最近みたDVD
「CONVOY」
本作は、日本の一般大衆に「コンボイ=トラック野郎」という間違った意味を植え付けてしまった'78年のアメリカ映画です…しかしこんなの日本の小学生が観に行くとは、故サム・ペキンパー監督も思わなかったんじゃないかな?
実際、10歳の子供にはインパクトありましたよ…例えば松任谷正隆らの変名バンドによる日本版イメージソングが、ギターより早くベースに目覚めるきっかけになったんですからね!笑
僕が「東映まんが祭り」以外で初めて観たのがスケボー青春映画で、その次が本作でした…あの頃は、ビッグトレーラーの迫力に圧倒されただけでしたけども。
別に大人の影響ではなくて、自分で観たいと言って父に連れて行ってもらったんですよ…何故だったのかは、特に理由もなかった筈。
その後たまに思い出す位で、割と最近になって動画サイトで本作を発見…だけど字幕なしでは今ひとつ面白くなくて、レンタル店で捜したけど置いてなくて。
で、Amazonで検索したらDVDを発見!…日本語字幕固定で吹き替えなし、特典も予告編だけというアッサリした内容ですけど¥388で買えたら御の字ですよ。笑
だって件のスケボー青春映画「ボーイズボーイズ」なんて日本じゃDVD化されてませんからね、ってスイマセン思い出語り長くて!
クリス・クリストファーソン演じるラバー・ダックが意図せず時の人に祭り上げられ、ラストで移動教会バスと一緒になるまでを観れば分かると思うんですが…まさか本作を「キリストになぞらえてる」と看破したのは、僕だけですかね?笑
汚れ役に徹した執念深い郡保安官ライルと、アリゾナ州を脱して乱闘騒ぎの罪を帳消しにしたいトラッカーを率いるラバー・ダック。
BC無線を通じて共感したトラッカーが加わり社会現象化すると、それを利用せんとマスコミや権力者が彼らを偶像へと仕立て上げ…負けじとライルも職権をかさに軍隊まで動員、メンツの張り合いがエライ事に!
導入部のホワイトサンズ、劇場で観た時は(雪原?)と思ってました…ライルの嫌がらせや州境を越える意味も分からなかったクセに、不思議と愛人ウェイトレスの不憫さはガキの分際で分かってたんだよなぁ!笑
それと当時の劇場アニメ「ルパン三世」のカーチェイスで描かれる16輪トラックは本作に影響されてますね、以前は「激突!」のパロディかとも考えたのですが…それと「ランナバウト3」というゲームの「激突!」風トレーラーも、画面上の時刻表示は本作の影響だったのだと気付いたり。
因みに“スローン牧師移動教会”って、ニューメキシコから合流してたのかぁ!
そうそう、この騒ぎの始まりにライルの黒人いじめがあった事も子供の頃には気付きませんでした…それが中盤過ぎの転換点で伏線として活き、ライルが差別主義者ではない事も判明し。
しかし“ここは黒人運転手には不利な国だ”の一言で、産業の根幹を支えつつも職業カーストの底辺にあるリアルを語っていました。
男同士の対決と並行して描かれる、反権力に増長してゆく集団心理…同調者が膨れ上がるにつれ全体の性質も変容し、最初は行く先々で歓迎していた市民が唐突に彼ら一行を敵視する姿は子供心にも不気味でした。
ま、狭い日本より情報格差が激しいんでしょうけど。
再びラバー・ダックが一匹狼に戻る時、メキシコ国境に架かる橋には州軍が待ち構えていました…降り注ぐ銃弾の中、彼は全トラッカーを代表してアメリカにノーと言ったのでしょうか?
ライルと、お互いのチカラを出し切って勝負してきた最後の決戦は…命を張ったラバー・ダックが伝説となり、しかも死んではいなかったと知ったらライルは?
そりゃもう笑うしかないでしょうな、政治的な式典なんて茶番をね…トラック野郎の地位向上ってのは外部の抱いた幻想で、誰も高邁な理想を掲げて走っていやしなかったのですからね!
“人生そのものが宗教です”、奥深い台詞ですわ。笑
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【最近読んだ本】片岡義男「ロンサム・カウボーイ」| 2022.05.18
→再視聴| 2017.09.24
→U.S-CONVOYS(日本版イメージソング)| 2013.12.10
本作は、日本の一般大衆に「コンボイ=トラック野郎」という間違った意味を植え付けてしまった'78年のアメリカ映画です…しかしこんなの日本の小学生が観に行くとは、故サム・ペキンパー監督も思わなかったんじゃないかな?
実際、10歳の子供にはインパクトありましたよ…例えば松任谷正隆らの変名バンドによる日本版イメージソングが、ギターより早くベースに目覚めるきっかけになったんですからね!笑
僕が「東映まんが祭り」以外で初めて観たのがスケボー青春映画で、その次が本作でした…あの頃は、ビッグトレーラーの迫力に圧倒されただけでしたけども。
別に大人の影響ではなくて、自分で観たいと言って父に連れて行ってもらったんですよ…何故だったのかは、特に理由もなかった筈。
その後たまに思い出す位で、割と最近になって動画サイトで本作を発見…だけど字幕なしでは今ひとつ面白くなくて、レンタル店で捜したけど置いてなくて。
で、Amazonで検索したらDVDを発見!…日本語字幕固定で吹き替えなし、特典も予告編だけというアッサリした内容ですけど¥388で買えたら御の字ですよ。笑
だって件のスケボー青春映画「ボーイズボーイズ」なんて日本じゃDVD化されてませんからね、ってスイマセン思い出語り長くて!
クリス・クリストファーソン演じるラバー・ダックが意図せず時の人に祭り上げられ、ラストで移動教会バスと一緒になるまでを観れば分かると思うんですが…まさか本作を「キリストになぞらえてる」と看破したのは、僕だけですかね?笑
汚れ役に徹した執念深い郡保安官ライルと、アリゾナ州を脱して乱闘騒ぎの罪を帳消しにしたいトラッカーを率いるラバー・ダック。
BC無線を通じて共感したトラッカーが加わり社会現象化すると、それを利用せんとマスコミや権力者が彼らを偶像へと仕立て上げ…負けじとライルも職権をかさに軍隊まで動員、メンツの張り合いがエライ事に!
導入部のホワイトサンズ、劇場で観た時は(雪原?)と思ってました…ライルの嫌がらせや州境を越える意味も分からなかったクセに、不思議と愛人ウェイトレスの不憫さはガキの分際で分かってたんだよなぁ!笑
それと当時の劇場アニメ「ルパン三世」のカーチェイスで描かれる16輪トラックは本作に影響されてますね、以前は「激突!」のパロディかとも考えたのですが…それと「ランナバウト3」というゲームの「激突!」風トレーラーも、画面上の時刻表示は本作の影響だったのだと気付いたり。
因みに“スローン牧師移動教会”って、ニューメキシコから合流してたのかぁ!
そうそう、この騒ぎの始まりにライルの黒人いじめがあった事も子供の頃には気付きませんでした…それが中盤過ぎの転換点で伏線として活き、ライルが差別主義者ではない事も判明し。
しかし“ここは黒人運転手には不利な国だ”の一言で、産業の根幹を支えつつも職業カーストの底辺にあるリアルを語っていました。
男同士の対決と並行して描かれる、反権力に増長してゆく集団心理…同調者が膨れ上がるにつれ全体の性質も変容し、最初は行く先々で歓迎していた市民が唐突に彼ら一行を敵視する姿は子供心にも不気味でした。
ま、狭い日本より情報格差が激しいんでしょうけど。
再びラバー・ダックが一匹狼に戻る時、メキシコ国境に架かる橋には州軍が待ち構えていました…降り注ぐ銃弾の中、彼は全トラッカーを代表してアメリカにノーと言ったのでしょうか?
ライルと、お互いのチカラを出し切って勝負してきた最後の決戦は…命を張ったラバー・ダックが伝説となり、しかも死んではいなかったと知ったらライルは?
そりゃもう笑うしかないでしょうな、政治的な式典なんて茶番をね…トラック野郎の地位向上ってのは外部の抱いた幻想で、誰も高邁な理想を掲げて走っていやしなかったのですからね!
“人生そのものが宗教です”、奥深い台詞ですわ。笑
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| cinema | 2017.01.17 Tuesday | comments(0) | - |