最近読んだ本
小野寺敦「日本人のための世界史入門」
かなり久しぶりに古本屋じゃない書店に入り、新刊本を買いましたよ…ちょうど長く電車に乗るので、時間潰しが欲しかったのです。
それで目についたのが本書、初版'13年の新潮新書。
帯の惹句には「世界史の“コツ”、教えます――。古代ギリシアから現代まで。3000年を一冊で大づかみ!」とあります。
「ギリシャ神話」や「旧約聖書」など紀元前の物語に「エリザベート」の中世史、また「射(鳥周)英雄伝」の古代中国や「奇跡の少年」に描かれた開拓時代のアメリカ…もちろんフィクションばかりではありませんが、様々な本で断片的に記憶しているだけの世界史を時系列に沿って理解したいと思っていたのですよ。
特にヨーロッパの、目まぐるしく境界線が変化する国々や歴史については尚更。
とはいっても小難しい勉強がしたい訳じゃないので、取っ掛かりとして本書を手に取ってみたという次第。
しかし本当に大づかみといいますか、こう言っちゃあ失礼ですが「酒場でクダ巻いてる歴史の先生を引っ張ってきて喋らせた講義録」といった感じなんですね…愚痴っぽくなったり大御所批判をこぼしたり司馬史観などをくさしたり、それに著者の独特な史観で歴史上のイベントを撫で斬りにしていくので要注意です。笑
あらゆるメディアにバイアスがある、という基本的な前提を再認識しましたよ。
例えば、著者にとって宗教とは“内にいるか外にいるかの二種類しかなく(中略)宗教的情熱を理性で理解しようとする姿勢自体が、非宗教的なものであり、啓蒙思想以後の概念”と断じています。
卑屈で石頭という絵に描いたような歴史の教師がイメージに浮かび、そういう先生の暴走授業を聞いてるような面白さはありますね。
大づかみ出来るかは個人差があるでしょうし、僕みたく掴み損ねたクチでも世界史の捉え方に新たな切り口を感じられると思います。
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| books | 2013.07.23 Tuesday | comments(0) | - |