ReLIFE 完結編(完全生産限定版) [DVD]
ReLIFE 完結編(完全生産限定版) [DVD] (JUGEMレビュー »)

ブラック企業で心を折られた27歳ニートが、渡りに舟と食い付いたのは人生リセット人体実験?
アニメが描く夢の世界も、時代を表しているのですなぁ。
うっかり大人目線で色々やらかすネタに笑いつつ、いつしか心を掴まれてしまいました。
紹介記事【2018.05.16】
おいでよ どうぶつの森
おいでよ どうぶつの森 (JUGEMレビュー »)

22世紀を目指し、カレンダーの最終日までタイムスリップしたりと相変わらず楽しんでます。
2100年のどうぶつ村は如何に?笑
紹介記事【2019.06.19】
エクソダスギルティー (通常版)
エクソダスギルティー (通常版) (JUGEMレビュー »)

異なる3つの時代の物語を切り替えながら進む、マルチタイム・ザッピングシステムのアドベンチャー・ゲームです。
資料本「ワールドガイダンス」必携、正直クセが強く微妙ですが。笑
当時流行ったであろう「小説『聖書』」やガイア仮説のSFファンタジー&サスペンス、システム的には不便ですが僕は楽しめました。
紹介記事【2018.11.05】

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最近読んだ本
江成常夫「まぼろし国・満州」

初版'95年、新潮社刊。
満州とは清から旧ロシアが租借していた中国東北部を、日露戦争によって日本が委譲された際に名付けた名称です…ラスト・エンペラーとして知られる愛新覚羅薄儀を皇帝に据え、実質的には旧日本関東軍の傀儡政治によって統治された14年弱の短命国家でした。
現在の中国地図に重ね合わせると、黒龍江省・吉林省・遼寧省の全域と内モンゴル自治区の約半分に河北省の一部を含む広大さは想像以上です…前に「射(鳥周)英雄伝」を読んだ時の地図では、主人公が敵対する金国を興した女真(満州)族の出身地は北の外れの一角にしか見えませんでしたが。
清国もまた女真族によって建国された国であり、イギリスとの紅茶貿易から阿片戦争を仕掛けられて列強に租借地として国土を割譲されてしまったんですよね…で、帝政ロシアの南下政策に抵抗した日本が租借権を取得し満州国として独立。

でも、そこからが分からないのです…見方次第で「日本の侵略」とも「本土防衛の橋頭堡」とも言われるし、日本の敗戦と共に幕を下ろした満州国の内部資料が少ないせいでしょうけど。
日露講和条約に基づいて遼東半島の租借権を得たのが明治38(1905)年、翌39(1906)年に早くも半官半民の国策会社として設立された満州鉄道(満鉄)…そして鉄道警備を主な任務として発足した独立守備隊が、後の“皇軍をもって任じた”関東軍だそうで。
当時の満鉄といえば未来を嘱望されたような花形職業であり、内地で採用された日本人はエリート意識も高かったようです。
やがて満鉄は鉄道事業から港湾や製鉄など経営範囲を拡大、更に鉄道付属地の教育や行政までも掌握した“企業というより国家に近い”巨大コンツェルンへと発展…帝政ロシア時代に都市の基盤が築かれた大連やハルピンの他、首都に制定された新京(現・長春)など各地には満州国時代の建築物が今も使用され続けているのです。

この見映えや手入れに無頓着な不潔さも含めて、往時のままの日本にタイムスリップしたかのよう…ほとんどの写真が無人なので、満州滅亡時から人知れず風化しつつある遺跡のようでもあり。
だけど作者が撮影した'90年前後まで使用され続けているという事は、漢族によって建国された新中国の経済発展の恩恵に浴していないという事でもありますね…町の寒々しさは単に気候のせいだけでなく、他民族に分け前を回さない漢族の本音を見る思いです。
しかし当時の日本人もまた満州国の総人口からすれば3%に過ぎなかったのに、それ故にか住居も教育も優遇されて明確に他民族を区分けしていたのは事実でしょう。
“日本人が入植した開拓地は現地住民の所有地だった”
“日本人は満蒙開拓に反抗する現地民すべてを“匪賊”と決めつけ、排斥したが、そのほとんどは土地を守ろうとして抵抗した農民たちだった”
そして昭和3(1928)年に張作霖爆殺事件が発生し、昭和6(1931)年には柳条湖での鉄道爆破事件が引き金となって満州事変に突入…翌1932年に建国を宣言するも5年後には盧溝橋事件で日中戦争が勃発と。

“20年間に100万戸、500万人を入植させる満州移民計画が、日本の政府閣議で決まるのは1936(昭・11)年8月。東満、北満一帯に日本人を大量に投入し、開拓の増強と対ソ戦略の前線基地を強化することが目的だった”
“政府拓務省が奨励した満州移民の募集には、全国から多数の希望者が集まった。ほとんどが寒村辺地の二男三男たち。貧しさに重ね、国威高揚と皇国教育を受けた日本人に、土地を追われる現地民の心は読めなかった”
昭和14(1939)年には満州とモンゴルとの国境でノモンハン事件が発生、その2年後に日ソで中立条約を調印して太平洋戦争を開戦…昭和19(1944)年には米軍の爆撃機による空襲が満州本土にも及び、翌年の終戦直前にはソ連が条約を破棄し北満と朝鮮そして北方四島へ進攻。
昭和天皇の玉音放送から3日後に退位を宣言した満州国皇帝の薄儀は、日本への亡命を図るも奉天飛行場でソ連軍に逮捕され満州国も滅亡しました。

未だ関東軍の実態は秘密のベールに包まれているような、憶測と独断が先行している印象が強いですね…731部隊の研究実験はホロコーストに匹敵する人道上の犯罪ですし、民間でも鉱山労働者の万人坑は非道極まりない。
ソ連進攻から終戦後に逮捕・拘束された日本人はシベリアへと送られ、過酷な抑留生活の後に戦犯として旧満州の管理所へと収監された982人は昭和25(1950)年から15年近く中国侵略の反省と改造教育を受けていたのだそうです。
高級官僚や関東軍関係者は、自らの過ちと償いを果たしたのでしょう。
“開拓移民に限らず一般の日本人が満州に求めたものは、民族協和や楽土の建設といった高邁な理想ではなく、貧しさからの脱出であり、金のなる木への憧憬だった。そのことが国策の植民地化、あるいは侵略につながり、結果として母体の日本をも滅びの道へ導いたところに、満州国と、そこに思いを寄せた日本人の悲劇がある”という言葉は僕に、満州だけでなく大東亜共栄圏全域に対する責任の所在を明らかにしているように感じられます。
大きな力を動かす時は末端に行くほど制御が効かない事を軽んじていると、結局は末端の冒した不始末によって反動が生じるのですな。

どの写真も陰影が強く、重苦しい…作者の年齢を思えば(写真かくあるべし)という事大主義的な固定観念も、全編に響き渡る自虐史観も止むを得ないにしても。
出来る限りフラットな思想で、重厚長大なあざとさを捨ててカラーで撮った方が作品として魅力的だったろうと僕は思うのです…何度も足を運んだ力作ですしキャプションにも資料的な価値はありますが、ファインダー越しに滲み出ている作者の罪悪感じみた念には賛同しかねます。


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    | books | 2014.06.19 Thursday | comments(0) | trackbacks(0) |









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