ReLIFE 完結編(完全生産限定版) [DVD]
ReLIFE 完結編(完全生産限定版) [DVD] (JUGEMレビュー »)

ブラック企業で心を折られた27歳ニートが、渡りに舟と食い付いたのは人生リセット人体実験?
アニメが描く夢の世界も、時代を表しているのですなぁ。
うっかり大人目線で色々やらかすネタに笑いつつ、いつしか心を掴まれてしまいました。
紹介記事【2018.05.16】
おいでよ どうぶつの森
おいでよ どうぶつの森 (JUGEMレビュー »)

22世紀を目指し、カレンダーの最終日までタイムスリップしたりと相変わらず楽しんでます。
2100年のどうぶつ村は如何に?笑
紹介記事【2019.06.19】
エクソダスギルティー (通常版)
エクソダスギルティー (通常版) (JUGEMレビュー »)

異なる3つの時代の物語を切り替えながら進む、マルチタイム・ザッピングシステムのアドベンチャー・ゲームです。
資料本「ワールドガイダンス」必携、正直クセが強く微妙ですが。笑
当時流行ったであろう「小説『聖書』」やガイア仮説のSFファンタジー&サスペンス、システム的には不便ですが僕は楽しめました。
紹介記事【2018.11.05】

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最近読んだ本
紅山雪夫「ヨーロッパものしり紀行 《神話・キリスト教》編」

古本屋で見つけてパラ読みしてみて、買ってきて読んだらやっぱり面白かった!
旅行ガイドを長年務めてきた著者ならではの、ギリシャ・ローマ神話とキリスト教文化の豆知識本です。
欧州ツアーで名所史跡や美術館を案内する際、観光客によく訊かれる質問や教えると喜ばれる文化的な背景や宗教画の決め事などを手際よくまとめてあります。
著者は昭和一桁世代で、豊富な語彙で平易な文章を書くのが非常に上手いです。
名文家とは、こういう人の事を指すのでしょうなぁ。

“ギリシア人の先祖は、遠い昔にバルカン半島の奥地から何波にも分かれて南下し、現在のギリシア本土、エーゲ海の島々から小アジアの海岸までを征服し、定住した。当然、その土地土地には昔からの土着の神々があり、原住民の信仰を集めていた。また高度に文明の進んでいたオリエントと接した結果、いろいろとオリエント系の神々の信仰も入ってきた”
こうした外来の神々を排除せずに主神ゼウスの神話体系へ吸収する気質、類似性が指摘される日本神話でも大和と出雲の二大勢力の統合を図って“天照大神とスサノオノ尊が姉妹だ”とされた事を思うと尚更です。

そしてギリシャ人の後にローマ人が南下してゲルマン人も南下して、歴史が北から塗り替えられる不思議…ゲルマン民族の大移動は「黒海周辺の氷河が溶けて草原地帯が広範囲に水没したせいだ」と聞きましたが、遠く離れたアフリカのルワンダでも先住ピグミーを駆逐したツチ族といい後から来て彼らを圧倒したフツ族といい北から来てるのを思うとやっぱり不思議です。
因みに前半は「神話と伝説」で、後半は「キリスト教と祭日」という二部構成。

様々なバージョンがある日本語訳の聖書ですが、文語訳のカトリックと口語訳のプロテスタントを統一した新共同訳が出たのは'87年と最近だったんですね!
19世紀以前の絵画は神話や宗教説話を主題としながら、スポンサーの意向で彼らの肖像を紛れ込ませたり妻のヌードを女神に見立てたそうで…彼らの要求に従って顔が正面を向いているせいで作品としては不自然になっても、そこは商業画家として割り切らないとレンブラントのように生活もままならなかった訳です。

キリストは空白の青年期に幾多の宗教を学びチベットまで至ったとする説がありますが、旧約の一節にも一切是空の思想があるんですね…旧約の源泉はシュメール人の伝承にまで遡ると実証されているという事なので、非常に興味深いです。
ユダヤ教が一神教となったのは出エジプトの時期にアトン信仰を取り込んでからで、元は遊牧民だった彼らがパレスチナに定住した事が現在に至る火種になったような?笑

新訳では紀元50年頃に成立したマルコ伝が最も古く簡潔で、それから約20年後のマタイ伝とルカ伝で追加された受胎告知ネタは双方で違っているそう…同胞ユダヤ人にキリストの正統性を説きながら処女懐胎を謳うマタイ伝の矛盾、聖路加病院の由来となった非ユダヤ人医師でヘレニズム世界に教えを広めた教養人のルカなど使徒の人柄が感じられます。
キリストが実はローマ人の暴行で身籠った子供だとか、黙示録は迫害をかわすために一種の暗号で意味を隠したという説も面白いな。

ローマではギリシャの神々以外にもエジプトのイシス信仰やシリア起源のミトラ教も同化されましたが、キリスト教はローマの神々や皇帝への礼拝を拒んだから迫害されたんですね…しかしパックス・ロマーナという最大勢力期だったので言葉の面でも交通の面でも布教には好都合、プトレマイオス王国のアレキサンドリアにセレウコス王国のアンティオキアにローマとコンスタンチノープルそしてエルサレムがキリスト教の五大中心地となったそうで。
7世紀にコンスタンチノープル以東は信仰に寛容なイスラム圏に入り、西ローマとは異なる正教として東欧ロシアへと伝播します。

正教には立体的な偶像は厳禁で聖画も写実的ではダメと、原始キリスト教の色合いが強いけど皆イコンは大好き…礼拝時の振り香炉もカトリックの比ではなく、国毎に発展したため地域性もカトリックより豊か。
仏教で菩薩像に水瓶を持たせるように「丸十の光背はキリスト」といった約束事があって、ユダも含めた使徒全員と各自を表す専用アイテムのエピソードはアニメの裏設定っぽいなぁ!笑
西欧の偶像崇拝は民衆の聖人・聖遺物崇拝にエスカレートして腐敗の温床となり宗教改革に至るのですが、それはキリスト教文化の原動力でもあったのですね。

カテドラルとは司教が在任する教会で各司教区に1つだけ、チャペルとは教会内を区切って有力者が占有していた礼拝スペースの事で宮殿や学校内に設けられているのは関係者専用。
“ゲルマン民族大移動と西ローマ帝国滅亡の混乱に伴い、地方の軍事・行政組織がまったく壊滅してしまった(中略)地域住民のための差し迫った問題をどうするかということで、教会が大いに頼りにされた”
こうして司教は、地元の名家という背景もあって地域の全権を掌握してたのね。

まるで国レベルの大きな歴史を動かしてきた民衆のうねりを早回しで見ているような、情報量が詰まっていて想像力をフル稼働させる位に密度のある読書体験でしたよ…過去に得た知識の隙間が水路に変わっていく、あちこちで最後の1ピースがはまってゆく心地好いスリルを味わいました。


再読【2019.11.29】

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以下、個人的メモ。
ローマ神話のヴィーナスはギリシャ神話のアフロディテ、その起源は古代オリエント文明のアシュタルテ。
ギリシャ語でアフロは泡を意味する事からアフロディテの誕生説話がこじつけられた、と考えられている。
アフロディテの息子エロースはローマ神話でクピードーと呼ばれ、アポロンとは弓で被る…医術の神アスキレピオスもアポロンの守備範囲と被っていたので、いっそ親子扱いにして分担の統合が図られたのだとか。

天空神ウラノスと大地母神ガイアの末子クロノスが最初の地上神となり、クロノスとレアーの末子ゼウスはギガントマキア(巨人戦)を経て神々の時代に天地の支配神となった…これは古代の慣習であり、長子たちが一人前になる頃は父も働き盛りなので資産を分け与えて自らの引退期に独り立ちする末子には家督を譲る末子相続制の反映である。

ゼウスの起源は非常に古く、その起源はインド神話のディヤウスに共通する印欧語族の天空神といわれる。
ギリシャには水量の豊かな河川が少ないため農業用水は雨水頼りだが夏は極端に降雨が少ない、なので雷に象徴されるゼウスが重視された…逆に太陽を神格化したヘリオスや同一視されがちなアポロンは、強い日差しが農耕には有害でもあったから精彩を欠くとも。
北欧神話のトールとして知られるゲルマン人の天空神ドナールも雷と風雨の神で、ゲルマン人がローマ文明の七曜神を採用した際に「ユピテルの日=ドナールの日」とされて木曜日という英語の起源になった。

アポロンやアテナも、ギリシャ文明の前に栄えたとされるミケーネ文化(前1600〜1100頃)の土着神だそうで…小アジアが起源と考えられているので、彼らもオリエント文明のアシュタルテ(アフロディテ)系列か?
アポロンと双子のアルテミスはローマ神話のディアーナと同一視される月と狩猟の女神だが、これまた小アジアの地母神に由来する。
狩りと同時に狩られる動物の守護神でもあり、共に付き添う泉の精ニンフはローマ時代に発見された「乙女の泉」の由来でも有名。
この水源から紀元前19年にアグリッパが築かせた「乙女の水道」は、今もトレヴィの泉などローマ市内を潤し続けている。

オリンポス山から、おそらくは領土の東端だったろうフェニキア(レバノン)の海岸を眺めたゼウスは「お花摘み」している美少女エウロペーを見初めると白い牡牛に姿を変えクレタ島へ連れ込んだ…これも地名説話と考えられていて、クレタ王家の祖先ミノス王にゼウスの箔付けを施した例。

ローマ神話のメルクリウスと同一視されるヘルメスは本来“ギリシア各地にあったヘルマという石の像”に由来し、それは驚くほど日本の道祖神と共通性が高い…境界の標識であり結界であり豊穣祈願の男根であり、そこから旅商人と通信一般の守護神へと昇格。
ヘルメスはアトラスの娘マイアとゼウスの子だそうで、アトラスが天を支えている場所はペロポネソス半島の西北に連なる山…だった筈がローマ詩人の“地中海の西の果て”という一節で、北アフリカのアトラス山脈&彼方の海にアトランティックが命名されたとか。

ライオンを身にまとったヘラクレスは“仏教と共に日本まで伝わった唯一の西洋の神様”で中国名は執金剛神、獅子殺しは英雄の証
彼の為した「12の功業」には“ティリンスのお家騒動”が背景にあり、更に辿れば名前の由来でもあるヘラのジェラシーがある。
彼の逸話やトロヤ戦争などに登場するアマゾネスは、東方から略奪を繰り返した遊牧民の伝承とエキゾチックな空想との産物らしい…後にスペイン人がインカ帝国を征服した際、アンデス山脈を越えた平原で交戦したインディオの勇敢な女性たちに因んでアマゾン川が名付けられたのだそうだ。
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    | books | 2014.06.25 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |









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