最近みたDVD
「スキャナー・ダークリー」
前々から気になっていたものの観る機会がなく、少し前に近所のワゴンセールでDVDを見付けて買ったクセに何故かずっと観ないまま放置しておりました…本当は観たくないのか?と自分でも不思議に思ってましたが、今ようやく観る気になったところなのです。笑
SF界の巨匠フィリップ・K・ディックの原作を、リチャード・リンクレイターが脚色し監督…主演にキアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダーにロバート・ダウニーJr.にウディ・ハレルソンと豪華共演陣を配した'06年のアニメ作品です。
いやコレってアニメ扱いなのかな、ほぼ実写じゃないけどCGの延長っぽいし。
でもまぁアニメでしょ、というか超発想のデジタル手作業ロトスコープによる描画は強烈ですな…アニメ前提の演技と撮影で編集も済ませて、そこからフレーム毎に置き換えていたのか!
しかし観ていて度々「未来世紀ブラジル」を連想したのは、救いなきディストピアSFだからってだけじゃないような…これは映像の独特さだけでなく苦手な人は多そうだわ、個人的にはレンタルじゃなく買って好かったと思いましたがね。
物語は今から7年後のカリフォルニア、'06年ってスマホが存在してなかったのか…ただ犯罪絡みの監視面だけ発達してるという、技術の偏りはスマホ的でもあり。
まるで低予算映画みたいに何も変わってない未来、だけど「物質D」を取り締まる警察内部は超ハイテク。
Dはドラッグ、そしてデスのD…全米人口の2割近くが中毒患者という深刻な事態にあり、キアヌはD撲滅のために囮捜査を続けている麻薬捜査官なのですが。
彼らは通常勤務の間は、素性を特定されないよう偽装するスクランブル・スーツの着用を義務付けられコードネームで呼ばれています…このスーツ着用時は左右の顔が順番に次々と変わっていくので、却って悪目立してるような気がします。
この原作に忠実な小道具は、観ている人の情緒を不安にさせる狙いもありそう。
(長くなったので、続きは下段で)
→再視聴(オーディオ・コメンタリー)【2019.08.02】
〈キアヌ・リーブス〉関連記事:
【最近みたビデオ】「フィーリング・ミネソタ」| 2008.06.12
【最近みたDVD】「ジョン・ウィック:チャプター2」| 2018.04.14
→〈フィリップ・K・ディック〉関連記事
*以下の動画は、携帯からでは視聴できないかもしれません。
『A Scanner Darkly (2006) Official Trailer - Keanu Reeves, Robert Downey Jr. Movie HD』
前々から気になっていたものの観る機会がなく、少し前に近所のワゴンセールでDVDを見付けて買ったクセに何故かずっと観ないまま放置しておりました…本当は観たくないのか?と自分でも不思議に思ってましたが、今ようやく観る気になったところなのです。笑
SF界の巨匠フィリップ・K・ディックの原作を、リチャード・リンクレイターが脚色し監督…主演にキアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダーにロバート・ダウニーJr.にウディ・ハレルソンと豪華共演陣を配した'06年のアニメ作品です。
いやコレってアニメ扱いなのかな、ほぼ実写じゃないけどCGの延長っぽいし。
でもまぁアニメでしょ、というか超発想のデジタル手作業ロトスコープによる描画は強烈ですな…アニメ前提の演技と撮影で編集も済ませて、そこからフレーム毎に置き換えていたのか!
しかし観ていて度々「未来世紀ブラジル」を連想したのは、救いなきディストピアSFだからってだけじゃないような…これは映像の独特さだけでなく苦手な人は多そうだわ、個人的にはレンタルじゃなく買って好かったと思いましたがね。
物語は今から7年後のカリフォルニア、'06年ってスマホが存在してなかったのか…ただ犯罪絡みの監視面だけ発達してるという、技術の偏りはスマホ的でもあり。
まるで低予算映画みたいに何も変わってない未来、だけど「物質D」を取り締まる警察内部は超ハイテク。
Dはドラッグ、そしてデスのD…全米人口の2割近くが中毒患者という深刻な事態にあり、キアヌはD撲滅のために囮捜査を続けている麻薬捜査官なのですが。
彼らは通常勤務の間は、素性を特定されないよう偽装するスクランブル・スーツの着用を義務付けられコードネームで呼ばれています…このスーツ着用時は左右の顔が順番に次々と変わっていくので、却って悪目立してるような気がします。
この原作に忠実な小道具は、観ている人の情緒を不安にさせる狙いもありそう。
(長くなったので、続きは下段で)
→再視聴(オーディオ・コメンタリー)【2019.08.02】
〈キアヌ・リーブス〉関連記事:
【最近みたビデオ】「フィーリング・ミネソタ」| 2008.06.12
【最近みたDVD】「ジョン・ウィック:チャプター2」| 2018.04.14
→〈フィリップ・K・ディック〉関連記事
*以下の動画は、携帯からでは視聴できないかもしれません。
『A Scanner Darkly (2006) Official Trailer - Keanu Reeves, Robert Downey Jr. Movie HD』
上司からキアヌは「囮捜査で潜入している自分自身」の監視を命じられ、しかも自宅のあちこちに仕込まれた隠しカメラの映像を職場でチェックする羽目に。
上司もキアヌがその家に出入りしている事は承知してるし、彼自身が監視対象本人かもしれないとさえ言いながら何故?…という点はネタバレ過ぎて内緒です、対人監視から唯一外されている更正施設やDの原料となる青い花で先が読めた気がしたらブラフと思え!笑
そもそもキアヌって小説の手法でいう「当てにならない語り手」っぽくて、とはいえ誰しも言動の不一致を過大/過小に自己評価する認識の揺らぎはある訳で。
揺らぎといえば「目鼻が顔の輪郭の中で揺れている」のは監督の意図した効果だろうと思ってましたが、流石に運転中のハンドルが揺れてるのはマズいだろ…この後で取れちゃう前触れでもないし、第三者視点に幻覚を持ち込む手法だとしても相応しくない場面だし?
クセが凄くてドリフのバカ兄弟ネタ級のジャンキー共も好みが分かれそう、ストーリーも映像表現も明らかに万人受けしないのを覚悟で映画化した監督は志が高いな…エグゼクティブ・プロデューサーに名を連ねるスティーヴン・ソダーバーグやジョージ・クルーニーらも、薬物絡みで干された過去かあるロバートもね。
“誰よりも危ないのは自分の影に怯える奴だぞ”は何気に名言ですな、それとエンド・クレジットに“ルイス・マッケイに捧げる”という献辞だけでなく近影画像があったのも印象的。
ほとんどの楽曲はレディオヘッドみたい、まったく印象に残らなかったけど。笑
「スタッフ/キャストによる音声解説」は後日改めて再視聴にて、他の特典映像は「映画“スキャナー・ダークリー”ができるまで」と「アニメーション制作」と「オリジナル劇場予告編」…ただし予告編以外は本編を観てからがオススメです、特に「映画〜」は若干ネタバレ要素があるので。
でも観ないのは勿体ない!
レンタルだったら返却期日を気にして飛ばしたろうけど、個人的に「映画〜」は興味深かったですね…原作者の娘で映画プロデューサーのアイサ・ディック・ハケット、メチャ美人だし!
それとWikipedia情報には「麻薬中毒症状に原作者の実体験が反映されている」的な文言がありましたけど、本人のインタビュー映像ではニクソン政権下で受けた監視や不在中のガサ入れといったエピソードが語られてました…スノーデンのNSA告発が'13年、まさに本作公開の7年後という奇遇にはドキリとさせられます。
僕は映像の幻覚症状よりも、思考が破綻していくキアヌの方にゾッとしました。
| animation | 2019.07.27 Saturday | comments(0) | - |