャッキーのコミカルな無言劇が延々と続き…で本編、セコく怠惰な青年ジャッキーは賞金首と相討ちに倒れた武芸家に成り済まします。

    まんまと賞金はせしめたものの偽りの名声が仇となり、あらゆる毒に効く活人丸と死者を甦らせる反魂丹を巡る三つ巴の攻防に巻き込まれ…しかし“ヘッコキ風太郎”を名乗る人物に天中拳のカンペをもらったジャッキー、後半30分を切って始まる恒例の特訓シーンは自主練で盛り上がりに欠ける上にクライマックスの対決は集団バトルなのです。
    所謂モンキー・シリーズの王道展開を踏襲しつつ「お約束」には甘んじないという心意気ね、いや知りませんけども…ドラマとしては理路整然とした印象なのですが、笑わせ所に見せ場を割かないのは尺の都合だとしても困惑させられます。

    ハッキリ言って、お膳立てに尺を取られ過ぎたのか「秘伝書を読みながら戦う」という面白味が活かされていないんですよ…個人的には(町の有力者だけ弁髪で他の男性は基本的に総髪結い)という設定が清代初期っぽい感じで興味深かったなー。
    それと他のモンキー・シリーズでは大抵(ジャッキーに先輩風を吹かせる小者)といった役柄を演じていた役者(Dean Shek)が、本作ではヘッコキ風太郎こと天中拳の一番弟子という割とオイシイ役で登場したのも好かったな。
    この頃のジャッキーって結構好きなんだけど、実はキチンと観てなかったかも…もう少し色々と観てみようかな、カンフー以外のも。
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      | cinema | 2018.02.11 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
      最近みたDVD
      「STAR WARS IV A NEW HOPE」

      「帝国の逆襲」に続きまして1作目です、2本一緒に借りといてテレコに観るのは僕の逆襲です(誰に?)。
      僕が最初に(そして唯一の)映画館で観たスターウォーズが「帝国の〜」だったんですよ、まだ当時は続編ロードショーに併せて前作をTV初公開!なんて事は出来なかったので僕が本作を観たのは「帝国の〜」公開後のTV放映時だったのでした…ま、ストーリーなど細かい話は巷に溢れるSWファンに任せましょう。
      未だインパクトある導入部ですが、あの説明文ってエピソード4化して中身を変えてない?…それと冒頭のレイア姫捕獲シークエンスって、後から足してない?

      これは僕の記憶違いなのかもしれませんけど、確かいきなり砂の惑星タトウィーンだった気がするのですよ…とか言って「銀河鉄道999」の車掌さんやファイナルファンタジー・シリーズの黒魔道士みたいな異種族を覚えてなかったりする僕の記憶も当てにはなりませんがね、あとデス・スター突入時にルークの僚機に搭乗していたビッグス&ウェッジって、もしやこれが歴代ファイナルファンタジー・シリーズに名を残す2人組の由来だったのかな?
      セカンド・ユニット・フォトグラフィーにTAK FUJIMOTO、エレクトロニクス・デザイン部門のスペシャル・コンポーネント助手にMASAAKI NORIHOROと日本人っぽい名前がありましたねぇ。

      補足:撮影助手のタク・フジモトは、Wikipedia情報によれば同じロジャー・コーマン門下生で林海象監督と親しいジョナサン・デミ監督の「羊たちの沈黙」撮影監督として知られる他「デス・レース2000年」でも撮影監督を務めていたようです。
      マサアキ・ノリホロなどの日系スタッフに関しては、個人ブログ「ハニーマジック」の記事「スターウォーズ記念日と日本人スタッフ」に詳しいです。
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        | cinema | 2018.02.07 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
        最近みたDVD
        「STAR WARS V THE EMPIRE STRIKES BACK」

        今や「エピソード5」扱いになっている「スターウォーズ 帝国の逆襲」です、実は「スターウォーズ」こと「エピソード4 新たなる希望」も一緒に借りてきたんですけども…っていうか本当はその第1作目がずっと観たかったんだけど、僕が最初にロードショーで観たのは本作だったのでね。
        このモヤっとした終り方、そして意味不明な横文字…連れて行ってくれた親父に訊いたら“つづく”って事だと言われて憤慨した記憶だけが強く焼き付いている本作、二度とスターウォーズは観に来ない!と幼心に固く誓ったものでしたが。
        今となっては流石にね、そこまで頑なな訳でもなく。

        「バック・トゥ・ザ・フューチャー」三部作を観て分かったんですけど、どちらも1作目は続編なんて前提にないからキチンとオチを付けるんですよね…先ずそれが当たってから三部作の構想が実現する点は「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」も同様で、3作目の製作が確定している2作目の終わり方は次作に観客を誘導しようとして話を引っ張る形になりがちという。
        でもやっぱり、理屈としては分かっても劇場映画はTVドラマじゃないんだから1本で完結してくれないと厭ですね僕は…どうやら本作は歴代SW作品の中でも高く評価されてるようですが、嫌なものはイヤ!笑

        とかいって冒頭の氷の惑星ホスに登場する四脚メカAT-ATは、何度もプラモ買おうか迷ったんですよねー。
        しかし肝心の“To be continued...”表記が消されていてビックリ、そしてC3POを演じた俳優がトニー先生と同名だったのは更にビックリでしたよ!…メカニカル・エフェクツ部門のエフェクツ・エンジニアリングにクレジットされていた“ROGER NICHOLS”にも驚きましたが、まぁ今度も別のロジャニコでしょう。
        では続けて「スターウォーズ」こと「エピソード4新たな希望」も観てみます、その記事はまた改めて。
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          | cinema | 2018.02.06 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0) |
          最近みたDVD
          「1941」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

          「ブルース・ブラザーズ」のジョン・ベルーシ主演作、と長らく思っていたのですけど違ったみたいですね…むしろ「ブルース〜」の相方ダン・エイクロイドの方が見せ場あったような?
          実は封切り前にTVで紹介されてた予告編から気になっていて、その後しばらく忘れていたのですが割と最近になって何故か思い出しまして…しかし例によってレンタル店にはないしAmazonでも安くはないので諦め、替わりに「ブルース〜」を借りて観たのでした。
          そんな“諦め映画”は、やはりTSUTAYAの宅配レンタルなら見付かるんですね!
          本当に有難いな、でも“諦め映画”はもうない筈。笑

          本作は'78年の製作で監督はスティーヴン・スピルバーグ、原案および製作総指揮がジョン・ミリアスでロバート・ゼメキスが脚本…更に音楽はジョン・ウィリアムズと現在の大御所が名を連ねて音響にトッド-A-O方式を採用するも見事に大ゴケしてしまい、その結果スピルバーグの黒歴史化したとまことしやかに言われております。
          その辺りは「ブルース〜」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のオーディオ・コメンタリーでもネタにされてましたから、逆に(どんだけ?)と気になってたのですが。
          不興を買った最大の原因は、本作のテーマが何気にアメリカの向こう脛だったという事でしょうな!

          アメリカ人にとっては、太平洋戦争下の日本による本土砲撃と、それにパニクった米軍の独り相撲「ロサンゼルスの戦い」は未だジョークに出来ないってか?笑
          アメリカって昔も今も、余所を荒らしても何故か自国が戦火に晒されるとは思ってないからね…だから真珠湾攻撃で“南北戦争以来 初めて――アメリカ国民は母国の“守り”についた”屈辱の深さは、思えば当時の在米日系人に対する不当な処遇からGHQによる国体解体と後のジャパン・バッシングに至るまで戦中派の保守白人層が抱いた「非白人に怯えた無様な我ら」の反動と考えると案外に打たれ弱い国民性も腑に落ちるというものです。
          戦後世代のスピルバーグには計り知れなかったようですが、少なくとも80年代まではWASPがアメリカの手綱を握っていたってコトでしょう。

          つまり本作は「タブーに寛大なアメリカ人の数少ない不可侵領域を爆撃しちゃった非アメリカン向け傑作コメディ」なのですよ、まぁ彼らのセルフ・イメージは傷付きまくりだろうけどね…もしも当時の日本国民が知ったら感極まって号泣レベルの意趣返し、まぁ僕らの歴史感覚じゃ痛快!って程でもないけれど。
          いきなり「ジョーズ」パロディで始まるロス沖に浮上した日本海軍の潜水艦、三船敏郎演じるミタムラ中佐は“アメリカ人の戦闘意欲を喪失させる効果がある”ハリウッド砲撃を命令…乗組員はサムライとニンジャの子孫、しかもそこパインウッドじゃんもうバカ!笑

          駐機している戦闘機の爆弾に「ごめんね」と書いてあって空港をゴロンゴロン転がって破裂するシークエンスとか、ドイツ将校を演じるドラキュラ俳優(というより近年はサルマンやドゥークー伯爵が有名か)クリストファー・リーを気合いの一本背負いで潜水艦から海に投げ落とす三船敏郎には思わず吹き出しましたよ。
          それに陸軍兵と海兵隊との大乱闘やハリウッド街中ドッグファイトの迫力は、やたらCGで誤魔化しちゃう最近の映画では味わえませんなマジで…爆走タンクが何故かペンキ工場を突っ切るシーンとか一軒家をブッ壊す流れも、無駄に馬鹿馬鹿しくて最高に笑えます。
          まさに今、オモシロ大統領トランプ氏が率いるアメリカを鼻で嗤い飛ばしましょう。笑

          ただ、惜しむらくは編集の甘さがなぁ…2時間半近くも要らないんだよね、特に冗長な前半1時間は捨てて90分にまとめた方が話のテンポも好かった筈ですし。
          大体そんなにディズニー・アニメの「ダンボ」を映さなくてもさ、っていうか史実か何か元ネタあるのか?
          ジョン・ベルーシはイカれた空軍パイロット、ケルソー大尉を熱演…途中アホになる戦車隊の軍曹をダン・エイクロイド、愛国的バカ亭主ウォード役をネッド・ビーティが演じています。
          その他ミッキー・ロークは大尉の部下リース役で銀幕デビュー、ミゼラニー役でジョン・ランディス…また水夫イトー役ヒロシ・シミズは「殺人遊戯」の組長役だったそうですが、脇役は多すぎて誰が誰やらまったく分かりませんでした。笑
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            | cinema | 2018.02.01 Thursday | comments(0) | trackbacks(0) |
            最近みたDVD
            「夢みるように眠りたい」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

            オーディオ・コメンタリー「林海象×佐野史郎 対談解説」で再視聴です、しかし開始後1分以上も経ってから喋り始めるなよ…本編が無声映画だから放送事故とは思わなかったけど、ビックリするじゃないか。笑
            あれから15年、という思い出語りのせいか喋りの間が悪いな…って仕方ないですよね、まぁ音声解説が上手いって滅多にないけど。
            それにしても“協力・大林宣彦”に関する発言が一切ないとは、公開当時は「あの大林監督が!」的な売り文句に使ってたけど結局どう関わってたのやら?笑
            最初は佐野の役を忌野清志郎に打診したものの、本人まで伝わらなかったそう。

            あがた森魚の手伝いをしていた林が遠藤賢司のコンサートを観に行き、前座でギター弾いてた佐野と嶋田久作を発見…この2人の他に飴屋法水もカメラテストにいたそうで、もしかしたらMパテー商会の顔触れが違っていたのかもしれないと思うと興味深い話です。
            佐野はというと、ずっと“あがたさんの映画だな”と思っていたのだとか。笑
            劇中劇の隈取りメイクは自分で、しかも筆ペンで描いたらしい…因みに彼の演じた探偵・魚塚甚の由来がウォッカ&ジンって、気付かなかったのが妙に悔しい!
            まぁ酒どころか茹で玉子ばかりだもんな、あれもハードボイルドに掛けてたの?

            とはいえ、ハードボイルドより江戸川乱歩の推理探偵物を意識したようで…玉子も貧乏探偵というだけじゃなく画面のシュールさとハンプティ・ダンプティの暗喩が、って後付けだろ!笑
            画的なシュールさでは仁丹塔内部の階段ですな、まさか実物だったとは…今じゃ資料映像として貴重ですよ、浅草界隈の他にはMパテー追跡シーンを撮った青山の同潤会アパートなど正に不動産バブルの魔手からギリギリ間に合った感が。
            現存する千駄ヶ谷ガード下も、面影はないよね…チラッと映るカルピス看板への言及で、本作の直後ぐらいに起きた「ちびくろサンボ問題」を思い出しました。

            こうして観直していて分かったのですが、つまり僕が“70年代クヨクヨ邦画”に求めていた要素って本作に詰まっているんです…ズバリ東京の古い街並み、写真に映らない気配ね。
            Mパテー商会の紙芝居や露天の手品興行シーンが浅草寺裏なのは即座に気が付きましたけど、見物客が実際の参詣客とはね…なるほど道理で(イイ面)してるとは思ったけど、大泉滉に客寄せさせてたのも凄いな!笑
            櫛屋のシーンは「襖の向こうで民家の住人が夕飯食べてる間に玄関を借りて撮った」とはビックリですが、月島邸が「新国立劇場になった試験所」って…建て替え前、調査発掘したよ僕!

            ヴェネチア映画祭では大絶賛されVIP待遇を受けて(映画ってこういうものか)と勘違いしちゃったなどの話からは、国内での過小評価ぶりが伺えます…ニューヨーク映画祭で仲良くなったデヴィッド・バーンと浅草でおでん食ったとか、ブラジル映画祭で知り合ったブレイク前のジョナサン・デミ監督と旅行したとか。
            また劇中の女優禁止条令は架空の設定ながら、ヴェネチアのご婦人方は「イタリアには昔あった」と泣かれたり「子供の頃に観た映画みたいだ」など共感しきりだったそう…アメリカで依頼を受けた、設定を赤狩りの時代に置き換えた脚本が映画化される日が楽しみ!

            そういえば林監督、ズブの素人とはいえ高校時代に8ミリで撮ってはいたのね…19歳で上京して数年は寺山修司の天井桟敷に身を置いていたというから、全く無縁でもなかったのかな?
            しかし映画業界のツテは知人の知人だった長田カメラマンのみ、製作予算の500万をかき集めて少年時代からの夢に賭けたラストチャンスが本作だったとか。
            撮り方は“黒澤明の「のら犬」ってのを5回ぐらい観て、それで大体わかった”と言い、撮影期間は16日で1日99カット撮る日も…普通80分の映画なら5〜6倍のフィルムが要るのに、1.5倍で足らしてしまったとは崖っ縁の心意気?

            三宿の自宅、四畳半でのタイトル撮りでは外からカメラを回したそうで…撮影フィルムも35mmでなく16mmだったので、編集時に肉眼で繋げず顕微鏡のレンズを目にはめてハサミで粗繋ぎ!
            編集したら撮った分ちょうどで“1カットも捨ててない”という徹底ぶりは、フィルムを大事に回す往時の空気を意図せず再現したのかも…ともあれ字幕の“約束どうり”は、やはり単なる誤字に過ぎなかった?笑
            DVD「特典映像」には「林海象直筆企画書」と和田誠っぽいパンフレット表紙やチラシなどのスチル画像「宣伝素材」を収録…他に劇伴部の頭出し「オリジナルサウンドチャプター」や「オリジナル予告篇」も。

            主な出演者は以下のとおり。
            佳村萠(月島桔梗)
            吉田義夫(依頼主の代理人)
            大泉滉&あがた森魚(Mパテー商会の手妻師、宇宙独楽売り)
            遠藤賢司(駄菓子屋)
            梅津和時(軽業師)


            追記:本作に関する記事で面白かったサイトとブログを、個人的メモ代わりにリンク。
            佐野史郎HP「橘井堂」/映画人としての佐野史郎/映画主演デビュー『夢みるように眠りたい』1998/2/6
            (若干ネタバレあり)個人ブログ「一夜一話」/邦画評だけ見る 直近50作/映画「夢みるように眠りたい」監督:林海象2014-09-18
            (ネタバレあり)某企業スタッフのブログ「staff blog」/ABOUT THE FILM/映画「夢みるように眠りたい」2014年9月3日

            以下、「staff blog」さんの当該記事より林海象監督の発言を引用させていただきます。
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              | cinema | 2018.01.23 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0) |
              最近みたDVD
              「デュース・ビガロウ、激安ジゴロ!?」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)


              原題は「DEUCE BIGALOW: Male Gigolo」、アダム・サンドラー主演作で常連と化しているロブ・シュナイダーの主演作です…ただし製作会社のハッピー・マディソンはアダムの持ち会社ですから、本作でも彼がエグゼクティブ・プロデューサーに就いておりましたよ。
              しかし、いきなりマッパで登場とは流石ロブ…水槽掃除人とは「がんばれ!ベアーズ」のプール掃除人のような、ショボいオッサンを象徴する職業なのかな?笑
              ひょんな事から売れっ子ジゴロに留守中の熱帯魚ケアを頼まれるも、最高級の水槽を壊しちゃって…手っ取り早くジゴロで稼ごう、と良からぬ色気を出すロブ。

              アダム主演作に出てくる時は、ロバート秋山が芸風パクったみたいなクセのある別人になりきるのにね…いざ自分が主役となると、何故か素のキャラで勝負しようとするのが残念すぎる!
              まぁ“ドイツ人観光客ちゃん”は久々に大笑いしたし、ジャバ・レディーも傑作だわ!っていうかズルいよアレは…でもジャバを演じたビッグ・ボーイって、確かラッパーじゃなかった?
              ジゴロの元締め“男マダム(Man-pimp)”T.J.ヒックス役のエディ・グリフィンも後半、無理矢理な白人化で笑わせてくれます。
              とはいえ所詮アダム映画なので、品行方正にまとめようとして白々しいオチに。

              結局はマジメ人間なんだよねアダムって、お下劣ネタは時間ギリギリまでやるけど回収地点に入ると一気に(本来はイイ奴)で畳むの。
              まるで腹黒い優等生の常套手段みたく、毎度そんなだとウンザリしてくるな…ウィル・フェレルとかセス・ローゲンとか、別の人と組んだロブが観たい!
              ガールスカウト役のエリー・タナー・シュナイダーってロブの娘かな、あとレストランの老婦人役のピラール・シュナイダーは母親か?…アダム同様、何やかやで身内を出すの好きだね。
              そして州検察官(District Attorney)役でロブ・スカイラー(ROBB SKYLER)なる人物も…って、これは単に名前が紛らわしいだけ?


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                | cinema | 2018.01.21 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
                最近みたDVD
                「夢みるように眠りたい」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

                本作も、先日の「キッドナップ・ブルース」と同じく(もう観る機会はないな)と諦めていたのですが…やっぱりTSUTAYAの宅配レンタルで発見しました、まったく感心しちゃいますよ!
                こんなに便利なら正式登録しようかなぁ〜、でも無料お試し期間中で事足りてしまいそうな気もしますし…ま、もう少し様子見で。笑
                本作は林海象が監督デビュー作にして製作と脚本も兼任し、更に大手映画会社の配給を通さず映画館にかけるという当時としては革新的な作品でした…だから新海誠が一人で製作した長編アニメーション「ほしのこえ」を観た時、僕は本作の林監督を連想したのです。

                全編モノクロで“ニューサイレント”と銘打った、'86年のバブリーな風潮に背を向けた懐古趣味…まぁ実際はカツカツの制作費が生んだ苦肉の策でもあったと思うのですが、その古臭さ自体がストーリーのギミックにもなっているのです。
                まだ舞台俳優だった佐野史郎の初主演作品でもあり、彼が演じる私立探偵と助手は愛娘を誘拐された老女の依頼を引き受けますが…Mパテー商会の謎解きに振り回された上、身代金と報酬を奪われてしまいます。
                やがて大正期に検閲で未完に終わった活動写真が事件の鍵と判明、その「永遠の謎」の核心へと迫ります。

                オート三輪に仁丹塔など、華やかなりし頃の浅草を再現した不思議な映像の懐かしさ…活動写真と呼ばれた時代の映画は最先端の娯楽であり、日本有数の繁華街だった浅草の六区は最大の映画街でもあったのです。
                中学生の僕が3本立てを観に通ってた時期は六区もヤバめな空気が残っていて、そんな気配も本作から漂ってくる気が…浅草の仁丹塔も上野の博物館動物園駅も、ギリギリ現役だったし。
                実は本作、リアルタイムで観てるんですよ僕…それにレンタルビデオでも観た事あるんです、誰かにオススメする程ではないし中勘助の「銀の匙」的な激しく甘ったれた気分になるけど。

                誰しも「閉じられなかった輪っか」の記憶はあるでしょう、言えず終いとなった(サヨナラ)や(アリガトウ)の悔恨が…結末を失った物語を映画に例えるなら、やはり最期は報われる夢を見たいものです。
                ところでMパテー商会の由来は“empty”ですな、今頃になって気付きました。


                *以下の動画は、携帯からではご覧いただけません(多分)。

                『夢みるように眠りたい - CMバージョン』
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                  | cinema | 2018.01.20 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |
                  最近みたDVD
                  「2300年未来への旅」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

                  原題「LOGAN'S RUN」、これはトニー先生がフェイバリット・ムービーとして挙げたタイトルでした…その内容が“未来の管理社会から脱走する話”と聞いて(昔12チャンネルの「午後のロードショー」で観た映画かも?)と思いつつ、つい「えっ、レーガンズ・ロン?」などと茶化してしまい詳しく聞くタイミングを逸してしまったのですね。
                  因みに僕の返しは(かつてロン=ヤス外交で知られたレーガン大統領)と(70年代半ばのアメリカ映画)を引っ掛けた、我ながら当意即妙でエスプリも効いたジョークと思ったものの…トニー先生に黙殺され、微妙な思い出となりました。笑

                  しかしまぁそんな題名なんて聞いた事がなく(相当マイナーなんだろう)と思ってたら、なんと日本でもDVD化されてたとはね…とはいえ近所のレンタル店には置いてある筈もなく、Amazonに出品されてる中古盤もお高いというパターン。
                  そういった感じの(ちょっと観てはみたいけれども、こりゃあ一生観る機会ないかな)と思ってる映画って結構あって、先日の「キッドナップ・ブルース」もそうした映画の一つでした。
                  本作もまたTSUTAYAの宅配レンタルで、前述のDVDと併せて2枚単位で郵送されてきました…要は他のチェーン店から取り寄せる訳ですが、登録は別途必要。

                  さて本作、'76年のMGM映画だそうで…しかし未来のイメージって文化的志向性に縛られるのね、それに本作のストーリー展開って同時期の「未来惑星ザルドス」と対照的な気もする。
                  ただ「未来惑星〜」は「オズの魔法使い」を下敷きにしてるのに対し、本作は神話の失楽園から王の帰還という類型そのものですな。
                  舞台は23世紀、かつてワシントンと呼ばれた土地…人類は過去の戦争や環境汚染を経て外界から遮断されたドーム都市で快適に暮らしています、ただし市民は“火の儀式を受け30才で生まれ変わる”決まりです。
                  無論それは人口抑制策に過ぎず、出生も人口受精。

                  主人公ローガンは逃亡者を粛清する特権階級に属しており、本部で「隠れ逃亡者に紛れて彼らの聖域を破壊せよ」との密命を受けます…疑われないよう生命クロックに減衰処理を施された彼は、死への恐怖を抱えつつ接触したジェシカと外界の捜査に向かうのですが。
                  彼らしからぬ行動を訝しんだ同僚フランシスの尾行から、思いがけない展開に。
                  約2時間の前半はドーム内でダラダラ進行、昔の映画だからテンポの弛さはやむを得ないにしても…ポルノショップとか冷凍ロボとか意味ないパート多すぎ、原作由来かもしんないけど見せ場となる後半の外界に尺を回すべきだったのでは?

                  そして無駄に馬鹿っぽいチョイ役で、なんとファラ・フォーセット・メジャースが!…だけど気付いた時には死体Aでした、何故こんな役を受けたか不思議(←ブレイク前だったみたいね)。笑
                  外界の光景も今となってはアイデアとしてパクられまくりなのに、それでも未だ衝撃的に見えるのだから大したものですな…(いったん全裸になったのにパンツ履いてるジェシカ)とか、突っ込み所は多々あれど。
                  で、結局ローガンが試練の旅で発見したのは“DO NOT "Don't trust over 30" !”ってコトですかね?笑
                  ただ彼らを支配していたAIが、尋問で外界の真実を知って勝手に壊れちゃうとか支配体制が色々と謎。

                  監督のマイケル・アンダーソンは過去にオーウェル原作の'56年版「1984年」を監督していたそうで、他には「八十日間世界一周」も監督してたそう…音楽を担当したのは「エイリアン」以前のジェリー・ゴールドスミス、彼って「ランボー」'90年版「トータル・リコール」の音楽も担当してたのねぇ?
                  ストーリーの骨格とT.S.エリオットの詩を引用している点で「地獄の黙示録」を連想しましたが、エリオットの引用という点では「未来惑星〜」もでしたね。
                  因みに「未来惑星〜」の時代設定が2247年で本作は2293年、まるで文化形態の異なるドーム都市で起きた出来事のようにも思えます。
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                    | cinema | 2018.01.10 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                    最近みたDVD
                    「キッドナップ・ブルース」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

                    英語のタイトルは「KIDNAPING BLUES」、敢えて“KIDNAPPING”ではないらしいけど理由は分かりません。
                    写真家として知られる浅井愼平の初監督作品で主演はタモリ一義、そして音楽は山下洋輔…'82年の公開前、僕は目黒雅敘園で山下の「観月会」なるライブを観に行き受付でもらったチラシ(フライヤー)から本作を知りました。
                    筒井康隆からの繋がりで知った山下に、山下らに見出だされたタモリ…まさかそこに浅井が絡むとは、こりゃ見逃す手はない!と思いながら(映画なら当然CMも紙面広告も打つものだ)と油断していたせいで公開終了してから気が付いて。

                    浅井による本作のフォトブックを繰り返し眺めながら、中綴じの隔週雑誌「ぴあ」で名画座情報をチェックしていた中学時代…よもや本作を観る機会がこれほど遅くなるとは、またDVDなる記録媒体を宅配レンタルで視聴する日が来るとは思いもしませんでしたよ。
                    そもそも名画座という文化自体が、レコード盤と共に消滅してしまうとはね…レンタルビデオの頃から本作を置いてる店はなく、Amazonで検索してみたら足下を見るような高値だしで観る事を諦めかけていました。
                    しかしTSUTAYAの宅配レンタルを知り、そのサイトで検索かけたら発見!…先ずはお試し登録で、本作を。

                    希望したタイトルが2作単位で郵送されて来るのですが、封筒に“【遅配厳禁!】必ず即日配達”とあってビックリ…まぁそんな事はさておき、本作の話です。
                    タモリ演ずるはジャズメン崩れのパチプロ、鍵っ子の舞ちゃんは水商売のシングルマザーから若干ネグレクト気味…彼女の「海が見たい」という呟きから始まる自転車ロードムービーは、アメリカン・ニューシネマ的なペーソスとエロスを湛えつつも非常に日本的な映像叙事詩といった趣きが。
                    ATG(アート・シアター・ギルド)作品ですし、説明抜きで淡々と話は進みます…なので多分、かなり観る人を選ぶ映画でしょう。

                    まぁ僕はフォトブックで散々イメトレ済みですからね、ただ舞ちゃんはスチルで見てた雰囲気と違いましたが…それに当時の有名俳優たちが端役でバンバン出てきては流れ者に絡む土着的な芝居をしていく、その半ばアドリブ入ってそうな対話劇の積み重ねによって生み出されるリアリティには浅井監督が活字にしなかった本質的な要素があったのだと気付かされましたよ。
                    単に映像美で綴った中年と幼女のロードムービーかと思っていたら、まるで現代の寓話じゃないですか…都会の孤独ではなく田舎の孤独、地方で知り合う人の独特なアクの強さなんて未だにこんな感じだもんね?笑

                    そして父のいない少女と家庭のない中年の親子ごっこに、今日でも通用する日本社会への批評を感じました…放置された未就学児童とかSNSだか出会い系だかを罰則や監視で対処するといった昨今と、昔から世間が目を背け続けてきた歪(いびつ)さとの同質性に。
                    この奇妙な二人旅が「中年の誘拐犯と被害者の少女」というフォーマットに落とし込まれ、摩り替えられるとしても…男は忍び寄る破滅の足音を聞きながら、少女から必要とされる一時の安息に永遠を見出だして。
                    雪原のクライマックスでも山下の音楽は軽快な南国調で、無表情だった少女の笑顔は虚無の灯に照らされ。

                    しかし孤独は二人に関わってくるすべての大人達が抱えていて、むしろ幸福そうな二人に救済を求めすがっていたようにさえ映ります…誰かに必要とされたい、己を受け入れて欲しいと。
                    本作の哀しみとは、喪失なのでしょう…社会全体から喪われてしまった何か大きな繋がりのようなもの、この寂しさを解消し得ない世界の非情で余裕のない現実を生きる悲劇なのかも。
                    ところで玉川警察の捜索願が出た時点で既に1か月も経っていたとはね、晩夏の湿度から冬の乾いた冷たさまでを映し取った浅井監督は自ら撮影と照明を兼任しただけでなく脚本も担当。
                    転換点の猪苗代駅は、特に空気感が強烈だったなぁ!

                    あと、イメージしていたより焚き火の場面が多かったのは監督の趣味ですよね?
                    って、趣味と言ってしまえば本作は全部が趣味趣向まるだしなんでしょうけど…ラスト2分間の真っ白なスクリーンは最高でした、あれは写真家らしい発想と表現だなという気がします。
                    それから冒頭の居酒屋でチラッと映る淀川長治の笑顔、愛車ハーレーが草まみれになった事をフォトブックで愚痴ってた所ジョージの若さも好いですね…都落ちタレント役の内藤陳や百姓の息子と卑下する川谷拓三の演技力、女教師役の竹下恵子が放つ色香も見所。
                    これはレンタルじゃなく、所有したくなりましたよ。

                    ちなみに、劇中で大和舞ちゃんの誕生日は昭和50年9月3日とありましたが…今どのようにされてるのでしょうか、あの年頃の自然な愛想なさは最近の子役じゃ却って真似出来ません。笑
                    以下、主な出演者。
                    居酒屋の客・淀川長治
                    ピアノ弾き・山下洋輔
                    序盤の仲居・藤田弓子
                    舞の母(声のみ)・桃井かおり
                    農家の男・川谷拓三
                    教師・竹下恵子
                    元スター・内藤陳
                    タクシー運転手・佐藤B作
                    宴会場の客・室田日出男
                    中盤の仲居・宮本信子
                    写真家・沢渡朔
                    胸にWの字・伊丹十三
                    屋台の主人・渡辺文雄
                    バイクの青年・所ジョージ
                    床屋・米山功
                    バーの客・妹尾河童
                    バーのチーママ・高見恭子
                    バーの客・森健一
                    バーの客・根津甚八
                    バーのママ・吉行和子
                    質屋の主人・小松方正
                    キッドナップ・ブルース1(←左クリックで拡大表示されます)
                    キッドナップ・ブルース2(←左クリックで拡大表示されます)
                    キッドナップ ブルース4(←左クリックで拡大表示されます)
                    キッドナップ ブルース5(←左クリックで拡大表示されます)


                    追記:以下の動画は、携帯からではご覧いただけません(多分)。

                    『タモリ 狂い咲きフライデイナイト』(桑田佳祐の作詞作曲でタモリが歌うエンディング・テーマ、音質イマイチです;Sound Only)
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                      | cinema | 2018.01.01 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |




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