錯覚の科学 (文春文庫) [ クリストファー・チャブリス ]
錯覚の科学 (文春文庫) [ クリストファー・チャブリス ] (JUGEMレビュー »)
ここ数年で断トツのインパクトでした、誰もが犯す悪意なき嘘について。
それは克服可能な「個人の資質の問題」ではなく、だから盗用は必ずしも悪意ではないし医療ミスだってプロ失格じゃない訳です。
「たった一つの真実」なんて詭弁だし、所詮は見たい物を見て信じたい事を信じてるのよ。
己の記憶力を根拠に持論を曲げない友人には、是非とも本書を読んで柔軟さを学んでほしいな!
紹介記事【2020.03.16】
【中古】 バランサンド /ミルトン・バナナ・トリオ 【中古】afb
【中古】 バランサンド /ミルトン・バナナ・トリオ 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
ミルトン・バナナは「ゲッツ/ジルベルト」にも参加したボサノバ・レジェンドだったようで、ヴィオランのバチーダ奏法を応用した軽やかなビートがチャーミングなインスト物です。
東芝EMIの旧盤は別トリオの音源が混在したイカサマCDながら、ボッサ・トレスとのカップリングと思えば悪くないかも。笑
紹介記事【2020.02.22】
ACCA13区監察課 Blu-ray BOX 1【Blu-ray】 [ 下野紘 ]
ACCA13区監察課 Blu-ray BOX 1【Blu-ray】 [ 下野紘 ] (JUGEMレビュー »)
オノ・ナツメが原作でマッドハウス制作と、期待に違わぬスリリングかつユーモラスな展開が絶妙!
曲も映像も洒落てるOPは毎回飛ばさず観ちゃう位、大人のほうが楽しめる心理描写はハードボイルド風味のファンタジーという感じ。
紹介記事【2020.02.19】
セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー! [DVD]
セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー! [DVD] (JUGEMレビュー »)
宇宙で冷戦終結を迎え置き去り状態の「最後のソビエト連邦国民」と無線が趣味のハバナ大学教授に、ソビエトを憎む老CIAや反米官僚が絡む異色コメディ。
なので旧ソビエトとキューバの関係や、キューバがアメリカから経済封鎖を受けていた位は把握しときましょう。
古い喜劇の味わいを思わせる友情物語で、トボケたラストに繋がる枠物語の構成も見事。
紹介記事【2020.06.18】
探しに行こうよ
探しに行こうよ (JUGEMレビュー »)
終盤で詰んで積みゲー化していましたが、攻略本を入手したので再開しクリア達成!
PS2初期のタイトルで粗は色々ありますが、それを補う楽しさがありますね。
冒険ごっこの通過儀礼を、町の大人たちも密かに懐かしく思っているのでしょうな・・・バトル少な目のパズル進行と世界観のバランスがマッチして、ラストで温かい気持ちになりました。
紹介記事【2020.01.29】
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー【電子書籍】[ ワッキー貝山 ]
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー【電子書籍】[ ワッキー貝山 ] (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは【電子書籍】です)
創業するやスーパーカー・ブームに乗り、ガチャガチャ界に名を馳せたコスモス。
「ハズレ」という画期的な概念を持ち込むなど大人気ない阿漕さに、読めば呆れる伝説の数々!
10万点を越えるコレクターにより陽の目を見た驚きと苦笑いの裏側、時代のユルさに悪乗り出来た時代の仇花か?
紹介記事【2020.01.24】
送料無料【中古】私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra) [Comic] 佐原 ミズ; 孔 枝泳 and 蓮池 薫
送料無料【中古】私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra) [Comic] 佐原 ミズ; 孔 枝泳 and 蓮池 薫 (JUGEMレビュー »)
粗筋だけなら一昔前のケータイ小説にありそうですけど、これは「泣ける漫画」として「泣いてスッキリ」じゃ詰まらないな。
彼は私かもしれない、そう感じた事を「ない」と即答してしまう人こそ僕には恐ろしく思えます。
僅かに心を詰まらせる、この幕切れの匙加減も見事だな…所詮は自分の時間を生きるしかないが故にこそ惜しむべき死も最大限の糧に変えてゆく、キリスト教的なカタルシスではありますが。
紹介記事【2020.03.03】
劇場版 天上人とアクト人最後の戦い【中古】【アニメ】中古DVD
劇場版 天上人とアクト人最後の戦い【中古】【アニメ】中古DVD (JUGEMレビュー »)
決して悪口ではなく、単に(ゆるふわ系)が好みじゃないので京都アニメーション作品って基本的に観ないのですが。
本編後に連続再生された特典映像で事件前の京アニ第一スタジオを観て、お亡くなりになった木上監督らの姿に胸が苦しくなりました。
失われた才能と未来を思い、死は画面越しの出来事ではないと改めて痛感しました。R.I.P.
紹介記事【2020.04.21】
ザ・タイガー!!! [ プータリット・プロムバンダル ]
ザ・タイガー!!! [ プータリット・プロムバンダル ] (JUGEMレビュー »)
タイの伝説に基づいた、人食い虎の魔物と戦うファンタジック・サスペンス・SFXアクション!
タイ語にクメール語に中国語とオーストラリア英語が辺境のジャングルで入り乱れる発想が面白いですね、それと食った人に化ける妖虎はゾンビ的で西洋ホラーの影響も思わせたりと好い意味でエキゾチック。
観ないジャンルであれば尚更オススメです、個人的には。
紹介記事【2020.06.13】
シンデレラはウンザウンザを踊る / バックドロップシンデレラ
シンデレラはウンザウンザを踊る / バックドロップシンデレラ (JUGEMレビュー »)
まるでN.Y.パンクを笠置シヅ子が乗っ取ったような?って両方とも詳しくない個人の感想ですが、今時こんな万人受けしそうにない音楽が商業ベースに乗れてる自主自立スタンスは本物。
ウンザウンザなる独自の「ええじゃないかポルカ」的な音楽スタイルを追究するカッコ好さ!
紹介記事【2020.02.04】
暴力戦士 [ 田中健 ]
暴力戦士 [ 田中健 ] (JUGEMレビュー »)
六甲の野外フェスで抗争勃発、東京側のリーダーが神戸リーダーの妹と呉越同舟の70年代クヨクヨ邦画版「手錠のままの脱獄」。
まぁ70年代とはいっても'79年の公開ですし全然クヨクヨじゃない石井輝男監督作です、ワルな田中健&ワルな岡田奈々+ホンワカした劇伴音楽のミスマッチぶりが逆に微妙さ加減を演出してる気も。
紹介記事【2020.02.18】
【中古】 ロリータの詩集(1) 花とゆめC1469/山中音和(著者) 【中古】afb
【中古】 ロリータの詩集(1) 花とゆめC1469/山中音和(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
ロリといっても訳アリ少女が徐々に「言葉」を取り戻していく高校生群像劇で、この大人になってから黒歴史化しそうな青臭いクールさが気恥ずかしくもあります。
上條淳士っぽい仏頂面に微妙な起伏を見せ、十代の粗い鋭さを感じさせます。
コミュニケーションって相手を通じて自分を見てるのね、その双方向の情報整理が年頃的に紛らわしく感じられたんだなーなんて。
紹介記事【2020.02.23】
HAIM / Days Are Gone 【CD】
HAIM / Days Are Gone 【CD】 (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは前作です)
露出過多なセクシー路線に走りがちな女性シンガーとは一線を画すビジュアルといい、個人的に注目の若手3姉妹です。
父の影響で幼少時から学んだビートのセンス、民族音楽を専攻した長女はベースもフレーズがユニーク。
リズミカルな節回しの歌い方からはケイト・ブッシュを連想しました、楽曲のポップさと裏腹な何かしらハッとさせられる音のフックは前作が偶然の産物ではなかった証拠です。
紹介記事【2020.04.12】
◆◆日本昭和トンデモ児童書大全 オールカラー版 / 中柳豪文/著 / 辰巳出版
◆◆日本昭和トンデモ児童書大全 オールカラー版 / 中柳豪文/著 / 辰巳出版 (JUGEMレビュー »)
高度成長期を経て政治紛争も落ち着き、子供相手の経済が回り始めた時代の怪しい児童書から91冊を厳選。
夢と科学の分岐点、情報社会の一歩手前で他愛ない悪夢を盛り上げていた陰の功労者たちの人物伝も短いながら奥行きが増します。
こういったサブカル昭和臭は電子書籍じゃ嗅げないよなぁ?笑
紹介記事【2020.02.09】
空色のメロディ 1【電子書籍】[ 水沢めぐみ ]
空色のメロディ 1【電子書籍】[ 水沢めぐみ ] (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは【電子書籍】です)
昔の「りぼん」とか「なかよし」っぽさと「少女コミック」っぽさとの中間といった印象で、洋風カントリーに王子様テイストは鉄板ですな。笑
番外編までバッチリ取りこぼしのない構成&画力で飽きさせませんよ、今じゃ出来ない牧歌的な少女漫画のエッセンスを堪能しました。
紹介記事【2020.04.02】
もののあはれ (ハヤカワ文庫SF ケン・リュウ短篇傑作集 0) [ ケン・リュウ ]
もののあはれ (ハヤカワ文庫SF ケン・リュウ短篇傑作集 0) [ ケン・リュウ ] (JUGEMレビュー »)
中国SFへの興味で手にした短編集ですが、原題も「Mono no Aware」と日本的な精神性の翻訳感に気恥ずかしさと碁の大局観や利他の解釈を絡めた表題作に感嘆させられ。
分かったように持ち上げてる訳ではなく、他にも70年代ハチャハチャ風味に本領発揮のシンギュラリティSFと清代末のファンタジー〜香港スチームパンクなどサービス精神も旺盛。
一神教的世界観からの落とし処もまた東洋的といいますか、僕は心地好かったな。
紹介記事【2020.05.28】
ハピネット Happinet DOPE/ドープ!! 【DVD】
ハピネット Happinet DOPE/ドープ!! 【DVD】 (JUGEMレビュー »)
制作にファレル・ウィリアムスが噛んでるだけあって、90年代ラップ愛と直球加減のハズし方が独特です。
正に「違法な薬物」+「まぬけ」=「素晴らしい」ドープさ、ハーレムでド底辺スクールカーストでマイノリティな3人組がどんでん返しを繰り返しつつ見事な着地を決めてくれました。
ラストショットの射抜くような眼差しは、ユルく観せつつ「スーパーフライ」の哀しみをアップデートしてるね。
紹介記事【2020.04.07】
【中古】SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.2 エディット・レーシング
【中古】SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.2 エディット・レーシング (JUGEMレビュー »)
噛めば噛むほどハマる、所謂スルメゲーなのです。
ディスクやゲームソフトやらでのコース生成もユニークですが、何より本編に再び絶賛ドハマり中です。
攻略サイトも本もないので、相性やレベルの効果にメール総数の増減など手探りで検証。
もしかして逆走バグを発見したのって僕ぐらいじゃない?笑
紹介記事【2020.02.26】
【中古】 おあとがよろしいようで コミックエッセイ /オカヤイヅミ(著者) 【中古】afb
【中古】 おあとがよろしいようで コミックエッセイ /オカヤイヅミ(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
いや落語の漫画じゃなく、食と死を問うエッセイ漫画です。
15名の作家たちとの会食インタビューを、益田ミリが筆書したようなタッチで描いてます。
“死ぬ前に食べたいものってなに?”という「話に詰まった酒席の定番」みたいな企画で一席設けるとは、みんなオイシイ発想ですな!笑
死は誰もが体験しうる一番遠い未来、実は「おあとがよろしいようで」=「次の準備が整いました」って深いな。
紹介記事【2020.01.18】
planetarian ちいさなほしのゆめ+星の人 Webアニメ版全5話+劇場版コンボパック ブルーレイ+DVDセット【Blu-ray】
planetarian ちいさなほしのゆめ+星の人 Webアニメ版全5話+劇場版コンボパック ブルーレイ+DVDセット【Blu-ray】 (JUGEMレビュー »)
原作が美少女PCゲーながら、天然ロボのウザさにも理由があり違和感なく引き込まれました。
荒廃した現在(遠未来)と既視感を覚える過去(近未来)の断絶と実利主義にならざるを得ない世知辛さから、叶わない夢に希望を見るほろ苦さは思いがけなく深く沁みました。
紹介記事【2020.01.25】
外国人ヒットマン [ 一橋 文哉 ]
外国人ヒットマン [ 一橋 文哉 ] (JUGEMレビュー »)
なんか国内の犯罪絡みって引いちゃうんですが、未だ未解決の様々な凶悪事件とアジア裏社会の巧妙さに何故か興味が湧きまして。
来日した足でサクッと済ませて即帰国という日帰り殺人旅行、偽造パスポートだから追跡調査も難しいし近隣諸国とは犯人引き渡し条約を締結してない点が利用されてる節もあり震撼モノ。
紹介記事【2020.03.29】
【中古】 妖精のネジ(文庫版) ソノラマC文庫/奈知未佐子(著者) 【中古】afb
【中古】 妖精のネジ(文庫版) ソノラマC文庫/奈知未佐子(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
25本のショートファンタジーを収録、心がキュッとしてほぐれます。
最初は地味な印象でしたが、デッサン力の高いデフォルメと時代に左右されない画風は只者じゃないですな。
僅かな紙数で過不足なく見せるクオリティでサラリと読ませる、甘く切ないストーリーの巧みさも見事。
紹介記事【2020.04.06】
ブレイク・ビーターズ [ ゴードン・ケメラー ]
ブレイク・ビーターズ [ ゴードン・ケメラー ] (JUGEMレビュー »)
旧東独、といっても今じゃ通じなさそうですが…80年代の社会主義国でヒップホップに目覚めちゃった若者と、彼らの活動を体制翼賛に取り込もうとする当局との丁々発止を描く青春コメディ。
飼い慣らそうとする権力側と調子を合わせつつ苦悩する主人公たち、ベルリンの壁が崩壊して彼らを待ち受けるラストのほろ苦さとタフさに男泣きです。
自分でいる事を描いている点で、英国のサルサ映画「カムバック!」と併せてオススメ。
紹介記事【2019.11.02】
ポルノ☆スターへの道 [ ニック・スウォードソン ]
ポルノ☆スターへの道 [ ニック・スウォードソン ] (JUGEMレビュー »)
ラジー賞を独占した下ネタ満載ムービー、とりあえず下品ですけど線引きはキッチリしてますね…笑わせる内容は、少なくとも男性なら他人事じゃないというか。
女性同士の巨乳幻想みたいなね、目の付け処が上手いなぁと。
まぁ万人向けではないにせよ、僕は感心しつつ大笑いしました。
紹介記事【2019.10.17】
あきれたあきれた大作戦 [ ピーター・フォーク ]
あきれたあきれた大作戦 [ ピーター・フォーク ] (JUGEMレビュー »)
笑いって鮮度があると思ってました、本作を観るまでは。
先が読めずに引き込まれましたが、確かに繰り返し観たくなるかも…計算されたシナリオが効いた笑いと、映像的な古さもまた味わい深いです。
スタンダードでバカバカしくて無駄のない、意外な傑作。
紹介記事【2019.12.10】
月曜日の友達(1-2巻 全巻) 全巻セット
月曜日の友達(1-2巻 全巻) 全巻セット (JUGEMレビュー »)
中学生になったばかりの頃の、世界の拡がりに戸惑う姿は性別や世代を超えて響きますね。
作画力もストーリーテリングも卓越してます、些細な一瞬を捉える巧さが。
忘れていた何か、忘れたくなかった何か…最後のコマに、胸が苦しくなりました。
紹介記事【2019.11.11】
【中古】 山本耳かき店 ビッグCスペシャル/安倍夜郎(著者) 【中古】afb
【中古】 山本耳かき店 ビッグCスペシャル/安倍夜郎(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
耳かき店ブームの火付け役、なんて書いては申し訳ないのですけども…決してブームに便乗した後追いではない、と。
穏やかな時間の流れる小さな町で、耳かき屋さんを訪れる客の脳内イメージが秀逸です。
こんな表現があったのか、こんな漫画があったのかと目からウロコ耳から(略)。
紹介記事【2019.12.23】
【中古】 マンガでわかる 戦後ニッポン /手塚治虫(著者),水木しげる(著者),つげ義春(著者),はるき悦巳(著者),ちばてつや(著者) 【中古】afb
【中古】 マンガでわかる 戦後ニッポン /手塚治虫(著者),水木しげる(著者),つげ義春(著者),はるき悦巳(著者),ちばてつや(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
現代に至る国内の移ろいを漫画に語らせる好企画アンソロジーです。
漫画にしか出来ない表現は、例えば三輪自動車が走る風景でありリンチされる米軍の操縦士であり…基本的に主観視点であるが故の、俯瞰の効く文学表現よりも接地した仮想体験なのかも。
いわば漫画こそが伝え得た戦後の一片、切り口を変えて続けてもらいたいですね。
紹介記事【2019.12.12】
絵はがきにされた少年 [ 藤原章生 ]
絵はがきにされた少年 [ 藤原章生 ] (JUGEMレビュー »)
アフリカに対する先入観や固定観念が、ことごとく覆されます…偏見を持たないように心掛けていたつもりでも、日本にいて伝わってくる情報自体にバイアスが入っている訳ですが。
西欧支配の呪縛に歪められた各地の民族性や搾取の構造など、日本では見えにくい暗部が著者の目を通して見えてくるようで。
アフリカの話であり、同時に現代の実像でもあるのでは?と。
紹介記事【2019.09.1】

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最近読んだ本
ダグラス・クープランド(著)、黒丸尚(訳)「ジェネレーション X 加速された文化のための物語たち」

本書は'89年に書かれて'91年に出版され、日本版は'92年に出版された。
“X世代”は時代を象徴するキーワードとなり、著者の名を知らなかった僕も散々見聞きしてきた…最初の章のタイトルが「太陽はあなたの敵」であるのを見れば、コーネリアスのデビュー盤に収録されたトラックを誰しも連想するだろう。
しかしビリー・アイドルが組んでいたバンド名として、もっと昔からあった言葉だったとも思うのだけどジェネレーションXって。

僕は「ライフ・アフター・ゴッド」という、著者の3作目を読んで深く癒された事がある…それは確か90年代の終わり頃で、文字通り生死を左右する位に劇的な感覚を読書で体験した。
だけど後になって読み返してみたら最悪に詰まらなく感じて、人と物語との出会いには神がかった瞬間が存在するのだと知ったのだ。
あるいは書き手によって、そのように作用する物語が紡がれる場合もあると。
だから本書も、もしかしたら特定の精神状態下で読むと絶大な効果を発揮するタイプの物語かもしれない。

ただ生憎、今回の僕は割と健全な状態だったし…間を空けて読むと移入しにくい訳文だからか、せいぜいの所(比喩表現がユニーク)程度の感想しかなかった。
そして「X世代=60年代生まれ」という定義なら、現在の50代半ばである…巻末の、日本の読者に向けて語られるエッセイでいう“進化した人種の頭脳と精神をもつSF世代”“異様な閉鎖性”“テレビや機械や思想の交雑から生まれた無数の種”でピンとくるのは庵野カントクらの特撮世代であって僕らじゃない。

巻末に挙がった様々なデータの数値を見ていると、ここから村上龍は「あの金で何が買えたか」を着想したんじゃないかと思えた。
この物語では暗喩的なレシピとして最後に明かされた数字を、村上は下品かつ直截に応用したし生々しかったからこそインパクトも大きかったのだろうけれど。
ちなみに本書は二段組みの中間の余白が広く、そこに時折ナンバープレートのスローガンをもじった奇妙なプロパガンダやストーリーに直接は出てこない独創的な用語の解説が記載されるという体裁になっている。

そして恐らく本書のレビューで外せない、リキテンシュタイン風ジョーク…これがブラフというか勘違いする輩への鼠返しなのだ、と分かってない人が多そう。
本書の中身は、この台詞に要約されている。
“とにかく、ぼくを置き去りにしないでよ。それだけなんだ。わかってるよ――ぼくが人生のあれこれを楽しんでいるように見えるとか何とか。でも、いいかい、気持ちは半分しか向いていない。ぼくの友だちやぼくに濡れ衣を着せるのはいいけど、誰かが多少なりともまともな選択肢を示してくれるなら、一瞬にして、こういうのはやめて見せる”

以下は用語解説の個人的メモ。
【マックジョブ】
サーヴィス分野における、低賃金、低地位、低尊厳、低恩恵、未来なしの仕事。満足できる職業をもったことのない人によっては、しばしば満足すべき職業選択と考えられている。

【貧乏ジェット・セット】
長期的職業安定性あるいは恒久的住居を犠牲にしてまで、常習的に旅することに耽溺する人々のグループ。セルジュとかイリアーナといった名前の人々と、将来がなく極端に高くつく電話だけの関係をもつ傾向あり。パーティでは、常連飛行客プログラムについて語りあう傾向あり。

【歴史摂取過少】
何も起こらないように思われる時代に生きること。主な症状としては、新聞・雑誌・TVニュース番組への依存症が挙げられる。

【歴史的摂取過剰】
あまりにも多くのことが起こりすぎるように思われる時代に生きること。主な症状としては、新聞・雑誌・TVニュース番組への依存症が挙げられる。

【歴史スラミング】
ダイナー、煙突工業地帯、田舎の村といった――時間が何年も前に凍りついてしまったように思える――土地を訪れ、“現在”に戻ったときに安心感をおぼえるようにする行為。

【ブラジル化】
富める者と貧しい者とのあいだの溝が広がり、それにともなって中産階級が消失すること。

【ワクチンつき時間旅行】
時間をさかのぼった旅行を夢に見ること。ただし必ず適当なワクチン接種後であるべきこと。

【時代ブレンディング】
服装において、さまざまな時代からの二つ以上のアイテムを見境なく組み合わせ、個性的ムードを創りだすこと。

【子牛肥育囲い】
布地張りの解体可能な壁仕切りでできた、小さく狭苦しいオフィス・ワークステーションであり、下っ端スタッフ・メンバーが生息する。牧畜産業が使う、小さな仕切りにちなむ。

【情緒的ケチャップ噴出】
意見や感情を裡にためこんでいたため、爆発するように一気に吹き出すこと。雇用主や友人は、驚き、とまどう――その大半が、うまくいっていると思っていたからである。

【痛ましポニーテール】
年配の体制に日和ったベビー・ブーマーで、ヒッピー時代あるいは日和る前の時代に恋いこがれている人。

【ブーマー羨望】
ベビー・ブーム世代でも齢上の人たちが、運のいい誕生時期のおかげで集めてしまった、物質的豊かさおよび長期の物質的安定に対するうらやみ。

【徒党擁護】
ある世代が集団的エゴを補強するために、次の世代を不十分と見たがる欲求。

【コンセンサス・テロリズム】
これによってオフィス内でとるべき態度や習性を決定してしまうプロセス。

【病気ビルディング移住】
“病気ビルディング移住症候群”に冒された不健康なオフィス環境や職場での仕事から去り、あるいは避けるという、若い労働者に見られる傾向。

【再曲線】
ある仕事を辞めて、賃金は安いが学習曲線に戻れる仕事につくこと。

【オズモーシス】
自分の仕事が、自分の自己イメージに達しないこと。

【権力もや】
オフィス環境での序列が散漫で、明快な区分けを排除する傾向。

【極端走り】
未来への不安を過補償するため、一見それまでの人生目標と無関係な仕事あるいはライフ−スタイルにがむしゃらにつっこんでいくこと。(例)アムウェイ販売、エアロビクス、共和党、法律関係、カルト、マックジョブ……

【アース・トーン族】
若いサブグループで、菜食主義、絞り染め衣類、おだやかなレクリエーション麻薬、上質なステレオ・システムなどに興味を示す。熱心だが、しばしばユーモアを欠く。

【民族磁気】
感情の表出が明らかで、より抑制の少ないエスニック環境に、若い人々が住みたがる傾向。

【二十歳代中期挫折】
二十歳代にありがちな、精神的にくじける時期。原因はたいてい、学校あるいは組織化された環境の外では機能できないことに加えて、世間で一人ぼっちだということに気づくこと。しばしば薬物使用という儀式に加わるきっかけとなる。

【成功恐怖症】
成功してしまったら、個人的欲求は忘れられ、子供っぽい欲求にはもはや応えてもらえないのではないか、という恐怖。

【安全ネット思考】
いつも必ず、経済および精神的な安全ネットがあって、人生の痛みを和らげてくれる、という信念。ネットはたいてい両親。

【離婚想定】
一種の安全ネット思考であり、結婚がうまくゆかなくても、単にパートナーたちが離婚を求めればいいから、問題はないとする信念。

【反サバティカル】
限られた期間(たいていは一年)のみ留まるという意図しかなく選ぶ仕事。意図としては普通、賃金を溜めて別の、もっと有意義な活動にいそしむためである。

【法定ノスタルジア】
人間集団に対して、本当はもっていない記憶をもつよう強制すること。

【現在否定】
自分自身にこう言い聞かせること。生き甲斐のあった唯一の時代は過去であり、もう一度面白くなる可能性がある唯一の時代は未来だ、と。

【バンビ化】
生身で生きている存在を、ブルジョワ的ユダヤ−キリスト教的倫理態度をもつアニメ−キャラクターへと、頭の中で変換してしまうこと。

【キス病(ハイパーカルマ)】
罰は、どういうわけか、罪よりもいつもずっと重いという、深く根ざした信条。

【スペクタキュラリズム】
極限状況に魅了されること。

【より少ない主義】
物質的富への期待逓減と折り合いをつける哲学。

【地位代替】
知的な、あるいはファッショナブルな意味をもつ物品を使って、単に高価なだけの物品に代替させること。

【生存軽信】
自分が地球で最後まで生き残る人間の立場を楽しめることを想像する傾向。

【プラトニック・シャドウ】
異性との性をともなわない友情。

【精神的爆心地】
原爆投下のとき、自分がいると想像する場所――しばしば、ショッピング・モール。

【孤独のカルト】
いかなる犠牲をはらっても自主性をもつことが必要になること。たいていは長期的な人間関係を犠牲にする。原因はしばしば、他人からの過度に高い期待感。

【有名人シャーデンフロイデ(毀傷の喜び)】
有名人の死について語ることから得られる不気味な戦慄。

【皇帝の新しいモール】
ショッピング・モールは内側だけに存在し、外観などないとする、一般的な考え方。この考え方から生まれた、視覚的確信を棚上げにする行為によって、買い物客は、自分たちの環境に突出した巨大なセメント・ブロックが、実際は存在しないつもりになれる。

【貧鬱症】
医療保険がないことからくる憂鬱症。

【個人タブー】
生きていくためのささやかなルールであり、迷信に近い。これあればこそ、人は文化的あるいは宗教的決まりがないときでも、日々の生活に対処するこそができる。

【建築学的消化不良】
“クール”な建築環境に住まなくてはならないという、強迫観念に近い欲求。しばしば関連するフェティッシュの対象に含まれるものとしては、額入りのモノクロ芸術写真(ダイアン・アーバスが好まれる)、極度に単純化された松材家具、艶消し黒のTVやステレオや電話といったハイテク商品、低ワットの雰囲気照明、一九五〇年代をほのめかすランプや椅子やテーブル、複雑な名前の切り花などがある。

【日本風ミニマリズム】
いちばん頻繁に持ち出されるインテリア・デザイン美学であり、根なしで転職がちな若者が利用する。

【パンと回路】
党利党略が野暮だと見る電子時代の傾向―現代の社会問題にとって、もはや意義も意味も有用性もなく、おおくの場合には危険だとする。

【投票遮断】
いかに弱々しいものであろうと、単に投票しないことによって、現状の政治システムに異議を提示しようとする試み。

【アルマーニズム】
ジョルジオ・アルマーニから。イタリアン・クチュールの、なめらかでいて(より重要なことに)抑えの効いたエートスを真似たいという強迫観念。“日本風ミニマリズム”に似て、アルマーニズムも、抑えへの内なる底深い願望を反映している。

【貧乏浮力】
自分は金のない時の方がいい人間だったと気づくこと。

【音楽屁理屈】
音楽やミュージシャンを異様なほど細々としたカテゴリーに分類する行為。

【基礎講座趣味】
人生のあらゆる側面を、生かじりのポップ心理学を道具に使って、たいていは詳細にわたって解剖する傾向。

【ヤッピー・ワナビー族】
X世代のサブグループで、ヤッピー・ライフ−スタイルが満足できるし実行可能だという神話を信じている。傾向としては、借金がかさんでおり、何かしらの薬物を濫用しており、三杯目以降はハルマゲドンについて話したがる。

【超短期ノスタルジア】
極端に最近の過去に対するホームシック感。

【反抗延期】
伝統的に若者らしい活動とか芸術的経験を、若いときに避けて、まじめに職業経験を積もうとする傾向。ときどき、その結果として、三十歳あたりで若さが失われたことを嘆き、ついには莫迦な髪型や、高価でジョークの種になる衣装に走る。

【目立ちミニマリズム】
“地位代替”と似たライフ−スタイル戦略。物質的な所有物がないことを見せびらかして、倫理的知性的な優位の証拠とする。

【カフェ・ミニマリズム】
実際にはその教義を実行することなく、ミニマリズム哲学を信奉すること。

【当用】
一昔前の広告・企画・娯楽などの業界用語を日常会話にとりいれて、皮肉、あるいは/同時に、おかしみの効果をねらうこと。

【空気家族】
あるオフィス環境での同僚とのあいだで起こる、いつわりの親睦意識を言う。

【もじもじ】
自分の振る舞いに何の疑問ももたない齢上の人々が、若い人々にもたらす居心地の悪さ。

【レクリエーショナル・スラミング】
自分自身のクラスより低いと見なすクラスのレクリエーションに参加する行動。

【会話スラミング】
任意の会話を、そこに知性的正確さが欠けているがゆえに、自意識過剰気味に楽しむこと。“レクリエーショナル・スラミング”から派生した主要な活動。

【職業スラミング】
自身の技術あるいは教育程度よりずっと低い職業に就くこと。これによって、大人としての責任を回避し、同時に/あるいは、自身の本来の職業で失敗する可能性を避ける。

【被害者化防止装置(ADV)】
その点を除けば保守的な服装に着けた、小さなファッション・アクセサリー。これによって世界に対して、個性のひらめきが、まだ内には燃えていることを示す。一九四〇年代のレトロ・タイやイアリング(男性)、フェミニスト・ボタンやノーズリング(女性)、現在はほぼ完璧に絶滅した、小さな小さな“ラットテール”髪型(両性)。

【栄養摂取スラミング】
食品の楽しみが、味によるものでなく、階級にまつわる含意やノスタルジア信号やパッケージ記号論の複雑な混合によるもの。

【テレ比喩化】
TVのシチュエーション・コメディの筋から派生した、日常生活に使われる教訓。

【QFD】
何とどうしようもなく退屈(ケル・ファッキング・ドラッグ)。

【QFM】
何たるファッション勘違い(ケル・ファッション・ミステーク)。

【ミー・イズム】
伝統的な宗教教義の訓練がないところで、個人が勝手に自分用にこしらえた宗教を作ろうとすること。たいていの場合は、霊魂再来説と、曖昧に定義された神との個人的会話と、自然主義と、宿命的眼には眼を的態度がごたまぜになっている。

【恐紙病】
散らかすことに対する感覚過敏症。

【プレイディ性】
大家族の中で育ったことによる、複数兄弟の感性。およそ一九六五年以降に生まれた人間には、めったに見られない。プレイディ性の徴候には、心理戦略での腕前、過密状態では心理的に引きこもってしまうこと、そして、ハッキリ個々に区切られた空間への心の底からの憧れなどがある。

【ブラック・ホール族】
X世代のサブグループで、衣服のほぼ全部が黒ということで知られる。

【ブラック・デン】
ブラック・ホール族が住む場所。多くは暖房なしの倉庫で、蛍光塗料スプレイ書きと、バラバラにされたマネキンと、エルヴィスへの言及と、あふれかえった灰皿が何十個かと、壊れた鏡の彫刻があり、背後にはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの曲が流れる。

【ストレインジラヴ生殖】
自分がもはや未来を信じられなくなったという事実を補うため、子供をつくること。

【型気(スクワイア)】
いちばん一般的なX世代のサブグループであり、生殖したがる唯一のサブグループでもある。型気は、たいてい間違いなくカップルで存在し、現実には法外な住居費を払い、仕事ふたつというライフ−スタイルなのに、毎日の暮らしにおいてアイゼンハワー時代の充実ぶりを再現しようと一心不乱に試みているから見分けがつく。型気は、家具や小物への貪欲なまでの購買志向のため、つねに疲れきっている傾向にある。

【貧乏がひそむ】
大不況時代の両親によって子供に刻み込まれる金銭的妄想。

【見切り山分け】
子供の頭の中で両親を純粋資産価値として数え上げてみる夢想。

【負け犬性】
所定の状況では、ほぼ例外なく負け犬の側についてしまう傾向。この特性が消費者として表れると、あまり売れていない、あるいは“悲しい”、あるいは欠点のある商品を購入してしまう。

【2+2=5主義】
自分を標的としたターゲット・マーケティング戦略に、長いあいだ持ちこたえたあとで、屈してしまうこと。

【選択の自由麻痺】
無限の可能性を与えられたとき、選択しない傾向。

【人格納税義務】
カップルになることの代償――以前は面白かった人間が退屈になる。

【ジャック=アンド=ジル・パーティ】
型気の伝統。ささやかな贈り物パーティに女性だけではなく、男女両方の友人を招待する。両性が参加したことによる倍増した購買力で、贈り物の価値がアイゼンハワー時代の基準にまで上がる。

【巣削り】
親が、子供たちが独立したあと、より小さくて客間のない家に移る傾向。これによって、二十歳や三十歳になって家にブーメランしてくる子供を避ける。

【家持ち羨望】
若い人および自由を失った人が、惨憺たる住宅統計をまのあたりにしたとき生み出す嫉妬の感情。

【グリーン分離】
うらやましさとねたましさの相違を知ること。

【反射性皮肉】
日常会話において、反射的に当たり前のように軽率に、皮肉なコメントを述べてしまう傾向。

【あざけり先制】
ライフ−スタイル戦術。同輩にからかわれることを避けるために、いかなる形でも感情的に窮地に立たされまいとすること。あざけり先制こそ、反射性皮肉の主要なゴールである。

【名声誘導による無感動】
いかなる活動も、それを行うことによってとても有名になれるのでなければ、行う価値がないとする態度。名声誘導による無感動は怠惰さを模倣するが、その根はずっと深い。

【ゴミ箱計時】
品物を見たとき、それが分解するまでに、どれぐらいの時間がかかるか当てずっぽうを言ってしまう傾向。

【十代】
新世紀の最初の十年。

【メタ言語不全】
メタファーが認知できないこと。

【ドリアン・グレイ化】
自分の肉体にいさぎよく老化のきざしを認めてやれないこと。

【好事主義】
日常生活に、一部好事家のみが知る関連事項(忘れられた映画、死んだTVスタア、人気のなかった本、消滅した国家など)を散りばめて、自分の教養と、大衆文化の世界との関係を断ちたいという願望との、両方を誇示するためのサブリミナルな方法。

【末期的漂泊衝動】
はかない中産階級の背景をもつ人々に共通する状況。ひとつの環境に根をおろしたと感じることができず、絶え間なく動いては、次の土地でこそ理想的コミュニティ感覚を得たいとする。

【テクノ秘密恐怖症】
テクノロジイは恩恵というよりは脅威であるという、内緒の信念。

【処女走路】
他には誰もそこを選んでいないだろうと思って選ぶ旅先。

【現地人模倣】
見知らぬ土地を訪れているとき、現地人のふりをすること。

【国籍離脱唯我論】
未発見だろうと思った外国の旅先に到着してみて、自分そっくりの人間が大勢いるのに気づくこと。自分のエリート主義的旅行幻想を駄目にしたからというので、ひねくれて、そういう人々と口もきくまいとすること。

【異住】
より低テク、低情報の環境で、コンシューマリズムがあまり強調されていない土地に移住すること。
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    | books | 2013.03.13 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |









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