スキャナー・ダークリー [Blu-ray]
スキャナー・ダークリー [Blu-ray] (JUGEMレビュー »)
俳優の仕草や表情をアニメとして再構築する、非常に手間の掛かった映像が生理的に苦手な人もいるでしょうね。
しかしながら出演者も(誰々が出てるから)という理由で観て欲しくはないでしょう、自伝的要素の強い原作を尊重した結果としてのスキャニメーションは実に効果的です。
意義を見出せない業務に延々と従事させられる主人公、彼の破滅を前提とした麻薬撲滅作戦…小さな政府がもたらした民間委託の陥穽、委託された組織間のマッチポンプは緩いディストピアですが。
どこまでが虚構でSFなのか、エンディングには賛否が分かれそう。
紹介記事【2019.07.27】
ブレイク・ビーターズ [ ゴードン・ケメラー ]
ブレイク・ビーターズ [ ゴードン・ケメラー ] (JUGEMレビュー »)
旧東独、といっても今じゃ通じなさそうですが…80年代の社会主義国でヒップホップに目覚めちゃった若者と、彼らの活動を体制翼賛に取り込もうとする当局との丁々発止を描く青春コメディ。
飼い慣らそうとする権力側と調子を合わせつつ苦悩する主人公たち、ベルリンの壁が崩壊して彼らを待ち受けるラストのほろ苦さとタフさに男泣きです。
自分でいる事を描いている点で、英国のサルサ映画「カムバック!」と併せてオススメ。
紹介記事【2019.11.02】
ダーリン・イン・ザ・フランキス 1《完全生産限定版》 (初回限定) 【Blu-ray】
ダーリン・イン・ザ・フランキス 1《完全生産限定版》 (初回限定) 【Blu-ray】 (JUGEMレビュー »)
荒廃した世界で生き残りを賭けて地底人と戦う少年少女、その謎が明らかになるにつれ絶望の色は増すばかりですが…絵空事に潜む「茶色の朝」の未来、大人目線で子供たちの希望を切に願ってしまいました。
次の世代のために何が出来るだろう、この気持ちを失わずにいたいです。
紹介記事【2019.08.28】
月曜日の友達(1-2巻 全巻) 全巻セット
月曜日の友達(1-2巻 全巻) 全巻セット (JUGEMレビュー »)
中学生になったばかりの頃の、世界の拡がりに戸惑う姿は性別や世代を超えて響きますね。
作画力もストーリーテリングも卓越してます、些細な一瞬を捉える巧さが。
忘れていた何か、忘れたくなかった何か…最後のコマに、胸が苦しくなりました。
紹介記事【2019.11.11】
TVアニメ『プラネット・ウィズ』オリジナルサウンドトラック [ 田中公平 ]
TVアニメ『プラネット・ウィズ』オリジナルサウンドトラック [ 田中公平 ] (JUGEMレビュー »)
(↑※サムネイルのリンクはサントラにしています)
所謂スピリチュアルなストーリーでありながら、どこか70年代アニメっぽいお約束とフォーマットをごちゃ混ぜにして力技で着地させたような奇想天外さが独特。
戦隊ヒーローに学園モノ、ジャンプ的な熱血インフレ勝負など…ネタの重ね掛けでも訳分からなくならない見事な構成、思いがけずラストに泣かされました。
正義のあるところに悪がある、よって正義は愛ではない…ならば善とはなんなのか? 先ずはご覧あれ。
紹介記事【2019.09.10】
ポルノ☆スターへの道 [ ニック・スウォードソン ]
ポルノ☆スターへの道 [ ニック・スウォードソン ] (JUGEMレビュー »)
ラジー賞を独占した下ネタ満載ムービー、とりあえず下品ですけど線引きはキッチリしてますね…笑わせる内容は、少なくとも男性なら他人事じゃないというか。
女性同士の巨乳幻想みたいなね、目の付け処が上手いなぁと。
まぁ万人向けではないにせよ、僕は感心しつつ大笑いしました。
紹介記事【2019.10.17】
夜長姫と耳男 (岩波現代文庫) [ 近藤ようこ ]
夜長姫と耳男 (岩波現代文庫) [ 近藤ようこ ] (JUGEMレビュー »)
原作者の作品は知らないので、本作は衝撃的でした…こんな物語が書かれていたのかと、まるで伝承の聞き書きか夢を書き起こしたような浮遊感!
印象としては南伸坊が中国の怪異譚を漫画にした「仙人の壺」に近い、無闇に説明しようとしない描線のアッサリ感が素晴らしいです。
空白の多さに、却って想像力を掻き立てられました。
紹介記事【2019.11.25】
さよならの朝に約束の花をかざろう 通常版 [Blu-ray]
さよならの朝に約束の花をかざろう 通常版 [Blu-ray] (JUGEMレビュー »)
不老不死というか不死者の物語にハマっているとはいえ、ファンタジー世界が舞台だとなぁ…と思ってましたが、不死者の(一般的な寿命の人間社会で生きる哀しみ)というツボを丁寧に描いていて好感が持てました。
寓話的なラストが作品世界と相まって、爽やかに切ないです。
紹介記事【2019.09.23】
おとなのけんか [ ジョディ・フォスター ]
おとなのけんか [ ジョディ・フォスター ] (JUGEMレビュー »)
血生臭い原題の割に、ほぼダイニング一間で完結している会話劇です。
子供の喧嘩に親が出て、大人同士で和やかに話し合って解決する目論見が破綻してエスカレート。
隣人を愛せれば戦争なんて起きない訳で、そんな皮肉な原題と裏腹に子供同士は親心を知らず…淡々としてますが大いに笑わせてくれます、個人的にはオススメ。
紹介記事【2019.10.22】
【中古】 山本耳かき店 ビッグCスペシャル/安倍夜郎(著者) 【中古】afb
【中古】 山本耳かき店 ビッグCスペシャル/安倍夜郎(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
耳かき店ブームの火付け役、なんて書いては申し訳ないのですけども…決してブームに便乗した後追いではない、と。
穏やかな時間の流れる小さな町で、耳かき屋さんを訪れる客の脳内イメージが秀逸です。
こんな表現があったのか、こんな漫画があったのかと目からウロコ耳から(略)。
紹介記事【2019.12.23】
グラン・プリ [Blu-ray]
グラン・プリ [Blu-ray] (JUGEMレビュー »)
最初はソール・バスの映像分割がスタイリッシュというより情報過多に感じましたが、それが後から効いて来るんですね…世界各地を転戦するF1レーサーと彼らを取り巻く人間模様が主軸ながら、走行シーンも見甲斐があります。
クールなドラマと60年代のムードが、ダンディな三船敏郎も含めて現代とは別世界のようです。
紹介記事【2019.12.21】
絵はがきにされた少年 [ 藤原章生 ]
絵はがきにされた少年 [ 藤原章生 ] (JUGEMレビュー »)
アフリカに対する先入観や固定観念が、ことごとく覆されます…偏見を持たないように心掛けていたつもりでも、日本にいて伝わってくる情報自体にバイアスが入っている訳ですが。
西欧支配の呪縛に歪められた各地の民族性や搾取の構造など、日本では見えにくい暗部が著者の目を通して見えてくるようで。
アフリカの話であり、同時に現代の実像でもあるのでは?と。
紹介記事【2019.09.1】
【中古】 マンガでわかる 戦後ニッポン /手塚治虫(著者),水木しげる(著者),つげ義春(著者),はるき悦巳(著者),ちばてつや(著者) 【中古】afb
【中古】 マンガでわかる 戦後ニッポン /手塚治虫(著者),水木しげる(著者),つげ義春(著者),はるき悦巳(著者),ちばてつや(著者) 【中古】afb (JUGEMレビュー »)
現代に至る国内の移ろいを漫画に語らせる好企画アンソロジーです。
漫画にしか出来ない表現は、例えば三輪自動車が走る風景でありリンチされる米軍の操縦士であり…基本的に主観視点であるが故の、俯瞰の効く文学表現よりも接地した仮想体験なのかも。
いわば漫画こそが伝え得た戦後の一片、切り口を変えて続けてもらいたいですね。
紹介記事【2019.12.12】
あきれたあきれた大作戦 [ ピーター・フォーク ]
あきれたあきれた大作戦 [ ピーター・フォーク ] (JUGEMレビュー »)
笑いって鮮度があると思ってました、本作を観るまでは。
先が読めずに引き込まれましたが、確かに繰り返し観たくなるかも…計算されたシナリオが効いた笑いと、映像的な古さもまた味わい深いです。
スタンダードでバカバカしくて無駄のない、意外な傑作。
紹介記事【2019.12.10】
人気マンガ・アニメのトラウマ最終回 極限編 [ 鉄人社編集部 ]
人気マンガ・アニメのトラウマ最終回 極限編 [ 鉄人社編集部 ] (JUGEMレビュー »)
面白可笑しい切り口で紹介されてるので、ファンの方にしてみれば物申したい点も多々ありそうですが。
様々な事情から意外な最終回を迎えていた、有名な作品の数々に先ずビックリ…知って何かの役に立つ訳ではありませんけど、やはり切り口が面白いのですよ。
紹介記事【2019.09.24】
【国内盤CD】【ネコポス送料無料】ファウンテインズ・オブ・ウェイン / トラフィック・アンド・ウェザー
【国内盤CD】【ネコポス送料無料】ファウンテインズ・オブ・ウェイン / トラフィック・アンド・ウェザー (JUGEMレビュー »)
「Stacy's mom」の青春パンクをイメージしてたら好い意味で裏切られました。
どこかSDP「スチャダラ外伝」に通じる旅アルバム、共通する根っこは世代なのかグローバル環境なのか…しかしELOっぽさを連想させるサウンドも厭味なく無理して頑張ってない感じだし、三人称のスキットみたいに様々な切り口で綴られる旅の寸描が詩的。
パッキング上手で飽きさせない仕上がりかと。
紹介記事【2019.07.08】
【中古】[PS2]ローグギャラクシー ディレクターズカット(Rogue Galaxy Director's Cut)(20070321)
【中古】[PS2]ローグギャラクシー ディレクターズカット(Rogue Galaxy Director's Cut)(20070321) (JUGEMレビュー »)
無印版も僕は楽しめましたが、ダレ要素を改善して全体的にボリューム・アップしておりオススメです。
難を言えば、このDC版では攻略本が出てない事ですね…特に武器の合成レシピが違っているし、追加武器はノーヒントで試行錯誤の連続に。
水の惑星にある3連宝箱は、多分エリアボスに乗って飛び移らなきゃ取れないと思うので、これからプレイする方は気を付けてね!笑
紹介記事【2018.07.19】
【中古】PS2 スターオーシャン3 Till the End of Time
【中古】PS2 スターオーシャン3 Till the End of Time (JUGEMレビュー »)
ディレクターズ・カット版が出てるようなので、そちらをオススメします。
僕も終盤でメニュー画面を開こうとしてブラックアウトや異音と共に「ディスクからデータを読み込み中です」と表示されたままフリーズでプレイ断念中です。笑
リアルタイム・バトルの忙しさは好みの問題として、城下町などの雰囲気が最高!
中世レベルの惑星に来た主人公がハイテク宇宙人側、という立ち位置はユニークで楽しめました。
紹介記事【2018.07.25】

最近みたDVD
「あきれたあきれた大作戦」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

「監督アーサー・ヒラー、ピーター・フォーク、アラン・アーキン他による音声解説」にて再視聴です、この「他」というのは脚本を担当したアンドリュー・バーグマンで現在は監督だそう…本作を撮影した'78年を“25年前?”と言ってたから、コメンタリー収録時は'03年頃だったのかな?
ともあれ「他」扱いの彼が大抵の裏話を喋ってた気がするし、半ば司会進行役として会話の流れを作ってたので実は音声解説のキー・パーソンだったというね。
その彼が言うには、アランがピーターと共演するための企画から本作が生まれたとか…出演交渉と脚本が、ほぼ同時進行だった様子。

本作は家族や夫婦で繰り返し観る人が多いらしく、アランはコメンタリー収録の10年ほど前にマーロン・ブランドから“20回は観た”と言われたそう…実際、暴力シーンがないし撃たれて死ぬのも出オチの議員だけだし悪役も憎めないし。
個人的には「バック・トゥ・ザ・フューチャー」並みにまとまったストーリー展開だと思います、因みにフランスでの題名は「歯科医を撃つな」だったそう。笑
それにしてもタクシー運ちゃんは「おかしなおかしなおかしな世界」じゃ制服制帽だったのに、15年の間で何かあったのやら…それとも西海岸とN.Y.では違うってだけなのか、ちょっと不思議。

しかし古い映画で観るN.Y.は味わいがありますね、まぁ行った事はないんですが…例えば「デイブは宇宙船」でネイキッド・カウボーイがいた場所とか「ヒート」で銃撃戦してた辺りだとか、見覚えあるロケーションも車やファッションやらで微妙に違う感じで。
それに、観直してみて色々と新たな発見があるのも楽しいです…例えば初対面でのピーターを胡散臭く感じたアランと娘の口論が、いよいよ怪しさを増すピーターを突き放せなくなる心理状態の伏線になってたり。
ピーターが銃の射撃一発で、運ちゃんにCIAだと言ってたジョークがマジだと思わせるシーンだったり。
(下段に続きます)


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    | cinema | 2019.12.11 Wednesday | comments(0) | - |
    最近みたDVD
    「シチズンフォー|スノーデンの暴露」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

    かつて一躍時の人となったエドワード・スノーデン氏、彼はアメリカの国家安全保障局(NSA)職員でありCIAシニア・アドバイザーも務めただけでなく横田基地内のNSA関連施設でも働いていたそうで…現時点でも無事に恋人とロシア亡命生活を送れていると好いと思いつつ、4年前に公開された本作を観ました。
    彼を見て必ず連想してしまうのは、カナダの白人ラッパーSNOWがヒットさせた「Informer」です…顔が似てるしスノウだし、何より密告者という曲名がねぇ。笑
    それはさておき本作の原題は「CITIZEN FOUR」、決して市民の敵(citizen's foe)ではありませんのでどちら様もお間違えなきよう。

    香港のホテルで'13年に撮影されたエドと英ガーディアン紙記者とのインタビューを中心に、最初のスクープ記事に至る打ち合わせからロシア亡命に至るまでを2時間近い尺に編集したドキュメンタリー映画です。
    まるで潜伏中の部屋に居合わせたかのような緊張感、そして“これはSFではない 現実です”という言葉にドキッとしてしまう程の非日常的な現実…衝撃的リークの向こう側で淡々と流れる時間の密度は、観る側に時間を感じさせません。
    監督でインタビュアーも務めたローラ・ボイトラスはジャーナリスト兼ドキュメンタリー映画作家で、本作はイラク戦争を扱った'06年の「My Country My Country」とグアンタナモ収容所をテーマにした'10年の「The Oath」に続く“9.11以降のアメリカを描く3部作”完結編との事。

    グレン・グリーンウォルドもまたジャーナリストで、監督とニュースサイト「ザ・インターセプト」を創設した一人でもあるそう。
    ウィリアム・ビニーはNSAに30年以上勤務し、世界的監視システム自動化のインフラ整備を設計するも“当局による国内監視体制と資金の不正管理に疑念を募らせ”'01年に職を辞した人物。
    ユーウェン・マカスキルはガーディアン紙にNSAリポートを掲載した国防情報担当の特派員、ジェイコブ・アッペルバウムはNSAが独メルケル首相の通信を盗聴していた告発記事で知られるジャーナリスト兼Torプロジェクトに従事するセキュリティ・プログラマー…ジェレミー・スケイヒルも「ザ・インターセプト」創設者で傭兵企業ブラックウォーター関連のルポルタージュで知られるジャーナリスト、因みに音楽はナイン・インチ・ネイルズ。

    “2006年に当局の監視対象とな”った監督の下へ“CITIZEN FOUR”と名乗る人物からのメールが届き、やり取りの中でグレンが記者に指名され取材場所が決まります。
    米国内での通信は全て傍受されるという警告を受けてベルリンに引っ越した監督は、撮影途中で“私は香港で撮影を続けたかったが尾行に気づき6日後にベルリンに戻った”そう。
    一方、エドもリーク記事が公表されるや恋人と住んでいた家にはNSA職員が侵入を試みたり何故か家賃が口座から引き落されず退去通告が出たり家の前に工事車両が何台も停まってたり…即座に身バレしたんですね、無論エドは手口を知り抜いていたから彼女が危険に曝される心配がない事まで予測済みだったのですが。

    終盤、エドは国連に亡命申請をしてウィキリークスの計らいで香港からモスクワに到着したものの…米国政府がエドのパスポートを無効にしたせいで、公式なロシア入国手続きが不可能に。
    NSAは各国政府の協力を得て世界各地にデータ収集施設を建設しており、例えばイギリスの政府通信本部(通称GCHQ)は最も侵略的な通信傍受プログラムTEMPORAを持っていると言いますが…英国政府はガーディアン紙に圧力をかけ、GCHQ関連情報を収めたHDDを破壊させました。
    また“ドローン攻撃は全てドイツの米空軍基地から なされている”という、これは対シリア軍事介入の件でしょうか。
    “NSAが受動的なんてバカげてる/彼らは積極的に攻撃しているんです”


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    以下、出演者による印象に残った発言(順不同)と個人的メモ。
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      | cinema | 2018.09.01 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |
      最近読んだ本
      山井教雄「まんが 現代史」

      初版'09年の講談社現代新書2025で、タイトルには「まんが」と謳ってますけど漫画じゃなくて風刺絵ですね…新聞に載ってるような、世相を皮肉った1コマ漫画っぽい戯画を豊富に織り込んで戦後〜現在の世界情勢を解説している本です。
      勘の良い方ならサブタイトルの「アメリカが戦争をやめない理由」でお気付きでしょう、僕は本編最初の一文“1945年、人類史上最大の愚行、第2次世界大戦が終わった”でピンときましたよ…(あ、コイツはアカンやつや)ってね、偏見に満ちた独断で語るタイプ?

      19世紀に世界の覇権を握ったイギリスから戦後はアメリカへと、大国主義は傲慢さと狡猾さも込みで引き継がれました…そのように考えてみると米英露の首脳が顔を揃えたヤルタ会談は、まさに戦後という新たなスタート地点だったかも。
      しかし米英が信頼し期待した幻想は、ロシアが東欧を共産圏に引き込んで冷戦状態を作り出す結果を生み出したのでした…中條高徳の本ではロシアが単独で終戦間際に南侵したように書いてあった気がしましたけど、実はアメリカの要請だったんだから北方領土問題は今後も解決しないよなぁ。

      新版SFアンソロジー「冷たい方程式」収録のアルフレッド・ベスター作「オッディとイド」に“あらゆる戦争が経済対立に根ざしているというのは周知の事実である(中略)紀元前のポエニ戦争は、ローマとカルタゴが地中海における経済的覇権をめぐって起こした金銭トラブルの最後の産物だった(中略)福祉国家と慈悲深い専制国家との違いはあまりない。危機におちいると、どちらも誠実きわまりない動機から、唾棄すべき行動に出る(中略)彼らはおたがいに自国民の保護しか眼中になかった”とあり、本書の内容にも通じる歴史的な普遍性を感じました。

      日本の高度経済成長は「朝鮮特需」でマッカーサーが日本の民間企業を支援してくれた事と、続いてベトナム特需もあったからなんですね…日本が自力で復興したなんて思い込んでた自分が恥ずかしいです、だけどブッシュがイラクの戦後処理を甘くみたのも日本での成功例を勘違いしたせい?
      冷戦の象徴だったベルリンは東西の分割線上ではなく、西ベルリンは東側の真ん中にある飛び地だったのね…ドイツとフランスの対立が2度の大戦を引き起こした事も知らなかったし、国連の安保理常任理事国は第二次大戦の戦勝国だから日本のバラ蒔き外交で入れる訳ないってのも道理だわ。

      冷戦下、元連合軍最高司令官アイゼンハワーは「軍産複合体」の出現に警告を発していたけれど…結局は軍需成金が牛耳ったアメリカは、冷戦後も“景気刺激のために、どの大統領も例外なく戦争をやる”軍産ジャンキーと化したのでした。
      ケネディを暗殺したCIAは、新自由主義経済を謳って中南米を政治家お抱え企業の植民地にしましたが…アフガンで学生を意味するタリバンを育成して楽しようとしたツケが冷戦後の中東で爆発、国庫を圧迫するけども軍産複合体には痛くも痒くもないんですね。

      アフガン撤退を決めたゴルバチョフを引きずり下ろしたのは変化の痛みに耐えられない国民でしたが、パレスチナとの和平に動いたラビンを殺したのは平和よりも教義に忠実なユダヤ人でした…アメリカのキリスト教原理主義者はヨハネ黙示録に書かれた千年至福の「ユダヤ人がパレスチナに祖国を建設している」前提条件を守りたいから、イスラエルに対して異常なほどの忠誠心を発揮するのか!


      内戦状態のソマリアに冷戦時代の米ソが過剰供給した武器が貧しい漁民に出回って海賊化、イラクの反米化が呼び寄せたアルカイダはスンニ&シーア派のモスク破壊をアメリカに責任転嫁して宗派抗争を煽った…戦後の歴史で大活躍のCIA、ただ気になったのは著者の参考資料がほぼ全部戦争映画だっていう点です。笑
      貧富を拡大する仕掛けの市場経済は周期的に恐慌を発生させ、世界恐慌で列強が採ったブロック経済政策が第二次大戦の火種となった…そこで社会主義的に政府が経済介入する修正資本主義が生まれたとか自分の無知を痛感した本書、ただしアメリカ(と新左翼思想)に偏り過ぎじゃないかな。


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        | books | 2014.09.26 Friday | comments(0) | trackbacks(0) |
        最近読んだ本
        立花隆「解読『地獄の黙示録』」

        再々読。
        フランシス・フォード・コッポラが「ゴッド・ファーザー」で得た資産を抵当に入れて完成させた監督作は、おそらく日本では戦争娯楽作品として認識されているし今後も評価が大きく変わる事はないでしょう。
        そして多くの人は、本であれ映画であれ、一つの物語を二度三度と味わうような事はしないのでしょう…しかし優れた物語ほど読む側の理解力によって意味合いを変えるものだと思うのです、そして本書は件の映画をより深く味わうために欠かせない手引きなのです。

        何故かというと、映画の舞台となるベトナム戦争が多くの日本人にとって時代的にも地政的にも縁遠いからです…インドシナ全域をフランスが支配していた時代にケネディ大統領が現在のCIAを駆使してベトミンの抵抗運動を支援していた事なんて知りもしないですし、知ろうと思う理由がないからベ戦は分からない。
        また西洋人が幼少時に親しむ漁夫王譚や「金枝篇」、T.S.エリオットの詩の一節といった基礎知識が日本人には馴染みがないせいで理解も浅くなるのです。

        といった次第で、どうしてもワーグナーが流れるシーンの強烈なイメージだけで語られがちになりますが…本書では特に難解とされる映画の後半部に散りばめられた意図を解き明かし、アメリカなる国家の気質というか現在も踏襲されている聖戦ロジックの本質を衝いた監督の真意に迫ります。
        言うまでもなく本書は著者のバイアスによって映画「地獄の黙示録」を読み解いているのですが、あの映画を一度観て分かった気になっている諸兄に新たな見方を提供してくれる筈です。

        戦争の根源にある人間の矛盾、戦後CIAの肝煎りで結成された自民党が推進してきた政策や方向性も…というと大袈裟ですが、戦争は軍事行動という政治的な行為であり国家を構成する人間の理性と狂気について考えを深める事も可能な映画であると本書は語っているように思えました。


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          | books | 2013.07.08 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |
          最近読んだ本
          ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(著)、浅倉久志(訳)「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」

          原題「Tales of the Quintana Roo」をこのような邦題に変えたのは海外SFの紹介者としても知られる訳者の手腕でしょうか、ミステリアスながら本書に収録された3編の奇譚を端的に表したタイトルですねぇ。
          そもそもキンタナ・ローという言葉は、カンクンに行った事のある日本人でも知らない方が多いのでは?
          むしろ国内で知名度のあるカンクンなり、舞台となるコスメルの名を敢えてタイトルに含めなかった訳者の慧眼は称賛に値しますね。

          本書に登場するカンクンやコスメルやトゥルムといった地名はメキシコのユカタン半島にありますが、そこはユカタン州ではなくキンタナ・ロー準州なのです。
          世界幻想文学大賞なるものを受賞したという本書、コスメル島と近辺でのスキューバやスノーケリングといった題材ではありますが…そうした目的で彼の地を訪れるリゾート・ラバーが手にしたところで「訳わかんね」と言い出すのが関の山、したり顔で一丁前の批評をされる位なら読まれない方がマシってもんです。笑

          アンドレス・キンタナ・ローは独立戦争の英雄で、その戦いは'35年に休戦という形で終わったそうです。
          序文「キンタナ・ローのマヤ族に関するノート」には、メキシコ相手に独立を求めて蜂起したマヤ族は北部インディオのような被征服者ではないと書かれています…故にメキシコを援助して派兵したアメリカの人間である主人公はマヤ寄りの心情を持っていてもグリンゴと見なされ、マヤ族を援助したイギリス側の工作員を思わせる人物が登場して意味深な会話をしたりします。


          巻末の訳者あとがき、ではなく越川芳明なる人物による解説を読んで驚いたのは2つ…著者が実際は女性である事、そしてペンタゴン勤務を経て'52年のCIA創設時からスタッフとして3年ほど関与していた事。
          '44年のグアテマラ民主化を援助しながら、アイゼンハワー政権とCIA高官が己の利権を確保するためクーデターで'96年まで続いた内戦状態を引き起こした…'61年のキューバ侵攻でもダーティ・ワークに手を染めたCIAは「ボーン」シリーズみたいですが、そういった(裏庭)への哀惜と悔悛の念が本作の下地に横たわっているのでしょう。

          ちなみに、もう1つ驚いた事がありまして…それは著者が「愛はさだめ、さだめは死」「たったひとつの冴えたやりかた」などの有名なSFをも執筆していた事です、後者は特にタイトル自体がJPOPやラノベに引用される事が多いのでも有名かと思いますが。

          これまでも興味はありながら未読だったので、本作をご縁として一段と読んでみたくなりましたよ。

          “キンタナ・ローの海岸には、いま(一九八四年現在)でも、休戦協定による権利を盾に、同化や近代化を拒んでいる村がいくつも存在する。招待者でないと、村にはいることは許されない。わたしの友人だった前提督は、それらの村を儀礼訪問する場合、かならず単身で、しかも最後の二十キロは徒歩で、古いサクベの道を使うことにしていた(サクベは古代マヤの道路網だが、現在ではジャングルのなかを抜ける石灰岩のうねとなり、なかにはどこへ通じているのか、だれも知らない道もある)。”

          '96年、カンクン〜プラジャ・デル・カルメン間のメキシコ軍による検問と長い一本道の両側に拡がる深く平たい森が脳裏に浮かびました…トゥルムの遺跡外に続いた道、コスメルのスパニッシュな夜中の港町や船上で見た鮮やかな夕景も。


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            | books | 2013.05.12 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
            最近読んだ本
            ロバート・ホワイティング(著)、松井みどり(訳)「東京アンダーワールド」

            本作は、その歴史的資料やインタビューの膨大さに(そりゃ10年かかるわな)と納得させられる。
            戦後の復興からバブル経済の終焉までを日本で生きた(不良ガイジン)を通して、この国の暗部を洗い出したドキュメンタリーである。

            元々N.Y.ハーレム育ちで悪そうな奴は大体トモダチ気質のイタリア系アメリカ人ニコラ・ザペッティは、GIとして沖縄の地を踏んでから闇市への横流しに転身して成功(?)する。
            当時は米軍キャンプしかなかった赤坂に店を構えたのも機に聡い嗅覚の才能だろう…そこには戦後の銀座を仕切った住吉会と三国人愚連隊を束ね上げた東声会との熾烈な抗争や、戦前の大陸で暗躍し後に自民党立ち上げに関わった児玉誉士夫ら大物フィクサーとCIAのキナ臭い交流も大きく絡んで、彼の店は闇の社交場として繁盛する。

            力道山の公にされない出自や殺害の経緯、航空機納入などの利権ビジネスと政治スキャンダルの数々、やくざ者たちの義侠心と変質する組織など…丁寧に資料を突き合わせ当事者を訪ねて裏を取っていく著者の根気と勇気に敬服する。
            本作の内容だけが事実であるとも、揺るぎない真実であるとも思ってはいない。
            だが断片的に知っていた情報と矛盾せず系統的に戦後の裏面史を語っている本作の信憑性は低くないだろう、連綿と今に続く政治家の腐臭に決定的な絶望感を味わわされる事は確実だ。
            そして安保闘争が、大人の手の内でガキが踊らされた茶番に過ぎなかった事にも強い失望を覚えた。

            胆の太い悪党ながら大らかで脇が甘いニコラに著者が惹かれたのは分かる気がする、日本交通による合法的な乗っ取りで全店舗を失ってしまった彼が気の毒に思えてしまう位に。


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              | books | 2011.07.26 Tuesday | comments(0) | - |
              最近読んだ本
              ジョン・ロンスン(著)、村上 和久(訳)「実録・アメリカ超能力部隊」

              とにかく早急に題名を変えるべきです、自信はないけど本書は公開中(本稿執筆時)の映画「ヤギと男と男と壁と」原作なのではないでしょうか?
              仮に違ったとしても「実録」とか「超能力」なんて読者を限定する単語ではなく、例えば「911」とか「イラク」を匂わせる言葉にするとか…。
              いや、いっそ映画と同じでも良いじゃないですか(本書の原題は“山羊を見つめる男たち”ですし)?
              トンデモない切り口から浮かび上がる軍部とCIAの狂気…それが決して過去の過ちではなく、より狡猾に運用されている現在進行形の問題である事は、もっと関心を集めていい筈です。

              「あまりに荒唐無稽な陰謀系」と一蹴する方が、常識的な反応なのかもしれませんけども…。
              ベトナム戦争の悲惨な教訓から“暴力によらない解決”を標榜し、70年代の初期ニューエイジ運動を吸収した「第一次地球大隊」の僧侶兵というアイデア。
              戦わずして勝つ…その精神性が換骨脱胎させられたグアンタナモやアブグレイブの実態は、ピースフル・ウォーリアーの敗北として僕の無常感を募らせます。

              先の大戦での「殺すつもりで発砲したのは20%以下、その98%にはトラウマが残り、残り2%は日常でも平気で人を殺せる人格」という調査結果からいえば、まさにその250人に1人の狂気に駆り立てられたのがベトナムでありパナマでありイラクだったのでは?

              実際、イギリス人らしいウィットに富んだ文章はユーモアに溢れ、それなくしては吐き気を催す程の内容をテンポよく伝えています。
              これほどの失望と醜悪さを、僕は世界に抱いた事はなかったと思います。


              追記:やはり映画の原作みたいですが、内容はコメディ要素が強そうですね。
              YOUTUBEのシネマトゥデイ公式ページの映画予告編を見つけましたので、貼っておきます。
              ジェフ・ブリッジスかぁ・・・観てみたいかも。


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              *以下の動画は、携帯からでは視聴できないかもしれません。

              『映画『ヤギと男と男と壁と』予告編』
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                | books | 2010.09.22 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |




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