おいでよ どうぶつの森
おいでよ どうぶつの森 (JUGEMレビュー »)

22世紀を目指し、カレンダーの最終日までタイムスリップしたりと相変わらず楽しんでます。
2100年のどうぶつ村は如何に?笑
紹介記事【2019.06.19】
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こちらも「アーサー王宮廷のヤンキー」同様「トウェイン完訳コレクション」の一冊、子供の頃に読んだ童話絵本をイメージしたら大違いです。
古き良きアメリカの牧歌的なジュブナイルに見せ掛けた辛辣な社会批判は、巻末あとがきのナイスフォローを先に読む方が好いかも?
紹介記事【2019.05.22】
Ben Folds & Nick Hornby - Lonely Avenue
Ben Folds & Nick Hornby - Lonely Avenue (JUGEMレビュー »)
Ben Folds & Nick Hornby
「ハイ・フィデリティ」作者×ベン・フォールズ・ファイブ元リーダー(?)のコラボ作。
SOSとはまた異なるバカラック的ドリーミーさ+初期B.ジョエル的な吟遊ピアノ感、ヴィンテージ系シンセ&ストリングスのあしらいも絶妙。
紹介記事【2019.06.27】

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最近みたDVD
「キッドナップ・ブルース」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

英語のタイトルは「KIDNAPING BLUES」、敢えて“KIDNAPPING”ではないらしいけど理由は分かりません。
写真家として知られる浅井愼平の初監督作品で主演はタモリ一義、そして音楽は山下洋輔…'82年の公開前、僕は目黒雅敘園で山下の「観月会」なるライブを観に行き受付でもらったチラシ(フライヤー)から本作を知りました。
筒井康隆からの繋がりで知った山下に、山下らに見出だされたタモリ…まさかそこに浅井が絡むとは、こりゃ見逃す手はない!と思いながら(映画なら当然CMも紙面広告も打つものだ)と油断していたせいで公開終了してから気が付いて。

浅井による本作のフォトブックを繰り返し眺めながら、中綴じの隔週雑誌「ぴあ」で名画座情報をチェックしていた中学時代…よもや本作を観る機会がこれほど遅くなるとは、またDVDなる記録媒体を宅配レンタルで視聴する日が来るとは思いもしませんでしたよ。
そもそも名画座という文化自体が、レコード盤と共に消滅してしまうとはね…レンタルビデオの頃から本作を置いてる店はなく、Amazonで検索してみたら足下を見るような高値だしで観る事を諦めかけていました。
しかしTSUTAYAの宅配レンタルを知り、そのサイトで検索かけたら発見!…先ずはお試し登録で、本作を。

希望したタイトルが2作単位で郵送されて来るのですが、封筒に“【遅配厳禁!】必ず即日配達”とあってビックリ…まぁそんな事はさておき、本作の話です。
タモリ演ずるはジャズメン崩れのパチプロ、鍵っ子の舞ちゃんは水商売のシングルマザーから若干ネグレクト気味…彼女の「海が見たい」という呟きから始まる自転車ロードムービーは、アメリカン・ニューシネマ的なペーソスとエロスを湛えつつも非常に日本的な映像叙事詩といった趣きが。
ATG(アート・シアター・ギルド)作品ですし、説明抜きで淡々と話は進みます…なので多分、かなり観る人を選ぶ映画でしょう。

まぁ僕はフォトブックで散々イメトレ済みですからね、ただ舞ちゃんはスチルで見てた雰囲気と違いましたが…それに当時の有名俳優たちが端役でバンバン出てきては流れ者に絡む土着的な芝居をしていく、その半ばアドリブ入ってそうな対話劇の積み重ねによって生み出されるリアリティには浅井監督が活字にしなかった本質的な要素があったのだと気付かされましたよ。
単に映像美で綴った中年と幼女のロードムービーかと思っていたら、まるで現代の寓話じゃないですか…都会の孤独ではなく田舎の孤独、地方で知り合う人の独特なアクの強さなんて未だにこんな感じだもんね?笑

そして父のいない少女と家庭のない中年の親子ごっこに、今日でも通用する日本社会への批評を感じました…放置された未就学児童とかSNSだか出会い系だかを罰則や監視で対処するといった昨今と、昔から世間が目を背け続けてきた歪(いびつ)さとの同質性に。
この奇妙な二人旅が「中年の誘拐犯と被害者の少女」というフォーマットに落とし込まれ、摩り替えられるとしても…男は忍び寄る破滅の足音を聞きながら、少女から必要とされる一時の安息に永遠を見出だして。
雪原のクライマックスでも山下の音楽は軽快な南国調で、無表情だった少女の笑顔は虚無の灯に照らされ。

しかし孤独は二人に関わってくるすべての大人達が抱えていて、むしろ幸福そうな二人に救済を求めすがっていたようにさえ映ります…誰かに必要とされたい、己を受け入れて欲しいと。
本作の哀しみとは、喪失なのでしょう…社会全体から喪われてしまった何か大きな繋がりのようなもの、この寂しさを解消し得ない世界の非情で余裕のない現実を生きる悲劇なのかも。
ところで玉川警察の捜索願が出た時点で既に1か月も経っていたとはね、晩夏の湿度から冬の乾いた冷たさまでを映し取った浅井監督は自ら撮影と照明を兼任しただけでなく脚本も担当。
転換点の猪苗代駅は、特に空気感が強烈だったなぁ!

あと、イメージしていたより焚き火の場面が多かったのは監督の趣味ですよね?
って、趣味と言ってしまえば本作は全部が趣味趣向まるだしなんでしょうけど…ラスト2分間の真っ白なスクリーンは最高でした、あれは写真家らしい発想と表現だなという気がします。
それから冒頭の居酒屋でチラッと映る淀川長治の笑顔、愛車ハーレーが草まみれになった事をフォトブックで愚痴ってた所ジョージの若さも好いですね…都落ちタレント役の内藤陳や百姓の息子と卑下する川谷拓三の演技力、女教師役の竹下恵子が放つ色香も見所。
これはレンタルじゃなく、所有したくなりましたよ。

ちなみに、劇中で大和舞ちゃんの誕生日は昭和50年9月3日とありましたが…今どのようにされてるのでしょうか、あの年頃の自然な愛想なさは最近の子役じゃ却って真似出来ません。笑






追記:以下の動画は、携帯からではご覧いただけません(多分)。

『タモリ 狂い咲きフライデイナイト』(桑田佳祐の作詞作曲でタモリが歌うエンディング・テーマ、音質イマイチです;Sound Only)



以下、主な出演者(及び関連画像4点)。

居酒屋の客・淀川長治
ピアノ弾き・山下洋輔
序盤の仲居・藤田弓子
舞の母(声のみ)・桃井かおり
農家の男・川谷拓三
教師・竹下恵子
元スター・内藤陳
タクシー運転手・佐藤B作
宴会場の客・室田日出男
中盤の仲居・宮本信子
写真家・沢渡朔
胸にWの字・伊丹十三
屋台の主人・渡辺文雄
バイクの青年・所ジョージ
床屋・米山功
バーの客・妹尾河童
バーのチーママ・高見恭子
バーの客・森健一
バーの客・根津甚八
バーのママ・吉行和子
質屋の主人・小松方正

キッドナップ・ブルース1(←左クリックで拡大表示されます)
キッドナップ・ブルース2(←左クリックで拡大表示されます)
キッドナップ ブルース4(←左クリックで拡大表示されます)
キッドナップ ブルース5(←左クリックで拡大表示されます)
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    | cinema | 2018.01.01 Monday | comments(0) | - |













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