最近聴いたCD
THE SMITHS「MEAT IS MURDER」
CDで買い直してしまいました、僕が最初に出会った衝撃の'85年リリース作。
ドイツ盤だからかジャケ写が微妙に違っていて、国内盤では四分割画面だったモノクロの戦場通信兵が表面いっぱいの大写しになっておりますが…これじゃあ違うんだよなぁ、なんか安易に戦争を肯定しているような誤解を招きかねないし。
彼らザ・スミスにとって、古い映画のワンシーンを使用した一連のアートワークも作品の一部なんですが…本作のアルバム・ジャケットに関しては四分割されてる方が正式なのだと思いたいな、このスチルは一枚で使うと品がないですよ。
デビュー作は粗削りだし次作は軸がブレてしまったなって感じるのは、本作の衝撃が僕の中で基準点になってしまったからですかね。
「スミスは一度なんか聴いたけど大した事なかった」と言う同僚君に敢えてオススメしようと考えてみて、どうしても結論は本作に至ってしまうのです…歪んでないのにロックしてるってカッコイイじゃん、やたら硬いベースの音が刻む黒みがかったグルーヴ感といい。
確かLPの裏ジャケには「伝統的な楽器だけで作った」だか「メンバー4人だけで作った」とか表記されてた筈ですが、このドイツ盤にはないのね…あの頃「シンセ不使用」は表明する価値があったし、次作ではストリングスとか入れちゃうんだけど重ねるギターの弾き方を変えた工夫の痕跡が適度な案配で利いてます。
プロデュースはバンド名義だけど、サウンドを司るジョニー・マーの緻密なギター・アレンジは本作が一番凝った熱の入れようじゃないかと改めて感じますね。
町田町蔵のINU「メシ食うな!」をパクったオビのコピー「肉喰うな!」、いくら自分が当時は少数派だった菜食主義だからって牛の鳴き声にスライサーの金属音まで入れたタイトル・ナンバーの直球さはドン引きでした…早熟な引きこもり系モリッシーの遠回しすぎるアツい歌詞、マジなのかフザケてるだけなのか突然ヒャッハー状態に入っちゃう「アブない」ノリの独特なバランス感覚も魅力で。
シンセ・ポップは食傷気味で、意気がるばかりのメタルにも醒めてて…そんな時代にアコギのクリーン・トーンとバリ硬ベースでロックしてる痛快さ、希望も破壊も歌わない歌詞の軟弱さが妙に沁みたりして。笑
次作の後で崩壊に向かうバンドの、最も力強く芯の通ったアルバムだと思います。
→ドイツ盤
関連記事:
【最近聴いたCD】ザ・スミス「ザ・スミス」| 2007.11.10
【最近聴いたCD】THE SMITHS「The Queen Is Dead」| 2013.09.13
→〈パンク・オルタナ系〉関連記事
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ドイツ盤だからかジャケ写が微妙に違っていて、国内盤では四分割画面だったモノクロの戦場通信兵が表面いっぱいの大写しになっておりますが…これじゃあ違うんだよなぁ、なんか安易に戦争を肯定しているような誤解を招きかねないし。
彼らザ・スミスにとって、古い映画のワンシーンを使用した一連のアートワークも作品の一部なんですが…本作のアルバム・ジャケットに関しては四分割されてる方が正式なのだと思いたいな、このスチルは一枚で使うと品がないですよ。
デビュー作は粗削りだし次作は軸がブレてしまったなって感じるのは、本作の衝撃が僕の中で基準点になってしまったからですかね。
「スミスは一度なんか聴いたけど大した事なかった」と言う同僚君に敢えてオススメしようと考えてみて、どうしても結論は本作に至ってしまうのです…歪んでないのにロックしてるってカッコイイじゃん、やたら硬いベースの音が刻む黒みがかったグルーヴ感といい。
確かLPの裏ジャケには「伝統的な楽器だけで作った」だか「メンバー4人だけで作った」とか表記されてた筈ですが、このドイツ盤にはないのね…あの頃「シンセ不使用」は表明する価値があったし、次作ではストリングスとか入れちゃうんだけど重ねるギターの弾き方を変えた工夫の痕跡が適度な案配で利いてます。
プロデュースはバンド名義だけど、サウンドを司るジョニー・マーの緻密なギター・アレンジは本作が一番凝った熱の入れようじゃないかと改めて感じますね。
町田町蔵のINU「メシ食うな!」をパクったオビのコピー「肉喰うな!」、いくら自分が当時は少数派だった菜食主義だからって牛の鳴き声にスライサーの金属音まで入れたタイトル・ナンバーの直球さはドン引きでした…早熟な引きこもり系モリッシーの遠回しすぎるアツい歌詞、マジなのかフザケてるだけなのか突然ヒャッハー状態に入っちゃう「アブない」ノリの独特なバランス感覚も魅力で。
シンセ・ポップは食傷気味で、意気がるばかりのメタルにも醒めてて…そんな時代にアコギのクリーン・トーンとバリ硬ベースでロックしてる痛快さ、希望も破壊も歌わない歌詞の軟弱さが妙に沁みたりして。笑
次作の後で崩壊に向かうバンドの、最も力強く芯の通ったアルバムだと思います。
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| music | 2014.02.07 Friday | comments(0) | - |