錯覚の科学 (文春文庫) [ クリストファー・チャブリス ]
錯覚の科学 (文春文庫) [ クリストファー・チャブリス ] (JUGEMレビュー »)
ここ数年で断トツのインパクトでした、誰もが犯す悪意なき嘘について。
それは克服可能な「個人の資質の問題」ではなく、だから盗用は必ずしも悪意ではないし医療ミスだってプロ失格じゃない訳です。
「たった一つの真実」なんて詭弁だし、所詮は見たい物を見て信じたい事を信じてるのよ。
己の記憶力を根拠に持論を曲げない友人には、是非とも本書を読んで柔軟さを学んでほしいな!
紹介記事【2020.03.16】
【中古】 バランサンド /ミルトン・バナナ・トリオ 【中古】afb
【中古】 バランサンド /ミルトン・バナナ・トリオ 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
ミルトン・バナナは「ゲッツ/ジルベルト」にも参加したボサノバ・レジェンドだったようで、ヴィオランのバチーダ奏法を応用した軽やかなビートがチャーミングなインスト物です。
東芝EMIの旧盤は別トリオの音源が混在したイカサマCDながら、ボッサ・トレスとのカップリングと思えば悪くないかも。笑
紹介記事【2020.02.22】
ACCA13区監察課 Blu-ray BOX 1【Blu-ray】 [ 下野紘 ]
ACCA13区監察課 Blu-ray BOX 1【Blu-ray】 [ 下野紘 ] (JUGEMレビュー »)
オノ・ナツメが原作でマッドハウス制作と、期待に違わぬスリリングかつユーモラスな展開が絶妙!
曲も映像も洒落てるOPは毎回飛ばさず観ちゃう位、大人のほうが楽しめる心理描写はハードボイルド風味のファンタジーという感じ。
紹介記事【2020.02.19】
セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー! [DVD]
セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー! [DVD] (JUGEMレビュー »)
宇宙で冷戦終結を迎え置き去り状態の「最後のソビエト連邦国民」と無線が趣味のハバナ大学教授に、ソビエトを憎む老CIAや反米官僚が絡む異色コメディ。
なので旧ソビエトとキューバの関係や、キューバがアメリカから経済封鎖を受けていた位は把握しときましょう。
古い喜劇の味わいを思わせる友情物語で、トボケたラストに繋がる枠物語の構成も見事。
紹介記事【2020.06.18】
探しに行こうよ
探しに行こうよ (JUGEMレビュー »)
終盤で詰んで積みゲー化していましたが、攻略本を入手したので再開しクリア達成!
PS2初期のタイトルで粗は色々ありますが、それを補う楽しさがありますね。
冒険ごっこの通過儀礼を、町の大人たちも密かに懐かしく思っているのでしょうな・・・バトル少な目のパズル進行と世界観のバランスがマッチして、ラストで温かい気持ちになりました。
紹介記事【2020.01.29】
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー【電子書籍】[ ワッキー貝山 ]
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー【電子書籍】[ ワッキー貝山 ] (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは【電子書籍】です)
創業するやスーパーカー・ブームに乗り、ガチャガチャ界に名を馳せたコスモス。
「ハズレ」という画期的な概念を持ち込むなど大人気ない阿漕さに、読めば呆れる伝説の数々!
10万点を越えるコレクターにより陽の目を見た驚きと苦笑いの裏側、時代のユルさに悪乗り出来た時代の仇花か?
紹介記事【2020.01.24】
送料無料【中古】私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra) [Comic] 佐原 ミズ; 孔 枝泳 and 蓮池 薫
送料無料【中古】私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra) [Comic] 佐原 ミズ; 孔 枝泳 and 蓮池 薫 (JUGEMレビュー »)
粗筋だけなら一昔前のケータイ小説にありそうですけど、これは「泣ける漫画」として「泣いてスッキリ」じゃ詰まらないな。
彼は私かもしれない、そう感じた事を「ない」と即答してしまう人こそ僕には恐ろしく思えます。
僅かに心を詰まらせる、この幕切れの匙加減も見事だな…所詮は自分の時間を生きるしかないが故にこそ惜しむべき死も最大限の糧に変えてゆく、キリスト教的なカタルシスではありますが。
紹介記事【2020.03.03】
劇場版 天上人とアクト人最後の戦い【中古】【アニメ】中古DVD
劇場版 天上人とアクト人最後の戦い【中古】【アニメ】中古DVD (JUGEMレビュー »)
決して悪口ではなく、単に(ゆるふわ系)が好みじゃないので京都アニメーション作品って基本的に観ないのですが。
本編後に連続再生された特典映像で事件前の京アニ第一スタジオを観て、お亡くなりになった木上監督らの姿に胸が苦しくなりました。
失われた才能と未来を思い、死は画面越しの出来事ではないと改めて痛感しました。R.I.P.
紹介記事【2020.04.21】
ザ・タイガー!!! [ プータリット・プロムバンダル ]
ザ・タイガー!!! [ プータリット・プロムバンダル ] (JUGEMレビュー »)
タイの伝説に基づいた、人食い虎の魔物と戦うファンタジック・サスペンス・SFXアクション!
タイ語にクメール語に中国語とオーストラリア英語が辺境のジャングルで入り乱れる発想が面白いですね、それと食った人に化ける妖虎はゾンビ的で西洋ホラーの影響も思わせたりと好い意味でエキゾチック。
観ないジャンルであれば尚更オススメです、個人的には。
紹介記事【2020.06.13】
シンデレラはウンザウンザを踊る / バックドロップシンデレラ
シンデレラはウンザウンザを踊る / バックドロップシンデレラ (JUGEMレビュー »)
まるでN.Y.パンクを笠置シヅ子が乗っ取ったような?って両方とも詳しくない個人の感想ですが、今時こんな万人受けしそうにない音楽が商業ベースに乗れてる自主自立スタンスは本物。
ウンザウンザなる独自の「ええじゃないかポルカ」的な音楽スタイルを追究するカッコ好さ!
紹介記事【2020.02.04】
暴力戦士 [ 田中健 ]
暴力戦士 [ 田中健 ] (JUGEMレビュー »)
六甲の野外フェスで抗争勃発、東京側のリーダーが神戸リーダーの妹と呉越同舟の70年代クヨクヨ邦画版「手錠のままの脱獄」。
まぁ70年代とはいっても'79年の公開ですし全然クヨクヨじゃない石井輝男監督作です、ワルな田中健&ワルな岡田奈々+ホンワカした劇伴音楽のミスマッチぶりが逆に微妙さ加減を演出してる気も。
紹介記事【2020.02.18】
【中古】 ロリータの詩集(1) 花とゆめC1469/山中音和(著者) 【中古】afb
【中古】 ロリータの詩集(1) 花とゆめC1469/山中音和(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
ロリといっても訳アリ少女が徐々に「言葉」を取り戻していく高校生群像劇で、この大人になってから黒歴史化しそうな青臭いクールさが気恥ずかしくもあります。
上條淳士っぽい仏頂面に微妙な起伏を見せ、十代の粗い鋭さを感じさせます。
コミュニケーションって相手を通じて自分を見てるのね、その双方向の情報整理が年頃的に紛らわしく感じられたんだなーなんて。
紹介記事【2020.02.23】
HAIM / Days Are Gone 【CD】
HAIM / Days Are Gone 【CD】 (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは前作です)
露出過多なセクシー路線に走りがちな女性シンガーとは一線を画すビジュアルといい、個人的に注目の若手3姉妹です。
父の影響で幼少時から学んだビートのセンス、民族音楽を専攻した長女はベースもフレーズがユニーク。
リズミカルな節回しの歌い方からはケイト・ブッシュを連想しました、楽曲のポップさと裏腹な何かしらハッとさせられる音のフックは前作が偶然の産物ではなかった証拠です。
紹介記事【2020.04.12】
◆◆日本昭和トンデモ児童書大全 オールカラー版 / 中柳豪文/著 / 辰巳出版
◆◆日本昭和トンデモ児童書大全 オールカラー版 / 中柳豪文/著 / 辰巳出版 (JUGEMレビュー »)
高度成長期を経て政治紛争も落ち着き、子供相手の経済が回り始めた時代の怪しい児童書から91冊を厳選。
夢と科学の分岐点、情報社会の一歩手前で他愛ない悪夢を盛り上げていた陰の功労者たちの人物伝も短いながら奥行きが増します。
こういったサブカル昭和臭は電子書籍じゃ嗅げないよなぁ?笑
紹介記事【2020.02.09】
空色のメロディ 1【電子書籍】[ 水沢めぐみ ]
空色のメロディ 1【電子書籍】[ 水沢めぐみ ] (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは【電子書籍】です)
昔の「りぼん」とか「なかよし」っぽさと「少女コミック」っぽさとの中間といった印象で、洋風カントリーに王子様テイストは鉄板ですな。笑
番外編までバッチリ取りこぼしのない構成&画力で飽きさせませんよ、今じゃ出来ない牧歌的な少女漫画のエッセンスを堪能しました。
紹介記事【2020.04.02】
もののあはれ (ハヤカワ文庫SF ケン・リュウ短篇傑作集 0) [ ケン・リュウ ]
もののあはれ (ハヤカワ文庫SF ケン・リュウ短篇傑作集 0) [ ケン・リュウ ] (JUGEMレビュー »)
中国SFへの興味で手にした短編集ですが、原題も「Mono no Aware」と日本的な精神性の翻訳感に気恥ずかしさと碁の大局観や利他の解釈を絡めた表題作に感嘆させられ。
分かったように持ち上げてる訳ではなく、他にも70年代ハチャハチャ風味に本領発揮のシンギュラリティSFと清代末のファンタジー〜香港スチームパンクなどサービス精神も旺盛。
一神教的世界観からの落とし処もまた東洋的といいますか、僕は心地好かったな。
紹介記事【2020.05.28】
ハピネット Happinet DOPE/ドープ!! 【DVD】
ハピネット Happinet DOPE/ドープ!! 【DVD】 (JUGEMレビュー »)
制作にファレル・ウィリアムスが噛んでるだけあって、90年代ラップ愛と直球加減のハズし方が独特です。
正に「違法な薬物」+「まぬけ」=「素晴らしい」ドープさ、ハーレムでド底辺スクールカーストでマイノリティな3人組がどんでん返しを繰り返しつつ見事な着地を決めてくれました。
ラストショットの射抜くような眼差しは、ユルく観せつつ「スーパーフライ」の哀しみをアップデートしてるね。
紹介記事【2020.04.07】
【中古】SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.2 エディット・レーシング
【中古】SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.2 エディット・レーシング (JUGEMレビュー »)
噛めば噛むほどハマる、所謂スルメゲーなのです。
ディスクやゲームソフトやらでのコース生成もユニークですが、何より本編に再び絶賛ドハマり中です。
攻略サイトも本もないので、相性やレベルの効果にメール総数の増減など手探りで検証。
もしかして逆走バグを発見したのって僕ぐらいじゃない?笑
紹介記事【2020.02.26】
【中古】 おあとがよろしいようで コミックエッセイ /オカヤイヅミ(著者) 【中古】afb
【中古】 おあとがよろしいようで コミックエッセイ /オカヤイヅミ(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
いや落語の漫画じゃなく、食と死を問うエッセイ漫画です。
15名の作家たちとの会食インタビューを、益田ミリが筆書したようなタッチで描いてます。
“死ぬ前に食べたいものってなに?”という「話に詰まった酒席の定番」みたいな企画で一席設けるとは、みんなオイシイ発想ですな!笑
死は誰もが体験しうる一番遠い未来、実は「おあとがよろしいようで」=「次の準備が整いました」って深いな。
紹介記事【2020.01.18】
planetarian ちいさなほしのゆめ+星の人 Webアニメ版全5話+劇場版コンボパック ブルーレイ+DVDセット【Blu-ray】
planetarian ちいさなほしのゆめ+星の人 Webアニメ版全5話+劇場版コンボパック ブルーレイ+DVDセット【Blu-ray】 (JUGEMレビュー »)
原作が美少女PCゲーながら、天然ロボのウザさにも理由があり違和感なく引き込まれました。
荒廃した現在(遠未来)と既視感を覚える過去(近未来)の断絶と実利主義にならざるを得ない世知辛さから、叶わない夢に希望を見るほろ苦さは思いがけなく深く沁みました。
紹介記事【2020.01.25】
外国人ヒットマン [ 一橋 文哉 ]
外国人ヒットマン [ 一橋 文哉 ] (JUGEMレビュー »)
なんか国内の犯罪絡みって引いちゃうんですが、未だ未解決の様々な凶悪事件とアジア裏社会の巧妙さに何故か興味が湧きまして。
来日した足でサクッと済ませて即帰国という日帰り殺人旅行、偽造パスポートだから追跡調査も難しいし近隣諸国とは犯人引き渡し条約を締結してない点が利用されてる節もあり震撼モノ。
紹介記事【2020.03.29】
【中古】 妖精のネジ(文庫版) ソノラマC文庫/奈知未佐子(著者) 【中古】afb
【中古】 妖精のネジ(文庫版) ソノラマC文庫/奈知未佐子(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
25本のショートファンタジーを収録、心がキュッとしてほぐれます。
最初は地味な印象でしたが、デッサン力の高いデフォルメと時代に左右されない画風は只者じゃないですな。
僅かな紙数で過不足なく見せるクオリティでサラリと読ませる、甘く切ないストーリーの巧みさも見事。
紹介記事【2020.04.06】
ブレイク・ビーターズ [ ゴードン・ケメラー ]
ブレイク・ビーターズ [ ゴードン・ケメラー ] (JUGEMレビュー »)
旧東独、といっても今じゃ通じなさそうですが…80年代の社会主義国でヒップホップに目覚めちゃった若者と、彼らの活動を体制翼賛に取り込もうとする当局との丁々発止を描く青春コメディ。
飼い慣らそうとする権力側と調子を合わせつつ苦悩する主人公たち、ベルリンの壁が崩壊して彼らを待ち受けるラストのほろ苦さとタフさに男泣きです。
自分でいる事を描いている点で、英国のサルサ映画「カムバック!」と併せてオススメ。
紹介記事【2019.11.02】
ポルノ☆スターへの道 [ ニック・スウォードソン ]
ポルノ☆スターへの道 [ ニック・スウォードソン ] (JUGEMレビュー »)
ラジー賞を独占した下ネタ満載ムービー、とりあえず下品ですけど線引きはキッチリしてますね…笑わせる内容は、少なくとも男性なら他人事じゃないというか。
女性同士の巨乳幻想みたいなね、目の付け処が上手いなぁと。
まぁ万人向けではないにせよ、僕は感心しつつ大笑いしました。
紹介記事【2019.10.17】
あきれたあきれた大作戦 [ ピーター・フォーク ]
あきれたあきれた大作戦 [ ピーター・フォーク ] (JUGEMレビュー »)
笑いって鮮度があると思ってました、本作を観るまでは。
先が読めずに引き込まれましたが、確かに繰り返し観たくなるかも…計算されたシナリオが効いた笑いと、映像的な古さもまた味わい深いです。
スタンダードでバカバカしくて無駄のない、意外な傑作。
紹介記事【2019.12.10】
月曜日の友達(1-2巻 全巻) 全巻セット
月曜日の友達(1-2巻 全巻) 全巻セット (JUGEMレビュー »)
中学生になったばかりの頃の、世界の拡がりに戸惑う姿は性別や世代を超えて響きますね。
作画力もストーリーテリングも卓越してます、些細な一瞬を捉える巧さが。
忘れていた何か、忘れたくなかった何か…最後のコマに、胸が苦しくなりました。
紹介記事【2019.11.11】
【中古】 山本耳かき店 ビッグCスペシャル/安倍夜郎(著者) 【中古】afb
【中古】 山本耳かき店 ビッグCスペシャル/安倍夜郎(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
耳かき店ブームの火付け役、なんて書いては申し訳ないのですけども…決してブームに便乗した後追いではない、と。
穏やかな時間の流れる小さな町で、耳かき屋さんを訪れる客の脳内イメージが秀逸です。
こんな表現があったのか、こんな漫画があったのかと目からウロコ耳から(略)。
紹介記事【2019.12.23】
【中古】 マンガでわかる 戦後ニッポン /手塚治虫(著者),水木しげる(著者),つげ義春(著者),はるき悦巳(著者),ちばてつや(著者) 【中古】afb
【中古】 マンガでわかる 戦後ニッポン /手塚治虫(著者),水木しげる(著者),つげ義春(著者),はるき悦巳(著者),ちばてつや(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
現代に至る国内の移ろいを漫画に語らせる好企画アンソロジーです。
漫画にしか出来ない表現は、例えば三輪自動車が走る風景でありリンチされる米軍の操縦士であり…基本的に主観視点であるが故の、俯瞰の効く文学表現よりも接地した仮想体験なのかも。
いわば漫画こそが伝え得た戦後の一片、切り口を変えて続けてもらいたいですね。
紹介記事【2019.12.12】
絵はがきにされた少年 [ 藤原章生 ]
絵はがきにされた少年 [ 藤原章生 ] (JUGEMレビュー »)
アフリカに対する先入観や固定観念が、ことごとく覆されます…偏見を持たないように心掛けていたつもりでも、日本にいて伝わってくる情報自体にバイアスが入っている訳ですが。
西欧支配の呪縛に歪められた各地の民族性や搾取の構造など、日本では見えにくい暗部が著者の目を通して見えてくるようで。
アフリカの話であり、同時に現代の実像でもあるのでは?と。
紹介記事【2019.09.1】

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最近読んだ本
クリストファー・チャプリス&ダニエル・シモンズ(著)、木村博江(訳)「錯覚の科学」

初版'14年の文春文庫、著者はSF作家のダン・シモンズとは別人だと思います…いや案外そうなのかな、でも多分ちがうと思う。笑
それはさておき本書、ここ数年で読んだ本の中では断トツのインパクトでした。
もし仮に「自称科学者のエセ科学」だったとしても、これだけ徹底して人間の根本的な出鱈目さを突き付けられると様々な感情が沸き上がるものなんですね…もちろん猜疑心や不信感は当然として、妙な嬉しさや痛快さまで感じましたよ。笑
きっと遠くない内に再読すると思うので、今回は要点を絞ってご紹介します。
それでも結構な長文になりそうですけど、抑え目で。

本書では錯覚を6種に大別して扱っていますが、特に最初の「注意の錯覚」がインパクトありました…何しろ目の前のゴリラに気付かないんですから、他の事柄に注意を向けている時には!
それを他人事だと思っちゃう、というのも「自信の錯覚」なんですって…知った気でいる「知識の錯覚」や経験に基づく「原因の錯覚」、関連性から思い込む「可能性の錯覚」と常に陥りがちな「記憶の錯覚」。
人類が進化の過程で伸ばした能力は、つまり選ばなかった能力を犠牲にしてたのですな…どうにか克服可能な課題などではなく、集中力や生活能力と引き換えに生じた精神構造上の盲点。
要するに個人の資質と無縁の人間らしさ、というね。

だから盗用は必ずしも悪意ではなく、医療ミスだってプロ失格じゃない訳です…悪気があって騙したんじゃなく、それが人間なのね?
僕は基本的にデータや統計といった権威ぶった数字は信じてませんし、所詮は見たい物を見て信じたい事を信じてるのが人間だろうと思ったりしてます…「たった一つの真実」なんて詭弁だし、人に絶対なんて有り得ないと思ってるのです。
故にこそ信じたいし赦さなければと思う半面、これもまた壮大なトリックでは?と受け入れ難い気持ちもあり…しかし己の記憶力を根拠に持論を主張する友人には、是非とも本書を読んで柔軟さを学んでほしいな!

因みに各章の題と小見出し(?)は、こんな感じです。
実験I えひめ丸はなせ沈没したのか? 注意の錯覚
潜望鏡で海上を監視していた潜水艦長は、えひめ丸が「見えていた」のに「見落とした」という。だが、これは不思議ではない。人間は、バスケの試合に乱入したゴリラにさえ、気づくことができないのだ
実験II 捏造された「ヒラリーの戦場体験」 記憶の錯覚
ヒトは記憶を脳に定着させる時、「本当にあったこと」だけでなく、「あるべきこと」を勝手に混同させてしまう。ヒラリー・クリントンが大統領選で語った「戦場体験」のウソも、このメカニズムで作られた
実験III 冤罪証言はこうして作られた 自信の錯覚
レイプ魔の顔貌を細部までしっかり目に焼きつけた被害者女子大生は、自信たっぷりに「犯人」の顔写真を選び出した。ぶれることのない法廷供述は、完璧だった。だが、真犯人は全くの別人だったのだ
実験IV リーマンショックを招いた投資家の誤算 知識の錯覚
専門用語にご用心! 難解な言葉や概念を駆使する専門家でさえ、肝心のことがわかっていないことがしばしばある。おかしいと感じたら「なぜ?」を連発してみよう。ニセモノはすぐに馬脚をあらわす
実験V 俗説、デマゴーグ、そして陰謀論 原因の錯覚
「セックスで若返る」「9・11事件はブッシュ政権の陰謀」「ワクチン接種で自閉症になる」……根拠のない話が、なぜ定説となってしまうのか? 偶然を必然と捉えたがる人間心理の陥穽
実験VI 自己啓発、サブリミナル効果のウソ 可能性の錯覚
「モーツァルトを聞くと頭が良くなる」「潜在意識を刺激すれば消費者マインドを刺激できる」……科学実験ではことごとく否定されているこれらの説は、なぜ広く信じられているのか?



以下、個人的メモ

“たいていの人が自分の注意力の限界にまったく気づいていない(中略)手動式携帯電話を禁止する法律は、人びとに運転中でもハンズフリーの携帯なら安全と思わせてしまう皮肉な効果もありそうだ”(p.48)

“非注意による見落としに個人のちがいが反映されるという説には、ほとんど根拠がない”(p.57)

“訓練で注意力を高めても、予想外のものに気づく助けにならないのだ。完全に予想外のものについては、いかに集中力のいい人でも(悪い人でも)気づく可能性は低い(中略)専門知識は予想外のものに気づく助けになるが、その範囲は自分の専門領域にかぎられる(中略)そしてどんな専門家も、人の注意力を過信する”(p.59)

“問題は、注意不足を証明する具体的な証拠がないこと。それが錯覚のもとである。私たちは自分自身で気づいた想定外のものは意識するが、見落としたものは意識しない。その結果、私たちが手にしているのは、自分の身の回りのできごとをちゃんと知覚できているという事実だけになる(中略)自分がまわりの世界をどれほど見落としているか、理解するのはむずかしい(そしてたいていの人が理解したがらない)”(p.66)

“つまり非注意による見落としは、注意や知覚の働きに(残念ながら)かならずついてまわる副産物なのだ(中略)つねにまわりの世界をすみずみまで知覚するようにはできていない”(p.67)

“予想外のできごとは、まれにしか起きないので予想外になるのだ。それ以上に重要なのは、予想外のものを見落としても、たいていは大事にいたらないことだ”(p.67)

“人は自分が予期するものを記憶することが多い。期待がある場面に意味を与え、その解釈が記憶に色をつける(中略)私たちはビデオカメラのようには、自分の記憶を再生できない――記憶を甦らせるたびに、実際に記憶しているものと自分が記憶したいものとが、私たちの中で入り混じる”(p.82)

“私たちは自分の記憶を、自分が見たり聞いたりしたことの正確な記録と思っているが(中略)私たちが記憶から取り出すことがらは、要約や推測などで補足されていることが多い(中略)私たちは自分の記憶を正確であり事実だと思い込むため、実際にあった事実とあとから補足されたものとを記憶の中で区別できない”(p.101)

“写真を修整するだけでべつの記憶を植えつけることができるなら、過去に手を加えれば歴史の改竄も可能になるだろう(中略)もとの写真では、男は一人だけで広い道路の真ん中に立っている。それに対して修整版では、狭い通りで戦車の両側に大勢の人がいる。この写真を見せた直後に、天安門事件の歴史的事実について訊ねると、修整写真を見た被験者たちは、事件では大勢の人が抗議に参加したと答えた”(p.105)

“実験では研究者が成人に面接をおこない、命にかかわる状態になったときの延命治療について、選択を頼んだ(中略)そして同じ被験者に十二か月後にふたたび面接し、同じ質問をした(中略)驚くべきは、希望を変更した人のうち七五パーセントが、変えたとは思っていなかったことだ。彼らは二回目の面接で自分が口にした希望は、最初のときと同じだと思っていた。以前自分が言ったことに関する記憶が、現在の希望にあわせて書き換えられていたのだ”(p.106)

“私たちは世界のなにもかもが一定で不変だと思い込む傾向がある。だが自分の考え方が変わると、それとともに記憶も変わる。数年前に書かれたリビングウィルには、尊厳死に対する当時のあなたの意思が反映されている。だが記憶の錯覚で、あなたはそこにいまの自分の気持ちが記されていると、思い込む可能性がある。重篤状態になり、意思表示ができなくなったとき、医師はその書類にもとづいて判断を下し、あなたの意思に反する処置をおこなうかもしれない”(p.107)

“あいにく人は、記憶の鮮明さとそれが感情に訴える力を、記憶の正しさの指針にする。鮮明で記憶に訴える記憶には、自信をもつのだ。そして皮肉なことに人は、ほかの人の記憶についても、当人が記憶に対して抱く自信の度合で、その正確さを判断する”(p.125)

“自信の強さは回答の正確さにつながらない。自信のある人の正解率は、自信のない人以上にはならなかった。自信は、知能とも無関係だった(中略)つまり自信は個人特有の一貫した特徴だが、知能や知識とは関係がないと言えそうだ”(p.157)

“少なくとも雑学クイズでは、二人なら一人よりいい知恵がでるということはなかった(中略)だが、ペアのほうが、参加者の自信が膨張したことはたしかだった。正解率は上らなくても、自信は高まっていたのだ(中略)グループになったとき彼らの自信が膨張し、とても成功するとは思えない無謀な行動に走った”(p.159)

“私たちはなぜ、自信をもった医師の言葉を、ためらいがちな医師の言葉より信じてしまうのか(中略)ある問題について知識があると、人は自分の判断に自信をもつ(中略)相手が示す自信の幅を知っている場合は、自信ある態度を相手の知識の目安にできる(中略)その人がふだん示す自信の度合がわからない場合、ある瞬間に示された自信が本当に実力のあらわれなのか、それとも性格なのか判断ができない”(p.166)

“知識の錯覚は自信の錯覚と似ている(中略)自分が実際以上に深くものごとを理解していると、自分の中で信じ込むことだ”(p.176)

“アルバート・アインシュタインは、「なにごとも、できるだけ単純なほうがいいが、単純化はよくない」と言ったという(中略)過去の市況推移データのパターンを予想の基準にしすぎるため、「過剰適合(あてはめすぎ)」と呼ばれる統計的欠陥が発生し、条件が変わるとほぼ完全に失敗する”(p.199)

“知識の錯覚がしつこく消えない理由の一つは、実際以上に自分は知識があると思い込んでいる専門家のほうが、もてはやされるためだ。自分の知識の限界を知る人は「降水確率は七五パーセント」というような言い方をするが、こうした限界を知らない人は確信を前面に出す”(p.227)

“たいていの人は医師が診断するときは、可能性を限定せず多くの選択肢を考えるはずだと、直感的に考える。だが、本当の意味での専門的判断で求められるのは、選択肢を沢山考えられる能力ではなく、不適切な診断をとりのぞける能力なのだ(中略)めったにない病因に注意を向けすぎるのは逆効果だ”(p.240)

“二つのものの相関関係は因果関係とはちがう(中略)錯覚の混入を見抜くための簡単な方法がある。ある二つのものの関連性を指摘する説に出会ったとき。それを実証するために実験をした場合、任意に人が集められるかどうか考えてみるのだ経済的な理由や、倫理的な理由で無作為に人を集めることが不可能に思える場合、実験はできなかったはずであり、因果関係は裏づけられないと考えていい”(p.247)

“二つのものの相関関係に因果関係を見てしまう錯覚は、物語への興味と強く結びついている。子どもたちが露骨な音楽を聞き、暴力的なゲームをするという話を聞くと、私たちはそのなりゆきを予想する。そしてそのあとで、同じ子どもたちがセックスや暴力に走ったと聞くと、そこに因果関係を読み取る。私たちはこれらの行動の因果関係を理解したと思い込むが、その理解は論理的な誤りにもとづいている(中略)歴史や日常的なできごとを解釈するとき、私たちは前のことが原因で、その後のことが起きたと考えたがる”(p.250)


しおりの数が43(引用箇所は74)と非常に多くなったので、記事ページを分けてみました。

引用の続き
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