夢みるように眠りたい [DVD]
夢みるように眠りたい [DVD] (JUGEMレビュー »)

2018年の上半期は映像作品に恵まれました、といっても僕の好みなので万人向けとは言い難いのですが。笑
本作も(もう観る機会ないな)と諦めてましたよ、TSUTAYAの宅配レンタルには大助かりです。
心の「閉じられなかった輪っか」の記憶や言えず終いとなった(サヨナラ)と(アリガトウ)の悔恨が救われる気持ちになります、中勘助の「銀の匙」並みに甘々ですが。
映画界の新海誠こと林海象、'86年の監督デビュー作にして製作と脚本も兼任でインディーズ上映した低予算モノクロの“ニューサイレント”。
初主演の佐野史郎と監督の対談解説コメンタリーも、本気で映画好きなら是非。
紹介記事【2018.01.20】
プロハンター DVD Collection
プロハンター DVD Collection (JUGEMレビュー »)

黄金時代の藤竜也&草刈正雄+柴田恭兵という'81年のTVドラマシリーズ、横浜を舞台に繰り広げられるディテクティブ・アクション!
宍戸錠&小林稔侍の刑事コンビと、榎木兵衛と庄司三郎の情報屋兄弟も可笑しいです。
サバンナRX−7は4話から登場、3話までのアメ車も好いなぁ。
怒りで福岡訛りが激化する竜崎には大笑い、でも最終話は「探偵物語」ばりに寂しいんだよなー?
紹介記事(VOL.1)【2018.04.26】
Night to Remember: Uptown Soul Classics
Night to Remember: Uptown Soul Classics (JUGEMレビュー »)
Shalamar
シャラマーを知らなくても楽しめる、煌めく70年代ディスコ・ミュージック。
シャラマーを知ってるアナタも納得の選曲、数多ある彼らのベスト盤でもベストかつリーズナブル。
買ってよし、聴いてよしの一枚です。
紹介記事【2018.05.27】
オーバーマン キングゲイナー 5.1ch DVD-BOX (期間限定生産)
オーバーマン キングゲイナー 5.1ch DVD-BOX (期間限定生産) (JUGEMレビュー »)

DVDは全9巻のTVアニメシリーズ。
皆殺しのトミノと呼ばれた富野カントク心機一転、シベリアからヤーパンへのエクソダス×シベ鉄の攻防を描く摩訶不思議なロボットアニメです。
遥か未来を舞台にしつつも寓話的で、ほのぼのギャクを盛り込みながらも会話の上手さは流石だわ……いわば新世紀「ザブングル」、ただし最後がチト残念。
紹介記事(Vol.9)【2018.03.03】
キッドナップ・ブルース 【初DVD化】
キッドナップ・ブルース 【初DVD化】 (JUGEMレビュー »)

今ではレンタル店でも置いてないしamazonでも希少高値で、一生観る機会はないかと思ってましたよツタヤディスカスありがとう!
ナウい写真家だった頃の浅井愼平が初監督、主演はタモリ一義で音楽は山下洋輔……これでピンときたらご覧あれ。
ジャズメン崩れのパチプロが、鍵っこ舞とチャリブラするうちロードムービーに。
監督は脚本だけでなく、自ら撮影と照明も担当して晩夏の湿度から冬の乾いた冷たさまでを映し取ってます。
育児放棄とか偏向報道とか地方の人の温もりと疎外感、破滅への足音とラスト2分間の白さが沁みます。
対外的には「詰まらないから観ないで」と言っておきたい、昭和ノスタルジーを先取したカルト的な1本です。
紹介記事【2018.01.01】
GANTZ:O DVD 通常版
GANTZ:O DVD 通常版 (JUGEMレビュー »)

リアルな深夜の大阪道頓堀と、精度の高いモーション・キャプチャー&リップ・シンクロのキャラに(CGアニメもここまで来たか!)と驚かされます。
実写で演ったら嘘くさくなる非日常の緊迫感と恐怖に引き込まれ、津嘉山正種池田秀一らの意外なCVキャスティングにもビックリ。
杏にはマジ堪えます、二次元なのに!笑
紹介記事【2018.04.19】
フラクタル [レンタル落ち] 全4巻セット [マーケットプレイスDVDセット商品]
フラクタル [レンタル落ち] 全4巻セット [マーケットプレイスDVDセット商品] (JUGEMレビュー »)

TVシリーズのアニメで、DVDは全4巻。
「コナン」の残され島みたいな景色に「ナウシカ」っぽい飛行機と、牧歌的な光景と裏腹なハイテク世界。
ネッサとネッサと“世界の鍵”、ジェンダーとAIとDVと。
やがて悲しき楽園の真実、胸を衝く永遠のかくれんぼ。
紹介記事(1巻)【2018.05.08】
地球へ・・・
地球へ・・・ (JUGEMレビュー »)

近年のリメイクはクソでしたが、絵が古臭くても構成は本作の方が格段にマシです。
時代を先取りした奥深いテーマは原作に及ばずとも、まとめ方は及第点と言えるのではないかと。
ストーリーと共に素晴らしい、有機的な宇宙船の造形も忘れ難いです。
紹介記事【2018.01.24】
What Time Is It?
What Time Is It? (JUGEMレビュー »)
Time
当時は(プリンスの弟分バンド)とか言われていましたが、実質プリンスの別名義状態だったとは・・・大半が5分超のエレ・ファンク6曲入り、日本でパクられまくったモリス&ジェロームジェロームのコミカルなステージ・アクトは「ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲」で観られます。
紹介記事【2018.02.17】
バニシング IN TURBO [DVD]
バニシング IN TURBO [DVD] (JUGEMレビュー »)

原題は「Grand Thieft Auto」、だけど「バニシングIN60」的な「車泥棒」ムービーではありません。
ラスベガスの教会を目指す若い男女vs.父親の配下&マザコン婚約者、「ランナバウト3」のロールスロイスは本作が元ネタだったのね?
カーアクションは'77年なりに頑張ってるけど、見どころはクライマックスの中流生活デモリション位かも…なのに不思議と一味ちがう余韻が残るという点で、低予算映画のお手本かも。
まぁポスター・アートの名匠ジョン・ソリー(John Solie)のインタビューだけでも一見の価値あり、かと。
紹介記事【2018.02.25】
異世界の勇士 (1981年) (徳間文庫)
異世界の勇士 (1981年) (徳間文庫) (JUGEMレビュー »)
高千穂 遙
'79年の異世界召喚ヒロイック・ファンタジーですから、新味がなくても当然。笑
既にフォーマットとしては使い古された感もあるし、本当に異世界で敵を倒すだけの直球展開なのですが。
読みやすい文章でサクサク進むので、色々とベタながら飽きさせません…むしろこのアッサリとした終幕が心地好いな、手垢まみれの物語でも惹き込まれました。
横田順彌による巻末解説も、学生時代の著者や当時のSF事情が伺えて興味深いです。
紹介記事【2018.05.05】
劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇、螺巌篇 [レンタル落ち] 全2巻セット [マーケットプレイスDVDセット商品]
劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇、螺巌篇 [レンタル落ち] 全2巻セット [マーケットプレイスDVDセット商品] (JUGEMレビュー »)

「紅蓮篇」と「螺厳篇」でTVシリーズを再編集したダイジェスト。
まるで「ザブングル」な、今じゃ珍しい荒唐無稽なロボットアニメ・・・しかし発掘オーバーテクノロジーって「イデオン」かい、しかも「螺厳篇」では馬鹿ガイナックス発動の無限インフレ化に大笑い。
それでいて滅法アツい男泣きアニメというね、中川翔子の力量にも刮目ッ!
「紅蓮篇」紹介記事【2018.06.26】
「螺厳篇」紹介記事【2018.06.27】
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス [レンタル落ち]
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス [レンタル落ち] (JUGEMレビュー »)

マーベル・スタジオ製作の、B級テイストを狙ったアメコミSF映画。
しかし「Mr. blue sky」で掴まれました、80年代だけでなく6〜70年代の通好みな選曲も二度観して納得。
オッサンの方が笑えるネタ満載です、というかエゴの正体って複製人間マモーだけど何故?笑
肌色が青や緑だと人種という意識が馬鹿げてきますね、ただしストーリーはギャグとネタから逆算したような印象も。笑
紹介記事【2018.04.24】
2300年未来への旅 [DVD]
2300年未来への旅 [DVD] (JUGEMレビュー »)

もしも「未来惑星ザルドス」が好きならば観る価値ありそうな、「スターウォーズ」前夜の70年代SF映画です。
まぁ「ザルドス」程の哲学性も見どころもありませんね、後出しなのに。笑
「80日間世界一周」の監督と、ジェリー・ゴールドスミスの音楽でコレは残念だけど……突っ込み所の多さとか、真実は「Don't trust over 30」の否定とか妙なクセが独特です。
紹介記事【2018.01.10】
不思議な少年 (岩波文庫)
不思議な少年 (岩波文庫) (JUGEMレビュー »)
マーク トウェイン
著者を童話作家と思うなかれ、僕の性格に大きな影響を与えた一冊です。
かつて何度となく読み返しましたが、10年以上ぶりに読んでみたら(なんか違う)感が強くて戸惑いました。
でもそれは、既に僕が本書の少年とシンクロしてるって事なのかも。
とはいえ冒頭の“一五九〇年の冬であった。オーストリアは、まだ世界から遠く離れて、眠りこけていた”という一文には心を掴まれますね。
正統なバージョンであるとされる「不思議な少年 第44号」は駄作なので、本書をご一読される事を強くオススメします。
紹介記事【2018.04.07】

最近読んだマンガ
内田春菊「ベッドの中で死にたいの」(←リンク先は単行本のページです)

初版'05年の文春文庫版で、収録作の初出は'95〜'00年…思ってたより新しいんだな、もっと前から知ってたような気がしたけれど。
作者の他作品を読んだ記憶は曖昧ながら、その時に思った(あんま上手くないな)という印象だけが残っていて…だけど古本屋でパラ見したら(あれ?)と思って、試しに買ってみたのです。
すごく上手いじゃん!?笑
イメージでは「サイバラ風四コマ漫画」的な感じだったけど、四コマじゃないしストーリーの組み立てもシッカリしてるし…記憶と全然ちがうので、本当に作者の漫画を読んだ事があったのか疑わしくなりました。
いやはや、お恥ずかしい。

表紙カバーの、裸婦の線とアンニュイな表情…この位は作者のイラスト仕事として描けると知ってはいましたが、中身の漫画本編もこの絵柄で通してるのです。
表情の色っぽさもキャラ毎に違うし脇役キャラも魅力的、ポーズ画集から抜き描きしたようなカタさじゃなくコマの流れも自然だし。
ベッドシーンに至る前の悶々とした表情や仕草、ここがエロい!…そして巻末の、杉浦日向子原作の「放流門人魚(ほるもんにんぎょ)」がまた好いんだよなぁ。
しかし文庫版あとがきで、この連作短編の企画を出してくれた女性編集者絡みで明かされた同業者からの強姦話は洒落になりません。

どちらかというと身持ちのユルい女性を描いているからって、同意もなく乱暴する男性心理というのも漫画チックですが…そいつ性病持ちで子宮外妊娠から卵管破裂まで味わったとは気の毒すぎ、そんな話もコンサバ女子の一部からは(天罰)みたく思われてたりするかもしれない点まで含めて本作は考えさせられました。
とはいえシリアス路線じゃなく、登場人物みんな飄々としてるのが救いです…例えば、急に“めんどくさく”なっちゃう場面とか。笑
コミカルな場面を見てると、手塚漫画の影響かな?とも…しかしエロさと笑いと諦観漂う明るさの案配は、桜沢岡崎より骨太かと。
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    | comic | 2019.05.12 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
    最近読んだマンガ
    安彦良和「クルドの星」1巻

    初版'98年の中公文庫コミック版、作者はアニメ「機動戦士ガンダム」のキャラ画や高千穂遙の一連の小説イラストなどでお馴染みですが現在は漫画家に軸足を移しているようで…知ってはいたけど興味なくてスルーしてきたのですが、最近になって作者が度々モチーフとして戦前の日本を取り上げている事に関心を抱くようになっていたのです。
    でも本作を見付けたのは偶然で、クルド族を描いていたとは知らなかった!…しかも全2巻、税抜き¥200だったので即買いしました。
    おそらくは少数派への判官贔屓なんでしょうけど、ミャンマーのイスラム民族とは事情が異なりますから。

    民族国家クルディスタン独立を反故にされ、未だ周辺国の蹂躙と弾圧を受けながらIS侵攻にも屈しない人々…日本人研究者の父と共に消息不明だった母からの手紙でイスタンブール入りした主人公ジローは、謎の男カシムに連れられてトルコ当局から追われる身に?
    追い詰められたジローを救った鉄火娘のリラと共に、カシム一行は治安軍の追っ手を振り切りクルドの地へ…カシムがジローを母に代わって呼び寄せたのは、フゥラート・クルドの族長ウルマークの指示でした。
    族長の孫であり後継者と聞かされるも、ジローは両親が消息を絶ったというアララトの山を目指します。

    ジローを敵視するナンバー3のルーク、彼を捨ててジローに色仕掛けで迫るウルマ…ジローを名乗る不思議な弟、そしてイラクの古都エルビルで合流した事情通の日本人ジャーナリストら様々な思惑が交錯します。
    時はイラン・イラク戦争の最中、フゥラート族はカルール/クルマンジュ/ルール/グランといったクルド諸族とイラク北部を奪取してクルディスタン独立を画策…決起までのタイムリミットは3か月、なのにナンバー2カシムの部隊がジロー護衛とはいえクルディスタン最北のアララトに行っちゃって問題ないのかね?
    文庫本の小さいコマでも引き込まれます、演出上手!

    表紙の見返しにあったプロフィールによれば「虫プロ」出身だそうで、なるほど70年代の劇画タッチな手塚漫画を思わせる画風かも…って、漫画アシじゃなくアニメーターとして入社したんだから関係ないか。笑
    しかし無駄のない展開と構図の取り方、これは作画監督の経験が活きてますね。
    作者による巻末解説「アジアとヨーロッパの間で」によれば、作者の漫画デビュー作「アリオン」劇場アニメ化に伴う“イメージ・ハント”に赴いたギリシャは“お洒落に過ぎた”そうで…むしろトルコの“土くさい人々”に惹かれた結果、何故か本作のようなクルド視点に結実したのだとか。

    古代グティウム王国の末裔は1920年のセーヴル条約によりクルディスタン独立を承認されるもトルコの国父アタチュルクに条約破棄され、1923年にはトルコイランイラクの領土として分割されてしまいました。
    モスール周辺の油田地帯を牛耳るイラクはクルド弾圧だけでなく毒ガスや劣化ウラン弾まで使用したし、トルコ側でもクルド即ちゲリラ扱い…シリアアルメニアのクルド人も虐げられていると聞きます、それでも世論には上がらないのね?
    トルコを愛するが故に、敢えてクルド人を中心に据えたのか…されど話はアララト山へ、まさかトンデモ方向に行かないですよね?笑


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      | comic | 2019.05.06 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |
      最近読んだマンガ
      山内直実「ざ・ちぇんじ!」第1巻

      氷室冴子の小説をコミカライズしたそうですが、大元は「とりかえばや物語」という古典文学なのだそうで…氷室冴子も古典文学も完全スルーしてきたので知りませんでしたけど、予想外の面白さでビックリです。
      時と舞台は平安の都、権大納言家に美形の双子がおりまして…男勝りな姉は綺羅君を名乗り、弟は逆に柳蒲の質でお告げにより女君として育てられた綺羅姫。
      16を迎え、うっかり元服しちゃった綺羅君は性別を偽ったまま主上の要請で御所の内裏に出仕…男であれば何の問題もない出世街道トントン拍子、綺羅姫も巻き込まれ気味に女東宮付きの女官として後宮入りに。

      別に綺羅姫は女装好きって訳じゃなく、体は弱くても中身は男子なのですね…更に後先考えない綺羅君は内堀固められて結婚しちゃうわ、夜の“いろは”も知らない筈が何故か世継ぎも授かるわと怒濤の展開です。
      まぁ世継ぎが出来た真相は、綺羅君の同僚で名うてのプレイボーイ(死語)が夜這ったからですが…その同僚どころか主上までが、本当は女性であるとは知らぬまま綺羅君への“奇しの恋”に身を焦がしているとは!
      男装女子&女装男子ツインズ×イケメン2匹+幼女の道ならぬ恋!って…いささか盛り過ぎだろコレ、というか原典よりはマイルド仕様って何事だよ平安時代?

      まさにエキゾチック・ジャパン、もちろん今風にアレンジされてもいるのでしょうけど…それにしたって千年前のラブコメ設定とは思えませんよ、むしろLGBTを先取りし過ぎでは?笑
      氷室の小説版も、おそらくは80年代のコバルト文庫ですよね…あの頃の少女漫画でも、これほどムチャクチャな設定のラブコメってなかったんじゃないかな?
      とはいえ初版'99年の白泉社文庫だから、初出も90年代だろうと思い込んでましたが'86年だったとは…巻末解説を書いてる鈴木めぐみなる人物が“TVチャンピオン「少女マンガ通選手権」優勝者”ってのも、90年代っぽいですし。笑

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        | comic | 2019.04.30 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0) |
        最近読んだマンガ
        波津彬子「鏡花夢幻」

        初版'00年の白泉社文庫、副題に「泉鏡花/原作より」とありますように明治から昭和にかけて親しまれた戯作者の“三大戯曲”をコミカライズした作品集です…初出は'93〜95年、更に'95年の単行本化に際して描き下ろされたオマケ漫画「泉 鏡花を訪ねて」と鏡花文学を研究する妹尾真祈なる人物による鏡花の略歴や作品解説+文庫化に描き下ろした「泉 鏡花を訪ねて・その後」と人形師の辻村寿三郎なる人物による解説も収録されております。
        これまで鏡花文学に触れて来なかった僕には有難い仕様ではありますけれど、なんか原作者が作者以上の扱いになってるような気も。

        しかし「雨柳堂」など明治〜大正期の時代考証に秀でた作者にしてみれば、鏡花メインの構成は却って本望なのかも…オマケ漫画によれば作者は“鏡花ゆかりの地”金沢在住らしく、むしろ鏡花尽くしの一冊というのは作者の要望だったり?
        姫路城の天守閣を舞台とした「天守物語」は人ならざる姫君と若い侍の悲恋ながら、まさかのデウスエクスマキナ決着という不思議な一編…「夜叉ヶ池」は鐘ヶ淵伝承に悲恋を絡めた直球展開ながら語り手を部外者に設定したのが効いてます、最後の「海神別荘」は浦島伝説の変異譚といった趣きながら個人的には最も興味深いストーリーでした。

        不漁続きの父親が娘の命と引き換えに大漁を願い、娘は龍神の許へ嫁ぐのですが…自分の幸福ぶりを陸の縁者に見せたいと女心を出して龍神に殺されかけ、死の直前に性根を正して遂に永久の契りを交わすのです。
        自分を差し出して財をなしたばかりか妾まで囲う親であれ、身に余る程の喜びを分かち合いたいのか…或いは一種の復讐心というか見返したくて里帰りを断行したのか、道理が通らぬ女性心理が生々しくもあり。
        そして娘が既に龍神の卷族である境遇を受け容れるラスト、龍神の“女の行く極楽に男はおらんぞ/男の行く極楽に女はいない”という台詞は意味深長です。

        龍神の気高さに比べ、人は美しさを見る目を持たない…100年近く前の物語なのにハッとさせられるのは、それだけ人間に進歩がない事の裏返しなんですなぁ。
        解説によれば鏡花作品には“能楽の体験が生かされている”そうで、本作に描かれた3編ともが死と再生の物語であるのも能の鎮魂思想が色濃く反映されているのね…畏怖すべき人外の示す道理の正しさは、やましき欲得に溺れる人間の写し鏡であるが故に魅力的かつ切ないのかもしれません。
        オマケ漫画の“自分の干支から数えて七番目の干支のものを持つと縁起がいい”とは勉強になりました、戦前の風俗が感じられます。

        それと人形師の“見えないものを見付ける努力みたいなもの、また、努力をせずとも何かを見た折に、ふと心に浮かぶ事を楽しむ”という一文は、鏡花作品の特徴を的確に言い表しているようで印象深かったです。
        思わぬ拾い物をした気分だわ、早くも今年のベストテン候補入り確定しました。


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          | comic | 2019.04.13 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |
          最近読んだマンガ
          峰倉かずや「文庫版 西遊記」

          初版'15年の一迅社ZERO-SUM COMICS、わざわざ表紙カバーにまで「文庫版」と断り入れてるのは単行本と何か違っているのですかね?
          「西遊記RELOAD」は以前どこかで読んだ事があり、その前日譚というかシリーズ第一作なのだろうと読み始めたのですが…こちらの方が後なのか更に前のシリーズがあるのか、主人公たちは“過去を共にした”という間柄として再会します。
          言うまでもなく「西遊記」ベースなので玄奘三蔵/孫悟空/沙悟浄/猪八戒の4人が主人公ですが、一緒なのは天竺国を目指すというだけでキャラ設定も目的も大幅に改変されています。
          三蔵からして破戒僧だし!

          人と妖怪が共存共栄していた桃源郷を襲う異変、それは自我を失った妖怪の凶暴化…かつて天竺に葬られた妖鬼・牛魔王の復活を試みる輩による、化学と妖術を合成する汚呪が妖術に負の波動を及ぼしていると。
          それを突き止めた三仏神は、観世音菩薩の命を受けて三蔵に大役を任じました。
          といっても悟空と八戒は制御装置で自我を保つ妖怪だし悟浄は禁忌とされる半人半妖なのです、三蔵も含めて衆生のためでなく己のために天竺を目指すのですが…牛魔王の息子・紅孩児も色々あって三蔵一行の抹殺に腰を上げ、両者が初顔合わせを果たす第9話までが本巻に収録されています。

          敵も味方も全キャラ垂れ目、80年代な美形キャラ&ギャグの古さは好みが分かれそうですが…画力は高いしコマ割りや構成も達者なので読みやすいです、少なくとも「雷火」よりは今っぽいし引き込まれます。笑
          三蔵が拳銃遣いだったり玉龍が馬じゃなくジープだったりと、考証なんて気にしないノリは個人的に好きだなぁ…それぞれに暗い過去があるというのは今更ですが、まぁ最近の漫画じゃないからそれは仕方ないね。
          ただ八戒の過去シーンが唐突で(悟能?)と思ったけど、そういや八戒は猪悟能だったよね…ってそこは、前作から続けて読んでると分かる的な踏み絵ですか?笑

          気になってWikipedia情報をチェックしたけど、前作なんてないじゃん…始まり方からして続編っぽいのは、過去の出会いエピソードを小出しにしていく伏線のつもりなんでしょうかね?
          どうしても「西遊記」って日テレ開局30→25年記念番組のイメージが強烈なので(八戒=西田敏行)とか(悟浄=岸部シロー)と連想しがちなのは、やはり世代ギャップでしょうな…そもそも悟浄は河童じゃないし、八戒も本作では豚どころか一番まともなイケメンです。
          もしかしたら制御装置を外して豚化するのかもしれませんがね、それと牛魔王や紅孩児が巣食う天竺ってのも思い切った発想ですな。

          あと、三蔵らの暴力を諌める見習い僧に放つ“そんなに「神」に近づきたかったら死んじまえ”という一言は何気に深いな…まぁ如何様にも取れる発言ではありますけども、思わずハッとさせられる一言でした。


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          【最近読んだマンガ】峰倉かずや「stigma」| 2016.04.13
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            | comic | 2019.04.12 Friday | comments(0) | trackbacks(0) |
            最近読んだマンガ
            今市子「百鬼夜行抄」10巻

            また再読でしたねー、パラッと見た位では分からなくて…前に読んでから間が空いたってのもあるけど、話が込み入ってるからなぁ!
            かなり読み進めてから、この巻は既読だったなぁと…具体的には石田三郎の箱庭が寿命っていう話でね、やっぱこうレギュラー・キャラが絡んでこないと分かりにくいんですよ。笑
            基本的には飯嶋律が巻き込まれる怪異が読み切りで描かれるのですが、そういう一話限りのゲスト・キャラは印象が薄いからなー…飽くまで怪異の脇役ですし、やはり律の関係者じゃないと記憶に残らないのかも。
            でも三郎って、その後はどうなっちゃったんだっけ?

            本巻では司の出番ほぼなしで晶(あきら)多め、霊媒師の降霊会にも参加してます…あと多くの話に開が絡んでますね、というか不動産屋の雑用という名目で社会復帰した開が律を巻き込むケースがほとんどかも。笑
            律と母の絹が交通事故に巻き込まれたのって、本当に偶然なのかな…それにしても相変わらず1コマで笑わせてくる作者、文鳥天狗の白黒コンビは大して出てこないけどガマの襖絵とかでキッチリ脱力させますし。
            緊迫したストーリーに点々と笑いを置く緩急の妙、ミスリード誘いまくりの演出に用心してても何かしら騙される凝った構成…見事です、このミステリー展開。


            前巻

            続巻

            〈今市子〉関連記事:
            【最近読んだマンガ】「懐かしい花の思い出」| 2010.05.23
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              | comic | 2019.04.05 Friday | comments(0) | trackbacks(0) |
              最近読んだマンガ
              藤原カムイ×寺島優「雷火 (普及版)」第二十一巻

              とうとう本作も最終巻です、封禅の儀で地龍パワーを得た張政が大霊殿+六角堂を火山の上空に引き寄せたのはパワーの源泉だからでしょうか…そして決戦の場をマグマ煮えたぎる噴火口の真上にしたのも彼の計略だったのです、しかも大霊殿と六角堂に残されたライカの仲間は半ば人質状態。
              壱与との交合で天の龍パワーを宿したライカでしたが、ダメージを与えた分だけ巨大化する張政に苦戦を強いられます…それは天の恵みにより地が肥える道理であり、地の利を得て地龍エネルギーが最大化する張政の思惑に劣勢のライカ。
              攻撃すれば吸収され、もはや勝ち目はないのでは?

              それにしても神懸かった力比べってのは際限なくエスカレートしますな、まぁ描かれた時代を思えば珍しくないし確信的な娯楽活劇なんですが…更にライカが五行の房で見た夢のように、唐突に舞台は大気圏外へ!
              そうです、お互いに神仙術の遣い手なので物理や科学で考えちゃダメです…強大化する相手に繰り広げられる壮大なバトル、勝つために全力を出し尽くしたライカは張政の最終奥義の中で諦めの境地に至りますが。
              そこに壱与のメッセージが、戦意喪失したライカを覚醒させます…“全てを受け入れそして与える/からっぽの筒みてェに”って、まるで墓前の祈りですが?

              いや普通は違うと思うけど、僕は墓参りとか賽銭箱の前とかで手を合わせる時に自分を筒にするのでね…そうするようになった理由は特になかった筈なのに、まさか本作のクライマックスで同じ発想が出るとは!笑
              天の龍パワーを宿すライカを吸収し、神になろうとした張政…欲望の権化となって溜め込んだ力が自滅を招くとは、タイマンバトルの超インフレ化という「少年ジャンプあるある」をテンプレにして老荘思想っぽくひっくり返しましたなぁ。

              張政父子の若き頃、農民蜂起の最中に神仙石を発見した日から義侠心を失い独裁の機会を窺っていたのか…最期の力で世界を道連れにしようと足掻く張政に厳つ霊(いかつち)の怒り炸裂、遂に戦いは終結しました。
              喜びに沸く仲間たち、壱与とライカ抱き合って終劇…じゃないのも脱あるあるですかね、狗奴国と砦の集落に新たな邪馬台国の国造りを呼び掛けて老師なき鬼熊山の昔なじみも合流します。
              キジノヒコを弔い、亡き父ヒメキコソの遺骸は古式に従い鳥葬…金色のカラスが飛び去った東に新たな地を求め旅発つ一行、岩陰の下に転がる金印は蛇に呑み込まれ何処かへ消えました。

              後日譚のように淡々とした幕切れとはいえ、こればかりは「俺たちの冒険はこれからだ!」パターンを踏襲してしまいましたが…史実として文献に残る僅かな記述から膨らませたストーリーとしての自然な落とし処で、違和感はありませんでしたよ。
              今の子が今の感覚で読んだら陳腐に思うかもしれませんけど、僕は王道の冒険活劇として楽しめました。
              やはり藤原カムイは原作付きで、画力に徹した方が好いのかも…とはいえドラクエ漫画は読む気しないし、例えば「チョコパ」みたいなドタバタギャグを盛り込んだコメディ路線で原作ありってのは無理な注文か?


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                | comic | 2019.03.25 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |
                最近読んだマンガ
                藤原カムイ×寺島優「雷火 (普及版)」第二十巻

                前巻で先代女王の木乃伊を依り代に封禅の儀を強行した張政、失敗に終わったものの地龍パワーが目を覚まし…一方、大霊殿の塔に辿り着いたライカ一行は術に操られた生口の集団に苦戦しつつ強硬突入しました。
                ライカを追い詰める蘇生ワタハタ、流れを変えたのは忍狼キバ軍勢!…しばらくムジンを見てないと思ってはいたけど、彼が死体ワタハタを操っていたとはね?
                それも狼の群れには通用せず呆気なく食い千切られ、地龍パワーを吸収中の張政に命じられたイキナメが時間稼ぎに体を張ります…ライカ危機一髪に今度は老師が身を挺し、仲間同士の連帯を横目にイキナメ自爆!

                思えば哀れな生涯でありました、餌をくれた飼い主のために人間暗器として生きた男の胸にはライカへの憧れと希望があったのね…人外のような生命力も飼い主の恩情があればこそ、尽きてしまえば最期は犬死か。
                そして大往生を遂げた老師に伝書を授けられた壱与は、地龍パワーを得た張政にフルボッコのライカを連れて場外へ…ライカが取り返した金印で巫女が呼び出す天の龍パワーは、聖なる和合で彼に宿るって今それを?
                今度は壱与とライカの時間稼ぎに張政を食い止めるキジノヒコ達、荒ぶる地龍パワーで大地を引き裂く張政…六角堂を残し大崩落の邪馬台国、もう何が何やら!

                どうやら六角堂も浮遊石の上に建てられており、直下の巨大浮遊石に建てられた大霊殿と天地の龍パワーを中継するポイントだった様子…広大な陥没口の中心に浮かぶ六角堂に、地下から浮上した大霊殿が合体!笑
                地龍パワーを得た張政は霊力で鉄(まがね)を操り手も足も出ないチーム邪馬台国、オタジとウツキを庇ったキジノヒコも特攻自爆!
                もはや両者バトルのネタが尽きたのか、本巻は身代わりと爆死でトントン拍子という…しかしオタジの左腕とウツキの失明を密かに気兼ねしていたキジノヒコ、無駄死にだったかもしれないけれど男気ある死にっぷりで天の龍召喚に貢献。

                とはいえ上でのバトルを気にせずヤレる精神力ね、ムードもヘッタクレもなく張政に寝首を掻かれるかも気にせず没頭したライカ…この器のデカさは誰にも真似出来ねぇぜ、実際エロさは微塵もない作画もまた藤原カムイならでは!かも。笑
                天龍ならぬ天の龍パワー降臨に気付いた張政、決戦の地を自らに有利な場所へ。
                地龍パワーで火山を噴火させ、その強い磁性に六角堂+大霊殿の乗った浮遊石を引き寄せさせて完結巻へ!


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                  | comic | 2019.03.09 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |
                  最近読んだマンガ
                  藤原カムイ×寺島優「雷火 (普及版)」第十九巻

                  ライカと再会を果たした壱与でしたが、イキナメ+公孫衆ワタハタ&ムジンの執念で再び壱与が拐われた前巻…とはいえ彼らもギリギリ勝負で逃げ切り、イキナメもムジンが回収したワタハタの首と胴体を反魂術で蘇生するだけで精一杯。
                  その頃、地上の邪馬台国では術で封じられた六角堂が発見され…半島から戻った老師も駆け付けて「金印を奪い去った張政が鬼道に通じた女王巫女にしか引き出せない金印の霊力で現人神になる」と警告、ライカに報せるべく老師自ら奈落へ。
                  ワタハタを倒した気でいるキジノヒコらを襲う蘇生ワタハタ、真っ暗闇で目潰し煙幕って使う意味ある?笑

                  一方、イキナメを追い詰めたライカとの壮絶バトルは落盤を誘発…壱与は奪い返したものの崩れた岩に閉じ込められた一同、有毒の炭煙も吹き出し絶体絶命に!
                  部下の奪回失敗に落胆する張政でしたが、恐るべき秘策を閃きます…前女王・卑弥呼の墓所からミイラ化した亡骸を持ち出し、強引に蘇生させて金印の霊力を引き出そうとは不謹慎な。笑
                  しかしまぁ、労い一つない張政の無茶振りに応え続けるイキナメよ…どこまで健気なんだ、過労死上等か?
                  炭煙を逆手に取った粉塵爆発で難を脱したライカ一同、魔宮に到着するや既に張政はイキナメの操るミイラ卑弥呼を従え封禅の儀へ。

                  行く手を阻むは不死身の蘇生ワタハタ&ムジン、いよいよ最後の攻防戦ですな!
                  しかし今更ですけどキャラの顔付きが変わりましたね、作画の藤原も「五房の行の後でライカの顔に成長ぶりを加えた」と書いてましたけど…老師は顔がキツくなるわ壱与は可愛くなくなるわ、全体的にタッチが変化してない?メインのアシスタントが代わったのか?
                  巻末には恒例「雷火設定資料(十八)」の他に「寺島優の邪馬台国につれてって!!(最終回)」と担当編集者の「デラックス版『雷火』編集秘話」も収録…気持ちは分かるが、普及版でデラックス版の話をされても!笑


                  次巻

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                    | comic | 2019.02.28 Thursday | comments(0) | trackbacks(0) |
                    最近読んだマンガ
                    星里もちる「夢かもしんない」5巻

                    夢野すみれのマネージャーだった島田を自宅に連れてきた加瀬、彼にもすみれが見えるんじゃないか?…という前巻ラストからの続き、彼は決して利己主義者ではなかったし今も彼女の死に責任を感じているけど。
                    見えるのは、やっぱり加瀬だけなんですなぁ…大体すみれは死んだ時の気持ちのままなので、毛嫌いするのもやむを得ないのですが。
                    本当は加瀬に嫉妬していたと呟く島田、自分は嫌われたままだと…しかし加瀬に付いて来て島田の昔と変わった姿を見たからか、すみれの気持ちにも変化が。
                    思えば、まだ思いを残してるから幽霊な訳で…加瀬をハッピーにする、とかね。

                    だけど彼女にとってのハッピーは、まだ十代だった当時の感覚で止まってるからなぁ…しかも行動限界で消滅の恐怖から加瀬に「一人にしないで」と言いいながら、それで茨城工場への単身赴任を止めて長距離通勤する加瀬に「ハッピーじゃない」とか言っちゃうし?
                    すみれの変化といえば、加瀬よりも長く眠るようになったのも気掛かりですな。
                    彼女が現世に留まっている力は失われつつあるのかな、せめて彼女の思い残した何かが分かれば…って、そんな焦れったい展開で加瀬が倒れて記憶退行かよ!?
                    すみれの死に後追いを図った少年時代、今度は後の人生すべてを忘れちゃうの?

                    出来すぎな程(いいひと)やってる加瀬も、サーモスタットはあったという事ですな…抱え切れなくなった彼は、すみれを選んだのか。
                    あるいは、すみれが死んだ日から生き直そうとしたのか…抱え切れなくて、すみれの死を受け入れたのか。
                    鎮静剤で眠る加瀬の記憶に「ハッピーにしてあげる」と入り込み、文字どおり夢の瞬間を過ごす2人…でもそこは加瀬の世界で、すみれの世界じゃないのです。
                    本当は「ハッピーに」なりたかったんだよね、すみれちゃん…だのに“ガマンしなくちゃ!”と口走るような大人に戻った加瀬、一気に夢も色褪せるというか。
                    詰まんねー奴だよ、実際!

                    いちいち加瀬がムカつくのは、きっと彼に自分の見たくない一面を見ちゃうからなんでしょうな…ガマンしない筆頭の松本や、ガマンの向きを変えた島田に共感してるのもそういう事?笑
                    「忘れさせてあげる」魔法の後、予想はしてましたが見事に泣かされましたよ。
                    果たされなかった恋は成就し、少年の思い出はメーテルのように去ってゆく…蛇足なようで妻子にもオチを作ったのは作者らしいな、これだけ似たようなシチュエーションで描き続けてても鮮やかな胸キュンに持ち込めるのは極意か何か会得してんのか?笑


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                      | comic | 2019.02.05 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0) |




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