最近みたDVD
「パーティ」
'68年のMGM映画で、原題も同じく「THE PARTY」…ピーター・セラーズ主演のコメディというだけで借りて観たのですが、予想を裏切る面白さでしたよ!
冒頭の西部劇みたいな荒野を行進するサファリ・ルックのバグパイプ、崖から銃弾の雨を降らせるターバン姿の男たち?…インド独立の映画かと思ったらドリフ的ギャグで大笑い、しかも劇中劇で始まるのは「オースティン・パワーズ・ゴールドメンバー」のネタ元か!って思ったしバクシのドジっぷりはMr.ビーンの原点か?っていう感じで。
この撮影を台無しにした、インド人の俳優フルンディ・V・バクシがピーター!
製作中止に追い込まれたディレクターは、バクシの役者人生を終わらすべく映画会社の社長に連絡しますが…うっかり社長は自宅でのパーティ招待者リストに彼の名を走り書きしてしまい、ハイソな催しの筈が次第にメチャクチャな空気に。
女性たちのファッションに時代を感じ、古めかしいデザインのケンタッキー・バレルに妙な感動すら覚えます…しかし'68年といえばヒッピーの全盛期だよなぁ?と思っていたら案の定、終盤にパーティ主催者の娘が反戦デモ帰りの仲間と乱入してきて最早カオス状態!
密室サイレント・コメディは、やがて観ているのも疲れるほど収集つかないバカ騒ぎに。
前半の可笑しさが無秩序に呑み込まれてゆく、この尻窄みな展開はしかし時代を皮肉っていたのかもしれませんね…脚本のブレイク・エドワーズは製作および監督も兼任、ピーターと組んだ「ピンク・パンサー」シリーズや「ティファニーで朝食を」の監督としても有名だそう。
ヘンリー・マンシーニの音楽も好い感じで、特にヒロイン(クロディーヌ・ロンジェ)がギターで弾き語りするボサノバ調の歌が素的なんだけど…非常に短いエンド・ロールにはキャストだけしかクレジットされていなかったので、詳細は不明なのが残念です。
空色の逆三輪クラシック・カーが走り去る、取って付けたようなハッピーエンドの空虚さも時代の顕れか?
個人的にはウィッグをいじられるプリンセス・ヘレナ役、シャロン・キンバリーの美貌も観どころでした。
→〈MGM/ユナイト〉関連記事
→〈1968年〉関連記事
*以下の動画は、携帯からでは閲覧できないかもしれません。
『Claudine Longet - Nothing to lose (from The Party movie)』(この曲は現在リリースされている彼女のアルバムには未収録のようで、半端なカバー物より好いと思うのですが残念・・・因みに背後のピーターはトイレ我慢の限界、という状態です)
『The Party (1968) - Ending』(古風なメッサーシュミットといったフォルムと、クロームメタリックに映える空色のカラーリングが素的です)
'68年のMGM映画で、原題も同じく「THE PARTY」…ピーター・セラーズ主演のコメディというだけで借りて観たのですが、予想を裏切る面白さでしたよ!
冒頭の西部劇みたいな荒野を行進するサファリ・ルックのバグパイプ、崖から銃弾の雨を降らせるターバン姿の男たち?…インド独立の映画かと思ったらドリフ的ギャグで大笑い、しかも劇中劇で始まるのは「オースティン・パワーズ・ゴールドメンバー」のネタ元か!って思ったしバクシのドジっぷりはMr.ビーンの原点か?っていう感じで。
この撮影を台無しにした、インド人の俳優フルンディ・V・バクシがピーター!
製作中止に追い込まれたディレクターは、バクシの役者人生を終わらすべく映画会社の社長に連絡しますが…うっかり社長は自宅でのパーティ招待者リストに彼の名を走り書きしてしまい、ハイソな催しの筈が次第にメチャクチャな空気に。
女性たちのファッションに時代を感じ、古めかしいデザインのケンタッキー・バレルに妙な感動すら覚えます…しかし'68年といえばヒッピーの全盛期だよなぁ?と思っていたら案の定、終盤にパーティ主催者の娘が反戦デモ帰りの仲間と乱入してきて最早カオス状態!
密室サイレント・コメディは、やがて観ているのも疲れるほど収集つかないバカ騒ぎに。
前半の可笑しさが無秩序に呑み込まれてゆく、この尻窄みな展開はしかし時代を皮肉っていたのかもしれませんね…脚本のブレイク・エドワーズは製作および監督も兼任、ピーターと組んだ「ピンク・パンサー」シリーズや「ティファニーで朝食を」の監督としても有名だそう。
ヘンリー・マンシーニの音楽も好い感じで、特にヒロイン(クロディーヌ・ロンジェ)がギターで弾き語りするボサノバ調の歌が素的なんだけど…非常に短いエンド・ロールにはキャストだけしかクレジットされていなかったので、詳細は不明なのが残念です。
空色の逆三輪クラシック・カーが走り去る、取って付けたようなハッピーエンドの空虚さも時代の顕れか?
個人的にはウィッグをいじられるプリンセス・ヘレナ役、シャロン・キンバリーの美貌も観どころでした。
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*以下の動画は、携帯からでは閲覧できないかもしれません。
『Claudine Longet - Nothing to lose (from The Party movie)』(この曲は現在リリースされている彼女のアルバムには未収録のようで、半端なカバー物より好いと思うのですが残念・・・因みに背後のピーターはトイレ我慢の限界、という状態です)
『The Party (1968) - Ending』(古風なメッサーシュミットといったフォルムと、クロームメタリックに映える空色のカラーリングが素的です)
| cinema | 2017.08.02 Wednesday | comments(0) | - |