おいでよ どうぶつの森
おいでよ どうぶつの森 (JUGEMレビュー »)

22世紀を目指し、カレンダーの最終日までタイムスリップしたりと相変わらず楽しんでます。
2100年のどうぶつ村は如何に?笑
紹介記事【2019.06.19】
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こちらも「アーサー王宮廷のヤンキー」同様「トウェイン完訳コレクション」の一冊、子供の頃に読んだ童話絵本をイメージしたら大違いです。
古き良きアメリカの牧歌的なジュブナイルに見せ掛けた辛辣な社会批判は、巻末あとがきのナイスフォローを先に読む方が好いかも?
紹介記事【2019.05.22】
Ben Folds & Nick Hornby - Lonely Avenue
Ben Folds & Nick Hornby - Lonely Avenue (JUGEMレビュー »)
Ben Folds & Nick Hornby
「ハイ・フィデリティ」作者×ベン・フォールズ・ファイブ元リーダー(?)のコラボ作。
SOSとはまた異なるバカラック的ドリーミーさ+初期B.ジョエル的な吟遊ピアノ感、ヴィンテージ系シンセ&ストリングスのあしらいも絶妙。
紹介記事【2019.06.27】

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最近読んだ本
菅沼晃「モンゴル仏教紀行」

'04年に出版された、'96年と'01年に研究調査で訪れた現地の様子を記した本。
モンゴル国、および中国の内モンゴル自治区が本書の範疇ではあるが、実際には中国の青海省・新疆ウイグル自治区・甘粛省などの一部やロシア南部のブリアートやトヴァ自治国…それとヨーロッパ唯一の仏教国といわれる、カルムイクもまた「モンゴル仏教文化圏」に含まれるという。

寺廟の建築様式は中国とチベットの折衷という感じもあるが、時代や地域による違いもあり多種多様と言えなくもない…例えばウランバートルも元は“活仏とともに移動できるゲル式の寺院”を中心とした大規模な集団であり、現在の土地に定着して街へと発展しているという独特な都市構造からエキゾチックな景観がもたらされている気がする。
寺廟の周囲に街が形成されるのは珍しくないが、寺廟付近の密度が疎らに見えるせいなのかもしれない。

モンゴルには大乗仏教の救済理論からか活仏が非常に多かったが、弾圧により文献が失われたり転生が否定されたりした時代が長かったため大半の系譜は失われている…本書の巻末にまとめられた活仏の一覧は、25の系譜と僅かではあるが今後の貴重な資料となるに違いない。
第二十三世も続くシレートフレー・ジャサグ・ダーラマの初代、シラブの生年は不詳ながらソナム・ギャムツォがダライ・ラマ三世の称号をおくられた1578年前後だろうと推測できる。

紹介されるすべての寺廟で中国や旧ソ時代の文明破壊に触れられているが、それは社会主義のせいではないと僕は思った・・・おそらく中国では古代から国が変わる度に起きていたろうし、それが未だに行われているに過ぎないのではないか?
もちろん肯定する訳ではないが、ファシズムと同様に民衆の大多数は馬鹿に流されやすいという本質的な人間性と、いかに発展しようと先進国にはなれない中国の変わらなさが感じられる。

ここから先は僕の思い込みと想像力を含む文章、というか個人的メモです…しかし栞だらけになってしまったな、地域毎に書かれた横拡がりの文章から縦軸のモンゴル史を捉えようとしたせいなんだが。笑


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以下、個人的メモ
モンゴル帝国の祖チンギス、その座を継いだ孫のクビライは金国の燕京(現・北京市)を中華経済の掌握センターとなる冬の都とした…夏の都(上都)は現在の河北省に近い正藍旗の外れにあったが、元国の滅亡と共に焼失した。(←この上都が西洋で桃源郷として伝説化され、ザナドゥと呼ばれるようになったのだとか)
そのクビライがチベット仏教を国教規模で導入し、1260年に即位すると高僧パクパを招き最初のモンゴル文字を作らせた。
パクパはサキャ派の僧侶であったので、宮廷ではサキャ派が主流となったものの民衆には広まらなかった。

本来モンゴル語とチベット語は系統が異なり、モンゴル語訳経典や日常語に見られるサンスクリットの由来はソグドウイグルの西方ルートを経由していると考えられている。
チベット仏教以前のモンゴルには天(テングリ)を祀る民族的信仰が存在し、また内モンゴルには遼代に建立された仏塔もある…金代の石碑もあるというから元の成立以前から仏教は盛んだったのか、契丹・女真・チベット・パクパによるモンゴル文字の題記など多国語表記は当地の寺廟に多く見られるようだ。
ちなみにチベットから伝来したのは上座部(大乗)仏教で、自身ではなく衆生救済が目的である…ところがモンゴルから離れるがカイラス山で巡礼者に目的調査した結果は、小乗的な来世願望が最も多いのだそうだ。

元朝が14世紀半ばに明朝に滅ぼされた後は小部族の群雄割拠となったが、15世紀後半に内モンゴル一帯が再統一され北元として再興…アルタン・ハーンがチベット仏教ゲルク派の高僧を迎えてダライ・ラマの称号をおくり、以降モンゴル仏教は黄衣派(黄教)で占められるようになった。
ただし、仏像や絵画にはチベット密教の影響が認められるようだ。

17世紀末には清朝に帰順、1911年の辛亥革命で清朝が倒れると外モンゴルは独立を果たした…だが1921年には旧ソビエトの支援を受け社会主義へと転換、そこから寺院勢力と活仏信仰は廃絶の方向へと向かう。
そして1938年に革命政府は宗教活動を禁じ、経典は焼かれて僧は強制的に還俗させられた…まさしくスターリンの粛清と同時期に、外モンゴルでは全人口の4%が人民革命の名の下に銃殺されたという。
以来60余年、老いた僧は自由化で寺へと戻ったもののチベット語経典の読み方も忘れてしまっている。

チベット仏教の伝統ではダライ、パンチェンに次ぐ高僧ハンボ・ラマ活仏がウランバートルはガンダン寺の管長を勤めている…ここは人民革命までは900の寺廟を構えたモンゴルで唯一、制約と監視つきながら活動が許されていたというモンゴル仏教の総本山だ。
外モンゴルの仏教弾圧には、こんな裏話がある…日本の関東軍を脅威と見なしたスターリンはモンゴル革命政府に二者択一を迫り、今更ソビエトに訣別も出来ない政府は親日的な寺院勢力の潰滅に動いたと。

まさに満州国に続く大東亜圏の建設に邁進する日本は内モンゴルの独立運動を下支えしていたらしい、だが大戦に敗北した日本が撤退した事で大モンゴルの復活は夢に終わったのだった。
中華人民共和国として成立するより2年先んじて民族地域自治区となった内モンゴルにも、同化政策と文化弾圧の波は押し寄せた。
1966年に文化大革命が起こると僧たちは人民の敵と批判され思想改造と称した強制労働を強いられ、経典や仏像の略奪と破壊が横行…1966年には紅衛兵が、1969年には革命委員会が書物を焼き寺廟を倉庫に貶めた。
内モンゴルでは社会主義という宗教否定だけではなく、現在のチベット自治区や新疆ウイグルでも顕著な「大漢民族主義からの文明抹殺」が待っていた訳だ。

インドのアーユルヴェーダの系統を引くチベット医学から発展したといわれるモンゴル医学だが、脈診によって原因を突き止めて植物性の薬を処方する。

内モンゴルの砂漠化が進行する原因の一つは、漢人の入植者が草原を開拓しても肥やりをせず地力が落ちると畠を放棄してしまうせいであり、遊牧民たちも従来以上の現金収入が必要になって羊の数を増やすので環境とのバランスを崩している。

1991年の自由化を記念して計画された国家事業が資金難から頓挫しかけた時、日本の阿含宗が援助したそうで…管長以下380名の信徒が参加した仏像開眼の護摩法要はモンゴル全土に雨を降らせ、折しも国難といえるほどの大々的な山火事を鎮火したのだそうだ。
阿含の火まつりは有名だが、水まつりも出来るとは!

それと内モンゴルは意外に地震が多いらしく、フフホト地区では過去50年間で100回以上が観測されているとか。
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    | books | 2013.03.07 Thursday | comments(0) | - |













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