
松谷みよ子「あの世からのことづて」
副題に「私の遠野物語」とあるように、民話採集による聞き書きです。
著者は童話作家としても知られているようですが、僕にとっては(昔話の人)として強く記憶に残っております。
僕が小泉八雲や岡本綺堂、杉浦日向子の怪異譚などに惹かれるのも、
思えばこの作者の影響ではないかと。
ちなみに今回、僕が読んだのは埼玉福祉会が
筑摩書房の同書を低本として刊行した「大活字本シリーズ」の一冊。
最初は逆に読み辛く感じた活字の大きさが、
次第に、却って幼少時に読み耽っていた頃の気持ちをよみがえらせてくれました。
小学校の図書室にあった著作を読み漁った事、装丁の取れかけた本の匂い…。
まだ1桁だった時分の僕を夢中にさせたのは、作者の本でした。
各地のお年寄りの元に足を運び書き留めた、
何れも「耳袋」ほど奇妙ではないし、
怖いというよりも哀切を感じる小話集。
特に「灰キノコ」と「馬に生まれ変わる」が心に残りました。
採話文学の面白さを、改めて堪能しました。
『人間がそこにあるかぎり、ふつふつと民話は生まれる』という言葉に、
昨今のネットに溢れる「本当に怖い話」を思ったりも。
サイトへの投稿という形になって、民話は語り継がれてゆくのでしょうか。
関連記事:
【最近読んだ本】荒俣宏(編訳)「ゴードン・スミスの日本怪談集」| 2007.08.06
【最近読んだ本】篠塚達徳「新釈 諸国百物語」 | 2010.07.12
【最近読んだ本】松谷みよ子、樋口 淳・責任編集「死と再生の民話」| 2011.07.13
【最近読んだ本】松谷みよ子「民話の世界」| 2012.01.28
【最近読んだマンガ】杉浦日向子「百物語」壱| 2012.09.16
【最近読んだ本】阿刀田高・選「ひたすら奇妙にこわい話 寄せられた『体験』」| 2012.11.07
【最近読んだ本】遠藤ケイ「<山界風聞>おこぜの空耳」 | 2013.10.15
【最近読んだ本】志村有弘・編「戦前のこわい話 近代怪奇実話集」| 2014.02.12
【最近読んだ本】小原猛(作)、三木静(画)「琉球怪談百物語 不思議な子どもたち」| 2014.04.29
【最近読んだ本】木原浩勝+中山市朗(著)、恩田陸(編)「新耳袋コレクション」| 2014.09.11
【最近読んだマンガ】宮部みゆき(原作)、皇なつき(作画)「お江戸ふしぎ噺 あやし」| 2014.10.19
【最近読んだ本】蒲松齢(作)、柴田天馬(訳)「和訳 聊斎志異」| 2014.11.19
【最近読んだ本】小野不由美「鬼談百景」| 2014.12.09
【最近読んだマンガ】山岸凉子「ゆうれい談」| 2015.09.06
【最近読んだ本】日本民話の会・外国民話研究会(編訳)「世界の妖怪たち」| 2015.10.31
【最近読んだ本】小林和彦(著)、柴田ゆう(画)「知識ゼロからの妖怪入門」| 2016.05.17
【最近読んだ本】加門七海「怪のはなし」| 2016.06.26
【最近読んだ本】加門七海「怪談を書く怪談」| 2016.07.21
【最近読んだ本】小田イ輔「実話コレクション 呪怪談」| 2016.07.26
副題に「私の遠野物語」とあるように、民話採集による聞き書きです。
著者は童話作家としても知られているようですが、僕にとっては(昔話の人)として強く記憶に残っております。
僕が小泉八雲や岡本綺堂、杉浦日向子の怪異譚などに惹かれるのも、
思えばこの作者の影響ではないかと。
ちなみに今回、僕が読んだのは埼玉福祉会が
筑摩書房の同書を低本として刊行した「大活字本シリーズ」の一冊。
最初は逆に読み辛く感じた活字の大きさが、
次第に、却って幼少時に読み耽っていた頃の気持ちをよみがえらせてくれました。
小学校の図書室にあった著作を読み漁った事、装丁の取れかけた本の匂い…。
まだ1桁だった時分の僕を夢中にさせたのは、作者の本でした。
各地のお年寄りの元に足を運び書き留めた、
何れも「耳袋」ほど奇妙ではないし、
怖いというよりも哀切を感じる小話集。
特に「灰キノコ」と「馬に生まれ変わる」が心に残りました。
採話文学の面白さを、改めて堪能しました。
『人間がそこにあるかぎり、ふつふつと民話は生まれる』という言葉に、
昨今のネットに溢れる「本当に怖い話」を思ったりも。
サイトへの投稿という形になって、民話は語り継がれてゆくのでしょうか。
関連記事:
【最近読んだ本】荒俣宏(編訳)「ゴードン・スミスの日本怪談集」| 2007.08.06
【最近読んだ本】篠塚達徳「新釈 諸国百物語」 | 2010.07.12
【最近読んだ本】松谷みよ子、樋口 淳・責任編集「死と再生の民話」| 2011.07.13
【最近読んだ本】松谷みよ子「民話の世界」| 2012.01.28
【最近読んだマンガ】杉浦日向子「百物語」壱| 2012.09.16
【最近読んだ本】阿刀田高・選「ひたすら奇妙にこわい話 寄せられた『体験』」| 2012.11.07
【最近読んだ本】遠藤ケイ「<山界風聞>おこぜの空耳」 | 2013.10.15
【最近読んだ本】志村有弘・編「戦前のこわい話 近代怪奇実話集」| 2014.02.12
【最近読んだ本】小原猛(作)、三木静(画)「琉球怪談百物語 不思議な子どもたち」| 2014.04.29
【最近読んだ本】木原浩勝+中山市朗(著)、恩田陸(編)「新耳袋コレクション」| 2014.09.11
【最近読んだマンガ】宮部みゆき(原作)、皇なつき(作画)「お江戸ふしぎ噺 あやし」| 2014.10.19
【最近読んだ本】蒲松齢(作)、柴田天馬(訳)「和訳 聊斎志異」| 2014.11.19
【最近読んだ本】小野不由美「鬼談百景」| 2014.12.09
【最近読んだマンガ】山岸凉子「ゆうれい談」| 2015.09.06
【最近読んだ本】日本民話の会・外国民話研究会(編訳)「世界の妖怪たち」| 2015.10.31
【最近読んだ本】小林和彦(著)、柴田ゆう(画)「知識ゼロからの妖怪入門」| 2016.05.17
【最近読んだ本】加門七海「怪のはなし」| 2016.06.26
【最近読んだ本】加門七海「怪談を書く怪談」| 2016.07.21
【最近読んだ本】小田イ輔「実話コレクション 呪怪談」| 2016.07.26