おいでよ どうぶつの森
おいでよ どうぶつの森 (JUGEMレビュー »)

22世紀を目指し、カレンダーの最終日までタイムスリップしたりと相変わらず楽しんでます。
2100年のどうぶつ村は如何に?笑
紹介記事【2019.06.19】
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こちらも「アーサー王宮廷のヤンキー」同様「トウェイン完訳コレクション」の一冊、子供の頃に読んだ童話絵本をイメージしたら大違いです。
古き良きアメリカの牧歌的なジュブナイルに見せ掛けた辛辣な社会批判は、巻末あとがきのナイスフォローを先に読む方が好いかも?
紹介記事【2019.05.22】
Ben Folds & Nick Hornby - Lonely Avenue
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Ben Folds & Nick Hornby
「ハイ・フィデリティ」作者×ベン・フォールズ・ファイブ元リーダー(?)のコラボ作。
SOSとはまた異なるバカラック的ドリーミーさ+初期B.ジョエル的な吟遊ピアノ感、ヴィンテージ系シンセ&ストリングスのあしらいも絶妙。
紹介記事【2019.06.27】

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最近読んだ本
日本民話の会・外国民話研究会(編訳)「世界の妖怪たち」

初版'00年、三弥井書店より刊行された「世界民間文芸叢書」の別巻だそうで。
日本民話の会って、松谷みよ子宮本常一の関わっていた会と一緒なのかなぁ?
それはともかく、様々な国や地域を専門として比較研究している方々が紹介する170編…長くても2ページ程度、ロシアを含むヨーロッパ各地の他にアルゼンチンやカナダといった方面の話もあるのは研究会メンバーの対象地域という事ね?
逆に言えば中国以外のアジアからオセアニア、アフリカ全域など「世界の〜」という割に空白地帯は結構あるよね…でも完全網羅されたら却って分厚さに読む気も失せそう、本書に不満がある訳じゃないですし。

「はじめに」に“世界の不思議な話、妖怪話の分野での整理や研究は現在のところ、昔話における国際話型番号(AT番号)に相当する共通の土台がまだ作られていません”とあり、まぁ“それぞれの国で個別に作られている”そうではありますが…昔話は研究者によって世界共通の話型番号で分類されていたのね、そして本書は「奇譚」にもそうした“土台を作っていくための一助となることをめざして”編まれたのだそうです。
しかし妖怪というよりは、せいぜい(質の悪い妖精)ですな…これは姉妹編「世界の魔女と幽霊」の分類から除外された、魔女にも幽霊にも該当しないタイプ集?

日本では動物に化かされたオチの話も、外国では妖魔が動物に化けているのが興味深い…どうやら意思を持つのは天使か悪魔の仲間だけで、動物を人間と同等に位置付ける気はないのね。
また堂々巡りも昔は狐狸の類いと言われていたのが現代では霊の仕業になり、同じ出来事でも“怪異現象の理由づけ”は明らかに時代の変化で移り変わる訳で。
そして個人的には前々から日本や中国の話は面白いのに他の話は何か物足りない気がしていたのですけど、やはり根本的な違いがあるような…そこにはカトリックだったり正教だったりといった一神教の世界観が反映されてるせいか、どうも契約の履行または不履行の話でしかない感じで。

興味深いのはカナダの場合で、最初に入植したフランス人移民の生活圏には悪魔話が多くてイギリス系住民の多いノヴァ・スコシア半島には幽霊話が多いとか…しかも悪魔が教会を建ててくれたりと、何故か見返りのない親切さを発揮したりするのが独特ですね。
先日の「ヴィルダーマン」でも思ったのですが、一神教の勢力圏は土着の信仰に上書きされても下絵が滲み出てくるように混淆してるんですよね…同じキリスト教でも教義の解釈によって恐怖の対象が悪魔だったり幽霊だったりするのも面白いけど、やはり古来の要素が外見や行動には名残りがあっても筋書きには感じられなくて残念。

“中国の妖怪は、人以外のものが人の姿で現れる「精(チン)」と、死んだ人がなる「鬼(グイ)(幽霊)」に大きく分かれる”そうで、小動物や植物は“年を経て修行を積むなどの条件をみたして、はじめて変身の術を習得して精になる”のに対して虎や熊は最高位の動物ゆえに無条件で精になれるらしい…また“物、道具類など、もともと命のないものが精になるには、年を経ることのほか、血や汗など人の体液が付着することが条件となっている話が多い”そうで、本書で面白いと思った話も中国の話でした。
アイヌの話は、どうも順序立てて話さない人が多いようで惜しかったなぁ〜?

因みに僕が一番面白かった話を、粗筋で紹介しましょう…山に生える高価な人参を採りに来た若者が山神の堂に願掛けをすると、願い通りではあるが肝心の薬効高い部分が小さ過ぎて赤字になってしまった。
けれども願ほどきに来て、奉納芝居を雇う金はないので自作自演で舞い踊る…そこに通りかかった同業の男は堂の後ろに人だかりがしているのを不思議がって近寄ると人垣が消え、若者から経緯を聞いた男は「自分の山小屋を男に譲って廃業する」と言う若者を宥め小屋で夜を明かした。
若者は男が言うとおり堂の後ろを掘り返すと、以前は生えてなかった人参が大量に採れる。
若者は男の洞察力に感心し、男は若者の義理堅さに心打たれて義兄弟の契りを交わすと二人で山ほど人参を背負って共に山を下りた…やたら端折りましたがどうでしょう、こういった話はキリスト教圏では失われてしまったのかもね。


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    | books | 2015.10.31 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |









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