Voyage of Prayer―祈りの旅
Voyage of Prayer―祈りの旅 (JUGEMレビュー »)
今西 勇人
祈りの姿勢は、手を合わせ目を閉じる形だけではありません…人が祈る姿は千差万別なのに、祈るという行為やその思いには共通性が感じられるのです。
宗教の奥にある、世界じゅう一人ひとりの心の静けさに。
紹介記事【2016.09.06】
チャンス [DVD]
チャンス [DVD] (JUGEMレビュー »)

「人生とは心の姿なり」
シャーリー・マクレーンは、本作の撮影中にピーター・セラーズが前世について話した事を著書「アウト・オン・ア・リム」で書いていました。
それを意識したせいでスピリチュアルな印象を受けましたけど、むしろ本作の笑いはそうした見方にあるような。
無知な老人チャンスが教養人を翻弄するシュールな寓話、ですが予想外に可笑しいのです。
紹介記事【2016.10.08】
逮捕しちゃうぞ [DVD]
逮捕しちゃうぞ [DVD] (JUGEMレビュー »)

藤島康介が原作の、婦警コンビが活躍するOVAです。
図々しいまでに快活な夏実と大人しそうで冴えたドラテクの美幸、という動と静のバランスは同じ原作者の「パラダイスレジデンス」を思わせますが。
この後に続く同名のTVシリーズにはない凝った実車ディテールや派手なカー・アクション、まだ昭和の気配が色濃い東京の風景は90年代のトレンディ・ドラマっぽいけど…ま、肩の凝らないノリが好い案配なのです。
紹介記事【2016.08.21】
となり町戦争 (集英社文庫)
となり町戦争 (集英社文庫) (JUGEMレビュー »)
三崎 亜記
2016年に読んだ小説から一冊を挙げるのは本当に悩みましたが、本書は外すことが出来ません。
デビュー作でこれって、凄すぎない?
ちょっとシュールでフワフワとした空気の中、自治体行政の地域活性化という名目で遂行されているらしき戦争…“僕”が聞く唯一の銃声は終戦を告げる号砲で、これは「地獄の黙示録」で引用されていた詩の一節“これが世界の終わりのすがただ/ドンともいわないで、すすりなきのひと声で”を連想させます。
文庫の表紙カバーに惹かれたのですけど、これが衝撃的な場面とリンクしてたとは…戦争とは銃器や死体ではなく、本質は経済の真の顔なのだと実感しました。
紹介記事【2016.11.13】
Yesterday,Yes a day (フラワーコミックス)
Yesterday,Yes a day (フラワーコミックス) (JUGEMレビュー »)
岩本 ナオ
話の舞台が共通する「雨無村役場産業課兼観光課」も好かったけれど、個人的には先に読んだ本作の方が好みかも。
地方暮らしの女子高生とか恋愛未満のリアリティが新鮮、この年頃だって恋愛が日常の中心にある訳じゃないんだよねっていう。
紹介記事【2016.03.30】
Eagle Has Landed: Live
Eagle Has Landed: Live (JUGEMレビュー »)
Saxon
どう見てもビジュアルが「スパイナル・タップ」そのものですが、当時の僕にとってはAC/DCの「BACK IN BLACK」とマイケル・シェンカー・グループの「MSG」と並ぶHR/HM愛聴盤でもありました。
でも他のメンバーはあんまりメタルっぽい出で立ちじゃなくて、ストラト遣いのポールは野球帽かぶってたし…ぶっちゃけボーカルのビフ以外はギブソンSG遣いのグラハムも当時は滅多に見かけなかったプレベ弾きのスティーブも見た目がオッサン臭くて、そういうビジュアル無視な姿勢が僕には却ってシブく思えたのです。
意外にロックンロールしてるベースラインや無駄に手数はないけどツーバス並みに速いドラムスやメタルにしては珍しいワウペダルを使ったギターソロなど今でも充分カッコイイ!
リフ中心とはいえメロディアスなフレーズも織り込み、改めて聴くと楽曲構成も隙がないなと感じました。
紹介記事【2016.02.27】
アイアン・スカイ [DVD]
アイアン・スカイ [DVD] (JUGEMレビュー »)

2018年、月からナチスが攻めてくる?!
パルプSFテイストにシニカルなユーモアを絡めた、おバカ路線のB級映画。
フィンランド人がサウナで酔っ払いながらアイディアを出し合い、製作費のうち約1億円をカンパで集めたというフィンランド・ドイツ・オーストラリア合作。
ほぼ全編ブルーバック撮影というレトロ活劇「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」と併せてオススメします、もちろん両作品とも特撮だけの映画じゃあありませんよ?
紹介記事【2016.04.16】
忘れられた日本人 (岩波文庫)
忘れられた日本人 (岩波文庫) (JUGEMレビュー »)
宮本 常一
本書は主に、対馬や周防大島や伊予といった西日本の村落で聞き取った話から構成されています…本業の傍ら、農家に泊めてもらうので米を持参で戦時中も日本各地を歩いて回ったそう。
正直、読み始めは部外者が首を突っ込んでいるような取っ付きにくさを感じたのですが…間をおいて開いたら、妙にスラスラ入ってきました。
何だか不思議です、本書自体が村の古老のようで…この深い根っこに繋がるような安心感、古臭く陳腐な表現ですが「元気が出る」のです。
紹介記事【2016.06.21】
幻想水滸伝III
幻想水滸伝III (JUGEMレビュー »)

明代中国の伝奇歴史小説「水滸伝」をベースにしたRPGシリーズの1つで、本作の特徴は同じ物語を複数の主人公を通じて体験するという趣向です。
今回は商業国家の騎士団長、名門貴族のクリスでプレイ…以前にプレイした平原部族の少年ヒューゴや大国の傭兵を率いるゲド隊長と違ってしがらみだらけの気丈な女性。
商業国家と平原部族の対立に乗じて領土拡大を画策する大国と、裏で暗躍する一味…シリーズの他作品は知りませんが、異世界クライム・サスペンスといった感じ?
絶対悪など存在しない、なんて分かってはいても相互理解は難しいというね。
小説や漫画などとは異なる、RPGという形式ならではの物語を味わえます。
紹介記事【2016.06.29】
イノセンス スタンダード版 [DVD]
イノセンス スタンダード版 [DVD] (JUGEMレビュー »)

前作「ゴースト・イン・ザ・シェル」から引き続き押井守監督が描くは、攻殻機動隊のバトーとトグサが挑む「暴走ガイノイド連続殺人事件」の顛末。
そして、ネット上の全一となった少佐こと草薙素子を、もはや見つめる事も触れる事も叶わないバトーの愛の物語でもあります。
重厚なCGアニメで表現される電脳社会の、二重の意味で人工的な儚さ…「私」や「貴方」の定義とは何か、肉体は自由の枷なのか。
前作のラストで少佐が言っていた“2501…それいつか、再会する時の合言葉にしましょ”という台詞を覚えていると、ちょっと感動的かもしれません。
紹介記事【2016.11.27】
二週間の休暇 (MouRa)
二週間の休暇 (MouRa) (JUGEMレビュー »)
フジモト マサル
まるで村上春樹ワールドの絵物語、といったら失礼でしょうか…あの読後感を簡易化して視覚的にまとめたような一冊、安直すぎるオチも却って心地よく感じられました。
うぐいす色と黒の二色刷り、計算されたコマ割りとアングル…奥付けページの縁に這わせたカマキリに至るまで、ちょっと手元に置いておきたくなります。
紹介記事【2016.02.04】
パートナーズ・イン・クライム
パートナーズ・イン・クライム (JUGEMレビュー »)
ルパート・ホームズ
1曲目「Escape (the pina colada song)」は、ケイト・ブッシュの「Babooshka」と対になるようなシチュエーションを歌っていながらライトで喜劇的な展開…また「Answering machine」ELOの名曲「Telephone line」と対になるような、どこか惚けた味わいのある留守番電話の歌なのです。
フェイズ・ギターに'79年リリースという時代を感じます、今でこそ好きな音ですけど十代の頃は中途半端なエフェクト感が気持ち悪かったので一概にオススメとは言い難いのですが。
紹介記事【2016.01.23】
クン・パオ! 燃えよ鉄拳〈特別編〉 [DVD]
クン・パオ! 燃えよ鉄拳〈特別編〉 [DVD] (JUGEMレビュー »)

本当にね、どんだけ買って観てんだ僕は!
70年代のB級カンフー映画を元にデジタル処理で大胆に改変、正直この笑いは人を選ぶと思います。
実際、ちょっとオススメしにくいコメディです…特にCGパートなんて、全然オススメ出来ませんけども。
音声バリエーションの豊富さで、何度でもどこかツボにくるのです僕は。
紹介記事【2016.06.19】
図説 国旗の世界史 (ふくろうの本)
図説 国旗の世界史 (ふくろうの本) (JUGEMレビュー »)
辻原 康夫
いつもながら面白い、河出書房新社の図説シリーズ「ふくろうの本」の一冊です。
紋章学の見地に基づいて、色遣いや図柄で世界各国の国旗を分類すると…割と知ってる国旗の雑学レベルから歴史的な成り立ちが見えてくる、この切り口が実に面白い!
本来は支配者の紋章であり権力への服従を意味していた「旗印」が、フランス革命から民衆の団結や社会の理想を表明するように…赤青白で構成された国旗を“民主主義国家の旗印にふさわしい配色という固定観念”と断言し、9・11後の「SHOW THE FLAG」を“恫喝的スローガン”とブッタ斬る著者は本書自体も“疑問の解明に寄与するとは到底思えない”と切り捨てますが。笑
「世界史を読みたくなる」歴史ネタの雑学本、として辻原康夫(編)「読みたくなる世界史」と併せてオススメします。
紹介記事【2016.11.24】

最近みたDVD
「SOUTH PARK BIGGER, LONGER & UNCUT」

アメリカのTVアニメを'99年に映画化した、邦題「サウスパーク無修正映画版」…日本のCATVで放映されていた時に観た気がするのだけど、同僚君と話していて内容を思い出せなかったので借りてきました。
舞台は雪の町マウンテン・タウン、主役は町のチビッコ達…ピクサーディズニーのようにパントマイムを思わせる滑らかな動きのCGではありません、色紙の貼り絵をコマ撮りしたようなカクカクした動きで毒舌かます15禁アニメです。
でも無駄なトコで急にCG使うからビックリしちゃったぜ、覚えてたのは“アンクル・ファッカー”だけだったってのが情けない!笑

しかし吹き替えが関西弁、しかも早口で全然わからん!…こういう時は、字幕も関西弁にするんやでー?
例えば標準語の字幕で「レゲエ野郎」と表示される場面が、関西弁の字幕では「おっさん」と表示されるのね…吹き替えの台詞と完全に一致はしませんけれど、やっと何を言ってるのか分かるようになりました。笑
そういえばCATVで観た時は字幕がなくて、この吹き替えに耳が追い付かなかったかも…だけど下品さがアメリカンなので、子供の感覚じゃないと大して可笑しくない点は相変わらず。
いちいちミュージカル調でオナラとかチンポとか、今更それで笑える訳もなく。

そもそもアンクル・ファッカーと聞いても日本人の感覚じゃピンと来ないよね、それに言葉が下品なだけだから別に…って油断してたら“オモチャ”とか言って肉棒出すけどね、まぁ全体としては日本なら「おぼっちゃまくん」レベルじゃないの(って読んだ事ないけど)?
だけど劇中のチビッコ達は、下品なカナダ芸人の映画に感化されて親たちの顰蹙を買います…この「子供に悪影響を及ぼすメディアを規制しようとする動き」というメタ的な騒動をニヤニヤ眺める、むしろそれこそが大人の見方でしょうな。
実際は道徳的な善の基準って、支配階級が宗教を利用したに過ぎないんだよね?

“米国の暴力的映像と比べたら禁止用語なんか…”と反論するカナダ側スポークスマンが、ブライアン・アダムスの影響に関しては謝罪してるのが可笑しいな…“そやないと親が責められるんや”と、映画館や学校や医者を敵に回すより団結しやすく叩きやすい隣国に責任転嫁する姿は反日教育の構造を絵に描いたよう。
ビキニを着た小人の男性でニヤリとするのは、もちろん小人を蔑視しているからではなく…って何を言っても自分の正義を押し付けたい人には通じない訳で、これ観て溜飲下げとくかな。
可笑しかったのは何故か山中むき出し巨大クリトリス、シュール過ぎるだろ!

アレック・ボールドウィン邸が爆撃されても構へんけど、ブルック・シールズはぶたんといてや〜!って関西弁が伝染しとるがな…エンディング・テーマを歌ってるのがマイケル・マクドナルドってのも声真似してる赤の他人っぽいけど、サダム・フセインの声が本人ってのは何の冗談だよ?!
料理人チーフの声はアイザック・ヘイズ、ケニーの手術を担当したゴーシュ医師の声はジョージ・クルーニー…ブルック・シールズの声はミニー・ドライバー、カートマンにVチップを埋め込むヴォスノッカー医師の声はモンティパイソンのエリック・アイドル
米兵その1の声がスチュワート・コープランドって、ポリスのドラマーと同姓同名の別人ですよね?笑


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    | animation | 2017.02.28 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0) |
    最近みたDVD
    「巴里のアメリカ人」

    原題「An American In Paris」、ジョージ・ガーシュウィンによる同名の交響曲や代表曲が全編に流れる'51年のMGMミュージカル映画です…実は昔スティング「Englishman in New York」という歌をヒットさせた時に、元ネタは本作なのだと思い込んでおりました。笑
    その「Englishman〜」が流行る前、ほんの一時期でしたがMGMミュージカルにハマっていた事がありまして…個人的にはフレッド・アステアの優美さよりジーン・ケリーのコミカルで力強いダンスに惹かれたのです、あの頃に見逃してしまった本作がワゴンセールで¥180?買うっきゃない!笑

    主演&振り付けのジーン・ケリーに対し、ヒロイン役は本作のためにスカウトされたレスリー・キャロンというフランスのバレリーナ…つまりドラマ的な演技経験という意味では素人同然の筈なんですが、如何にも(外人に心許さない小娘)って感じでキュートです。
    パリで終戦を迎えたジェリー(ジーン・ケリー)は除隊後も帰国せず、画家になる夢を叶えるべく芸術の都で絵筆を振るう日々…セットとは思えないセーヌ左岸の古い街並み、アパルトマンの無駄のない調度品と無駄のない動き!笑
    元ピアニストのアメリカ人アダム、現スター歌手のフランス人アンリの典型的ユーモア・トークもグーね!

    「パリもアメリカ人が増えたわね」という台詞で思い出したのはレヴィ=ストロースと中沢新一のサンタクロース本、第二次大戦で欧州の経済力は疲弊してアメリカの経済と文化が席巻する的な…イタリア映画「ぼくの伯父さん」でもチラッと触れていましたが、新たな文化の心気と喪われゆく伝統への感慨といった戦後ヨーロッパの屈折したムードをアメリカ映画である本作でも感じられる点はなかなか興味深いですな。
    「きっとアメリカ人が好きになるよ」という台詞の裏側にあるのは戦勝国で唯一、国土を脅かされなかった事への妬みか…それとも後から参戦して総取りしたようなアメリカへの恨みか?

    まぁストーリーは小娘の美貌に翻弄される大人達、というか筋書きで観せる映画でもないのでね…特に名画の世界に次々と入り込むラスト17分のダンス・シーンは圧巻です、もちろん今からすれば色々と野暮ったいんですけど。
    ちなみに作詞がアイラ・ガーシュウィンとありましたが、本作のために書き下ろしたのかなぁ?
    小柄でガッチリしたジーンもですが、出っ尻で太ももがパーンと張ったレスリー(個人的には堪りませんが)といい必ずしもプロポーションが好い訳ではない二人が華麗に舞い踊るからこその魅力というのもあるのではないかとも思ったり。

    監督はヴィンセント・ミネリ、amazonのレビューに“言わずとしれたあの大女優ジュディ・ガーランドの元夫でライザ・ミネリーの父親である。ちょうど1951年3月にジュディと正式離婚をしたばかりで、心気一転この作品にはかなり集中できたのか云々”とありました…個人的にはラストの妄想ダンスが元ネタ分からず世間が言うほど名シーンとは思えませんでしたが、数々のアカデミー賞を獲得しただけはありダンスだけではない魅力にあふれた作品だと思いましたよ。


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    *以下の動画は、携帯からでは視聴できないかもしれません。

    『巴里のアメリカ人』(カンカン帽にステッキ突いて、まるで「メリー・ポピンズ」のディック・ヴァン・ダイクにしか見えませんけど・・・って本作が先なのね)
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      | cinema | 2015.10.01 Thursday | comments(0) | trackbacks(0) |
      最近みたDVD
      「ティーン・ビーチ・ムービー」

      最初タイトルの「ティーン」を「ティン」と読み違えて(ブリキと海辺の物語?)と、意外すぎる組み合わせにワクワクしちゃったんですよね…まるで泉昌之の漫画で「ああ無情」から「アーム・ジョー」という腕相撲一代記を妄想する話みたいですが、オールドSFと若者文化が融合したイメージが勝手に湧いてきて手に取って見たら違った!笑
      本作は「現代の恋人同士が波に呑まれて辿り着いたのが50年代ミュージカル映画の世界だった」という、これはこれで訳の分からない設定の映画なんですね。
      しかもディズニー・チャンネルという子供番組のスピンオフ作品、そら無いわw

      と、棚に戻した後で(いや待てよ)と…「50年代ミュージカル映画の世界」って、それはそれで気になる設定に思えて結局借りちゃったという次第なのです。
      フィフティーズを扱ったミュージカルといえば若きトラボルタが主演した映画「グリース」ですが、子供の頃にTVで観て中学の時に輸入盤の中古サントラを買ったんですよね僕…MGMミュージカルも割に好きなんですけど、原体験といえば「グリース」なのです。
      舞台でのミュージカルは、高校の時に劇団サムシングが上演してた「ルパン三世」しか観た事ないし基本的に興味はないんですがね。

      サーフィンしてて波に呑まれたら過去にタイムスリップ、という映画「ザ・ライド」が非常に好かったのもありまして…そこに「グリース」的な振り付けのミュージカルが加わるなら、個人的には観たくなる訳で。
      逆に、まともな大人は観たくならないんじゃない?笑
      明日のポップ・アイコンを夢みる少年少女の作り笑いなんて、普通に考えりゃ痛々しいだけです…いや演技が下手とかではなくね、要するにアイドル予備軍のアイドル風映画ですから。
      とはいえロングボードでの波乗り場面の映像も美しいし、昔っぽい振り付けのダンスも僕は楽しめました。

      サーフ・ショップを経営するヒロインの祖父と主人公が大好きなミュージカル映画「ウェット・サイド物語」は、地元で対立していたサーファーとバイカーのチームが団結して不動産屋の悪巧みに立ち向かうストーリー…その中に来ちゃったものだから主人公はダンスも踊れるし浮かれっ放し、だけど彼女の方は状況に翻弄されて逆ギレ気味!笑
      しかも2人は本来なら恋に落ちる筈のロック少女と爽やかボーイのハートを掴んでしまい、エンディングで起こる予定の嵐を利用して元の世界に戻ろうとしてたのにストーリーが変わり始めて2人まで映画の登場人物になってゆくのでした。

      ある意味ドラマとしては不自然というか非日常的なミュージカルというスタイルをパロディにしてるメタ発想のユニークなアイデアと、先の事なんて考える必要のない恋人同士の日々が終わる直前に訪れた(永遠の夏)という「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」な舞台…これぞラブコメ調「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、と言ったら身も蓋もないかもね?笑
      現実主義のヒロインがミュージカル好きになるのも悪くないし、甘酸っぱいクライマックスも悪くないな…クレジットが無いのは疑問だけど、ご都合主義な展開もネタって事で精神年齢が低めな大人向けです。
      カワバンガ!


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      【最近みたDVD】「巴里のアメリカ人」| 2015.10.01


      *以下の動画は、携帯からでは閲覧できないかもしれません。

      『Teen Beach Movie - Can't Stop Singing - Sing-a-Long!』(終盤、ミュージカル嫌いのヒロインまで喋ると歌になってしまう場面・・・ここでタップは大笑いしちゃいました、ヒロイン役のマイア・ミッチェルが可愛いんだなぁ)


      『Surf's Up (from "Teen Beach Movie")』(ラストのダンス・シーンです、ヒロインが「私はマック」と名乗るのは序盤のダンス・シーンを受けた台詞)


      『Grease - We Go Together』(ちなみにこちらは「GREESE」ラストシーンのダンス、不良少年たちと優等生少女たちが和解するストーリーは本作の「ウェット・サイド物語」元ネタっぽいなぁ)
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        | cinema | 2014.12.28 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
        最近みたDVD
        「MARY POPPINS」

        本作ってディズニー映画だったんですか、しかもアニメと実写の合成とはね!…普通にミュージカル映画だと思っていて、何か理由があって本作を観たくなったのですけれども肝心の理由は忘れてしまいました。笑
        だって借りに行くと常に貸出中だったのですよ、おそらくは現在ロードショーにかかっている本作絡みのドキュメンタリー映画に関連しているのでしょうなぁ。
        主演はジュリー・アンドリュース&ディック・ヴァン・ダイク、'64年の作品。

        舞台は1910年の英国ロンドンさくら通り17番地、銀行員ジョージ・バンクス邸…奥方は夫に内緒のフェミニズム活動家で留守がち、腕白な子供たちに手を焼く家庭教師は3日と持たず。
        そこに東風と共に舞い降りてきたメリー・ポピンズ、さながらファンタスティックな「サウンド・オブ・ミュージック」といった感じ。
        この合成技術は初歩的なSFXですが、仕掛けが分からないと却って魔法仕掛けのように見えてきますね。
        それに色彩や画面構成には今でもハッとさせられるセンスがあります、以後の映画でとっくに模倣されまくってるたろうに!

        「チムチム・チェリー」や「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」などのスタンダード・ナンバーにダンス&タップは色褪せない魅力があります、ヴィクトリア女王の時代の名残りを思わせるディテールも興味深いな…しかし先日の「知らなすぎた男」といい、アメリカには英国をネタにする喜劇のジャンルでもあるのしら?笑
        P.L.トラヴァースなる人物による同名の原作では、そこら辺がどうなってるのかと気になったりも。
        それと終盤の字幕「こんぱんは」には笑ったなー!笑


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          | cinema | 2014.05.25 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
          最近みたDVD
          「ロック・オブ・エイジズ」

          80年代のHM/HR黄金時代をコメディに仕立てた、'12年のアメリカ映画です。
          舞台は'87年のオクラホマを走る夜行バスから始まります、懐かしい形のヘッドホンに合わせて歌い出す未来のロック・シンガー少女…すると運転手から乗客たちまでノリノリの大合唱に、絶対にネタだと思ってたら何のオチもないってか?
          ま、確かにそんな赤面モノの時代でしたよね…。笑

          トム・クルーズ演じるロック・スターを育てたL.A.のライブハウス「バーボンルーム」、そこで働きながら明日のスターを夢見る青年…当然ながら彼女と出会って、2人のトキメキ・サクセス物語が展開します。
          っていうか「バーボンルーム」は2ちゃんねるネタだったよねぇ、いや「バーボンハウス」かアレは!笑
          2ちゃん経験で誰もが味わう脱力の罠を連想したが最後、最高のライブハウスもネタスレにしか思えず…モデルとなったのは、サンセット通りの老舗ライブハウス「ウィスキー・ア・ゴーゴー」みたいですけどね。

          つか、こりゃマジなロック・ミュージカルかw?!笑
          とりあえずマジ顔で女の股ぐら開いて「愛とは何だ〜?」とシャウトするトムで笑っときましょう、反ロック市長の妻を演じ登場する度に全力で笑いを取りに来るキャサリン・ゼタ=ジョーンズには引くけど。
          「バーボン・ハウス」オーナー役のアレック・ボールドウィンが落ちぶれたディヴァインに見える瞬間とか、REOスピードワゴン激怒必至の使われ方も笑い所です…マネージャー役のポール・ジアマッティやストリップ店の女主人役のメアリー・J. ブライジなど、90年代な配役もネタか?笑

          ロッカー役でデビー・ギブソンやセバスチャン・バック、元エクストリームのヌーノ・ベッテンコートらが出てたようですが映画「フットルース」の使い所ぐらい気が付きませんでした。
          ガンズスコーピオンズのヒット曲をトムが歌い、他の出演者たちもクォーターフラッシュやツイステッド・シスターやスターシップなどを熱唱します…スキッド・ロウやポイズン、クワイエット・ライオットの定番曲にデフ・レパードのタイトル・ナンバーなど、出演はしてませんが本人達のオリジナル演奏も劇中で使用されて盛り上がります。

          ストーリーは無きに等しく、なんとなくPS1のゲーム「クエスト・フォー・フェイム」を連想したりして(全然やってないけど)。
          トムのロック・スターぶりは評価が割れそうですけど僕は好きだな、歌と踊りで楽しむかバカバカしい笑いでニヤけるか…ロック映画と思って観ちゃうと騙された気分になりますが、騙された僕がバカだった?笑


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            | cinema | 2014.02.26 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
            最近みたDVD
            「サタデー・ナイト・フィーバー」

            DVD特典の「キャスト&スタッフが語る撮影秘話」と、ジョン・バダム監督によるオーディオ・コメンタリーで観直しました。(→映画本編の記事はこちらをご参照ください
            当時トラボルタは23歳の若手スター、本作への出演を薦めた恋人が撮影中に病没する悲劇が彼の演技に深みを与えたとはまた皮肉な意見ですな…本来は都会のアングラ文化だったディスコが一般化する頃にまでズレ込みながら、大ヒットを記録したのは幸運でしたね。

            「誰も歌わないミュージカル映画」だけに、エンディングの最初に音楽がクレジットされてます…プロのダンサーではなく地元の常連客たちが踊るキャスティングは革新的で、15,000ドルのフロア・ライトでディスコを改装してオーナーから“俺の店をカッコ良くしたな”と言われたとか。
            クランクインから7か月前にトラボルタがダンスの特訓を受けている映像を観ると、彼が一気にウェイトを搾り込んだ事が一目瞭然!

            壁のポスターはブルース・リーとファラ・フォーセット、アル・パチーノそして「ロッキー」!
            イタリア系の食卓シーンは、あまりに典型的でコメディみたいに可笑しいです。
            ブルックリンからは川を隔てたマンハッタンが別天地だった時代、19歳のトニーがサルサを踊れる年上のステファニーに惹かれてゆく…彼女のキャリア志向に触発される展開もダンス並みに古臭いけど、夢や希望よりも変化の苦痛と喪失を強調するような描写はトニーの心情により沿っていて感情移入してしまいます。

            “生き残るには 自分が正しいと思ったことをやれ 人の注文には耳を貸すな 惨めになるだけだ”
            “みんなが逃げてる 荷物を人に押しつけ合ってる”
            ぬるま湯から抜け出たトニーが上手くやっていけるかは分からないけど、このエンディングは素的だなぁ…ステファニーの言動も、今なら可愛らしく見えます。


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              | cinema | 2013.06.23 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
              最近みたDVD
              「オズの魔法使い」

              もちろんジュディ・ガーランド主演の'39年作品です、先日読んだ「オズの不思議な魔法使い」をMGMが不朽のミュージカル映画に仕立てました。
              “40年もの間 この物語は――子供たちの夢を はぐくんできました 時の流れも この物語の魔力は消せませんでした”…いえいえ113年経っても未だに魔法は鮮やかですよ、そして映像技術が如何に進歩しても本作のドリーミング・マジックは真似ようにも真似できないという訳です。

              原作では存在感の薄かった継父母や存在しなかった登場人物との交流が描かれて、これならドロシーが「やっぱり おうちが一番」と思う訳だと合点がいきます…そこが確かに原作の弱味でしたからね、そして彼らは(夢オチの伏線ですよ)と言わんばかりに予めオズの国で会うキャラクターとの符号を匂わせるのです。
              オズの国での展開は原作に沿っていますが、細かいエピソードが省略されているのでスピーディーに進行してしまう点は原作の忠実な映像化を期待していると物足りなく感じるでしょう。

              子供だまし?
              僕は、そうは感じませんでしたけどね。
              テリー・ギリアムの映像モチーフは、間違いなく本作にあると僕は思います。
              20世紀後半にはショー・ビジネスから居場所を終われる小人俳優たちが、大勢のマンチキンを演じているのも僕には嬉しい限りです…ギリアムも彼らを起用し続ける映画監督の一人ですよね、彼の好むチープなシーン・セットも本作へのオマージュだったのか!

              70年以上昔の劣化したフィルム映像を、デジタル・リマスタリングにより公開当時を上回る高画質に…音声トラックもモノラルから5.1chドルビー・ステレオに、そしてアナログ・レコードの針ノイズのような劣化も修復されています。
              シドニー・ポラックが進行役を務めるオーディオ・コメンタリーでは存命の関係者や家族、または過去のインタビューを紹介して制作の裏話を披露しています。
              でもレインボー・フラッグの由来がジュディって、マジすかWikipedia情報…!


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                | cinema | 2013.03.11 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |




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