最近みたDVD
「おとなのけんか」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)
'11年のフランス/ドイツ/ポーランド/スペイン合作コメディだそうで、最近みたヨーロッパに合作映画が多いのはEUという枠組みが機能してるって事か?
本作の原題「Carnage」は大虐殺を意味する英語ですが、戦争映画でもアクション映画でもありません…というか、ほとんど密室会話劇といっていいでしょう。
監督はロマン・ポランスキー、主演はジョディ・フォスター/ケイト・ウィンスレット/クリストフ・ヴァルツ/ジョン・C・ライリーの4人が演じる2組の夫婦…夫婦の組み合わせはジョディ&ジョンvs.ケイト&クリストフ、発端は子供同士の喧嘩なのですが。
棒で殴られた方の親であるジョディ&ジョン夫妻が、殴った方の親であるケイト&クリストフ夫妻を招いて話し合いを始めます…大人同士で理性的かつ穏便に解決を、という当初の目論見は早々に険悪なムードへ。
ジョンは日用品店の経営者でジョディはドキュメンタリー系作家兼書店員、クリストフはやり手弁護士でケイトは投資ブローカー…謝罪の言葉を口にするまで加害者側夫妻を引き留めようとする被害者側夫妻ですが、当の2人は携帯で仕事の打ち合わせばかりの夫&被害者側の夫が娘のハムスターを捨てた話を蒸し返したがる妻とで平行線のまま。
こうしてズレが拡がって。
互いに良識ある大人を気取りつつも、些細な言葉尻の掴み合いから会合は決裂。とにかく一切の非は認めず論戦に長けた弁護士クリストフ、表面上の誠意は惜しまず最小限のリスクで済ませたい投資ブローカーのケイト…いわゆる意識高い系のジョディは絶版の画集を汚され完全にブチギレ、事無かれ主義で気の良い店主ジョンもクリストフの指示で隠ぺい工作に走る製薬会社+母親の処方薬で息子の怪我とは無関係に激怒。笑
ジョンは女性2人にハムスター殺しと責められ、逆に厚意を否定され感情的になるジョディ…何故か美学で共感した男同士が乾杯、女性陣も酒が入って終幕へ。
(下段に続きます)
'11年のフランス/ドイツ/ポーランド/スペイン合作コメディだそうで、最近みたヨーロッパに合作映画が多いのはEUという枠組みが機能してるって事か?
本作の原題「Carnage」は大虐殺を意味する英語ですが、戦争映画でもアクション映画でもありません…というか、ほとんど密室会話劇といっていいでしょう。
監督はロマン・ポランスキー、主演はジョディ・フォスター/ケイト・ウィンスレット/クリストフ・ヴァルツ/ジョン・C・ライリーの4人が演じる2組の夫婦…夫婦の組み合わせはジョディ&ジョンvs.ケイト&クリストフ、発端は子供同士の喧嘩なのですが。
棒で殴られた方の親であるジョディ&ジョン夫妻が、殴った方の親であるケイト&クリストフ夫妻を招いて話し合いを始めます…大人同士で理性的かつ穏便に解決を、という当初の目論見は早々に険悪なムードへ。
ジョンは日用品店の経営者でジョディはドキュメンタリー系作家兼書店員、クリストフはやり手弁護士でケイトは投資ブローカー…謝罪の言葉を口にするまで加害者側夫妻を引き留めようとする被害者側夫妻ですが、当の2人は携帯で仕事の打ち合わせばかりの夫&被害者側の夫が娘のハムスターを捨てた話を蒸し返したがる妻とで平行線のまま。
こうしてズレが拡がって。
互いに良識ある大人を気取りつつも、些細な言葉尻の掴み合いから会合は決裂。とにかく一切の非は認めず論戦に長けた弁護士クリストフ、表面上の誠意は惜しまず最小限のリスクで済ませたい投資ブローカーのケイト…いわゆる意識高い系のジョディは絶版の画集を汚され完全にブチギレ、事無かれ主義で気の良い店主ジョンもクリストフの指示で隠ぺい工作に走る製薬会社+母親の処方薬で息子の怪我とは無関係に激怒。笑
ジョンは女性2人にハムスター殺しと責められ、逆に厚意を否定され感情的になるジョディ…何故か美学で共感した男同士が乾杯、女性陣も酒が入って終幕へ。
(下段に続きます)
これは価値観の違う相手と観に行ったらヤバいかも、どの役柄に思い入れを感じるかで揉めちゃいそうで。
それにしても“法の根源は暴力”とは金言ですな、その至上なる力を行使するからこそ訴訟には大金が動く訳で…その金もまたエネルギーの代替品であり、つまり正義が必要とするのは山をも動かす力なのでした。
“世界を股にかけるやり手の男は――近所の出来事なんか興味ない”というのも、言われてみれば確かにね…俯瞰しながら足を地に着けてるって難しいだろうし、程度は各人の案配で違っても実際そうなんだよね。
でも“ショルダーバッグの男は最悪”って、マジ?笑
いちいち仕事の用件で電話が入るクリストフの、弁護士らしい発言が現場で議論中の状況と妙に噛み合う演出は見事だわ…あとジョディに「君のお友達のジェーン・フォンダをTVで観てKKKを支持したくなった」と当て擦り、どちらも“世界を良き場所にしたがる女たち”とか言わせちゃうし!
何が「大虐殺」だったのかは、ジョディが執筆のテーマにしているアフリカの内戦と関係してそうだけど真偽不明…まぁ係争の調停が当事者そっちのけで修羅場と化すってのも言い様ですが一種の戦争だわな、いかにもな舞台劇ではありますが個人的にはケイト迫真のゲロ演技で噴き出しました。
因みに加害者側少年役のエルビス・ポランスキーは監督の孫かな?と思ったら息子らしいね、公開当時は13歳で監督が65歳の時に生まれたのか…顔も分からず台詞もないので脇役同然です、当事者役なんだけど。笑
ケイトは罵る顔も美しいけど、ジョディの青筋浮かせまくりな激しさは気の毒すぎて申し訳ないけど可笑しい…最後までクールなクリストフと同様に過去の役柄レベルで平常運行なジョン、しかし僕が仲裁に入するとしたら誰を立てるかな?
もし僕が神様ならばクリストフ(の役)は迷わず地獄に落とすな、そんでフランシス・ベーコンの画集を持たせたジョディ(の役)を天国送りだわ!笑
| cinema | 2019.10.22 Tuesday | comments(0) | - |