ReLIFE 完結編(完全生産限定版) [DVD]
ReLIFE 完結編(完全生産限定版) [DVD] (JUGEMレビュー »)

ブラック企業で心を折られた27歳ニートが、渡りに舟と食い付いたのは人生リセット人体実験?
アニメが描く夢の世界も、時代を表しているのですなぁ。
うっかり大人目線で色々やらかすネタに笑いつつ、いつしか心を掴まれてしまいました。
紹介記事【2018.05.16】
おいでよ どうぶつの森
おいでよ どうぶつの森 (JUGEMレビュー »)

22世紀を目指し、カレンダーの最終日までタイムスリップしたりと相変わらず楽しんでます。
2100年のどうぶつ村は如何に?笑
紹介記事【2019.06.19】
エクソダスギルティー (通常版)
エクソダスギルティー (通常版) (JUGEMレビュー »)

異なる3つの時代の物語を切り替えながら進む、マルチタイム・ザッピングシステムのアドベンチャー・ゲームです。
資料本「ワールドガイダンス」必携、正直クセが強く微妙ですが。笑
当時流行ったであろう「小説『聖書』」やガイア仮説のSFファンタジー&サスペンス、システム的には不便ですが僕は楽しめました。
紹介記事【2018.11.05】

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最近読んだ本
森住卓(写真・文)「セミパラチンスク」

初版'99年、高文研刊。
副題に「草原の民・核汚染の50年」とあるように、カザフスタンで旧ソ連が行っていた核実験の後遺症に悩まされる人々を追ったフォト・ルポルタージュです。
パウロ・コエーリョが「ザーヒル」の文中で触れていた事を取り上げている本書、図書館の書棚で目に留まったので借りてきました。
元を正せば、それ以前から(CIAの悪行は色々と暴かれてて心底ウンザリさせられるけど、それに比べればKGBの情報って未だに表沙汰になってなくない?)と気になっていたのです…実際ソ連解体後も実体はロシアに引き継がれ、明らかにされていないようで。

アメリカは終戦間際に上手い事やって核爆発による環境や人体への影響をデータ入手した訳ですが、冷戦に突入したソ連も欲しかったんでしょう…そこには中国の中華思想を矮小化したような「大ロシア主義」という他民族への軽視が絡み、だだっ広いカザフの草原でやればいいじゃん的なノリで決まったようなのです。
場当たり的な灌漑農業でアラル海を干上がらせたのと大差ない、大雑把で後先考えないロシア人らしいな!
そんでカザフ独立後は責任放棄、なのに何故かKGBが入り込んで監視してるとか国家って本当に国民の最大公約数レベルの知能しか持たない馬鹿野郎なのよ。

ついつい日本は「唯一の被爆国」とか言っちゃう訳ですけど、個人的にはそういう看板みたいな物言いに抵抗を感じておりまして…まるで正義の代弁者気取りな弱者の衣を借りた狐とは一緒にされたくないというかね、いちいち国とか持ち出さずに原爆や放射能の被害を被った方々への気持ちを抱えて生きたいというか。
アメリカにもビキニに限らず被害者はいる筈で、核保有国には必ず爆発実験の影響を被った方々がいると思います…その一端として無数の原水爆実験が地下や空中でも繰り返された土地で寝食を共にしてきた記録でもある本作、個人的には「唯一のォ〜」と言っちゃう前に読まれるべき一冊かと。
セミパラチンスク


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以下、個人的メモ。
“セミパラチンスク核実験場で原爆実験が開始されて、今年(一九九九年)でちょうど五〇年になる”
“その広さは一万八五〇〇平方キロ、日本の四国全体がすっぽり入る広大な面積を占めている”
“実に四六七回もの核実験がここで繰り返された。この実験場で環境に放出された放射性物質の量を示す指標の一つに、チェルノブイリ原発事故の五〇〇〇倍という数字が使われる”


“一九五三年八月一二日、初めての水爆実験が行われ、カイナール村の村人たちは全員避難させられることになった。(住民の話によれば、周辺の住民避難は、実験実施の三日前に急きょ決定された。)しかし実験の二日前、村にやってきた軍人たちは、四二人の男たちに、「重要な任務があるから村に残れ」と命令した”(119p.)


“役場に保管されている村民の死亡診断書の中には、「精神衰弱」という奇妙な病名が記されていた。ガン、白血病など放射能の影響と考えられる病名を記すことはタブーだったのだ。そればかりか現在も、現ロシア政府は、核実験による放射能の被害はいっさいなかったと言い張っている”(120p.)

“「核兵器産業を支えるチェリャビンスクやオムスクなどウラル、シベリヤの工業地帯に近く、鉄道が近くを通り、交通の便がよいことが選ばれた理由だった。ロシア人のクルチャトフ博士の目には、カザフの草原は誰も住まない不毛の大地と見えたのだろう。
 四六年に正式名称、国防省第二軍事演習場として、セミパラチンスク核実験場の設置が決定すると、草原からカザフ人が追い出され、鉄条網で囲われた」
(『旧ソ連 戦慄の核実験』NHK取材班著 NHK出版)”
“セミパラチンスクは帝政ロシア時代、政治犯としてドストエフスキーが強制軍務に服していたところでもある。ここは当時、政治犯や、殺人犯の流刑地でもあった(もっと遠くシベリア流刑もあった)。そこにカザフ人が住んでいることなど思いも及ばなかったのかも知れない。そしてまた、大ロシア主義と呼ばれる他民族蔑視の思想が根底にあり、ここを核実験場に選定したのかも知れない”
“この点は、アメリカのネバダやマーシャル諸島ビキニやエニウェトック環礁、フランスのムルロア環礁、中国のロプノール核実験場など、選定された場所は、みな状況がよく似ている”(121p.)

“この四国ほどもある広さでは、演習場の内と外をはっきりさせる境界線などないに等しいところがほとんどなのだ。羊や馬が汚染された草を食べ、その乳や肉を体内に取り込むことになる。実験は中止されたが、被爆は日常的につづいているのだ”(122p.)

“ソ連が崩壊して情報公開が進んだとはいえ、依然としてKGBがこの国を支配しているのだ”
“道路から手の届くようなところに核廃棄物の捨て場があるとは、驚きを通りこしてあきれ果ててしまう”(123p.)

“原発、核兵器製造工場、核廃棄物投棄場、ケミカルメタル工場と、幹線道路沿いに並ぶ核関連工場。ここは核兵器製造コンビナート地帯とでも呼ぶべきなのか。われわれの常識では考えられないことが、旧ソ連では勧められていたのだ”
“このあと帰国後、一九九四年春、東京で開催された世界的なドキュメント写真家セバスチャン・サルガドの写真展「ワーカーズ」の図録の中に、ウスチ・カメノゴルスクの精錬工場で働く労働者の写真を発見した。そこにははっきりと「旧ソ連核廃棄物処理の拠点でもあったウスチ・カメノゴルスクはカザフスタンでも最も汚染された都市の一つ」というキャプションが付けられていた”(124p.)

“ウスチ・カメノゴルスク市のガン発生率は他の地域と比べて八〇〜九〇%も高い。ここは西にセミパラチンスク、南東に中国のロプノールという二つの核実験場に挟まれ、その両方の影響を受けているといわれている。被爆者にとってせめて安心して受けられる医療施設があるべきなのに、ここでは最低限の医療すら受けられない”
“宇宙に人間を運べる国が、国民の医療や福祉をおろそかにして核開発に狂奔した。国民経済を犠牲にしても核軍拡を最優先してきたそのツケは大きい。その核開発は、厳重な国家機密に守られ進められてきた”(125p.)

“西側にはソ連が崩壊したから、KGBも消えてなくなったと思っている人が多いが、それはとんでもない誤解である。国防省や内務省とともに、国家保安委員会(KGB)は名称こそ変わったが内部の人員や組織がもっとも温存された旧ソ連の国家機構なのである”
“被爆者の救済に必要な情報の多くは、ロシアに持ち去られている。体制の壁を破らずにその情報を手に入れることは出来ない”(130p.)

“被爆の危険があるので子どもは連れていかないほうがいいと私は反対したが、「この村に住んでいる限り被爆は避けられない、いまさら危険なところを避けて通るより現場を見せた方が社会勉強になる」とアキンバイさんはわが子をジープに乗せてしまった”(131p.)

“平原といっても、緩やかなアップダウンがある。大昔、このあたりは高い山地を形成していたという。しかし夏の強烈な太陽と厳冬の風雪が、岩山を風化させ地形をなだらかにしていった。その当時の名残りが、小高い丘となり山となって残っている”
“セミパラチンスクにある放射線影響研究所のボリス・グシェフ博士によれば、三四三回の地下核実験のうち一二〇回、つまり三回に一回は失敗したという。ということは、放射性ガスが漏れたということだ”
“実験用に使ったさまざまな機械は取り外され、残骸が散乱している。村で使えそうな物もすでに実験場周辺の村人が壊して持ち去っている。屑鉄は中国に高く売れるので、貴重な現金収入になるのだ。しかしその屑鉄は当然放射能で汚染されている。売られた屑鉄をつうじて、放射能汚染はさらに拡大したにちがいない。だがそうはいっても、彼らにとっては将来の放射能障害より、明日のパンを優先せざるをえないのだ”(132p.)

“地元の人が「原子の湖」と呼ぶチャガン人工湖は、一九六五年の核実験によって作られた。アシス川とチャガン川の合流地点に核爆弾を地下数十メートルに仕掛けて、爆発させたのだ。通常は地下数百メートルで爆発させるのだが、この時は湖を作るのが目的だったため、通常の十分の一ほどの深さで爆発させてしまった。
 ここから数十キロの地点には、ズナメンカ村やサルジャール村がある。浅い地下での爆発は放射性ガスを噴出させ、これらの村を汚染した”
“カザフの草原を緑の大地に変えようとした実験は、核エネルギーを使うことによって今後数万年にわたり大地を汚染しつづけることになってしまった”(133p.)

“前にグシェフ博士が見せてくれた放射能汚染地図を思い出した。核実験場からイルティッシュ川を渡り、ドロン村を襲った「死の灰」のルートがしめされた地図だ。それは一九四九年八月二九日の第一回核実験以来、幾度となく繰り返し人びとを襲っていたのだ。臭いもなく音もなく忍びこんだ「死の灰」は、平和でのどかな暮らしをしていた人々をじわじわと死の谷に追いやってしまった”
“軍の最新データによれば、大気圏内核実験が行われた一九四九年から六二年までのダローニ村が受けた総放射線量は四四七レムとなっている。一度に浴びれば二カ月以内に半数以上の人が死亡するといわれている数値だ。ドロン村は今も厳重監視地域である”(137p.)

“「たくさんのジャーナリストが来たが、私を助けてくれる人は誰もいなかった。何も改善されないじゃないか」”(141p.)

“グシェフ博士は、「避難が間に合わず、住民は全滅、被爆線量は一〇〇〇レントゲン、村自体をブルドーザーで埋めた」とインリイン教授が書いた秘密報告書があることも話してくれた”(144p.)

“我々科学者は全員、水爆装置の製造や実験の準備、計算に追われ、放射性降下物の問題をすっかり見落としていたのだ”(145p.)

“放射能の被害を伝えるため、私はセミパラチンスクで撮った写真を新聞社や出版社に持ち込んだ。しかし持ち込みはしばしば不成功に終わった。因果関係がはっきりしない写真は載せられない、というのだ。とくに高級な(?)雑誌がそうだった。状況証拠はこんなにそろっている。にもかかわらず個々の因果関係が証明されないからという。断られるたびに、現場を見てきた人間にしかわからないのかと悔しい思いを何度か味わった”(151p.)
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    | books | 2015.11.21 Saturday | comments(0) | - |













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