おいでよ どうぶつの森
おいでよ どうぶつの森 (JUGEMレビュー »)

22世紀を目指し、カレンダーの最終日までタイムスリップしたりと相変わらず楽しんでます。
2100年のどうぶつ村は如何に?笑
紹介記事【2019.06.19】
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こちらも「アーサー王宮廷のヤンキー」同様「トウェイン完訳コレクション」の一冊、子供の頃に読んだ童話絵本をイメージしたら大違いです。
古き良きアメリカの牧歌的なジュブナイルに見せ掛けた辛辣な社会批判は、巻末あとがきのナイスフォローを先に読む方が好いかも?
紹介記事【2019.05.22】
Ben Folds & Nick Hornby - Lonely Avenue
Ben Folds & Nick Hornby - Lonely Avenue (JUGEMレビュー »)
Ben Folds & Nick Hornby
「ハイ・フィデリティ」作者×ベン・フォールズ・ファイブ元リーダー(?)のコラボ作。
SOSとはまた異なるバカラック的ドリーミーさ+初期B.ジョエル的な吟遊ピアノ感、ヴィンテージ系シンセ&ストリングスのあしらいも絶妙。
紹介記事【2019.06.27】

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最近読んだ本
河野典生「いつか、ギラギラする日々」

同名の邦画は、著者とは何の関係もないそうで…何故かタイトルだけを、角川春樹が独断で流用したとか?
実際、印象に残る題名ではあります…逆に言えば表題作以外の収録作は、まるで覚えていませんでしたが。
ともあれ、表紙のカバー・イラストは誰が見ても日野照正でしょうね…実際、表題作には彼をモデルとしたようなジャズ・トランペッターの描写がありますし。
個人的にはバリ島を舞台とした「デンパサールの怪鳥」を読み返したかったんですが、Amazonの古本が新品価格だったので送料分だけ割高な気がして…因みに本書は送料込みで¥351、初版'81年の集英社文庫です。

'75年に出た単行本の文庫化で、巻末の山下洋輔による解説は文庫のオリジナルですね…本書を購入する時に見付けた山下とのインド旅行記を先に読んでしまいましたけど、その'78年の事が書かれているので。
“そもそも、ぼくはインドで酔っ払い、トイレを汚して忘れ、それを同室の河野さんに後始末してもらったという前科持ちだから、今さらこの人に気がねしてもはじまらない”とか色々。
山下は著者の作品にジャズで分類を試みて、背景として鳴っているだけではなくプレイヤーが登場したり主人公がジャズメンである事が「ジャズ小説」の条件であると定義付けています。

その伝でいえば表題作は完全な「ジャズ小説」で、夜の新宿に生きる吾郎の姿を高田という作家の目線で描いており…しかし「羽根のない鳩」は著者が好んでモチーフに取り上げる典型的な“「鳥」物”で、また「チャイ売りの声」もアジア各地を好む著者らしい“お得意のインド物”です。
もしかしたら「チャイ〜」には「インド即興旅行」の前年、ボンベイ空港で“今朝、おまえの国のレッド・アーミーが、ここから云々”と聞いた経験が反映されているのかもしれません。
「驟雨の街」は新宿駅東口から始まり、僕の記憶にある光景は今や跡形もないのだと思い知らされました。

“牛乳箱”“都電レール跡”“池袋にある月賦デパート”“ストライキのピケ破り”“伝書鳩”、まだ空地にはセイタカアワダチソウではなく“ススキやタケニグサ”が生えていた時代。
最後の「殺戮の夏」は獄囚の独り語りという形式で、途中に山下“陽輔”のトリオがチラッと登場します。
その加速するクライマックスにふと、先日の「君が若者なら」を連想しました。
思えば本書の作中には必ず鬱屈とした若者がいて、中二の僕は自らの怒りに近い衝動を彼に投影していたのです…そして今の僕は、それに憧れのような刹那さを抱く褪めた視点の側から読んでいた事に気付きます。

ストーリーの核にある「破滅に向かう青年の放つ暗い熱」は、数十年ぶりに読んで違和感が先に立ちました…こんな話のどこに、あの頃の自分が惹かれたのか?
しかし徐々に、昭和の風景の中に若かりし時代の殺意や焦燥が胸によみがり…そういえば新宿という街の厭さに、かれこれ10年以上も足を踏み入れずにいた事が思い出されてきました。
多分これらは、もう現代では受け入れ難い物語なのです…新しい読者を獲得する機会もないでしょうし、いくばくかの共感すら今の感覚では得られない筈です。
河野さん、貴方が既に亡くなっていると最近になって知りました…僕は今再び、貴方の読者です。R.I.P.
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    | books | 2017.03.12 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |









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