最近読んだマンガ
山中音和「ロリータの詩集」1巻(←リンク先はamazon内の白泉社文庫)
大丈夫エロくないよ、'96年の花とゆめCOMICSですので!笑
ちょいと訳アリらしく“言葉に強いコンプレックスを抱く橘斎”が“徐々に「言葉」を取り戻していく”という高校生群像劇で、この大人になってから黒歴史化しそうな青臭いクールさが気恥ずかしくもあります。
しかし懐かしさ漂う画風ですね、特にキャラの描き方が上條淳士の「To-y」っぽくて…仏頂面の微妙な感情とか、絵は上手いし好きなタッチなんですが何故か分かりにくいコマが結構あるのが残念。
ちゃんとキャラの描き分けも出来てるのに見分けが付かなかったり、キャラAのコマにキャラBの台詞があったりするからですかね?
各話のナンバリングが“Poem”というのも、冒頭の“私は 詩人である/言葉の足りない 詩人でした”という独白も(キャー!)ですけどね…この年頃にありがちな、こういう側面を描こうとした漫画ってありそうでないような気がします。
「Poem・1−くちづけー」で斎(ゆい)は面識なかった同学年の幸村に初キスを奪われ、彼に貰った言葉を読まずに失くしたまま永遠の別れとなってしまいます。
「Poem・2」で知り合った他校の立花まりあ、ずっと幸村に片想いしていた「Poem・3」のリエ…「Poem・4」の椎名も、みんな言葉が足りなくて不器用で背伸びしたり強がっています。
クラスで誰ともつるまない斎に関心を抱いては巻き込んでゆく同学年と対照的に彼女を見守るような1コ上の降矢先輩、彼の友人だけどダブってフラフラ出歩く兄ツグミ…そして「Poem・5」で知り合う森先生と、危なっかしい主役の脇に上手く年上男子を配置してる辺りは作劇上手ですなぁ。
感情を表に出さない斎ですが、幸村の死から言葉を紡ぐようになり…直情的なまりあに叩かれたり椎名に殴られそうになり、それでもフラットに関わり合っていけるのは降矢先輩のサポートがあるおかげではあれ。
斎の中に恋愛感情はないようですし、誰に対しても距離感は大人なのです彼女。
といっても「幼稚な同学年と対等に接してます」的なスタンスではなく、アウトプット出来ない事で気持ちを客観視している点まで描けているのも心地好くて。
頼りなさ気に見える森先生から“ここにくれば/何やっていいか/わからなくても/とりあえずやる事あるし/誰かいるから/ひとりには/ならない”“居場所が無くて/迷ってる人を/誰にも文句/言わせないように/ガードして/くれてるって/みんな知らないうちに/知ってるんだよね”という学校に対する捉え方を引き出した彼女が、他の生徒みたいに「森ちゃん」呼ばわりしないというエピソードにも感心しました。
→次巻
→→3巻
大丈夫エロくないよ、'96年の花とゆめCOMICSですので!笑
ちょいと訳アリらしく“言葉に強いコンプレックスを抱く橘斎”が“徐々に「言葉」を取り戻していく”という高校生群像劇で、この大人になってから黒歴史化しそうな青臭いクールさが気恥ずかしくもあります。
しかし懐かしさ漂う画風ですね、特にキャラの描き方が上條淳士の「To-y」っぽくて…仏頂面の微妙な感情とか、絵は上手いし好きなタッチなんですが何故か分かりにくいコマが結構あるのが残念。
ちゃんとキャラの描き分けも出来てるのに見分けが付かなかったり、キャラAのコマにキャラBの台詞があったりするからですかね?
各話のナンバリングが“Poem”というのも、冒頭の“私は 詩人である/言葉の足りない 詩人でした”という独白も(キャー!)ですけどね…この年頃にありがちな、こういう側面を描こうとした漫画ってありそうでないような気がします。
「Poem・1−くちづけー」で斎(ゆい)は面識なかった同学年の幸村に初キスを奪われ、彼に貰った言葉を読まずに失くしたまま永遠の別れとなってしまいます。
「Poem・2」で知り合った他校の立花まりあ、ずっと幸村に片想いしていた「Poem・3」のリエ…「Poem・4」の椎名も、みんな言葉が足りなくて不器用で背伸びしたり強がっています。
クラスで誰ともつるまない斎に関心を抱いては巻き込んでゆく同学年と対照的に彼女を見守るような1コ上の降矢先輩、彼の友人だけどダブってフラフラ出歩く兄ツグミ…そして「Poem・5」で知り合う森先生と、危なっかしい主役の脇に上手く年上男子を配置してる辺りは作劇上手ですなぁ。
感情を表に出さない斎ですが、幸村の死から言葉を紡ぐようになり…直情的なまりあに叩かれたり椎名に殴られそうになり、それでもフラットに関わり合っていけるのは降矢先輩のサポートがあるおかげではあれ。
斎の中に恋愛感情はないようですし、誰に対しても距離感は大人なのです彼女。
といっても「幼稚な同学年と対等に接してます」的なスタンスではなく、アウトプット出来ない事で気持ちを客観視している点まで描けているのも心地好くて。
頼りなさ気に見える森先生から“ここにくれば/何やっていいか/わからなくても/とりあえずやる事あるし/誰かいるから/ひとりには/ならない”“居場所が無くて/迷ってる人を/誰にも文句/言わせないように/ガードして/くれてるって/みんな知らないうちに/知ってるんだよね”という学校に対する捉え方を引き出した彼女が、他の生徒みたいに「森ちゃん」呼ばわりしないというエピソードにも感心しました。
→次巻
→→3巻
| comic | 2020.02.23 Sunday | comments(0) | - |