最近みたDVD
「風を見た少年 The Boy Who Saw The Wind」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)
C・W・ニコルの原作をアニメ化した劇場作品だそうで、文科省が推薦してそうなタイトルですが…まぁ実際、内容的にもそんな感じの1時間37分。
筋立ては非常にベーシックで新味はありませんが、幼い子供にとっては逆に新鮮かもしれません…それに大人が観ても市街やガジェットの造形は心惹かれますし、90年代以前のアニメを観てるような安心感は気が楽ですね。
車や飛行船など戦前の欧州っぽい架空メカは「王立宇宙軍」や先日の「銀河鉄道の夜」に通じる魅力があり、エンディングに流れる「神様と仲なおり」は'00年に10年古いTR-808サウンドの懐かしさ×土橋のレベッカ節アップデート感が好い按配。
但し悪役ブラニックCVの内藤剛志は賛否が割れそうな滑舌ですし、個人的にはキャラデザ全般が苦手でした…別に美男美女である必要はなくても、この丸鼻頬線タッチは微妙。
大筋は風の民の末裔アモンの特殊能力を狙う独裁者との攻防なんですが、帝国の兵器開発に携わった父親の存在が「俗悪な現代人に滅ぼされた善良な民の血統」という設定に抵触してるのがモヤッとしました…父親が末裔ではなかったのなら、実は風の民の血を引いている女性と結婚したのも研究に利用するためだったのでは?とか。
総監督を務めた大森一樹は本作が初アニメだったのかな、というか実質的にはアニメーション監督の篠原俊哉が仕切って名義貸しだった訳ではないですよね?
映像特典の原作者インタビューが本編に関係ない僅か約1分の短いコメントで、別件からの切り抜き臭いのが気になりました…'00年のアフレコ時に収録した声優インタビューも、ルチアCVの戸田恵子やモニカCVの夏木マリが何か奥歯に挟まってるようで。
製作会社も初アニメみたいだし、もしかしたら舞台裏は不手際の連続だったんじゃ…などと勝手に邪推してしまいましたよ、内藤は「先に画面が出来てたので声を当てるのが難しかった」と言ってましたがメイキングには未完成パートのアテレコも映ってたし。
アモンCVの安達祐実って意外と美人なのね、地声はベチャベチャしてたけど…そこまで美人じゃないにせよ、マリアCVの前田亜季は素顔っぽいのと初々しさが可愛かった!笑
そういえば原作でも鷲と蛇を善悪の象徴としてたんですかね、金蛇隊のモチーフは明らかにナチスドイツですがナチスのシンボルって鷲じゃん…もしかしたらアモンを導いた金鷲こそが、なんて深読みをするような話とも思えないんですけど。
軍事侵攻とレジスタンスの描写は第二次大戦の欧州戦線をイメージさせますが、むしろ鷲と蛇の対立にはヨーロッパの長い歴史が暗示されているようで…キリスト教が悪の象徴とした蛇はローマ・カトリック以前の時代に叡智の象徴でもあり、土着の信仰から改宗させるため古き神々を悪魔と決め付けた権力者の旗印が双頭の鷲だった的なね。
蛇が錬金術を意味し、オカルトの語源が「光へ導かれるもの」である事も関係あるかな?
映像特典は5分の「ミュージッククリップ『神様と仲なおり』REBECCA」、「予告編 集」は1分の「劇場版予告編」1分半弱の「未公開パイロット版予告映像」15秒「TVスポット」の3本立て…「メッセージ&インタビュー」も3本立てで、約1分の「C.W.ニコル(原作)インタビュー」に約3分の「監督インタビュー」と5分半の「声優インタビュー」。
4分半の「メイキング映像」は「アフレコ風景」が1分半、「アニメーション制作風景」が約1分…最後は約2分の「オーケストラ収録風景」で、プラハ芸術の家/ドヴォルザーク・ホールのチェコフィルハーモニー室内管弦楽団による合奏シーン…「キャラクター紹介」は画像&テキスト、紹介キャラは以下のとおり。
アモン(CV・安達祐実)
マリア(CV・前田亜季)
ブラニック(CV・内藤剛志)
ルチア(CV・戸田恵子)
モニカ(CV・夏木マリ)
フリッツ博士(CV・あおい輝彦)
マーゴ(CV・原日出子)
タバル(CV・原田大二郎)
レーニック(CV・つのだ☆ひろ)
サリシュミ(CV・有川博)
ウルス(CV・山谷初男)
金鷲(CV・石田太郎)
ミリュー(CV・?)
ピーナ(CV・?)
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筋立ては非常にベーシックで新味はありませんが、幼い子供にとっては逆に新鮮かもしれません…それに大人が観ても市街やガジェットの造形は心惹かれますし、90年代以前のアニメを観てるような安心感は気が楽ですね。
車や飛行船など戦前の欧州っぽい架空メカは「王立宇宙軍」や先日の「銀河鉄道の夜」に通じる魅力があり、エンディングに流れる「神様と仲なおり」は'00年に10年古いTR-808サウンドの懐かしさ×土橋のレベッカ節アップデート感が好い按配。
但し悪役ブラニックCVの内藤剛志は賛否が割れそうな滑舌ですし、個人的にはキャラデザ全般が苦手でした…別に美男美女である必要はなくても、この丸鼻頬線タッチは微妙。
大筋は風の民の末裔アモンの特殊能力を狙う独裁者との攻防なんですが、帝国の兵器開発に携わった父親の存在が「俗悪な現代人に滅ぼされた善良な民の血統」という設定に抵触してるのがモヤッとしました…父親が末裔ではなかったのなら、実は風の民の血を引いている女性と結婚したのも研究に利用するためだったのでは?とか。
総監督を務めた大森一樹は本作が初アニメだったのかな、というか実質的にはアニメーション監督の篠原俊哉が仕切って名義貸しだった訳ではないですよね?
映像特典の原作者インタビューが本編に関係ない僅か約1分の短いコメントで、別件からの切り抜き臭いのが気になりました…'00年のアフレコ時に収録した声優インタビューも、ルチアCVの戸田恵子やモニカCVの夏木マリが何か奥歯に挟まってるようで。
製作会社も初アニメみたいだし、もしかしたら舞台裏は不手際の連続だったんじゃ…などと勝手に邪推してしまいましたよ、内藤は「先に画面が出来てたので声を当てるのが難しかった」と言ってましたがメイキングには未完成パートのアテレコも映ってたし。
アモンCVの安達祐実って意外と美人なのね、地声はベチャベチャしてたけど…そこまで美人じゃないにせよ、マリアCVの前田亜季は素顔っぽいのと初々しさが可愛かった!笑
そういえば原作でも鷲と蛇を善悪の象徴としてたんですかね、金蛇隊のモチーフは明らかにナチスドイツですがナチスのシンボルって鷲じゃん…もしかしたらアモンを導いた金鷲こそが、なんて深読みをするような話とも思えないんですけど。
軍事侵攻とレジスタンスの描写は第二次大戦の欧州戦線をイメージさせますが、むしろ鷲と蛇の対立にはヨーロッパの長い歴史が暗示されているようで…キリスト教が悪の象徴とした蛇はローマ・カトリック以前の時代に叡智の象徴でもあり、土着の信仰から改宗させるため古き神々を悪魔と決め付けた権力者の旗印が双頭の鷲だった的なね。
蛇が錬金術を意味し、オカルトの語源が「光へ導かれるもの」である事も関係あるかな?
映像特典は5分の「ミュージッククリップ『神様と仲なおり』REBECCA」、「予告編 集」は1分の「劇場版予告編」1分半弱の「未公開パイロット版予告映像」15秒「TVスポット」の3本立て…「メッセージ&インタビュー」も3本立てで、約1分の「C.W.ニコル(原作)インタビュー」に約3分の「監督インタビュー」と5分半の「声優インタビュー」。
4分半の「メイキング映像」は「アフレコ風景」が1分半、「アニメーション制作風景」が約1分…最後は約2分の「オーケストラ収録風景」で、プラハ芸術の家/ドヴォルザーク・ホールのチェコフィルハーモニー室内管弦楽団による合奏シーン…「キャラクター紹介」は画像&テキスト、紹介キャラは以下のとおり。
アモン(CV・安達祐実)
マリア(CV・前田亜季)
ブラニック(CV・内藤剛志)
ルチア(CV・戸田恵子)
モニカ(CV・夏木マリ)
フリッツ博士(CV・あおい輝彦)
マーゴ(CV・原日出子)
タバル(CV・原田大二郎)
レーニック(CV・つのだ☆ひろ)
サリシュミ(CV・有川博)
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| animation | 2023.10.20 Friday | comments(0) | - |