錯覚の科学 (文春文庫) [ クリストファー・チャブリス ]
錯覚の科学 (文春文庫) [ クリストファー・チャブリス ] (JUGEMレビュー »)
ここ数年で断トツのインパクトでした、誰もが犯す悪意なき嘘について。
それは克服可能な「個人の資質の問題」ではなく、だから盗用は必ずしも悪意ではないし医療ミスだってプロ失格じゃない訳です。
「たった一つの真実」なんて詭弁だし、所詮は見たい物を見て信じたい事を信じてるのよ。
己の記憶力を根拠に持論を曲げない友人には、是非とも本書を読んで柔軟さを学んでほしいな!
紹介記事【2020.03.16】
【中古】 バランサンド /ミルトン・バナナ・トリオ 【中古】afb
【中古】 バランサンド /ミルトン・バナナ・トリオ 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
ミルトン・バナナは「ゲッツ/ジルベルト」にも参加したボサノバ・レジェンドだったようで、ヴィオランのバチーダ奏法を応用した軽やかなビートがチャーミングなインスト物です。
東芝EMIの旧盤は別トリオの音源が混在したイカサマCDながら、ボッサ・トレスとのカップリングと思えば悪くないかも。笑
紹介記事【2020.02.22】
ACCA13区監察課 Blu-ray BOX 1【Blu-ray】 [ 下野紘 ]
ACCA13区監察課 Blu-ray BOX 1【Blu-ray】 [ 下野紘 ] (JUGEMレビュー »)
オノ・ナツメが原作でマッドハウス制作と、期待に違わぬスリリングかつユーモラスな展開が絶妙!
曲も映像も洒落てるOPは毎回飛ばさず観ちゃう位、大人のほうが楽しめる心理描写はハードボイルド風味のファンタジーという感じ。
紹介記事【2020.02.19】
セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー! [DVD]
セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー! [DVD] (JUGEMレビュー »)
宇宙で冷戦終結を迎え置き去り状態の「最後のソビエト連邦国民」と無線が趣味のハバナ大学教授に、ソビエトを憎む老CIAや反米官僚が絡む異色コメディ。
なので旧ソビエトとキューバの関係や、キューバがアメリカから経済封鎖を受けていた位は把握しときましょう。
古い喜劇の味わいを思わせる友情物語で、トボケたラストに繋がる枠物語の構成も見事。
紹介記事【2020.06.18】
探しに行こうよ
探しに行こうよ (JUGEMレビュー »)
終盤で詰んで積みゲー化していましたが、攻略本を入手したので再開しクリア達成!
PS2初期のタイトルで粗は色々ありますが、それを補う楽しさがありますね。
冒険ごっこの通過儀礼を、町の大人たちも密かに懐かしく思っているのでしょうな・・・バトル少な目のパズル進行と世界観のバランスがマッチして、ラストで温かい気持ちになりました。
紹介記事【2020.01.29】
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー【電子書籍】[ ワッキー貝山 ]
愛しのインチキガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー【電子書籍】[ ワッキー貝山 ] (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは【電子書籍】です)
創業するやスーパーカー・ブームに乗り、ガチャガチャ界に名を馳せたコスモス。
「ハズレ」という画期的な概念を持ち込むなど大人気ない阿漕さに、読めば呆れる伝説の数々!
10万点を越えるコレクターにより陽の目を見た驚きと苦笑いの裏側、時代のユルさに悪乗り出来た時代の仇花か?
紹介記事【2020.01.24】
送料無料【中古】私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra) [Comic] 佐原 ミズ; 孔 枝泳 and 蓮池 薫
送料無料【中古】私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra) [Comic] 佐原 ミズ; 孔 枝泳 and 蓮池 薫 (JUGEMレビュー »)
粗筋だけなら一昔前のケータイ小説にありそうですけど、これは「泣ける漫画」として「泣いてスッキリ」じゃ詰まらないな。
彼は私かもしれない、そう感じた事を「ない」と即答してしまう人こそ僕には恐ろしく思えます。
僅かに心を詰まらせる、この幕切れの匙加減も見事だな…所詮は自分の時間を生きるしかないが故にこそ惜しむべき死も最大限の糧に変えてゆく、キリスト教的なカタルシスではありますが。
紹介記事【2020.03.03】
劇場版 天上人とアクト人最後の戦い【中古】【アニメ】中古DVD
劇場版 天上人とアクト人最後の戦い【中古】【アニメ】中古DVD (JUGEMレビュー »)
決して悪口ではなく、単に(ゆるふわ系)が好みじゃないので京都アニメーション作品って基本的に観ないのですが。
本編後に連続再生された特典映像で事件前の京アニ第一スタジオを観て、お亡くなりになった木上監督らの姿に胸が苦しくなりました。
失われた才能と未来を思い、死は画面越しの出来事ではないと改めて痛感しました。R.I.P.
紹介記事【2020.04.21】
ザ・タイガー!!! [ プータリット・プロムバンダル ]
ザ・タイガー!!! [ プータリット・プロムバンダル ] (JUGEMレビュー »)
タイの伝説に基づいた、人食い虎の魔物と戦うファンタジック・サスペンス・SFXアクション!
タイ語にクメール語に中国語とオーストラリア英語が辺境のジャングルで入り乱れる発想が面白いですね、それと食った人に化ける妖虎はゾンビ的で西洋ホラーの影響も思わせたりと好い意味でエキゾチック。
観ないジャンルであれば尚更オススメです、個人的には。
紹介記事【2020.06.13】
シンデレラはウンザウンザを踊る / バックドロップシンデレラ
シンデレラはウンザウンザを踊る / バックドロップシンデレラ (JUGEMレビュー »)
まるでN.Y.パンクを笠置シヅ子が乗っ取ったような?って両方とも詳しくない個人の感想ですが、今時こんな万人受けしそうにない音楽が商業ベースに乗れてる自主自立スタンスは本物。
ウンザウンザなる独自の「ええじゃないかポルカ」的な音楽スタイルを追究するカッコ好さ!
紹介記事【2020.02.04】
暴力戦士 [ 田中健 ]
暴力戦士 [ 田中健 ] (JUGEMレビュー »)
六甲の野外フェスで抗争勃発、東京側のリーダーが神戸リーダーの妹と呉越同舟の70年代クヨクヨ邦画版「手錠のままの脱獄」。
まぁ70年代とはいっても'79年の公開ですし全然クヨクヨじゃない石井輝男監督作です、ワルな田中健&ワルな岡田奈々+ホンワカした劇伴音楽のミスマッチぶりが逆に微妙さ加減を演出してる気も。
紹介記事【2020.02.18】
【中古】 ロリータの詩集(1) 花とゆめC1469/山中音和(著者) 【中古】afb
【中古】 ロリータの詩集(1) 花とゆめC1469/山中音和(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
ロリといっても訳アリ少女が徐々に「言葉」を取り戻していく高校生群像劇で、この大人になってから黒歴史化しそうな青臭いクールさが気恥ずかしくもあります。
上條淳士っぽい仏頂面に微妙な起伏を見せ、十代の粗い鋭さを感じさせます。
コミュニケーションって相手を通じて自分を見てるのね、その双方向の情報整理が年頃的に紛らわしく感じられたんだなーなんて。
紹介記事【2020.02.23】
HAIM / Days Are Gone 【CD】
HAIM / Days Are Gone 【CD】 (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは前作です)
露出過多なセクシー路線に走りがちな女性シンガーとは一線を画すビジュアルといい、個人的に注目の若手3姉妹です。
父の影響で幼少時から学んだビートのセンス、民族音楽を専攻した長女はベースもフレーズがユニーク。
リズミカルな節回しの歌い方からはケイト・ブッシュを連想しました、楽曲のポップさと裏腹な何かしらハッとさせられる音のフックは前作が偶然の産物ではなかった証拠です。
紹介記事【2020.04.12】
◆◆日本昭和トンデモ児童書大全 オールカラー版 / 中柳豪文/著 / 辰巳出版
◆◆日本昭和トンデモ児童書大全 オールカラー版 / 中柳豪文/著 / 辰巳出版 (JUGEMレビュー »)
高度成長期を経て政治紛争も落ち着き、子供相手の経済が回り始めた時代の怪しい児童書から91冊を厳選。
夢と科学の分岐点、情報社会の一歩手前で他愛ない悪夢を盛り上げていた陰の功労者たちの人物伝も短いながら奥行きが増します。
こういったサブカル昭和臭は電子書籍じゃ嗅げないよなぁ?笑
紹介記事【2020.02.09】
空色のメロディ 1【電子書籍】[ 水沢めぐみ ]
空色のメロディ 1【電子書籍】[ 水沢めぐみ ] (JUGEMレビュー »)
(注・サムネは【電子書籍】です)
昔の「りぼん」とか「なかよし」っぽさと「少女コミック」っぽさとの中間といった印象で、洋風カントリーに王子様テイストは鉄板ですな。笑
番外編までバッチリ取りこぼしのない構成&画力で飽きさせませんよ、今じゃ出来ない牧歌的な少女漫画のエッセンスを堪能しました。
紹介記事【2020.04.02】
もののあはれ (ハヤカワ文庫SF ケン・リュウ短篇傑作集 0) [ ケン・リュウ ]
もののあはれ (ハヤカワ文庫SF ケン・リュウ短篇傑作集 0) [ ケン・リュウ ] (JUGEMレビュー »)
中国SFへの興味で手にした短編集ですが、原題も「Mono no Aware」と日本的な精神性の翻訳感に気恥ずかしさと碁の大局観や利他の解釈を絡めた表題作に感嘆させられ。
分かったように持ち上げてる訳ではなく、他にも70年代ハチャハチャ風味に本領発揮のシンギュラリティSFと清代末のファンタジー〜香港スチームパンクなどサービス精神も旺盛。
一神教的世界観からの落とし処もまた東洋的といいますか、僕は心地好かったな。
紹介記事【2020.05.28】
ハピネット Happinet DOPE/ドープ!! 【DVD】
ハピネット Happinet DOPE/ドープ!! 【DVD】 (JUGEMレビュー »)
制作にファレル・ウィリアムスが噛んでるだけあって、90年代ラップ愛と直球加減のハズし方が独特です。
正に「違法な薬物」+「まぬけ」=「素晴らしい」ドープさ、ハーレムでド底辺スクールカーストでマイノリティな3人組がどんでん返しを繰り返しつつ見事な着地を決めてくれました。
ラストショットの射抜くような眼差しは、ユルく観せつつ「スーパーフライ」の哀しみをアップデートしてるね。
紹介記事【2020.04.07】
【中古】SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.2 エディット・レーシング
【中古】SIMPLE2000シリーズ アルティメット Vol.2 エディット・レーシング (JUGEMレビュー »)
噛めば噛むほどハマる、所謂スルメゲーなのです。
ディスクやゲームソフトやらでのコース生成もユニークですが、何より本編に再び絶賛ドハマり中です。
攻略サイトも本もないので、相性やレベルの効果にメール総数の増減など手探りで検証。
もしかして逆走バグを発見したのって僕ぐらいじゃない?笑
紹介記事【2020.02.26】
【中古】 おあとがよろしいようで コミックエッセイ /オカヤイヅミ(著者) 【中古】afb
【中古】 おあとがよろしいようで コミックエッセイ /オカヤイヅミ(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
いや落語の漫画じゃなく、食と死を問うエッセイ漫画です。
15名の作家たちとの会食インタビューを、益田ミリが筆書したようなタッチで描いてます。
“死ぬ前に食べたいものってなに?”という「話に詰まった酒席の定番」みたいな企画で一席設けるとは、みんなオイシイ発想ですな!笑
死は誰もが体験しうる一番遠い未来、実は「おあとがよろしいようで」=「次の準備が整いました」って深いな。
紹介記事【2020.01.18】
planetarian ちいさなほしのゆめ+星の人 Webアニメ版全5話+劇場版コンボパック ブルーレイ+DVDセット【Blu-ray】
planetarian ちいさなほしのゆめ+星の人 Webアニメ版全5話+劇場版コンボパック ブルーレイ+DVDセット【Blu-ray】 (JUGEMレビュー »)
原作が美少女PCゲーながら、天然ロボのウザさにも理由があり違和感なく引き込まれました。
荒廃した現在(遠未来)と既視感を覚える過去(近未来)の断絶と実利主義にならざるを得ない世知辛さから、叶わない夢に希望を見るほろ苦さは思いがけなく深く沁みました。
紹介記事【2020.01.25】
外国人ヒットマン [ 一橋 文哉 ]
外国人ヒットマン [ 一橋 文哉 ] (JUGEMレビュー »)
なんか国内の犯罪絡みって引いちゃうんですが、未だ未解決の様々な凶悪事件とアジア裏社会の巧妙さに何故か興味が湧きまして。
来日した足でサクッと済ませて即帰国という日帰り殺人旅行、偽造パスポートだから追跡調査も難しいし近隣諸国とは犯人引き渡し条約を締結してない点が利用されてる節もあり震撼モノ。
紹介記事【2020.03.29】
【中古】 妖精のネジ(文庫版) ソノラマC文庫/奈知未佐子(著者) 【中古】afb
【中古】 妖精のネジ(文庫版) ソノラマC文庫/奈知未佐子(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
25本のショートファンタジーを収録、心がキュッとしてほぐれます。
最初は地味な印象でしたが、デッサン力の高いデフォルメと時代に左右されない画風は只者じゃないですな。
僅かな紙数で過不足なく見せるクオリティでサラリと読ませる、甘く切ないストーリーの巧みさも見事。
紹介記事【2020.04.06】
ブレイク・ビーターズ [ ゴードン・ケメラー ]
ブレイク・ビーターズ [ ゴードン・ケメラー ] (JUGEMレビュー »)
旧東独、といっても今じゃ通じなさそうですが…80年代の社会主義国でヒップホップに目覚めちゃった若者と、彼らの活動を体制翼賛に取り込もうとする当局との丁々発止を描く青春コメディ。
飼い慣らそうとする権力側と調子を合わせつつ苦悩する主人公たち、ベルリンの壁が崩壊して彼らを待ち受けるラストのほろ苦さとタフさに男泣きです。
自分でいる事を描いている点で、英国のサルサ映画「カムバック!」と併せてオススメ。
紹介記事【2019.11.02】
ポルノ☆スターへの道 [ ニック・スウォードソン ]
ポルノ☆スターへの道 [ ニック・スウォードソン ] (JUGEMレビュー »)
ラジー賞を独占した下ネタ満載ムービー、とりあえず下品ですけど線引きはキッチリしてますね…笑わせる内容は、少なくとも男性なら他人事じゃないというか。
女性同士の巨乳幻想みたいなね、目の付け処が上手いなぁと。
まぁ万人向けではないにせよ、僕は感心しつつ大笑いしました。
紹介記事【2019.10.17】
あきれたあきれた大作戦 [ ピーター・フォーク ]
あきれたあきれた大作戦 [ ピーター・フォーク ] (JUGEMレビュー »)
笑いって鮮度があると思ってました、本作を観るまでは。
先が読めずに引き込まれましたが、確かに繰り返し観たくなるかも…計算されたシナリオが効いた笑いと、映像的な古さもまた味わい深いです。
スタンダードでバカバカしくて無駄のない、意外な傑作。
紹介記事【2019.12.10】
月曜日の友達(1-2巻 全巻) 全巻セット
月曜日の友達(1-2巻 全巻) 全巻セット (JUGEMレビュー »)
中学生になったばかりの頃の、世界の拡がりに戸惑う姿は性別や世代を超えて響きますね。
作画力もストーリーテリングも卓越してます、些細な一瞬を捉える巧さが。
忘れていた何か、忘れたくなかった何か…最後のコマに、胸が苦しくなりました。
紹介記事【2019.11.11】
【中古】 山本耳かき店 ビッグCスペシャル/安倍夜郎(著者) 【中古】afb
【中古】 山本耳かき店 ビッグCスペシャル/安倍夜郎(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
耳かき店ブームの火付け役、なんて書いては申し訳ないのですけども…決してブームに便乗した後追いではない、と。
穏やかな時間の流れる小さな町で、耳かき屋さんを訪れる客の脳内イメージが秀逸です。
こんな表現があったのか、こんな漫画があったのかと目からウロコ耳から(略)。
紹介記事【2019.12.23】
【中古】 マンガでわかる 戦後ニッポン /手塚治虫(著者),水木しげる(著者),つげ義春(著者),はるき悦巳(著者),ちばてつや(著者) 【中古】afb
【中古】 マンガでわかる 戦後ニッポン /手塚治虫(著者),水木しげる(著者),つげ義春(著者),はるき悦巳(著者),ちばてつや(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
現代に至る国内の移ろいを漫画に語らせる好企画アンソロジーです。
漫画にしか出来ない表現は、例えば三輪自動車が走る風景でありリンチされる米軍の操縦士であり…基本的に主観視点であるが故の、俯瞰の効く文学表現よりも接地した仮想体験なのかも。
いわば漫画こそが伝え得た戦後の一片、切り口を変えて続けてもらいたいですね。
紹介記事【2019.12.12】
絵はがきにされた少年 [ 藤原章生 ]
絵はがきにされた少年 [ 藤原章生 ] (JUGEMレビュー »)
アフリカに対する先入観や固定観念が、ことごとく覆されます…偏見を持たないように心掛けていたつもりでも、日本にいて伝わってくる情報自体にバイアスが入っている訳ですが。
西欧支配の呪縛に歪められた各地の民族性や搾取の構造など、日本では見えにくい暗部が著者の目を通して見えてくるようで。
アフリカの話であり、同時に現代の実像でもあるのでは?と。
紹介記事【2019.09.1】

最近読んだマンガ
水沢めぐみ「空色のメロディ」1巻

初版'06年の集英社文庫コミック版、ですが連載時期は'87年ですよ…好いですね、昔の「りぼん」らしいこの少女漫画なタッチ!笑
ザックリと雰囲気でいえば「キャンディ・キャンディ」の「なかよし」っぽさと「ファミリー!」の「少女コミック」っぽさとの中間といった印象で、舞台となっているアメリカの片田舎も両者の中間というか「ファミリー!」寄りな感じ?
主人公メロディ・ブルーは両親を亡くして祖父の許へ独り引っ越して来た7年生、彼女の声を“空が歌ってる”と勘違いしたアーク・ライトは親友グレイ(人間)と飛行機作りに夢中って「グランディア3」序盤か!

メロディの祖父は頑固者で“ウルフボーイ”の異名を持つ凄腕の飛行機乗りダン、おしとやかなアークの姉セーラはグレイの想い人…新しいクラスの友達エリザベス・ブラウンや有力者の娘で教師まで依怙贔屓するホリー・ゴールドなど、色に絡めた多彩な登場人物とグリーンフィールドでの暮らしが描かれていきます。
転入早々に学年末の夏休み、明けて8年生となるや大人びたグレイへの恋を自覚するメロディと彼女の気持ちを知りながら告白するアーク…母の出生疑惑と形見の青いペンダントに隠された秘密、そして隣国の使節団への花束贈呈にメロディを指命した校長の意図は?


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→→3巻
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    | comic | 2020.04.02 Thursday | comments(0) | - |
    最近読んだマンガ
    山中音和「ロリータの詩集」3巻

    最終巻の冒頭は斎(ゆい)の喋れなかった過去を絡めた、前巻ラストのモテモテ名無しナイフ少年ことカズキの居候エピソード…過去といっても始まりの原因ではなく終わりの切っ掛けで、閉ざしていた心の窓を開けたのは降矢先輩という。笑
    ほぼ通行人レベルの兄貴に比べ、雲泥のステキ描写ですな先輩…決してラブ方向には振らないんだけど、最初から斎の理解者とかさ!
    (こんな奴いねーよ)と毒づきたい所ですが、妹目線で(兄=知るか)になるのはリアルな気がしますし…それとアレだね、身内より少し離れた人は粗が目立たず理想化されやすいパターン。
    とはいえ、好い間合いね。

    カズキの次も居候、だけど巴は大学休んでツーリング三昧…自由に気楽に生きてるようで、ブレない斎にドキドキするのは根っから自由になれてない証拠かも。
    しかしながら斎も巴を見て己の臆病さを感じ、モデルを続けてくまりあや歌手活動に本腰を入れたカラス榊原に空っぽな自分を見たりして…見た目ほどタフじゃなくて、そういう自分を上手くフォローしてくれる降矢先輩に安心したりして。
    ワルぶってた境も斎の前では本音をポロリ、これって「レモンハート」の世界だよね…つまり斎の天職は飲み屋のママなのかもね、カウンセラーというより。笑
    あ、いや悪口じゃないよ?

    結局みんな斎を通して自分を見ちゃってるのね、まぁそういう作劇の手法で描かれてるんだけど…逆に斎が自分を見ている感じもちゃんと入れてて、その双方向の情報整理が最初は紛らわしく感じられたんだなぁ?
    森先生のGBLTな弟は、どちらかというと斎が見てる側なんだけど…というか前巻の有里や1巻の幸村とリエも、斎の心に刻まれるような関わりだったよね。
    他の人との関わりでも斎が傍観してる訳じゃなく、いつも双方向ではあれ…繁之こと森繁ユキの描かれ方には作者の力量が最も表れている気がしますね、こんなオッサンが読み返しても毎回ドキドキしちゃいます。

    かつては性の否定だったかもしれない、だけど今は辛かった時の自分も含めて肯定出来る…幸せという気持ちは過ぎ行くものではあれ、心に残ってゆくのだし。
    そして最終話、家庭の事情も斎の過去も関係ない幕切れとは好い感じに裏切られたな…うん、斎の物語を妙に分かったような幕切れにしないのは正解でしたね。
    溺れかけて感じた生きる意味、ってまとめちゃうと違うけど…目新しさはないとはいえ、語り口として練られた言葉だと思いました。
    巻末収録の「恋愛」は、本編と同時期に掲載された短編ながらラストにゾクッとしましたよ…絵面と裏腹な凄み、正に十代の感覚が。


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      | comic | 2020.03.24 Tuesday | comments(0) | - |
      最近読んだマンガ
      石塚真一「BLUE GIANT」10巻

      途中すっ飛ばして、いきなり10巻です…だって図書館にこの巻しかなかったのよ、まぁ真面目に読む気はないので問題ないですが。
      ちょっと前だけど話題になってましたよね本作、この作者自身じゃなく周りで勘違いしてる感じが如何にもジャズらしいなと…大体こういうアツい先入観っての?阿部薫とかコルトレーン的な(魂削ってます)感、いわば男同士の連帯感みたいなノリを欲してる人の期待値が先走っているような。
      世代の違いってヤツかもしれませんが、そういうのが好きになれなくてね…アツいのが、じゃなく熱気に飢えて見失っちゃう感じが。
      まぁ落ち着きなよ、って。
      (下欄に続きます)
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        | comic | 2020.03.18 Wednesday | comments(0) | - |
        最近読んだマンガ
        山中音和「ロリータの詩集」2巻(←リンク先はamazon内の白泉社文庫)

        (コレ、少女漫画だよね…?)と思ったりしたのは登場人物が圧倒的に男子だからなんだけど、だからこそ少女漫画なのかもなぁ。
        っていきなり逆説問答になっちゃいましたが、訳分からない言動をする男子の意外な内面を伺い知れる展開は女子受けしそうな気もするよね…むしろ少年漫画じゃ説明不要でサラッと描きそうな部分を、上手く拾い上げてるのがユニーク。
        主人公の斎(ゆい)は群れない女子高生、醒めてるようだけど実はブレてないんだよね…斜に構えるだけなら普通だけど、妙に肝が座ってるのは言葉を失った過去に起因してるようですな?
        その辺は、未だに謎です。

        タブっても学校に来ない兄のツグミ、その友人で1コ上の降矢先輩…高校が違うモデルのまりあ、といったレギュラーキャラと様々なゲスト男子が織り成す連作形式の青春群像的な物語。
        各話のシメには斎の短いポエム付き、というのが今では気恥ずかしいけれど…いや多分、当時だって概ねポエムはダサかった筈です。
        まぁ銀色夏生が流行ってたからね、って90年代半ばだし時期は過ぎてたよなぁ?…まりあのモデル仲間で渋カジっぽい砥上の髪型に時代を感じますね、デビュー時の江口洋介っぽくて。
        カブキ者を気取るカラス榊原も、やっぱり「To-y」を思い出させるキャラです。

        理屈で強がる河原崎、強がってヘラヘラしてる健司…モテモテ名無しナイフ少年も、精一杯の虚勢を張るのは痛みがそこにあるから。
        斎に隠した弱さを見透かされたようで、だけどムラなく立っている斎から何か見出だしてホッとするのかも…“なんでそーゆー誘導尋問みたいな事すんの?”と言われて“あんたの傷口が見たい”と返す、そんな女子がいたら惚れるわな?笑
        ただしユーレイ有里は斎にとって別格の存在でしたね、一呼吸毎に生の痛みを感じていた…夏の夜中の学校の怪談なんて、そんなお題でも作者にかかれば胸が裂けるような真夏の夜の幻を仕立てて見せてくれます。


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          | comic | 2020.03.10 Tuesday | comments(0) | - |
          最近読んだマンガ
          佐原ミズ(漫画)、孔枝泳(原作)「私たちの幸せな時間」

          原作の翻訳は蓮池薫、という事は北朝鮮なのか?いや韓国か…でも今まで避けてたのは、そんな理由からではなく(泣ける漫画)っぽさが感じられたからでした。
          でも本作がハズレだったとしても借りて読む分には泣けようが泣けまいがノーダメージだし、それに佐原ミズだったら今の所ハズレがないから読んでみるかと。
          いや実際、原作も好いんでしょうなぁ…粗筋だけなら「無差別殺人の死刑囚と自殺未遂を繰り返す元ピアニストが織り成す愛と生」とか、一昔前のケータイ小説にありがちな感じですが。
          そう構えていても、読んでいると白々しい気持ちなんて湧いて来ませんでした。

          元ピアニストの叔母で、長く教誨師(きょうかいし)を務める老シスターに誘われ教化委員として面会した死刑囚…聖職者の偽善も死刑囚への慈悲も“馴れ合い”と思っていた、それは多くの読者にとっても他人事ではない感覚なのでしょう。
          いえ、正直に言いますが僕の中にもその気持ちがない訳ではありませんでした。
          もちろん本作に出会って心を入れ替えた、とは言いません…それでも自分のテーマでもある(赦し)について、深まるものは決して少なくはありませんでしたよ。
          薄っぺらに見えた刑務官の人としての厚みや、教誨師の叔母が送ってきた人生の重さも考えさせられます。

          誰も単純な白と黒ではなく、また完全なる法や絶対の正義もない社会で人は人を裁いていく…命という生きている時間の権利は何者にあるのか、死者への償いを定める基準は何処にある?
          考え抜いても正答に辿り着けないからって「そーゆーコトはプロに任すわ」と放棄すれば、やはり偽善や馴れ合いで意識は止まってしまうでしょう…本作のような真実を心に秘めて刑を待つ囚人などいない、と断じるのもまた思考停止です。
          “犯罪者と呼ばれた彼と呼ばれていたかもしれない私との違い”が紙一重に感じられた事を「ない」と言えてしまう人こそ、僕には恐ろしく思えてしまいます。

          誰かに注ぐ眼差し、注がれる思い…愛が光や水に喩えられるのは、それが人には欠かせないからでしょう。
          朝を迎える度に“死を覚悟して生きている”のが死刑囚ならば、僕もまたそのようでありたい…武士道ではないけれど、死を想う事は生きる時間の糧ですから。
          やはり本作は(泣ける漫画)ではありません、というよりは「泣いてスッキリ」したら詰まらないんですよ。
          僅かに心を詰まらせる、この幕切れの匙加減も見事です…所詮は自分の時間を生きるしか出来る事はなく、故にこそ惜しむべき死も最大限の糧に変えてゆく姿にカタルシスを感じました。
          やっぱ、読んで好かった。

          “殺人現場を目撃した人は死刑制度の存続を…死刑執行現場を見た人は廃止論者へ…人の出す答えには結局エゴが含まれていて”
          “死刑囚の話など真に受ける奴がどこにいる?”
          “明日の朝 刑が執行される事を彼が知る事は許されません”


          〈佐原ミズ〉関連記事:
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          【最近読んだマンガ】佐原ミズ「夜さん She has a little wonders」2巻| 2016.01.08
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            | comic | 2020.03.03 Tuesday | comments(0) | - |
            最近読んだマンガ
            山中音和「ロリータの詩集」1巻(←リンク先はamazon内の白泉社文庫)

            大丈夫エロくないよ、'96年の花とゆめCOMICSですので!笑
            ちょいと訳アリらしく“言葉に強いコンプレックスを抱く橘斎”が“徐々に「言葉」を取り戻していく”という高校生群像劇で、この大人になってから黒歴史化しそうな青臭いクールさが気恥ずかしくもあります。
            しかし懐かしさ漂う画風ですね、特にキャラの描き方が上條淳士の「To-y」っぽくて…仏頂面の微妙な感情とか、絵は上手いし好きなタッチなんですが何故か分かりにくいコマが結構あるのが残念。
            ちゃんとキャラの描き分けも出来てるのに見分けが付かなかったり、キャラAのコマにキャラBの台詞があったりするからですかね?

            各話のナンバリングが“Poem”というのも、冒頭の“私は 詩人である/言葉の足りない 詩人でした”という独白も(キャー!)ですけどね…この年頃にありがちな、こういう側面を描こうとした漫画ってありそうでないような気がします。
            「Poem・1−くちづけー」で斎(ゆい)は面識なかった同学年の幸村に初キスを奪われ、彼に貰った言葉を読まずに失くしたまま永遠の別れとなってしまいます。
            「Poem・2」で知り合った他校の立花まりあ、ずっと幸村に片想いしていた「Poem・3」のリエ…「Poem・4」の椎名も、みんな言葉が足りなくて不器用で背伸びしたり強がっています。

            クラスで誰ともつるまない斎に関心を抱いては巻き込んでゆく同学年と対照的に彼女を見守るような1コ上の降矢先輩、彼の友人だけどダブってフラフラ出歩く兄ツグミ…そして「Poem・5」で知り合う森先生と、危なっかしい主役の脇に上手く年上男子を配置してる辺りは作劇上手ですなぁ。
            感情を表に出さない斎ですが、幸村の死から言葉を紡ぐようになり…直情的なまりあに叩かれたり椎名に殴られそうになり、それでもフラットに関わり合っていけるのは降矢先輩のサポートがあるおかげではあれ。
            斎の中に恋愛感情はないようですし、誰に対しても距離感は大人なのです彼女。

            といっても「幼稚な同学年と対等に接してます」的なスタンスではなく、アウトプット出来ない事で気持ちを客観視している点まで描けているのも心地好くて。
            頼りなさ気に見える森先生から“ここにくれば/何やっていいか/わからなくても/とりあえずやる事あるし/誰かいるから/ひとりには/ならない”“居場所が無くて/迷ってる人を/誰にも文句/言わせないように/ガードして/くれてるって/みんな知らないうちに/知ってるんだよね”という学校に対する捉え方を引き出した彼女が、他の生徒みたいに「森ちゃん」呼ばわりしないというエピソードにも感心しました。


            次巻

            →→3巻
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              | comic | 2020.02.23 Sunday | comments(0) | - |
              最近読んだマンガ
              岩本ナオ「スケルトン・イン・ザ・クローゼット」

              初版'05年のフラワーコミックス、あとがき読むまで本作が最初の単行本とは思いもしませんでした…むしろ絵が上手くなったような、というか多少は美男美女も描くようになったかと。
              しかも作者の特徴的な「却って混乱させられる状況説明コマ」が一度も出てこなかったので、構成力が上がったのかと思ってた位。笑
              収録された7編はすべて'04〜05年の「flowers」掲載作で、表題作は'05年7〜9月に3話連載…「タンスの中の骸骨」とは“他人に見られたくない子供って意味”なのだそうですが、そのニュアンスも分からない中途半端な打ち切り感を惜しむべきか楽しむべきか?笑

              まぁ普通(ここから動き出すよ)ってタイミングで終わらせるとか、作者の意図とは思えないですよね…別に少年漫画的な「これからだ!」エンドでもない、ある日常を切り取っただけっていう感触は新鮮ですが。
              予め3話読み切りで決まってたら展開もタイトルに絡めたろうし、まぁ最初の連載が打ち切りだったならショックだろうけど…少女を脇役ポジションにして年上の親戚兄弟がメインでは、読者が付いて来られなかったとしても仕方ないかな。
              というかこの「恋愛未満な男女男」という初期ドリカム編成だけじゃなく、絵柄も若干よしながふみっぽい気がしなくもないですね。
              (下段に続きます)


              〈岩本ナオ〉関連記事:
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                | comic | 2020.02.15 Saturday | comments(0) | - |
                最近読んだマンガ
                こうの史代「ギカタウン 漫符図鑑」

                作者の母は“まんがが読めない人”だったそうです。
                “読み方がわからない”とは、どういう事なのか…確かにページ内のコマ割は読み進める順序が暗黙の了解になっていて、段毎に右から左へと“まあ新聞の紙面に近い感じ”ではあれど僕もたまに凝ったコマ割だと混乱させられるからなぁ。
                そして「〜戯画」から既に描かれていた、コマの描写に動きを与える記号線…即ち“漫符”という表現も、漫画を読み慣れていないと戸惑ってしまう訳ですね。
                特に誰が定めた訳でもなく、また時代を追って新たに生まれたりもする記号…説明的な絵や文字を省き、一目で伝える丁符なのです。

                まるで門外漢には分からない、いわば能の舞台や面の約束事みたいですね…ドラマやアニメの「あるあるネタ」だって、元を正せば簡略表現だったりしますし。
                そんな工夫が込められた表現記号である“漫符”を、実際に漫画によって解説しようというのが本作です。
                ふきだしの形状や背景線はあとがきにまとめ、本編では四コマ形式で多種多様な“漫符”を一つずつ簡潔な解説文と共に紹介…目次が“漫符”の索引を兼ねているという、漫画記号の辞書的な体裁になっています。
                そしてタイトルどおり、日本最古の漫画といわれる「鳥獣人物戯画」をモチーフにしているのもユニーク。

                ギャグとしては新聞の三面左上にある四コマ漫画のテイストですが、たまに作者らしくないブラックさが顔を出すので意外に可笑しいですね…漫画を読み慣れている人に“漫符”を意識させる、その着眼点というか読ませ方も面白いです。
                初版'18年の朝日新聞出版刊で、初出は'15年から約2年半の「一冊の本」連載…超オススメ!とは言いませんが読んで損はないような、というより個人的にですけど作者のテイストが一段と好きになりました。


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                  | comic | 2020.02.05 Wednesday | comments(0) | - |
                  最近読んだマンガ
                  ちばてつや「ちばてつや漫画館」

                  (えっ、これ漫画扱いにしちゃう?確かに漫画のほうが比率は高いけど、扱いとしては本じゃないの?)
                  …と、迷ったものの僕の判断で漫画としました。笑
                  作者自身の特別描き下ろしや奥さんチバユキコ特製の描き下ろし「ちばてつや・きせかえ日記」を含め10本の漫画を収録、その合間にも絵入りの作品リストや同業者からのお祝いイラスト紹介などで活字のページなんて1割未満でしょ。笑
                  序文の「普及版出版にあたって」には、画業42年を迎えて開催された「原画展」の展覧会図録として出版されたとあります…このサイズで普及版って、オリジナル版は倍ぐらいあったの?

                  作者の作品を読んだのは、先日の「マンガでわかる戦後ニッポン」が初めてだったんですよ…もちろん「あしたのジョー」は映画も観たから部分的には原作も見てたと思いますが、印象としては僕の兄貴世代が読む漫画であり漫画家でした。
                  スポ根やバンカラといった漫画はオワコンで、ボクシング漫画なら「リンかけ」でしたからね…ところが「マンガで〜」に収録されてた作者の漫画を読んで、ずっと先入観で食わず嫌いしてたなぁと後悔しまして。
                  その後悔が、図書館の書棚から本書を見出だしたのでしょう…既に借りようとしてた分で手一杯でしたけど、出会いは一期一会さ!笑

                  「マンガで〜」収録作も逸早く環境破壊への警鐘が込められていましたが、その辺は声高にならず一貫していますね…そして満州引き揚げ時の恩人やデビュー時の編集者への義理堅さ、未だ連載を抱える現役という息の長さにも驚きました。
                  石ノ森章太郎らトキワ荘の漫画家に手伝ってもらったり、つのだじろうから「ちゃんと描け」と手紙を貰ったりした逸話も興味深いです…それにしても作者の描く少女が、今になって可愛く思えるのは何故だろう?
                  まぁこのボリュームで税抜き2千円というのは非常に安いですね、初版'97年のメディアファクトリー刊。
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                    | comic | 2020.01.28 Tuesday | comments(0) | - |
                    最近読んだマンガ
                    オカヤイヅミ「おあとがよろしいようで」

                    いえ、落語の漫画じゃありませんよ…僕も勘違いしたけど、本作は食と死を問うエッセイ漫画なのです。笑
                    益田ミリが筆で書いたようなタッチで、15名の作家たちとの会食インタビューがテンポよく描かれます。
                    作者は自称“ずーーーっと適度に食べ呑みつづけたい”くいしんぼう、その心理は“「終わり」が来て欲しくない”から…“だらだらできない”死が恐ろしい、そこで作者の“死ぬ前に食べたいものってなに?”という究極の疑問を色んな人に訊いて回ったのでした。
                    如何にも「話に詰まった酒席の定番」みたいな話に、わざわざ一席設けるという無駄に逆転した発想!笑

                    これぞネタ切れ漫画家の鑑、美味いエサで大物を釣って自分の趣味を実益にするウィンウィン企画ですな。
                    えぇもう全然ケーオツです、僕も損してませんし?笑
                    15名との会食14回、お相手の文筆家は綿矢りさを筆頭に戌井昭人/山崎ナオコーラ/津村記久子/円城塔/西加奈子/平山夢明/桜庭一樹/朝井リョウ/辛酸なめ子…村田沙耶香&加藤千恵の仲良しコンビは2人一緒で、お後は朝吹真理子と春日太一そして島田雅彦でシメと豪華な顔ぶれ。
                    TVか雑誌かで顔を見た気がする辛酸の無表情さや島田の腹黒そうな感じは意外と似てたので、他の方々も結構こんな顔なのかな?笑

                    各人の理想はともかく、死に方イメージとして「隕石で地球消滅」とか「人類滅亡」的な終末感の多さは面白いね…所謂ノストラダムス効果か?とも思うし、そういうのを知らない世代も311などで結構いそうな気がするのですけども。
                    それと平山夢明の「雑食の動物は旨くない、人間も旨いのは二の腕と太ももだけ」発言に村田沙耶香の人肉「いつか合法的に」発言もなかなか興味深いですな。
                    朝井の「相手に踏み込まれすぎないようコントロールする」コミュ力といい、作者の観察眼も侮れません。
                    逆に作者を侮って質問をはぐらかし続けた島田、食い逃げしに来たのかアンタ!

                    死は個々にとって“体験しうる一番遠くの未来”であり、脳の「未来を司る機能」が壊れると過去も含めて一切の悩みが消えるという話も何か考えさせられました…西いわく、過ぎた事をクヨクヨするのも“「未来に自分がひとにどう思われるかを想像して嫌」ってことやからやっぱり悩まへんのやな”なのだだそうで。
                    “「おあとがよろしいようで」って「次の準備が整いました」って意味だし”に、ちょっと目からウロコ。
                    ただ、円城回の脱字は猛省しなさいよ文藝春秋の校正室…“他の最後の晩餐候なんだった”って台詞、明らかに「補」と「んですか」が抜けてるんですけど?笑


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                    以下、各回の個人的まとめ
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                      | comic | 2020.01.18 Saturday | comments(0) | - |




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