
山内直実「ざ・ちぇんじ!」第2巻
平安期の古典文学「とりかえばや物語」に基づく氷室冴子の小説をコミカライズした本作、男勝りな双子の姉・綺羅君は性別を偽ったまま御所の内裏に出仕しておりましたが…プレイボーイ(死語)同僚が夜這って妻が妊娠発覚!までが前巻、更に綺羅君も迫られ妊娠したと早とちりして失踪!
このまとめ方じゃ同僚が悪党みたいだけど、なかなか健気で気の毒な役回りなのですよ…しかも綺羅君を男と疑わぬが故の“奇しの恋”と失踪沙汰には、同僚だけでなく主上もご心痛。
また双子の弟ながら女装で育ち、今や後宮で女東宮付きの女官を務める綺羅姫に主上より女御入内の話が!
要はとんだとばっちり、女装男子が天皇と結婚はちょっとね…でも“北嵯峨の乙女”=綺羅姫(♂)と思い込んでる主上に、恋の相手が本当は綺羅君(♀)とは言えない罠。
かつては何かと気絶していた綺羅姫(♂)も逞しくなり、相思相愛の女東宮に正体バラして最終決着プランの極秘ミッション開始…綺羅君(♀)を案じての願掛けを名目に、精進潔斎しての写経で三条邸へ引き籠ると見せ掛けた綺羅姫(♂)は女装を解きます。
女東宮と連絡を取りながら東奔西走、すっかり漁(すなどり)女と化していた綺羅君(♀)に性教育(?)で誤解を払拭…後は肝心の入れ替わり作戦です、双子姉弟の支援要員は女東宮ただ一人!
本来の性別どおりに綺羅君(♂)は綺羅姫になって主上とご入内、そして綺羅姫(♀)は綺羅君として女東宮こと皇妹の久宮とゴールイン…この見事な風呂敷の畳みっぷりは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」並みですわ、これが日本の古典文学をベースにしてるってマジなの?
途中で源氏物語を引用している部分って原典にもあったのかな、むしろ本歌取り的でありそうだけど…人間ってテクノロジーが進化してるだけで内面は変わっちゃいないんだよね、それは前々から悪い意味では感じてたのだけど逆に悪いモンでもないような気がしました。
人の心ってタフというか、しなやかなんだなぁって。
←前巻
平安期の古典文学「とりかえばや物語」に基づく氷室冴子の小説をコミカライズした本作、男勝りな双子の姉・綺羅君は性別を偽ったまま御所の内裏に出仕しておりましたが…プレイボーイ(死語)同僚が夜這って妻が妊娠発覚!までが前巻、更に綺羅君も迫られ妊娠したと早とちりして失踪!
このまとめ方じゃ同僚が悪党みたいだけど、なかなか健気で気の毒な役回りなのですよ…しかも綺羅君を男と疑わぬが故の“奇しの恋”と失踪沙汰には、同僚だけでなく主上もご心痛。
また双子の弟ながら女装で育ち、今や後宮で女東宮付きの女官を務める綺羅姫に主上より女御入内の話が!
要はとんだとばっちり、女装男子が天皇と結婚はちょっとね…でも“北嵯峨の乙女”=綺羅姫(♂)と思い込んでる主上に、恋の相手が本当は綺羅君(♀)とは言えない罠。
かつては何かと気絶していた綺羅姫(♂)も逞しくなり、相思相愛の女東宮に正体バラして最終決着プランの極秘ミッション開始…綺羅君(♀)を案じての願掛けを名目に、精進潔斎しての写経で三条邸へ引き籠ると見せ掛けた綺羅姫(♂)は女装を解きます。
女東宮と連絡を取りながら東奔西走、すっかり漁(すなどり)女と化していた綺羅君(♀)に性教育(?)で誤解を払拭…後は肝心の入れ替わり作戦です、双子姉弟の支援要員は女東宮ただ一人!
本来の性別どおりに綺羅君(♂)は綺羅姫になって主上とご入内、そして綺羅姫(♀)は綺羅君として女東宮こと皇妹の久宮とゴールイン…この見事な風呂敷の畳みっぷりは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」並みですわ、これが日本の古典文学をベースにしてるってマジなの?
途中で源氏物語を引用している部分って原典にもあったのかな、むしろ本歌取り的でありそうだけど…人間ってテクノロジーが進化してるだけで内面は変わっちゃいないんだよね、それは前々から悪い意味では感じてたのだけど逆に悪いモンでもないような気がしました。
人の心ってタフというか、しなやかなんだなぁって。
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