最近みたDVD
「ザ・タイガー!!!」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)
'14年のタイ映画で、タイトルどおり人食い虎の魔物と戦う105分のファンタジック・サスペンス・アクション…ってファンタジックもサスペンスも私見で、一応は「SMING」というタイの伝説に基づいているようですね。
食った人に化ける妖虎という設定は西洋ホラーの影響でしょうか、しかしタイ語にクメール語に中国語とオーストラリア英語が辺境のジャングルで入り乱れる虎退治とは面白い発想だわ。
獅子狩りは王権の象徴らしいけど、妖虎だけじゃなく一般虎もウヨウヨしている密林の小さな村ですからね…人食いライオンに荒らされたマサイ集落エピソードを思わせ、生々しいです。
最初に登場するのはハンター村の少年デーン、妖虎に襲われた後でも独りで森を抜けて人食い虎の被害を訴えに行く勇敢な子供です。
次はハンター・ブーン、人に化けた妖虎を殺した事から我が子を殺された妖虎に妻を殺されて報復合戦に…実は小説でいう「信用ならない語り手」でありながら、陰の主役でもあります。
彼に弓の手解きを受けた一人娘ラムドゥアン、若き村長の中国人ロン…カンボジア出身の若者プリーンがハンター村の主なメンバー。
そして村に派遣された頼りない森林警備隊の新米青年、シュラチャード・ペンホーンことチャートの手記といった体裁で描かれます。
本作は予告編にあった通り「狩るか狩られるか」の、山一つ挟んだ広大な密室殺戮バトルでして…森林警備隊の詰め所に近い麓にはオーストラリア人ハンターのジョン+若造ベン&トムとチャート達を乗せて来たジープが、山の反対側には妖虎の狙うハンター村があって至る所でバトル勃発!
更にかつて使役していた妖虎に妻を食われてメンツ丸潰れのクメール族黒魔術師がカンボジアから追って来るわ、黒犬連れのランボー風ハンター・ダムや京劇仮面の棒術集団も妖虎退治に…この仮面兄弟はロンの身内で、絵本「シナの五にんきょうだい」的に力を合わせて邪悪な虎を倒すために集合と。
(続きは下段にて、若干ネタバレ有)
(←左クリックで拡大表示されます)
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'14年のタイ映画で、タイトルどおり人食い虎の魔物と戦う105分のファンタジック・サスペンス・アクション…ってファンタジックもサスペンスも私見で、一応は「SMING」というタイの伝説に基づいているようですね。
食った人に化ける妖虎という設定は西洋ホラーの影響でしょうか、しかしタイ語にクメール語に中国語とオーストラリア英語が辺境のジャングルで入り乱れる虎退治とは面白い発想だわ。
獅子狩りは王権の象徴らしいけど、妖虎だけじゃなく一般虎もウヨウヨしている密林の小さな村ですからね…人食いライオンに荒らされたマサイ集落エピソードを思わせ、生々しいです。
最初に登場するのはハンター村の少年デーン、妖虎に襲われた後でも独りで森を抜けて人食い虎の被害を訴えに行く勇敢な子供です。
次はハンター・ブーン、人に化けた妖虎を殺した事から我が子を殺された妖虎に妻を殺されて報復合戦に…実は小説でいう「信用ならない語り手」でありながら、陰の主役でもあります。
彼に弓の手解きを受けた一人娘ラムドゥアン、若き村長の中国人ロン…カンボジア出身の若者プリーンがハンター村の主なメンバー。
そして村に派遣された頼りない森林警備隊の新米青年、シュラチャード・ペンホーンことチャートの手記といった体裁で描かれます。
本作は予告編にあった通り「狩るか狩られるか」の、山一つ挟んだ広大な密室殺戮バトルでして…森林警備隊の詰め所に近い麓にはオーストラリア人ハンターのジョン+若造ベン&トムとチャート達を乗せて来たジープが、山の反対側には妖虎の狙うハンター村があって至る所でバトル勃発!
更にかつて使役していた妖虎に妻を食われてメンツ丸潰れのクメール族黒魔術師がカンボジアから追って来るわ、黒犬連れのランボー風ハンター・ダムや京劇仮面の棒術集団も妖虎退治に…この仮面兄弟はロンの身内で、絵本「シナの五にんきょうだい」的に力を合わせて邪悪な虎を倒すために集合と。
(続きは下段にて、若干ネタバレ有)
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ん?伝説の5人って…もしや「魔法少女特殊戦あすか」のレジェンド・ファイブと共通の元ネタなのか!笑
ともあれ役者が揃った辺りで折り返し、いよいよ妖虎が反撃に転じてナイトハンティングの西洋人から餌食に…そもそも「人食い虎の犠牲者は多くが名声を求めて来た狩人」という設定ですし、白人特有の悪気ない侮蔑的態度を思えば真っ先に殺られて現地の観客ならずともついニヤリ。
悪役の妖虎にも黒魔術師に受けた虐待など動機が描かれ、殺した人の魂を隷属させる術も使役獣だったからか…しかし殺した者から聞いた言葉だけを話すって、怪談めいたシュールな怖さ!
ロン兄弟の面は視線や表情を覚らせないためで、長兄を危機に晒したと責められる末弟を励ます「本当に心が強ければ面は必要ない」は伏線なのね…しかし「彼らの冗談は笑えないし俺の冗談は怖がられる」って、タイ式ジョークですか?
一度は野人ダムの戦斧で葬ったかと思えば、折よく戻ったブーンが「妖虎は俺が片目を潰した」と…彼が見ていた半虎半女の幻影といい、何気に「シックス・センス」要素も後から感心。
オーストラリア人トムの自爆トラップ逆さ吊りで、彼らに懐いていたデーンは無事生還…尻尾を出した黒魔術ハンターを追った野人ダム、愛犬の幻影に即退場。
追撃に出た棒術兄弟は長兄を失い再び妖虎に包囲を破られ、警備隊への救援要請にジープを目指すチャートに付き添うラムドゥアン…ここに来てラブシーン?な筈はなく、やはりラストはブーンと妖虎の一騎討ちですよね?
と思わせて見事にどんでん返された予想外の結末、色んな意味でやられました。
まんまとミスリードに乗せられ、まさかラムドゥアンの仇討ち×ロン末弟の成長+チャートの人生第一章といった形で一気に伏線回収とは…この第二章に気を持たせる締め方も、次は死線を生き延びたトムが主役だったりしそうで可笑しい!
まぁオチの火牛からして続編あるあるパロディだな?
それにしてもタイ映画は初めて観ましたが侮れませんな、娯楽要素のゴッタ煮ながらもインド映画より薄味で僕には丁度好い案配かも…所々バレバレなCGも、妖虎はどこまでが実写なのか見分けが付きませんよ。
チャート役のアティワット・ティーラニティットナントは渡部篤郎似でブーン役のプータリット・プロムバンダルは村上明弘似、ラムドゥアン役のネランチャラ・ラートパーサートは池脇千鶴っぽいしロン村長役のナッタキット・ウドムスリラートも誰かに似てる印象で親近感が湧きました。
因みにジャングルの極意は風向きを読む事だそう、好い意味でエキゾチック。
| cinema | 2020.06.13 Saturday | comments(0) | - |