ReLIFE 完結編(完全生産限定版) [DVD]
ReLIFE 完結編(完全生産限定版) [DVD] (JUGEMレビュー »)

ブラック企業で心を折られた27歳ニートが、渡りに舟と食い付いたのは人生リセット人体実験?
アニメが描く夢の世界も、時代を表しているのですなぁ。
うっかり大人目線で色々やらかすネタに笑いつつ、いつしか心を掴まれてしまいました。
紹介記事【2018.05.16】
おいでよ どうぶつの森
おいでよ どうぶつの森 (JUGEMレビュー »)

22世紀を目指し、カレンダーの最終日までタイムスリップしたりと相変わらず楽しんでます。
2100年のどうぶつ村は如何に?笑
紹介記事【2019.06.19】
エクソダスギルティー (通常版)
エクソダスギルティー (通常版) (JUGEMレビュー »)

異なる3つの時代の物語を切り替えながら進む、マルチタイム・ザッピングシステムのアドベンチャー・ゲームです。
資料本「ワールドガイダンス」必携、正直クセが強く微妙ですが。笑
当時流行ったであろう「小説『聖書』」やガイア仮説のSFファンタジー&サスペンス、システム的には不便ですが僕は楽しめました。
紹介記事【2018.11.05】

最近読んだマンガ
オカヤイヅミ「おあとがよろしいようで」

いえ、落語の漫画じゃありませんよ…僕も勘違いしたけど、本作は食と死を問うエッセイ漫画なのです。笑
益田ミリが筆で書いたようなタッチで、15名の作家たちとの会食インタビューがテンポよく描かれます。
作者は自称“ずーーーっと適度に食べ呑みつづけたい”くいしんぼう、その心理は“「終わり」が来て欲しくない”から…“だらだらできない”死が恐ろしい、そこで作者の“死ぬ前に食べたいものってなに?”という究極の疑問を色んな人に訊いて回ったのでした。
如何にも「話に詰まった酒席の定番」みたいな話に、わざわざ一席設けるという無駄に逆転した発想!笑

これぞネタ切れ漫画家の鑑、美味いエサで大物を釣って自分の趣味を実益にするウィンウィン企画ですな。
えぇもう全然ケーオツです、僕も損してませんし?笑
15名との会食14回、お相手の文筆家は綿矢りさを筆頭に戌井昭人/山崎ナオコーラ/津村記久子/円城塔/西加奈子/平山夢明/桜庭一樹/朝井リョウ/辛酸なめ子…村田沙耶香&加藤千恵の仲良しコンビは2人一緒で、お後は朝吹真理子と春日太一そして島田雅彦でシメと豪華な顔ぶれ。
TVか雑誌かで顔を見た気がする辛酸の無表情さや島田の腹黒そうな感じは意外と似てたので、他の方々も結構こんな顔なのかな?笑

各人の理想はともかく、死に方イメージとして「隕石で地球消滅」とか「人類滅亡」的な終末感の多さは面白いね…所謂ノストラダムス効果か?とも思うし、そういうのを知らない世代も311などで結構いそうな気がするのですけども。
それと平山夢明の「雑食の動物は旨くない、人間も旨いのは二の腕と太ももだけ」発言に村田沙耶香の人肉「いつか合法的に」発言もなかなか興味深いですな。
朝井の「相手に踏み込まれすぎないようコントロールする」コミュ力といい、作者の観察眼も侮れません。
逆に作者を侮って質問をはぐらかし続けた島田、食い逃げしに来たのかアンタ!

死は個々にとって“体験しうる一番遠くの未来”であり、脳の「未来を司る機能」が壊れると過去も含めて一切の悩みが消えるという話も何か考えさせられました…西いわく、過ぎた事をクヨクヨするのも“「未来に自分がひとにどう思われるかを想像して嫌」ってことやからやっぱり悩まへんのやな”なのだだそうで。
“「おあとがよろしいようで」って「次の準備が整いました」って意味だし”に、ちょっと目からウロコ。
ただ、円城回の脱字は猛省しなさいよ文藝春秋の校正室…“他の最後の晩餐候なんだった”って台詞、明らかに「補」と「んですか」が抜けてるんですけど?笑


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    最近みたDVD
    「ダーリン・イン・ザ・フランキス 8」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

    前回はパパの正体が宇宙からの異生物で、旧人類こと叫竜(きょりゅう)とのリベンジ・マッチを前に現人類を支配して代理戦争をさせてた歴史が明らかに…双方の潰し合いを経て再侵略を始めた宇宙人、策に囚われた叫竜の姫から生命力を託されたゼロツーが全力で敵を一掃しハッピーエンド?
    しかし敵は去っても地上は既に壊滅的状況ですし、オトナ達はこの期に及んでも相変わらずの指示待ち状態…他のパラサイトたちもフランクス乗りという存在意義を失った木偶の坊、元第十三部隊の面々はかつての自活体験を活かして食糧の自給から模索しておりゼロツーは未だに虚脱状態。

    博士が死後に遺したハチへの置き土産は、元ナナを連れ出し“お前達がコドモにとっての大人になれ”と…戦いと支配が覆い隠してきたツケの噴出に翻弄され、思い描いた自由は何処へ?
    妊娠が判明して混乱するココロとミツル、ゼロツーの体に増えていく生々しい切り傷…終わったかに思われた戦いは宇宙に場を変え、ゼロツーの魂は今も巨大フランクスに残ったまま叫竜軍団と共に火星宙域で宇宙人艦隊と戦い続けていた?
    元第十三部隊+ナインズ残党は叫竜の姫が人類に用意していた宇宙船で最終決戦、遂にゼロツーの魂と邂逅したヒロは仲間を残し叫竜軍と宇宙人の母星へ追撃。

    以降は“もうパラサイトじゃない”ココロと地上に残ったミツル、ゼロツー&ヒロを見送った仲間たちも帰還しての地球パートと追撃パートの二段構えで進行。
    覚醒して巨大化した機体は、さながら花嫁衣装の大人なゼロツー状態…もう悲劇的な結末になる予感しかないのに、そこを敢えて泣かしに来ない演出というね?
    かつて叫竜が遺したワープゲートを通過する70日間は、まるで死地への蜜月旅行です…だってこの空間通路を逆行可能な造りにしてて、敵に利用されちゃったら洒落にならないじゃん。
    全方位攻撃からの星割り、そして2人の魂は輪廻と何故か完全イデオン状態。

    敵の母星を叩いて当面の脅威は去ったものの、また武力を蓄えた時に文明を高度化させた人類を「永遠の凪」へと誘(いざな)うのでしょう…まぁパパの文化的洗脳で去勢され不老不死となった大人達を思い出すと、バーチャルな快楽に浸り切った姿は宇宙生命体の狙い通りになってた訳ですが。
    そういや彼らどうなったんだっけ?来襲の際に魂を吸われちゃったのか、少なくとも既に生きてはいないようで…最後の不老不死者となったハチとナナが、大人でも子供でもない存在として再興する世界を見守るというのも僕は興味深いな。
    これは観て好かったわ、やっぱ原作付きはダメね!笑
    (下段に続きます)


    前巻
    ←←6巻
    ←←←5巻
    ←←←←4巻
    ←←←←←3巻
    ←←←←←←2巻
    ←←←←←←←1巻

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    【最近みたDVD】「AVALON」| 2014.10.28
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    【最近みたDVD】「アデライン、百年目の恋」| 2018.07.01
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      | animation | 2020.01.07 Tuesday | comments(0) | - |
      最近読んだ本
      紅山雪夫「ヨーロッパものしり紀行 《神話・キリスト教》編」

      再読になります、ちょっとした合間にパッと開いたページから読んでました。
      作者が長年の海外旅行ガイドで培ったであろう、噛み砕いた言葉と想像力を掻き立てる繋ぎの上手さを感じます…情報としては既に知っている事でも鮮度が落ちない、多くの旅行客と向き合ってきた作者の経験が文章に表れているようです。
      他にも「《くらしとグルメ》編」と「《建築・美術工芸》編」があるようで興味は惹かれますが、やはり西洋社会を理解する上ではキリスト教とローマ文明を抜きにしては始まりません。
      その点で、ヨーロッパに行きたいとは思わない僕にも本書は意義深く思えます。

      前半は「神話と伝説」と題して、ギリシャやローマの彫像で知られる神々が解説されます…大国に統一される過程で取り込んだ周辺地域の神々で役割がバッティングしたり、王族がハクを付けるため落胤伝承を捩じ込んでたりする成立の経緯に権力ツールとして機能した一面が浮かんできます。
      そして全体の2/3を占める後半「キリスト教と祭日」は旧約聖書との関連性から説き起こし、普遍を意味するカトリックとオーソドックスと呼ばれる正教の歴史的な差違や宗教的な祝い事の由来などを物見遊山な旅行者目線から解説しています…宗教絡みの話ながら、この他人事っぽさね。笑

      文化としての敬意は払いつつも、キリスト者からすれば茶化されてるとも思われかねないギリギリの軽さが読み手に妙な安心感を生んでいる気がします…このニュアンス加減も、宗教の接触に対する日本人の警戒心を心得た筆運びでしょう。
      祝日の旅程を気遣う辺りなどにも、海外の慣習に無関心な観光客がブーブー言ってる姿を想像させられました…しかしツアー観光であっても作者のような方が講師として同行してくれると、異文化を味わう旅として深みは増してきそうです。
      観光無用のブラブラ旅も好いけれど、こうした移動教室っぽいスタイルも大人の旅としてはアリですな?


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      以下、今回の個人的メモ。
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        | books | 2019.11.29 Friday | comments(0) | trackbacks(0) |
        最近みたDVD
        「さよならの朝に約束の花をかざろう」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

        なんとなーくタイトルやポスターの絵柄にPCノベルゲー辺りが原作になってそうなポエム感が漂ってて躊躇しましたが、やはり不老不死者たちの物語は気になるので借りてみたのです。
        どこかギリシャやローマ時代の石造建築っぽいファンタジー世界、人里から離れて暮らす“別れの一族”。
        人間たちの世界が広がって失われゆく不老不死族の最後の民イオルフ、機織りを生業とする平穏な営みも飛竜を操るメザーテ王国から来襲した武装兵により潰えてしまい…混乱の中、飛竜の暴走で命拾いした孤独な少女マキアは山中の略奪された集落で生き残った乳飲み子をエリアルと名付けました。

        頼もしい寡婦の世話で人里でのシングルマザー生活にも慣れた頃、幼なじみのレイリアがメザーテ王子の妃になると知り…恋人の奪還を企てるクリム、ですが既に王子の子を身籠っていたレイリアはマキアを拒絶。
        エリアルの反抗期と独り子育てに苦悩するマキア、不老不死の子を産まないレイリアを幽閉する王族…エリアルの志願入隊を機に子離れの時を迎える中盤から、物語は大きく動きます。
        死地を逃れて敵対諸国に回り、連合軍の王都進撃に乗じてレイリアと再会するも思い果たせず息絶えるクリム…人の中で変わりゆく事は、失われゆく種族の直面する重大な岐路なのです。

        不老不死者らしく、身バレしないようイオルフの布を織らず町を転々とするマキアに少数民族の同化政策を連想したり…個人的には気持ちや出来事を織り込む織機の動作に、石垣島での機織り体験や日々を織っていた彼女との再会も無意味ではなかったと思ったりも。
        少女の顔が羽海野チカみたいで苦手な作画でしたけど、背景画は特に光の表現が空の匂いを感じさせてくれる程でした…そして「BE FREE!」を彷彿とさせるラストシーンもね、似てるとかじゃなく懐かしい感じの。
        最後までグイグイ泣かせにくるのが癪で堪えましたが、和解ネタてんこ盛りですし母の日&父の日に如何かと。


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        【最近読んだマンガ】オノ・ナツメ「レディ&オールドマン」VOL.1| 2019.09.07
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          | animation | 2019.09.23 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |
          最近読んだマンガ
          オノ・ナツメ「レディ&オールドマン」VOL.1

          草食系オジサンが得意で独特なタッチの作者、'15年から連載開始となった本作は60年代初頭のアメリカ西海岸を舞台にした奇妙な運び屋コンビのお話ですか…いや実際に読み始めるまで作者名しか情報なかったんですが、個人的に超ツボなテイストじゃないの!?
          時代も場所も好みだけれど、相棒が不老不死って…1863年から無実の罪で100年間の刑期を勤め上げたロブ、自己治癒力の強さは「百万年の船」どころじゃありませんが「アデライン、百年目の恋」みたく何かの理由で意図せずして不老不死者になってしまった様子。
          先ずはシェリーとのコンビ結成&初仕事エピソード。

          次巻からはロブの不老不死&無実の罪を仕組んだらしき双子の弟を捜す流れと、初仕事で関わり合った裏社会の掃除屋コンビが何かしら絡んできそうですね…これは続きを読むの確定です、それとオールド・グラン・ダッド(OLD GRAND DAD)も久々に飲みたくなりましたが割とキツいバーボンだった気がして今の自分にはもう飲めないのかもなぁ。
          1837年から100年後、リンカーンが生きてた時代からプレスリーの全盛期へ。
          続きが楽しみ!


          次巻

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            | comic | 2019.09.07 Saturday | comments(0) | - |
            最近読んだ本
            ポール・アンダースン(著)、岡部宏之(訳)「百万年の船 (2)」

            前巻同様、これまた再読です…人類の希少種、不老&ほぼ不死な人々の人生を連作形式にて描く物語です。
            巻頭は1221年の平安京が舞台の第八部「女官」、前巻から章数が通しなのは1冊の原書から邦訳版を3分割したせいでしょうか…政変により宮中を追われるオクラは、鎌倉時代より前から生きてきた貴族の暮らしを捨て出家の道を選びます。
            第九部「幽霊」は、タタール(モンゴル)人のルーシ侵攻で全滅した1239年のペレヤスラブル(現・リャザン)が舞台です…焦土と化した村で唯一生き延びたヴァルヴァラが、再びスヴァボダとして新たな人生へと立ち上がるまでが描かれます。

            第十部「山中にて」はチベットに近い中国の奥地、時代は1570年…リーと名を変えたオクラは、僻村で神として崇められていたトゥ・シャンを訪ねて来ました。
            自らの運命を問いながら海を渡って中原を流離ってきた彼女は、遂に不老の同類と出会ったのですが…仙人めいて描かれた新代の彼が明代では悟りへの道を外れ、生き神の座に耽溺している姿は妙に生々しいです。
            そして1640年の第十一部「子猫と枢機卿」でジャックことハンノがリシュリュー公爵に接見し、長命人の保護を願い出ます…ルイ十三世の懐刀として働く代わり、公的に同類探し行おうと考えるに至ったのですが。

            短い紙数ながら、この慎重な会話劇は手に汗握る思いですね…結果的には時期尚早だったのですが、長命人の中でも本編の主格となるハンノが初めて自ら打って出たエピソードでしたし。
            第十二部「最後のまじない」の舞台は白人流入が始まった1710年のアメリカで、干魃を機に平原へと移り住んだ部族は馬と銃による激変にさらされ…パリキ族の襲撃後、不死人と呼ばれる呪術師が村を去ります。
            続く第十三部「ひしゃくを追って」は南北戦争直前の1855年、地下鉄組織に加わったオハイオの農夫が逃亡奴隷フローラを匿います…独立戦争を生き延びた彼女の、自由への決死行です。

            第十四部「平和主義者」は1872年の西テキサス、開拓小屋を包囲したコマンチ族の中に呪術師の不死人ペレグリーノがいました…顔が利くメキシコ人を雇って彼を訪ねたタラント(ハンノ)でしたが相棒ルーファスは彼らほど短命人にドライになれず開拓者を助けて絶命、遺された長命人同士は再会を約束して別れます。
            次は1931年のN.Y.でママ・ロウ(フローラ)とクララ(アリヤット/アテナイース)が出会う第十五部「集合」、更に第十六部「適所」は1938年のアンカラではデイヴィッドことハンノが世界中で出した募集告知に応じたセイガンと面談しますが物別れに終わります。

            こうして徐々に長命人が互いの存在を確認し合う中、1942年の第十七部「鋼鉄」ではカーチャ(スヴォボダ)が独ソ戦の激戦地スターリングラード(現ヴォルゴグラード)で戦い続けています…コサック(カザフ)の女スナイパーとして敵陣へ潜入任務、生まれた地域の大国に翻弄される宿命が鋼の魂を鍛えたのでしょうか。
            都市の雑踏に紛れた長命人の女性たちは売春業から自立を計り、スヴォボダはルーシの戦乱に抗い続け…いずれにせよ長命人が生き永らえるには選択肢が限られている上に過酷でした、しかも現代になると男女問わず出生や戸籍は管理が厳しくなるのですが果たして?


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              | books | 2019.07.18 Thursday | comments(0) | - |
              最近読んだ本
              フランツ・キュモン(著)、小川英雄(訳)「ミトラの密儀」

              初版'18年の筑摩書房ちくま学芸文庫、ですが駅ナカの書店でパラ見した印象で(新書っぽい文庫か)と思ったら大間違いでした…むしろ「文庫サイズの専門学術書」じゃあないですか、しかも1世紀以上も昔の!
              原書の初版は1899年で、大幅に増補改訂された1923年の第三版を底本として1993年に邦訳された平凡社版は第一巻の第二部「結論」のみ…本書はそこから更に図版を減らしてたのではないかな、大して分厚いくもない割に訳註だけで約1/3位を占めるという濃縮ミトラ100%のプロ仕様。
              いやいや、プロには物足りないのかな…しかし全然、素人向けではありません。

              訳者は著者の直弟子に師事しているだけあって誤訳ゼロ!じゃないかな、よく知らんけど…僕は正直そこまでアカデミックにミトラ教を学びたいとか、その栄枯盛衰を深く掘り下げてみたいとは思ってないのです。
              「キリスト教のクリスマスはミトラ教の儀式が由来」と以前どこかで読んだ事があり、その後「ミトラ教はゾロアスター教の分派である」とも何かで読んだんですね…そして主神ミトラス(ミスラ)はヒンドゥー教の神と同源だとか、そういった断片的な情報を整理してみたくなっただけでして。
              まさか駅ナカで売ってる文庫本で、ここまで専門的な内容だとは予想外でした。

              平凡社版には図版が多かったらしく、それを前提とした箇所は意味不明です…というか基本的に研究者向けの論文なので、基本知識が足りてない僕は儀式の様子や芸術的な装飾の特徴などは今一つピンときません。
              ミトラ崇拝の起源は“ペルシア人の祖先たちがインド人の祖先たちとまだ一つであった遠い昔”だそうで、イランのアフラとヴェーダのヴァルナそれぞれに光の神としてミトラを見ていたらしいです…更に遡れば“隣接する民族”バビロニアのアッカド系やセム系の星辰信仰、また“ヒッタイト人の隣人であるミタンニ人によって前一四世紀頃崇拝されていた”のだとか。

              正義と真実を象徴する太陽神ミトラの権威は、初期ゾロアスター教においては最高神アフラマズダーと並び立つ程でした…やがて神学体系が確立されるに従って軍神の性格を帯びていき、一方では魂の救済を担うようになり“古代ギリシアでよく知られていた唯一のイラン神”としてエーゲ海周辺まで浸透したのでした。
              ペルシア帝国でマズダー教はカルデア人の神学と融合し、ミトラは太陽神シャマシュと同一視されます…アルメニアでは土着信仰やシリアのセム系と習合し、カッパドキアに至った共同体はキリスト教時代も後五世紀まで存続したのだそう。
              長くなるので下段に続く。


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                | books | 2019.07.04 Thursday | comments(0) | trackbacks(0) |
                最近読んだマンガ
                えすとえむ「はたらけ、ケンタウロス!」

                初版'11年のリブレ出版ゼロコミックス、タイトルどおりの半人半馬ケンタウロスが主人公で前半4話はサラリーマン健太郎…後半4話はその他の職業、そして巻末に四コマの描き下ろし漫画7本を収録してます。
                著者の名前、見覚えはあるんだけど思い出せない…ウェブ漫画を描いてたような気がするけど、画風は「やさぐれぱんだ」みたいで四コマを描いてた記憶が。
                なので意外によしながふみライクなタッチでストーリー物とは予想外でしたよ、といっても買う前にパラ見したから別に(騙された!)とかは思ってませんけど。
                しかし意外とネタに逃げないというか、直球です。

                いやケンタウロスって時点で既に変化球なんですけどもね、要するに「馬じゃねーよ」的なマイノリティあるあるは飽くまでストーリーの添え物で…って話もケンタウロスありきな発想なんですがギャグ漫画じゃなくて、割とテイストは少女漫画っぽい気がするのよ。
                まぁ長寿設定がケンタウロスあるあるなのかは、ちょっと分かんないですけど。
                人間社会に受け入れられ、雇用法や専用レーンも整備されてきた東京で営業に励むケンタウロスの健太郎…口は悪いけど面倒見はいい先輩(人間)や、営業先で出会った千年は生きてる大先輩(長名から推測)ケンタウロスと脇キャラもナイス。

                そば打ち見習いや靴職人、モデルとして人間社会で働くケンタウロス達…そして健太郎の学生時代エピソードでニート志望と嘯くソーマ君の就職物語も、勤労意欲あふれるケンタウロスの種族的特質(?)を存在感たっぷりに描いております。
                そう、タイトルが「はたらけ!」じゃないのも一理あったんですね…本作はケンタウロスもだけど働く事自体がメインでもあるのです、時々ダレたり辛くなったりしても働くって事は誰しも人生の喜びであって欲しいと僕も思うのですよ。
                嫌そうに仕事されると内心(楽しくないなら転職しろ)と思う僕ですが、せめて本作で気分を替えたら?と。

                いや他人をどうこう言うより自分ですね、ケンタウロスも色々と大変だけど働く喜びを感じてる姿に襟を正される思いだわ…時に滑稽でも、そこに温かみが感じられるからこそ読んでいて清々しさを覚えるのです。
                それと不死ではないけど不老という設定も個人的にツボでしたね、そこら辺を掘り下げたエピソードも読みたくなりましたよ…想像してみて、類型的になっちゃうだろう事は分かるけど。
                悪気なく馬扱いされちゃうマイルドな不快さに可笑し味を覚えつつも、そこにマイノリティ特有の息苦しさが潜んでいる事に気付かされてハッとしたりもして。


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                  | comic | 2019.06.16 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
                  最近読んだ本
                  ポール・アンダースン(著)、岡部宏之(訳)「百万年の船 (1)」

                  再読です。
                  ちょうど読みかけている「ミトラの秘儀」という本に、パンノニアという地名が出てきて本書を思い出したんですが…単に主人公の一人がハンノと名乗っていただけで、時代的には第一部の「トゥーレ」と被っているものの具体的な関連性は見出だせませんでした。笑
                  本書に関しては以前の記事にて要点を書いちゃった気もしますが、壮大な歴史の流れを確認するため改めて…個人的には第一部の舞台となる紀元前310年前後の世界が最も印象的です、それは遺跡や文献を通して朧気にしか感じられない往時の空気感が見事に描き出されているからでしょうね。

                  第二部「不老不死の桃」にて描かれる西暦19年の古代中国は、新王朝から遠く離れた寒村が舞台なので歴史の隔たりは感じられず寓話的です…最初に次巻から読んだし今回は再読というのもあって驚きはありませんが、もしこの1巻から読み始めていたら第一部とは時間も場所も登場人物も一致しない第二部は衝撃的だったのではないでしょうか。
                  そして359年のローマ時代が舞台となる第三部「仲間」は導入部を第一部と同様に船主との会話から始めるばかりでなく、主人公ルーゴが第一部でギリシャ世界の脅威となりつつあったゴール人の国ガリアに移ったハンノだと明かします。

                  しかもルーゴ(ハンノ)は手際よく、第一部で遠征したプレタニアに財産の一部を隠しておいたのでした…同じ土地で長く暮らす事を避け、周囲から怪しまれないよう移住に備える生き方を身に付けたという訳です。
                  第一部の時点で既に700年近く生きている孤独な不老不死者は、1,300年目にして同じ立場から人々に殺されかけていたルーファスの救助に成功します。
                  しかし、続く第四部「パルミラでの死」はイスラム教黎明期の641年を生き延びるアリヤットの物語に…更に第五部「だれも運命を避けることはできない」は、ノルナゲストが語る戦士スタルガトとの思い出話に。

                  ミレニアムが迫る998年のノルウェイ(トゥーレ)に戻ってきた、流離いの吟遊詩人ノルナゲスト…ハンノの別名かと思わせて、そう匂わせる描写はありません。
                  不老で粗野なスタルガトを説得するゲストでしたが、ルーファスとルーゴのようにはいかず…長命に疲れ死を受け入れたゲストの願いは成就したのでしょうか、その願いが叶えられたようには読めないのですけど。
                  というか、様々な神々を信仰する短命人を不老不死者の視点から描写する場面が多々あるのは興味深いですね…特にこの1巻で舞台となる世界のほとんどが一神教的だから、というだけではないような気がします。

                  1050年のキイフ(キエフ)に移る第六部「出会い」はスラブ系と思しきスヴォボダが主人公ですが、カドックとルーファスと名乗る二人連れに暴漢から救われます…第三部でブリタニアに去って後300年を経たルーゴことハンノは、キムルー(ウェールズ)を拠点に北欧まで広く旅する貿易商カドックとして彼女に出会いましたが同類とは気付かずに別れてしまうのでした。
                  その22年後の1072年、第七部「同類」で遂にカドックはコンスタンティノープル(イスタンブール)でアテナイースを名乗るアリヤットとの接触を果たします。
                  2千年に亘った希望はしかし、儚い夢に終わります。

                  慎重に慎重を期した接触でしたが、不老不死の女性として生き延びてきたアテナイースにとっては同類の伴侶を得る喜び以上に身バレの恐怖が大きかったのね?
                  あるいは彼女がパトロンの高官に秘密を明かし、公的な保護を得ようとして裏目に出たのか…ともあれロシア貿易も潮時と見極めていたカドックたちは窮地を脱しますが、彼の落ち込み様には同情を禁じ得ません。
                  逆に、恋に浮かれてたカドック(ハンノ)を諭す野蛮人ルーファスの指摘が冴えてるのもまた気の毒で…とはいえ新ローマ帝国の栄光に対するアテナイースとカドックの温度差には、男女の性差が感じられましたね。


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                    最近みたDVD
                    「アデライン、百年目の恋」(←リンク先はTSUTAYA作品情報)

                    以前どこかで見たパッケージ画像に(ん、深田恭子?)と思って、よく見たら違ったんですけど不老不死者の話と知って興味が湧きまして…原題は「THE AGE of ADALINE」、'15年のブレイク・ライブリー主演作。
                    名前を偽り、身分証の写真も偽造させて暮らすアデライン…そのコンサバティブなファッションと姿勢の美しさは「隣のヒットマン」のナターシャ・ヘンストリッジを思わせ、チャーミングな表情は深キョン超え。
                    不老不死者が現代社会で暮らすには住所や職業を転々として周囲から目立たぬよう生きなければならない、という「百万年の船」との共通性には妙な現実味が。

                    職場の図書館でデジタル化する映像アーカイブに見入るアデラインを通して、彼女が不老不死化するまでの人生が明かされます…107年前の1908年に生まれた彼女は、一人娘を出産して間もない1937年の自動車事故で心肺停止状態から落雷による奇跡的な蘇生で“時間による破壊作用を一切 受けない体になった”と。
                    以来29歳のまま老いる事のないアデラインの真実を知るのは、もはや彼女より年老いてしまった娘しか知らない筈でした…現在はジェニーを名乗る彼女が恋に落ちた青年の実家で、彼の父親(ハリソン・フォード)から思いがけずアデラインの名で呼ばれるまでは。

                    しかし青年が胡散臭い程に好青年で、不老不死者の慎重さを揺るがすだけの魅力がないと成立しないのは分かるんですが…若くて金持ちで慈善家でイケメンで知的でナンパも上手い、ってこれは僕の僻みですか。笑
                    でも観客に不老不死者への共感がないと、アデラインの行動や心情は伝わらない気がしますね…不老の孤独や匿名性を維持する“ウソに疲れた”と言いつつ、その生き方から“変わること”を死ぬほど恐れる矛盾。
                    かつて身バレした時に拘束されかけた経験の重味は、ちょっと想像力が要るかもな…だけど不老不死者の物語に惹かれるなら、彼女が見せる覚悟の強さと裏腹な迷いに胸が痛くなる筈です。

                    “2人で共に老いていく将来”、それはジョン・レノンなら「GROW OLD WITH ME」と言ったでしょう…あるいは「未来惑星ザルドス」の、ショーン・コネリーシャーロット・ランプリングが寄り添いあって永久の眠りに就くラストシーンの美しさを彷彿とさせます。
                    29歳にしては老けて見えるアデラインですが、同年代の深キョンが幼く見えてしまう僕にとってはむしろ理想的な女性でしたね…まぁ僕の知る深キョンだって制作者の望む演技をしているに過ぎない訳ですけれど、年を重ねた彼女がアデラインさながらの女性になるのも素的だなと思っています。
                    って、シメは深キョンか!笑
                    The Age of Adaline01(←左クリックで拡大表示されます)
                    The Age of Adaline02(←左クリックで拡大表示されます)

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                      | cinema | 2018.07.01 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
                      最近やったゲーム
                      PS2ソフト「幻想水滸伝III」

                      再度ルック編をプレイ、今度は最初からPARで「所持金&全パラメーターMAX+紋章の使用回数9」の秘技コードを使用…もうトカゲの斬撃を食らおうとダメージは1です、そしてまたもや剣や風魔法ではなく強火で焼いちゃった!笑
                      今回は儀式の地でササライと対決するイベントで、トーマス不在バージョンを確認するのが目的です…なので台詞はボタン連打で早送り、とはいえ前回よりもルックの逡巡が分かります。
                      しかしながら、シンダル遺跡でジンバが語る話に矛盾を感じてしまいましたよ…ルックを挑発しての時間稼ぎにせよ、運命の呪縛をクリスに受け継がせるかね?

                      子を持って知る喜びは理解しますが、普通の感覚なら真なる紋章に強いられた不老の辛苦など娘には味わわせたくないんじゃないかな…まさか彼女に英雄の資質があるとは気付かなかった、とは言わせませんよ?
                      というかね、紋章をルックに渡す位なら暴走させちまえ!って発想も無茶苦茶だろ…まぁそれだけの脅威と知っての判断だったのだろうし、下手な輩に継承されるよりは信頼に足る我が娘を器にと考えたのかなぁ?
                      現代に置き換えてイメージするなら戦術核の起爆スイッチでしょうか、その管理後継者の適性を見極めるまでは死にきれないといった心境ならば致し方ないか。

                      真なる紋章が、その宿主となった人に見せる悪夢のようなビジョン…ルックの言う囚人とは、むしろ先ず継承者である彼自身ですな。
                      そしてルックの行動を阻もうとしたジンバさえも、非常手段とはいえ結果的にルック同様「真なる紋章の破壊」を実行しようとした…戦術核が存在する限り世界に平和は訪れない、ならば使って消しちゃえ!っていう発想になりがちなのか?
                      あるいはそれこそが、真なる紋章が人に見せる悪夢の成就だったりするのかも。
                      この狂気は「武器を手にした人は使わずにいられない」という、暴力的な誘惑の最大級ですな…そして、その誘惑が永遠に続く訳で。

                      理性で封じ込めようとして、逆に理性を手懐けられてしまった…だからこそルックの感情は、最後までブレて抗ったのでしょうか。
                      その心が、かつて人々と苦しみと痛みを分かち合えた日々を懐かしむ気持ちで己れの浅慮を自覚させたとしたら…敢えてラストバトルに賭けた、ってのも納得。
                      そんな彼の心を癒すのは、黙って彼に従ってきたセラなのですね…彼女の思いに気付き受け入れるのは何もかもを失った後、というのがまた妙にリアルですな。
                      シックスクランとゼクセンの対立から黒幕へ、善悪の相対性だけでなく渦中の多彩な人間模様までプレイの度に発見がありました。

                      そうそう、肝心のササライ戦イベントね!…トーマス&セシル抜きパターンでは一騎討ちバトルになり、これはこれでルックのササライ憎悪の理由が明らかに。
                      兄は神官将となるも、彼は“紋章の保管庫”というスペアに過ぎなかった…故にレックナートの誘いに乗って神殿を脱し、今度の件も真なる風の紋章はレックナートから奪ったのではなく彼女が哀れみから授けてくれたのだと判明しました。
                      その哀れみを、ルックは憎きササライに返したのね。
                      それはそうと、ラストバトル後はフレッド班&ササライ班の脱出劇どころか後日段もカットされてのエンディング・クレジットに!?

                      まぁ脱出劇はね、トーマス&セシルはササライに同行させなかったしフレッドもラストバトルに加えたから仕方ないとしても…オレンジ城での別れの場面までオミットしたって意味は、もしや生還しなかった的な?
                      つまりクライマックス攻略の人選で、勝利後の歴史が変わったという暗示か!笑
                      で、そのエンディング・クレジット後にレックナートの場面となりまして例のセピア色した一枚絵で終幕。
                      ところで“この世界は、幾百万と存在する世界の一つにすぎない。そして、こんな戦いは何百、何千回と繰り返されてきたものなんだろう”とは、正に「マクトゥーブ」という感じです。


                      〈クリス編〉第一章| 2015.08.05・・・第三章| 2016.02.24
                      〈ヒューゴ編〉第一章| 2015.08.19・・・第三章| 2016.01.20
                      〈ゲド編〉第一章| 2015.10.11・・・第三章| 2015.12.20
                      〈トーマス編〉第一章| 2015.09.27・・・第二章| 2015.11.08

                      〈統合編〉
                      第四章・炎の英雄の待つ地〜チシャの村| 2016.03.02
                      第四章・ハルモニア戦(チシャの村〜ダックの村〜ブラス城)| 2016.03.09
                      第四章・オレンジ城を本拠地に定める、全マップ開放、メンバー&倉庫の統合| 2016.03.16
                      −−−・キャラのレベル上げ、コロク編| 2016.03.22
                      −−−・オマケ要素(ミニゲーム)の話| 2016.03.29
                      第四章・オレンジ城〜高速路| 2016.04.05
                      第四章・シンダル遺跡〜真なる水の紋章イベント| 2016.04.12
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                        | game | 2017.11.14 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                        最近読んだ本
                        宮部みゆき「あやし」

                        前に読んだ漫画版「あやし」の原作で、本書はコミカライズされなかった分と合わせて9編を収録しております…いわゆる時代小説ではありますが、どれも市井の人々が遭遇する怪異な出来事を描いております。
                        漫画版を読んでから、本書の事は気になっていました…読みたいけれど(先の漫画版と比べてしまう読み方になったら厭だな)などと思っていたら、古本屋の100円コーナーで発見!
                        読んでみると漫画の場景が目に浮かぶ時はあっても違和感がなく、細やかな味わいのある原作と視覚的表現に合わせて再構成された漫画版のどちらにも好さが感じられて安心しました。笑

                        原作が負ける事は滅多にないし、著者は時代物でも創作怪談でも当代きってのストーリーテラーですが…物語を咀嚼して過不足なく尺に収めていると感じられた漫画版が、もしも原作よりも劣っていたらと考えて比べたくなかったのですよ。
                        例えば、巻末の「蜆塚」のラストね…漫画版の思い切った演出が原作を忠実に踏襲していたら、僕が不老不死者に惹き付けられる契機とはならなかった筈です。
                        特にその一点で僕は、漫画版の凄味を推します…この原作(本書)に、そこまでの強烈な衝撃を受けはしなかったので。
                        ただし漫画版は話数が少なく、読み応えとしては原作のボリュームが適当です。

                        いわば漫画版は手の込んだ単品メニューで原作は納得のコースメニュー、つまり両方を読めば最高!と…これだけ原作小説と漫画の幸福な関係って、なかなかあるもんじゃありませんぜ?
                        コミカライズから洩れた4編は、奉公人の少年が見た白昼夢「居眠り心中」と同名ゲームソフトと内容的には無関係な復讐譚「影牢」と…怪談アンソロジーに収録されていた「布団部屋」と人情噺「安達家の鬼」、因みに漫画版にも収録されていた「時雨鬼」のサスペンスフルな構成と非怪談なクライム・ノベルの妙味はメインディッシュ級でしたよ。
                        それと「梅の雨降る」に、某漫画家の体験談を連想。

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                          | books | 2017.10.29 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
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                          赤松健「UQ HOLDER!」3巻

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                          しかし闇の魔法で封印を破って形勢を覆す刀太、ヘンタイ影使いを倒して駆け付けた夏凛に後を任せ九郎丸はナンバーズに救援要請。

                          夏凛の不死者タイプは、神の愛を受けた光の魔法なのか…だから闇の魔法を秘めていた刀太を毛嫌いするのかな、でも“究極の不死転生の秘法”を刀太が何故?
                          闇の魔法は“史上2体しか存在しない”筈で、その1体は闇の福音…つまり雪姫の血を受けた刀太にも力が継承されたって事なのか、あるいは刀太が知らない過去や出生が絡んでるのか?
                          ともあれ灰斗に白旗を上げさせた刀太でしたが、南雲は月面転移という荒業で夏凛を強制排除…更に南雲のクライアントは闇の魔法使いを捕獲しようと私有軍隊を投入し、多勢に無勢で今度こそ刀太の命運も尽きるかという刹那に雪姫到着!

                          軍勢を難なく蹴散らす雪姫&先輩ナンバーズの3人、さぁガンガンいきますよ!っていう所で次巻へ…しかし闇の魔法は今後のキーワードっぽいですな、20年前の火星で若かりし南雲が参加した「始まりの魔法使い」討伐戦とか雪姫の口走った“裏火星魔法世界”とかブラフじゃないよね?笑
                          それはそうと、今回は台詞まわしの面白さに気付かされましたよ…特に“金持ちが貧乏人のケツの毛に火をつけて回ってるようなひでぇ世界”なんて、月並みさを上手く捻った言い回しで感心してしまいました。
                          どんなに激しい場面も、何がどうなってるのか分かるように見せる画力も流石!


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                          【最近読んだ本】トバイアス・S・バッケル「クリスタル・レイン」| 2016.03.27
                          【最近読んだマンガ】池田さとみ「さよならのJAMU」| 2016.04.20
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                          【最近読んだマンガ】茶鳥木明代「デュラララ!!」3巻| 2016.11.23
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                          【最近みたDVD】「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」| 2017.03.01
                          【最近読んだ本】宮部みゆき「あやし」| 2017.10.29
                          【最近やったゲーム】PS2ソフト「幻想水滸伝III」| 2017.11.14
                          【最近みたDVD】「アデライン、百年目の恋」| 2018.07.01
                          【最近読んだマンガ】オノ・ナツメ「レディ&オールドマン」VOL.1| 2019.09.07
                          【最近みたDVD】「さよならの朝に約束の花をかざろう」| 2019.09.23

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                            | comic | 2017.07.19 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                            最近読んだマンガ
                            赤松健「UQ HOLDER!」2巻

                            エヴァンジェリンこと雪姫に連れられ故郷を離れた刀太、都への道中で意気投合(?)した九郎丸と共に前巻ラストで辿り着いたのは雪姫が組織した妖怪や人外の互助団体UQホルダーのアジト…雪姫の不在期間がたった2年とは意外、つまり現在の大分県周辺にある刀太の故郷で教師をしていた時期は更に短かった訳で。
                            雪姫は、そこで「戦闘の巻き添えで孤児となり記憶を失くした刀太の親代わりになった」という設定なんですよ…彼女が何故その地へ赴いていたのか、刀太の両親もまたエヴァ同様に作者の過去作品「ネギま!」と関連しているのかといった謎に関わる部分なのでね。

                            ともあれ不死人の入団テストとして地下迷宮に落とされた刀太と九郎丸、巨大モンスター達に悪戦苦闘…そこで自称“UQホルダーのリーダー”宍戸甚兵衛と出会い、修行の甲斐あって8年以内という合否基準を僅か1か月程度でクリアし不死隊「ナンバーズ」入り。
                            平たく言えば用心棒を兼ねた構成員、死なないが故に格上というコトで新入りなのにゴツい古参から「兄貴」「姐さん」呼ばわり。笑
                            半月の下積み“ボロ旅館の雑巾がけ”から、遂に初仕事で貧民街の救済へ…しかし、お目付け役の雪姫ラブで刀太を敵視する夏凜が独りで全身義体の地上げ屋を倒して九郎丸も出番なし!

                            都会の事情が色々と明らかになってきて、今や魔法もアプリケーションとして売買されるご時世とは…2020年代の黄金期には刀太が目指す軌道エレベーターが完成するも、新東京のスラム人口は2050年代の混乱期から2086年現在で200万人超と拡大する一方だそう。
                            初戦の楽勝で浮かれる貧民街でしたが、本腰を上げた敵は“プロの不死狩り”を名乗る傭兵たちで…無防備な夏凜は彼女を“鋼鉄の聖女”と呼ぶ男に追い詰められ、刀太と九郎丸だけで貧民街を守れるかは次巻の話。
                            その異名と“傷つくことも死ぬことも許されていない”という夏凜の不死性、もしやジャンヌ・ダルク?

                            不死人にも色々とあるようで、例えば宍戸甚兵衛は不死身歴1400年と「百万年の船」に出てきそうなレベルですが…彼の場合は八百比丘尼と同じ人魚肉パターンで、不死身力も再生力も弱いため“首を落とされれば死んじゃうし専用の毒でも死ぬ”のだそうです。
                            亜人の九郎丸に施された不死身の処置は“治癒再生力の超強化”で、仮に腕を失うと九郎丸なら“腕の状況にかかわらず新たな腕が再生する”そう…でもドラキュラの眷族だけに“不死身度は最強”な刀太の肉体は“魔法的な力でリンク”しているので、腕が“生きている限り”再生しない特性が弱点にもなり得るとか。

                            「無限の住人」の万次は他人の腕でもくっ付けてましたけど「百万年〜」のルーファスは再生不可能でしたね、って比較しても仕方ないか…他のUQナンバーズ、真壁源五郎や飴屋一空やバサゴ達も不死性に違いがあるのか気になります。
                            ところで刀太がナンバー7で九郎丸がナンバー11って、過去に死んだ不死人がいて欠番になってたのか?笑
                            ストーリーの基本構造は少年漫画の王道なんですが、不老不死が絡むだけで膨らむものですな…今のところ割と普通な未来世界の舞台設定も面白くなりそうですが、刀太は塔を昇るのか?
                            なんか当分、雪姫は脇役になっちゃいそうな予感。笑


                            次巻

                            前巻



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                              | comic | 2017.04.13 Thursday | comments(0) | trackbacks(0) |
                              最近読んだ本
                              ポール・アンダースン(著)、岡部宏之(訳)「百万年の船 (3)」

                              いよいよ完結巻です。
                              1巻で登場したのはフェニキア出身の船乗りハンノとフランス人大工のルーファス、中国人の仙人トゥ・シャン…ウクライナ出身の戦士スヴォボダとシリア生まれの娼婦アリヤット。
                              2巻から登場した日本人のユキコ(アサガオ)とアフリカ系アメリカ人のマカンダル(コリーン)、アメリカインディアンのジョン・ワンダラー(ペレグリーノ)…トゥ・シャンとユキコ、アリヤットとマカンダルそして不幸にもルーファスは命を落としましたがハンノはワンダラーと出会いました。
                              そして本書の第十八部で、彼ら7人の不老不死者が集合する1975年を迎えます。

                              ハンノの不注意から国家権力にマークされ、読んでる方もヒヤヒヤです…もはや自分たちという特殊な存在を公表する時期なのではないかという主張と、飽くまで慎重論を唱える意見は如何なる結末を見たのか?
                              それは、最終章となる第十九部で明かされますが…どうやら、しばしの潜伏期間を経て短命な人類社会へ軟着陸を果たしたようです。
                              その結果、人類全体が不老不死者となった未来…'89年に発表された作品なので微妙に違和感はありますが、歴史は現代と異なる目覚ましい発展を遂げて平和で全能な文明を築きました。
                              しかし7人は、思いもよらなかった失望を知ります。

                              過去の数千年に適応してきた彼らですが、短命人が一気に不老不死化した世界に対しては幾世代分もの時間が経つにつれ違和感が増すばかり…世界がバラ色になると人類はどうなるか、深い洞察を感じさせる描写には驚愕と同時に納得です。
                              ハンノの呼び掛けに応じて、後に合流したトルコ人のパトゥルシウス(セイガン)を含む8人は数世紀ぶりに顔を合わせて外宇宙へと旅立ちます…ってあれ、ノルウェー人のノルナゲストは殺されていたって事かな?
                              ともあれ数光年どころか数光世紀先へ出発した8人、第二の地球と異文明を求めて…と、ここで終わりかと思いきや更に続くのです。

                              充分な空間が確保されてはいても、宇宙船という閉鎖空間には彼らだけ…当然ながら個性の衝突や関係性の変容が生じ、異星人との接触や新たな大地での生活が8人を待ち受けています。
                              邦訳では3分冊で出版された本作、最終章の本格SF展開は唐突なようですが…長らく人類の異端として数多の文明間を流浪してきた不老不死者たちの半生は、宇宙基準の時間に適応進化するという自己認識に至る結末までの超人類的な試行錯誤や葛藤を語る上で充分な重みを感じさせます。
                              理論上は存在する異星人同士が出会うのは、生命体のサイクルを超越して宇宙に適応した者たちなのかも。

                              それにしても著者は、世界中の歴史と文化を実に細かく勉強なさってますな…牧眞司(牧伸二とは別人)なる人物の解説によれば、実際にハンノという名前のフェニキア人は存在しており“紀元前四二〇年ごろ、六十隻の船と三万人の人間を率いて、ジブラルタル海峡を横断した”という記録が残っているそうで“本書に登場するそのほかの人物も、それぞれ実在の人物をモデルにしているのかもしれない”との事です。
                              風土の感触だけでなく折々に生きた人々の息遣いまで感じられて、もっと多くの地域と時代を不老不死者になりきって読みたかった!
                              著者の狙いは、文明史の俯瞰にあったのだとしても。

                              不老不死というテーマは、古代から追究されてきた人間最大の願望かもしれませんが…どうも物語としては不幸な描かれ方に偏っている気がするし、そうなるのは発想として退屈なのね。
                              特に後天的な事由で不老不死になると、なんか悲劇的で…まぁ本書の登場人物もハッピーとはいえないけど、先天的な体質だからなのか割と好感が持てました。
                              でも現代日本のようにガッチリ管理された社会では、彼らが生き残るのも難しそう…これは不老不死者でなくとも融通が利かなく感じるんだけど、もしや発表年代を描かず一気に遠未来へ話を飛ばした理由もそこら辺にあるのかも?なんて。


                              (再読)【2020.04.24】

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                              以下、個人的メモ
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                                | books | 2017.03.19 Sunday | comments(0) | - |
                                最近みたDVD
                                「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」

                                ボトムズよりは、むしろ「太陽の牙ダグラム」の方が…とかいう程には、後にリアルロボット系と称された戦争の生々しさを描写するポスト・ガンダム作品に興味なかったんです。
                                だけどガンプラにハマった時期、本作に登場する人型兵器A.T.もホビー雑誌で根強く支持されていたのですよ…ガンダムと同じ大河原邦男がメカデザインを手掛け、モビルスーツよりも人間の等身に近くマッシヴな外観はザクに劣らない魅力が確かにありました。
                                しかしガンプラのようにライトなオタクを許容しない、アニメでありながら戦争・兵装オタクの気配が僕には近寄り難く思われて。

                                そんな玄人好みなイメージが濃厚な本作ですが、まぁ正直そんなの今更どうでもよくて…単に主人公のキリコに不死者らしき設定がある事をパケ裏の解説で知りまして、つまり(懐かしアニメ)としてではなく〈不老/不死〉枠という関心から本作を借りたのです。
                                彼は“殺す事の出来ない個体”であり、その「異能生存体」を定義する驚異的な自己治癒力と生存確率は所謂「不老不死者」の一般的な設定と共通してますね。

                                どうやら本作のタイトルは「ペールゼン大佐が率いていたレッド・ショルダー部隊に関する資料ファイル」という意味らしく、何だかファースト・ガンダムから派生したOVAシリーズ「第08小隊」の外伝「ミラーズ・リポート」っぽいのかな…と思いきや、似てたのはせいぜい軍事裁判ぐらいで肝心のファイルはブラフというより小道具に過ぎないとは。笑
                                結局は人命が弄ばれて大佐の独り勝ちでした的なオチは如何にも外伝っぽいけど。

                                ともあれ、ペールゼン大佐が率いていた特殊A.T.部隊「レッド・ショルダー」の一兵卒から引き離された主人公のキリコは同様の資質を持つ連中と死地を転戦する羽目に。
                                本放送から四半世紀も経った'09年にリリースされただけにメカ・パートのCG表現は非常にこなれてます、手持ちカメラを模した画面の揺れといったディテールの演出も凝ってますな。
                                搭乗機体が小隊で統一されているので主人公の機体を見分けられる筈がないのに、見せ方が上手いんですね…しかし本当にタコみたいだわ、キリコ達のスコープドッグ!笑

                                それにしても、なんだあの思い付きで押し込んだような歌は…まるで「バカ兵士死亡フラグのテーマ」っぽくて快く萎えました、もしや柳ジョージを貶めたかったのか?笑


                                *以下の動画は、携帯からでは閲覧できないかもしれません。

                                『バイバイブラザー』(これが「バカ兵士死亡フラグのテーマ」です、何故ガンダム画像なのかは分かりませんが・・・「ダグラム」や本作でリアルロボット・アニメの第一人者とされる監督による歌詞の酷さもアレですけど、柳の歌い方もバカっぽくて聴いてて不快になりました)



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                                  | animation | 2017.03.01 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                  最近読んだ本
                                  ポール・アンダースン(著)、岡部宏之(訳)「百万年の船 (1)」

                                  先に読んだ2巻にハマり、Amazonで残りの1巻と3巻を送料込みで各¥351にて購入しました…どっちから読もうか考えて、やはり事の始まりからが無難かなと。
                                  で、第一部は紀元前310年のギリシャ植民地マッサリア(現マルセイユ)から始まります…フェニキア(レバノン)人の船乗りハンノは北方への海路と新たな交易拠点の開拓を目的とした遠征隊に加わり、地中海を越えてプレタニアからスカンジナビア半島までの案内人を務めます。
                                  既に彼は長く生きて、様々な術を心得ているようで。
                                  嘘のない誠実さを示しつつも、決して自分の過去を明らかにしない慎重さがハンノの言動からは伺えます。

                                  第二部は紀元19年、前漢と後漢との間に生じた短命王朝の新代…転河郡に庵を結ぶ仙人トゥ・シャンは、三巨石郡の鍛冶屋だった百年以上前に妻子が老いて死ぬと「道」を説く師に学び中国各地を旅していました。
                                  2巻の第十部でチベット近郊の村に腰を落ち着けるまで、彼の放浪は続きます。
                                  そして第三部ではルーゴと名を変えたハンノが、遂に同類のルーファスを見付けます…時はローマ治世の359年、中央ガリアの大都市ブルディガラ(ボルドー)。
                                  かつてシラクーザで同類のアルテアが見舞われた悲劇を教訓として、ハンノはルーファスを守るために自分を危険にさらすのでした。

                                  第四部はイスラム教がもたらされた641年のタデモル(パルミラ)で、不老不死の故に疎まれたアリヤットが故郷を捨てるまでの物語。
                                  第五部は最初のミレニアムを迎える998年、ノルウェイのオラフ王に謁見した吟遊詩人ノルナゲストが語る同類スタルカドの物語。
                                  第六部は、第五部まで約300年おきだった間隔が急に狭まって1050年のキイフ(キエフ)…スヴォボダの危機を救ったカドックことハンノは、彼女もまた不老不死者であると気付かずに一夜を共にして別れました。
                                  この時点でルーファスの右手は鉤爪の義手になっていて、彼らの治癒力にも限界がある事が分かります。

                                  第七部の1072年でもハンノはカドックと称していて、彼はコンスタンティノープル(イスタンブール)の高級娼婦アテナイースことアリヤットも同類であると突き止めて接触しますが…彼女の裏切りで全財産を失って命からがら脱出します、同類の存在を想定していない不老不死者にとって身バレは最悪の事態なのでした。
                                  ハンノが語るに、彼が生まれたのは紀元前10世紀頃にヒラム王が治めたレバノンの古都ティルスだったそう…キリストが生きた時代に彼はローマ支配の及ばないブリタニアにいたというので、ひょっとしたら第一部の航海で彼は次の移住先を物色していたのかも。

                                  よく「賢人は喩え話を好む」と言われますが、不老不死者たちも自らの来歴を明かしたい時に物語を利用しますね…特にハンノは飽くまでも他愛のない作り話として、主に初対面の同類に自分が不老不死者である事を仄めかす手段にします。
                                  クリスマスの起源はローマ人のミトラ信仰だといわれますが、ミトラは“ペルシャの太陽神”だったんですね…という事は、ペルシャが信仰していたというゾロアスター教に由来しているのかもしれませんね。
                                  そして“魚にXP(カイ・ロー)”というカトリックの絵画的モチーフはWindows XPを連想させます、なるほど「千年紀→XP」か!

                                  それとカトリックのサンチャゴ・コンポステーラ巡礼のシンボルとされる“帆立て貝の形”もまた“昔はフェニキアの豊穣と多産の女神アシュトレトのものだった”のだとか…もちろん本書は史書でも学術書でもないので、必ずしも事実ではないかもしれませんけど。
                                  ゾロアスター教ペルシャイスラム教アラブも、植民支配においては市民の信教や所有の権利を尊重する友好的な政策を取っていたようですね…キリスト教のヨーロッパ人支配者が常套手段とした野蛮な搾取とは雲泥の差に思えてきます、もちろん本書はフィクションですし諸説あるのかもしれませんが?

                                  本書の題名は、本編の前に記された古代エジプトのヒエログリフに由来するのですね…何千年もの昔に“百万年の船”というイメージがあった事に驚かされ、もしかしたら著者もまたこの驚きから着想を得たのかもしれないと思いましたよ。

                                  “何百年もの間、彼は地球の表面の放浪者でした。彼はしばしば憧れに身を任せてどこかに定住し、結婚し、家族を育て、普通人と同様の生活をしました。しかし、かならず家族を失い、普通人の寿命に相当する期間が過ぎると、彼は姿を隠さなければなりませんでした。その合間には、たいてい、ほとんど人に注目されずに行き来できる職業に携わりました(中略)不運か悪意によって若いうちに殺されなかった者は、疑いなく、自分が覚えたと同様に、こっそり隠れている方法を覚えたにちがいない。しかし、たとえこれが真実だとしても、どうして自分が彼らを見つけることができるだろうか? 彼らが自分を見つけることができるだろうか?”


                                  (再読)【2019.06.05】

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                                    最近読んだ本
                                    ポール・アンダースン(著)、岡部宏之(訳)「百万年の船 (2)」

                                    初版'93年のハヤカワ文庫SFで全3巻の大部らしいけど、古本屋だからかこの2巻目しか置いてなくて。
                                    なのに買っちゃったんですね、ちょっと考えられないんですけど…続き物の小説には基本的に手を出さないんですよ僕、1巻毎に読み切りの連作ならまだしも。
                                    だって裏表紙の作品解説に“3000年以上の歴史を生きる不老不死の人々”とか書いてあるんですよ、やっぱ気になるじゃないですか!?…って、そこに食い付いてしまう理由は自分でも気持ち悪いくらい謎ですが。
                                    いつの間にか猛烈に気になっていたんですね不老不死者の話が、本書との出会いでそれを自覚したのです。

                                    本書に収められているのは第八部から第十七部までの10編、先ずは平安時代の女官の話です…よく調べてるよなぁと感心しながら読んでいると、次は蒙古襲来で灰塵と帰したキエフ近郊の小さな町に話が飛んで。
                                    その次は清代末のチベットに近い中国奥地と、話毎に時代も場所も大きく隔たっているのでイメージの切り替えに苦労させられました…ある程度まで読み進めていく間に脳内ビジュアルの微調整が繰り返され、ようやく馴染んだ頃にまた新たな歴史の霧の中へという繰り返しはしかし奇妙な中毒性すら感じるようにも。笑
                                    若干、不親切な「ロバートは歴史の天使」って感じ?笑

                                    村人に敬われていた不老不死者の許を訪れた女が、かつて平安京の女官であった事を語る時…僕は何とも言えない安堵を覚えました、このまま著者は孤独な不老不死者を点描のように切り取っていくだけなのか?といった心細さを知らず知らずに抱いていたんですね。
                                    中世フランスのキリスト教会、白人入植者が到来したアメリカ大陸そして南北戦争前のラナウェイ・トレイン…ここまで1221年-1239年-1570年-1640年-1710年-1855年と、物語は徐々に現代へと近付いてきました。
                                    遂に第十四部では1872〜1878年のフロンティア消滅期に、第十一部と第十二部の不老不死者が邂逅します。

                                    続く第十五部(1931年)では第十三部の黒人女性が第十一部で話された女性と出会い、第十六部(1934年)でも第十一部の不老不死者が新たな仲間と会談します…第十七部(1942年)の、鋼鉄の人の名を冠したスターリングラード市街戦には第二部の不老不死者が現れます。
                                    彼らには病気をせず怪我の回復も早いという肉体的特異性を持ち、一定の年齢で老化が止まります…しかし失った腕は生えてこないし失血や臓器損壊で死亡する可能性はあるんですね、だから完全な不死ではない。
                                    けれど疫病や飢饉など普通人にとっての災厄に乗じて履歴を変え、所在を変えて存在を隠しているのです。

                                    こういった身体的な特徴や、不老不死者である事がバレないよう名前も住所も変えながら生きるといった設定って漫画でも小説でも驚くほど共有されてますよね…彼らほど強固な統一性を備えた架空の存在は寡聞ながら他に知りません、火星人であれ吸血鬼であれ。
                                    ともあれSFでありながら歴史改変物ではなく特殊な能力を持たせるでもなく、ひたすら不老不死者の生き様を中心に描いている風変わりな作品です…おそらく話が地味すぎて一般受けはしないでしょうな、でも僕にとっては何故か心が震えるほど面白かったのです。
                                    こうなったら、3巻も見付けて読んじゃうか!


                                    (再読)【2019.07.18】

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                                      最近読んだマンガ
                                      茶鳥木明代「デュラララ!!」3巻

                                      初版'10年のGファンタジーコミックス、この「月刊Gファンタジー」という漫画雑誌はスクウェア・エニックスが出版しているのね…つまり本作も成田良悟という原作者とヤスダスズヒトというキャラクターデザイナーが関わっている“メディアミックスプロジェクト”だそうで、原作者による小説をベースにアニメ化もされているのだとか。
                                      もう何年も前になりますが、この題名をネット上でよく見かけてたんです…それを思い出して(どんなん?)と借りてきたのだけども、ひょっとすると話題になってたのはアニメの方かな?
                                      池袋に現れる首なしライダーの話、と思っていたら。

                                      まぁ確かに池袋が舞台だし、首なしライダーも出て来はします…でも想像してた感じより斜め上を行ってましたね、これが3巻目で最初が12話目というのに1話目みたいなノリですし。
                                      首なしライダーの正体は北欧の怪人デュラハン、だけどうら若き女性…奪われた首を捜して池袋に来て早20年、その頃から彼女に惚れ込んでる様子の新羅も不老の人外なんですかね?
                                      遂に見付けた己の首、だけど胴体が付いてるし己を認識せず逃亡…その少女を匿う帝人は非日常に憧れるだけの平凡な男子高校生、と思わせておいて矢霧製薬の黒幕との駆け引きにダラーズを呼び出す策士っぷり。

                                      このダラーズという謎システムについてや、それを狙って新宿から舞い戻った情報屋の臨也については前巻か前々巻で描かれているのでしょうな…矢霧製薬がデュラハンの首を入手した経緯なんかもね、しかしそれらを知らずに途中から読んでもまったく支障がないってのは奇妙な感じですな。
                                      話の進め方が巧みなのか、前2巻まで本題を先送りしてたのか…背景だけじゃなくキャラのパースや表情も上手いしコマ運びもテンポよく、全体的に非の付け所がない完成度の高さです。
                                      が、根本的な部分で惹き付ける何かが感じられないのですよ…小説とかアニメだと、また違うのかなぁ?


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                                        | comic | 2016.11.23 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                        最近読んだマンガ
                                        赤松健「UQ HOLDER!」1巻

                                        本作は、こないだの「アド アストラ ペル アスペラ」で思い出した著者が'13年より週刊少年マガジンて連載している漫画です…あの「ネギま!」が全38巻という事なので、本作も未だ完結してないだろうと思いますが詳細は不明です。
                                        「ネギま!」も「ラブひな」も読んだ覚えはあるんだけど、内容は忘れちゃったなー…それでも“私はエヴァンジェリン(略)”という冒頭の台詞で気が付きましたよ、まぁ巻末広告でネタバラシしてましたけどね。
                                        そう、本作は「ネギま!」のスピンオフだったんです…不老不死の伝説的な魔女と、ネギ先生の孫が宇宙を目指して旅をするという。

                                        ちょうど今「百万年の旅」という小説を読んでいて、それが不死者の壮大な物語なんです…なんか「蜆塚」という漫画を読んで以来、そういう存在の事が気になり続けていたんですよね。
                                        それが今頃になって「百万年の〜」に本作と、立て続けに不死者の話を見つけて…何故なんでしょうね色々と、自分でも不思議だわ。
                                        とまぁ、そういった次第で本作に惹かれた訳なんです…これが梅図かずおや日野日出志だったら躊躇したでしょうが、著者ならね。笑
                                        だけど未来の日本が「人口の激減で“都”以外は廃墟化してる」という設定も結構ツボですね、そういや「アド〜」もそうでしたが。

                                        エヴァちゃんは成人女性の姿をして、かつて大分県だった辺りの村で教師をしておりました…どうやら刀太が両親を亡くした事に因縁があるようで、記憶を失くした彼の親替わりを務めてもいたようなのですけど。
                                        彼女には高額の賞金が掛けられており、襲撃の巻き添えで死にかけた刀太は吸血鬼の血を舐めて不死者となったのでありました…そして身バレした雪姫(エヴァ)と故郷を離れ、宇宙と繋がる軌道エレベーターのある“都”へと旅発ちました。
                                        吸血鬼とはいえ雪姫が血を必要としない理由は「ネギま!」で描かれていた気がします、どんな理由かは忘れたけど(違ったかなぁ)。

                                        吸血鬼だけど人間を捕食しないせいか、あんまり「不老不死の業」みたいのもなく割と「爽やか少年漫画」という感じ…因みに“寿命がないのが「不老不死」何やっても死なないのは「不死身」”という定義や、名前を変えて移り住む不死者の生き方はカテゴリー的なお約束なんでしょうかね?
                                        アクションや魔法のスピーディーな画面と会話シーンとのコントラストは、見せ方が上手いですな…作者は女性キャラも魅力的に描けるし、今後の登場予定キャラを最初にバーンと見せちゃう辺りからして話もカッチリ練り上げてそうです。
                                        様々な不死者を集めたシンジケートに、次巻も期待!

                                        ところで巻末の、二次創作フリーを宣言する「同人マーク」は初めて見ました。
                                        ウェブ上では、コピーライトに対してコピーレフトという著作権を解放する動きがありますけど…作者のように有名な作家が、商業誌で発表する作品に二次使用のお墨付きを与えるとは!
                                        これまで作者やその作品には特に思うところもなかったんですけど、本作で好感度アップしてきましたよ…まぁ僕は同人活動には縁がないし何も関係ないんですがね、カッコイイなぁと。
                                        それにしても「アド〜」と本作って、妙に似てる気が…例えば「強女と旅する僕」設定とかね、個人的にはどっちも好みなんですが。

                                        そうそう、あと1つ。
                                        刀太が“インドの偉い人の言葉”と言っていた、
                                        「明日、
                                        死ぬと思って
                                        生きなさい。
                                        永遠に
                                        生きると思って
                                        学びなさい。」
                                        って好い響きなのでメモ(元はガンジーらしいです)。


                                        次巻


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                                          | comic | 2016.10.30 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                          最近読んだ本
                                          森野たくみ、松代守弘「古代遺跡」

                                          初版'98年、新紀元社「Truth In Fantasy」シリーズの41刊目みたいですね…確か古本屋で見付けて甥っ子にあげるつもりで買ったのですけど、あいつら読書なんて全然しないようなので僕が読んでいました。笑
                                          ゲーム好きだし関連性がある本なら読むかなぁ?なんて思ったんだけど、まぁ無理強いするもんじゃなし。
                                          それはそうと、こういった本って僕は小学校の図書館でよく借りたっけ…なんて童心に返って読み始めたら、当時より調査や研究が進んでいて意外に新鮮で。
                                          謎解きの続編といいますか、あとがきの言葉を借りるなら“過去は変わっていく”のだと思ったのですよ。

                                          定説が覆り、常識が書き替えられる…それは案外、個人の過去にも当てはまるのではないかと感じたりも。
                                          何年も前の記憶が、後になって思い込みや先入観に囚われて形作られていたと気付く時…理解の範囲や深さが増してから捉え直した過去の出来事が、まったく違ったように見えたりして。
                                          まぁ端的に言えば、いわゆる黒歴史ってやつですな!
                                          信念に沿って行動した事も、今からすれば思慮の浅さを臆面もなく晒していたとか…逆に辛い思い出も、自分が見方を変えれば受け入れていけるのだよなぁと。
                                          そんな感想はさておき、本書の内容を簡単にご紹介。

                                          全体としては「中近東(16)」「ヨーロッパ/地中海(15)」「北アフリカ/中央・南アフリカ(12)」「北アメリカ/中南アメリカ(17)」「環太平洋/中央・東南アジア/インド亜大陸(15)」と地域別に5つの章を設けて、それぞれ()内の数の遺跡を取り上げています。
                                          対象は主に石器時代〜青銅器時代の石造遺跡が中心で、本文では遺跡毎に「建立文明」「建立年代」「建設者」「発掘者」「現在の所在地」を記載しています。
                                          そして宇宙考古学や水中考古学といった最新の調査方法からオーパーツまで、ちょっとした解説コラムも所々に挿し挟まれています。

                                          いわゆる七不思議も紹介されているのですけど、ギザのピラミッド以外は現存していないんですってね?
                                          少し前に読んだ中国文明の本で紹介されていた三星堆遺跡も、実は本書で先に知ったんですよ…あの時点では本書を甥っ子にプレゼントする気でしたから、目を惹いた幾つかの項目だけを読んでいたのでしたが。笑
                                          改めて最初から読んでみて、初めて知る古代の文明に興奮を覚えたり…今更ってぐらい有名な遺跡も、調査研究の新たな成果に驚かされたりで飽きさせません。
                                          西欧文明のルーツ、オリエント文明が東に流れて生じた名もなき諸文明の痕跡…堪りませんな、独特さが。

                                          政治形態や信仰には文明毎に大差ないけれども、自分がその時代その場所に立っていると想像すれば些細な特徴も非常にエキゾチックなんですよ…そして自分の中では空白地帯だった世界にフラグが立つ感じも、何かが始まったり拡がったりしていくようにワクワクとした気分になるのです。
                                          それにしても文明社会の終焉って、自然災害と戦争を別にすれば決まって環境破壊なんだよなぁ…人類って本質的な学習能力が低いのか、人類の全体知としては継承できない事柄なのか?
                                          ま、これだけ長く歴史に証明されたらアホでも仕方ない気がしてきましたよ。笑


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                                          以下は個人的メモ
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                                            | books | 2016.06.15 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                            最近やったゲーム
                                            PS2ソフト「幻想水滸伝III」

                                            前回からの統合編第五章、2回目はプレイヤーズキャラクターがクリスからゲドにスイッチ…ルビークから救援を求めて来たフランツを道案内に、ハルモニア辺境警備隊の面々は居城を発ちました。
                                            かつてはシックスクランの一部でしたが、半世紀前の「炎の英雄戦争」後のどさくさでハルモニア神聖国に併合されてしまったルビーク…今また一方的に住民が強制連行され、人々から「ハルモニアの子」などと陰口を叩かれながらもルビークの地位向上を目指していたフランツはいたたまれません。
                                            さて、娘ベッキーのテレポートで一足跳びに…と思いましたら眠いと言うばかり、またしばらく歩きか〜!

                                            クリスが鎧姿に戻って梯子が上れなくなったから、チシャの村にも行きたかったんだけど…まぁ久しぶりのゲド隊ですし行きますけどね、テレポート不可になっても各地の店の品揃えが良くなりはしないのかよ?笑
                                            袋がいっぱいになったので一先ず城まで戻ります、帰路は「瞬きの鏡」が使えるので楽だな…しかし城の人たちってクリスとゲドじゃあ対応が違うのね、特にカラヤ人は村を焼いてルルを殺したクリスじゃあ当然っちゃあ当然だけど口もきいてくれない露骨さで。
                                            これでは所詮ゼクセン=シックスクラン連合の結束も高が知れるというもの、でも理屈じゃないからなぁ。

                                            さてルビーク着いたけど、もぬけの殻ってどういう事?…何故か宿屋の姉ちゃんだけはいますが、交易品を持参した意味ないじゃん!
                                            ともあれフランツにハメられたかと訝しむ一行、そこへ連行から逃げ帰ったという虫兵が「みんなは“真なる紋章の儀式”のために『炎の英雄の祭壇』へ連れて行かれた」と、またも出来過ぎた展開で怪しい限り。
                                            以前は(ご都合主義だな)と思ったけれど、仮面の神官将ことルック側に着いたアルベルトという優秀な軍師によって完全な布石が敷かれていたのでありました。
                                            ルビークの民を人質にフランツを逃がせば、ゲドが動くと見越していた訳です。

                                            敵の策を読み切れないながらも死地へと飛び込むゲド、ここが命の懸け所だと腹を決めていたのね…真なる紋章を開放した今、ジンバの仇と刺し違える覚悟でいたのかもしれませんな。
                                            だけど相手が、まさか彼と一心同体化した真なる紋章を狙っていたとは…真なる紋章は低位の紋章と違って勝手に付け外し出来ないのですが、ルックは自身に宿る真なる風の紋章+ササライから奪い取った真なる土の紋章を使って力の均衡を破るという荒業に出たのです。
                                            真なる雷の紋章を強引に引き剥がされたゲドは、紋章の不老効果をも失った訳ですから遅かれ早かれジンバのように消滅するのか?

                                            ルックが立ち去り間際に「置き土産」を残していったのは、ゲドを足止めしてる間にヒューゴとクリスの紋章を剥がすためだけじゃなかったのね…際限なく現れる大量おみやげモンスターに苦戦するうち、あわよくばジンバのように真なる紋章を失ったゲドの命が尽きるのを期待してたって訳か!

                                            〈クリス編〉第一章| 2015.08.05・・・第三章| 2016.02.24
                                            〈ヒューゴ編〉第一章| 2015.08.19・・・第三章| 2016.01.20
                                            〈ゲド編〉第一章| 2015.10.11・・・第三章| 2015.12.20
                                            〈トーマス編〉第一章| 2015.09.27・・・第二章| 2015.11.08

                                            〈統合編〉
                                            第四章・炎の英雄の待つ地〜チシャの村| 2016.03.02
                                            第四章・ハルモニア戦(チシャの村〜ダックの村〜ブラス城)| 2016.03.09
                                            第四章・オレンジ城を本拠地に定める、全マップ開放、メンバー&倉庫の統合| 2016.03.16
                                            −−−・キャラのレベル上げ、コロク編| 2016.03.22
                                            −−−・オマケ要素(ミニゲーム)の話| 2016.03.29
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                                              | game | 2016.05.11 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                              最近読んだマンガ
                                              池田さとみ「さよならのJAMU」

                                              サブタイトルに「外科医 東盛玲の所見・番外編」とあり、本作はスピンオフ作品のようで…それにしても東盛玲(とうもりあきら)は読めませんでした、まぁJAMUと書いて(ジャムゥ)も読めませんでしたけどもね。
                                              本作の主人公は、インドネシアの呪医D・ワヤン・ブディー…Dはデュクンつまり呪術師の事で、ジャムゥとは“薬湯作り”といった意味があるらしいです。
                                              しかしながら表題となっている1話目も2話目の「常闇のJAMU」でも薬は出てきませんでしたけど?笑
                                              彼は真奈という少女の祖父の異母従兄弟で、彼の飼っている猿には祖父の魂が宿っているのだそうです。

                                              祖父の遺産管財人により両親ごと殺されかけた真奈は、祖父の遺言でワヤンに会いに付き添いの婆やとインドネシアへ…ワヤンとまとめて始末して遺産を独占しようと画策する管財人ですが、逆にワヤンの呪術で身を滅ぼす第一話で真奈とワヤンの関係性やサブキャラの立ち位置が描かれます。
                                              第二話は帰国した真奈が授業中に昏倒し、遺跡から目覚めた魔女と対峙したワヤンを霊体で手助けします…そこでワヤンの家系が元は僧侶であり、親の代で魔女の血筋が入った事が判明。
                                              という事は、祖父の現地妻は僧侶の家柄だった訳か…それと、どうやらバリのヒンドゥーっぽい感じだね。

                                              さて、来日して助手の真奈と如何なる活躍を見せるのか…と楽しみにしてたら、以降はワヤン達とは何の関連もない阿克(あこく)という悪霊青年の話になってしまって騙された気分だわ!
                                              あとがきによれば先の2話って、実は「東盛玲〜」よりも先に書かれた作品だったそうで…やはり作者は当時バリ島に行きまくってたらしく、後に代表作の「東盛〜」に彼らを登場させた事で本作がスピンオフ扱いになってしまったみたい。
                                              特にバリらしいリアリティは感じられないけど、なかなか新味があって期待してただけに残念すぎる…これに比べると、阿克の連作は読んでても期待感が湧かないんだよなぁ。

                                              で、3話目の「ダーク・ゴースト」から登場する阿克…彼は“奥州の魔神阿黒王”と“鈴鹿という鬼女”を親に持つ不死者で、名無しのカラスを伴に自らを無に帰す妖刀「鬼丸」を捜して流離い続けております。
                                              鬼丸、といっても伝説の元チーマーではなくてね。笑
                                              続く「隻眼(せきがん)の沼」は作者の地元にある藪不知をモチーフとした因縁話、でも定型的で退屈…そして「白月黒月」は緑子という熱血女子高生の話で阿克は出番なし、ただし不死者の怨念を呼び覚ます彼女の血と魔を斬る獅子王太刀は次の「ダーク・エンド」への布石となっております。

                                              そして阿克と緑子の物語が今、始まるのだッ!…と思わせておいて、何このほのぼのエンドは?…発想は面白いのに、見合った力量がない事は作者も自覚してる節が見受けられるにせよ。
                                              初版'04年のソノラマコミック文庫ですから、下手すると初出は90年代前半なのかもね…まぁエッセイ漫画「真夜中の番猫」によれば作者は極度の怖がりみたいだから、あんまりオカルティックな深みへとストーリーを展開させたくなかったのかもしれませんけど。
                                              バリの呪医も不死者も、興味深い設定で期待させといてさ…これでは他の作品も読もうって気はしないや、肩透かしにも程があるよ。


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                                                | comic | 2016.04.20 Wednesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                                最近読んだ本
                                                トバイアス・S・バッケル(著)、金子浩(訳)「クリスタル・レイン」

                                                実に独特な長編SFだ。
                                                読み始めて暫く経っても、ユカタン半島をモチーフとした異世界アクション小説にしか思えなかった…アステカ〜トルテカ文明という、メキシコの古代文明が関わっていれば僕は興味をそそられずにいられない。
                                                それと読み進むうち、何故か次々と現在プレイ中のゲームソフト「幻想水滸伝III」に似通った設定が出てくるのもユニークだった。
                                                「幻想〜」の国内リリースは'02年、本作の出版は原作が'06年で独占翻訳権を持つハヤカワ文庫の邦訳が'09年だ…剽窃やインスパイアなどではない、単なる偶然の一致なのだろう。
                                                しかし偶然にしては多い。

                                                最初に気付いたのは「生け贄の風習」だが、これは「幻想〜」では肯定的に描かれているので異質な文化の描写という点を別にすれば意味合いは違っている。
                                                「ロアという神格化されている何か」に関しても「幻想〜」では宗教の名前として挙がるだけなので、直接的な近似性は特にない。
                                                「失われたテクノロジーの再利用」や「限られた存在の不老者と彼らの人間離れした能力」という物語上の設定も「争いを膠着させた過去の大災厄と大軍勢の侵略」というストーリーの大枠も、個別に挙げれば珍しくはないかもしれない。
                                                ただ僕個人としては、不思議な一致に思える。

                                                話を本作に戻すと、読み進むうちにSFらしい骨格が節々に浮き上がってくる。
                                                舞台となるナナガダ半島は、父祖と呼ばれる伝説の祖先がテラフォーミングした植民星の赤道付近に位置する事…異星人のテトルを崇め生け贄を捧げるアステカ人の軍勢が山脈を越え、ロアを信奉するナナガダの首都へと進撃を始めた事。
                                                そして物語は、様々な人物の視点から描写される…記憶喪失で重大な鍵を握るジョン、彼の息子ジェローム、神の使命を帯びた二重スパイのオアシクトル、ナナガダの女性首相ディハナ、ジョンの旧友でマングース隊を率いるハイダン将軍、謎の男ペッパーなどだ。

                                                巻末解説によると本作は著者の初長編ながら、過去には同じ人物が登場する短編を書いているという…なるほど巻頭の地図が無駄に詳細なのは、そういう事か?
                                                カリブ海の小国グレナダに生まれた37歳の著者がアメリカで作家となるまでの経緯は、軽く触れられているだけだが興味深い…生国に軍事介入したCIAの姿が、作中のアステカ人に反映されているのだとか。
                                                またロアという名称はヴードゥーにおける精霊の一種に由来し、他にもカーニバルの様式や実在する料理など広範なカリブ周辺の様々な習慣や文化をモチーフとしながら渾然一体となった世界観を作り上げている。
                                                ただしタイトルが活きていないというか、それがタイトルになる理由が分からない。

                                                ローカス賞にノミネートされた本作に続いて、共通する世界設定で書かれた「ラガマフィン」はネビュラ賞とプロメテウス賞の最終候補作となり「スライ・マングース」ではペッパーが再び主要な役を担うらしい。
                                                本作の題名が雪を指す言葉である理由は分からないが、これら続編のタイトルは本作を読むと首都警備隊と辺境警備隊に関係していそうだ…ブルース・スターリングの小説に触発されて書き始めた著者らしい、スチーム・パンク要素が更に増えている事を期待してしまう。
                                                因みに著者は人気FPS「ヘイロー」の小説化も担当したようだが、もしかしたらRPGも好きだったり?


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                                                0
                                                  | books | 2016.03.27 Sunday | comments(0) | - |
                                                  最近みたDVD
                                                  「AVALON」

                                                  押井守といえばアニメの監督ですが、本作はポーランドで撮影された実写SFX作品です…かなり前にも観てるのですが、フルカラー映像になる後半というかクライマックスの流れが思い出せず再視聴したのです。
                                                  戦争や暴力はないけれど、暗く閉塞的な近未来…希望を失った若者たちが熱中する仮想ゲームでは死もまたゲームの一要素でしかない、でも脳に障害をきたす「未帰還者」となれば現実に廃人と化してしまいます。
                                                  主人公アッシュは女性ながらソロでクラスAをクリアした凄腕で、彼女を挑発したビショップというプレイヤーを探る内にゲームを装った真実へと近付きます。

                                                  かつてウィザードという最強のパーティを組んでいた仲間から聞かされた、ゴーストを追う者に開かれるリセット不能な隠しステージの噂…そこでの死はリセット不能、つまりハイリスク・ハイリターンなエリア。
                                                  北欧の英雄神話から転化したアーサー王の眠る島、九姉妹が支配するアヴァロン…永遠の若さと引き換えに外界の記憶を失うというフィールドは、ゲームではなく現実の方だったのです。
                                                  単色の世界に食べ物だけ色があったのは何故か、愛犬の不可解な消失に何故アッシュは平然としているのか…そもそもあの現実すら虚構ではないのか、だとしたら最後にゴーストが不吉な微笑みを浮かべた理由は?
                                                  ラスト25分、彼女は洗脳された暗殺者だったのか?

                                                  クラス・リアルでのミッションは未帰還者となっている元ウィザードのリーダーを射殺し、帰還させる事…先日読んだ「お江戸ふしぎ噺 あやし」の「蜆塚」で描かれた不老不死もまた、この仮想フィールドに到達した異界のプレイヤーだったのかもなぁ。
                                                  今回は以前と違って日本語吹き替えで観たせいか、あるいは二度目だからかストーリーの細部が理解できて当時の疑問も氷解しましたよ…ま、新たに気付いた謎の方が多いんだけど。笑
                                                  アッシュのCVが財前直見だったとは意外ですが、大塚明夫山寺宏一そして田中敦子アニメ「攻殻機動隊」のコアメンバーが顔を揃えていた拘りにニヤリ。

                                                  オープニング・クレジットで思い出した「マトリックス」も、現実と仮想現実との逆転を描いていましたね…'01年の本作とどちらが先かは知りませんが、電脳世界という新たな環境が身近になってきた時代の物語である点で一致します。
                                                  川井憲次による特徴的な女声コーラスの劇伴は、今じゃ手垢まみれな印象ですが逆に言えばそれだけ流行ったしパクられたって事か?
                                                  監督のミリタリー趣味全開の戦闘シーンは、まるで前世紀のアナログ感を懐かしむかのよう…そこに出現する異形のヘリコプターや、バセットハウンドが待つ部屋の質感は「イノセンス」に通じるものがあります。


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                                                  *以下の動画は、携帯からでは視聴できないかもしれません。

                                                  『Avalon』


                                                  『Avalon - The Best Part』
                                                  0
                                                    | cinema | 2014.10.28 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                                    最近読んだマンガ
                                                    宮部みゆき(原作)、皇なつき(作画)「お江戸ふしぎ噺 あやし」

                                                    初出は'10〜11年の「コミック怪」連載で、読み切り短編5作品を収録…原作は'00年に単行本化されているようですが、てっきり漫画化のために書き下ろした話なのかと思ってました。
                                                    それだけ上手く絵で語らせてるんですよ、この場面をくだくだしく言葉だけで描写しても違うよなぁってね…きっとそこら辺は漫画向けに演出を変えたんでしょう、という事は原作者も原稿を渡して投げっ放しじゃなく作画を担当した漫画家との打ち合わせをちゃんとしてたって事でしょうね?

                                                    掲載順に収録された5作品、最初の「梅の雨降る」は呪い返し…といっても話は(ほんのり怖い)感じで、全体としては印象が薄いながらも連載のトーンを提示する役割を果たしています。
                                                    「時雨鬼」は人情物の時代小説を得意とする原作者の真骨頂、人の心に潜む魔を入れ子式に描いています。
                                                    「灰神楽」は火鉢の憑喪を捕物帖スタイルに仕立てています、足のある女幽霊の動きに思わず総毛立ちました…きっちり落とさない幕切れは怪談の常套手段ですが、あやかしとの関わりを断ち切れない暮らしを示唆するようでもありますね。
                                                    「女の首」は長屋の孤児が奉公先で巻き込まれる怨霊騒動と数奇な因縁の物語。

                                                    「蜆塚」は最後を締めるに相応しい、独創的な怪談です…そもそも蜆塚である必然性がないのが却ってリアルで、いわばその由来を語るついでみたいな不死者の風聞がキモなんですが。
                                                    何の害をなす訳でもなく、ただ老いもせず死にもしないという人間が少なからず我々の傍で生きている…そんな飲み屋での昔語りに、相槌を打っている青年の顔がオチになっています。
                                                    江戸時代の怪談なんて現代の科学や物理で説明がつく、どこか他人事のようにそんな気でいる隣に怪異が身を潜めていたりするのね。


                                                    追記:いわゆる八百比丘尼のようなタイプに関して、セスというチャネリング系の人格が興味深い発言をしていたので無断でリンク張っときます。以下は当該サイト「セス・ネットワーク・ジャパン」の記事「超人的な人々」より一部引用。
                                                     君達が彼等の存在に気づいても、大抵はそうこうするうちに君達の世代が変わってしまい、それに対して先方は変わっていないということになるので、一般的な見方をすれば彼等は永遠の存在であるかのように見える。彼等は人間だ。ただ、その人種の特性が可能なかぎり実現に導かれるという点で超人的な人間なのだ。その一方で彼等は(君達とは)種類の違う発達の道筋を辿(たど)った。それは専ら精神的、霊的なもので、彼等を別種の体験へと導いた。その体験は質や度合いが異質のものであるかのように全く別物だった。

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                                                    【最近読んだ本】遠藤ケイ「<山界風聞>おこぜの空耳」| 2013.10.15
                                                    【最近読んだ本】志村有弘・編「戦前のこわい話 近代怪奇実話集」| 2014.02.12
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                                                    【最近読んだ本】木原浩勝+中山市朗(著)、恩田陸(編)「新耳袋コレクション」| 2014.09.11
                                                    【最近読んだ本】蒲松齢(作)、柴田天馬(訳)「和訳 聊斎志異」| 2014.11.19
                                                    【最近読んだ本】小野不由美「鬼談百景」| 2014.12.09
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                                                    【最近読んだ本】日本民話の会・外国民話研究会(編訳)「世界の妖怪たち」| 2015.10.31
                                                    【最近読んだ本】小林和彦(著)、柴田ゆう(画)「知識ゼロからの妖怪入門」| 2016.05.17
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                                                      | comic | 2014.10.19 Sunday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                                      最近読んだマンガ
                                                      田辺イエロウ「終末のラフター」

                                                      ラフテー、じゃあなかった(当たり前か)“LAUGHTER”つまり笑う者ですかね…だからって攻殻機動隊の「笑い男」とは関係ありません(あれは“LAUGHING MAN”)。
                                                      パラパラっと見た感じはバンダナ巻きが「NARUTO」みたいだと思いましたが、それもまた関係なかったし。
                                                      予言された“白い悪魔”によって一度は滅びかけた人類、新たに現れた“スティグマ”を宿した不死身の人が“悪魔”と呼ばれ忌み嫌われている世界…おっと、勿論「ガンダム」も関係ないですよ言うまでもなく!

                                                      ユニークなプロットで筋運びもこなれてて、しかも“白い悪魔”の造形がまた独創的で描写も上手い…この完成度を5話で完結させてしまうとは潔いなぁ、いくらでも世界観だけで引っ張れるのに勿体ないくらい。
                                                      謎だらけの世界だけど真実とかの追求はさせないで、謎解きは飽くまで取っ付きにくい主人公と妹への愛情に的を絞っております。
                                                      最初(妹は要らなくない?)と思わせてひっくり返すとか、話の構成も台詞の説得力も新人とは思えません。
                                                      他の作品も読んでみたいですな、久々に要チェックな作家が見つかって楽しみ!


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                                                        | comic | 2014.07.26 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                                        最近読んだ本
                                                        青柳正規(監修)、NHK「ローマ帝国」プロジェクト(編)「NHKスペシャル ローマ帝国 COMIC Version 超大国の興亡〜皇帝たちの光と影」

                                                        '04年刊、タイトルのとおり本書はローマ帝国300年の歴史を紹介するテレビ特番を書籍化した物です…番組内容を漫画化したらしき本編の他、写真を多用したカラー口絵や巻末のまとめ解説&対照年表で補足情報も充実しております。
                                                        監修者によれば、ローマ帝国の生活レベルは約2000年後の産業革命まで凌駕される事がなかったとか…以降のヨーロッパ各国の国づくりの参考とされてきた、いわば欧州文明史においても「すべての道はローマへ続く」みたいですね。

                                                        紀元前8世紀、フェニキア人がシリア南方のシドンやテュロス(ツロ)を拠点として地中海の海運を掌握していた時代…イタリア半島はギリシャ人が南部へ移住を開始、半島北部に栄えたエトルリア人の都市国家とに挟まれた中部イタリアの先住ラテン民族から興った共和国が古代ローマだとか。
                                                        双子の建国者ロムルスとレムスはトロイア戦争に敗れたアエネアスと軍神マルスの末裔とされています。

                                                        トスカーナ地方に栄えたエトルリア文化のインフラ技術や金属加工技術を継承し、シチリアのギリシャ都市を圧倒していたフェニキア人のチュニジア国家カルタゴを破り地中海の制海圏を奪取…カエサル(シーザー)の時代には遂に南下を繰り返してきたケルト(ガリア)人の国々から小アジアまでを征服、続くオクタヴィアヌスはクレオパトラが治めたエジプトも属領にしパックス・ロマーナを実現。
                                                        そしてギリシャ語で救世主を意味するキリストが登場、暴君ネロはローマの大火をキリスト教徒の仕業と決め付けて弾圧しました。

                                                        賢帝トラヤヌスの時代にローマの版図はメソポタミア(現イラク)〜ブリタニア(現イギリス)〜ヒスパニア(スペイン)〜北アフリカ地中海沿岸まで最大となり、支配下においた民族文化の独自性を認めつつ徹底してインフラや都市構造などを統一させた伝統は地域特性の発展と交易流通に貢献…しかし地球が温暖期から寒冷化に転じた不作と飢餓や西アジアの大国バルティア領で疫病に冒された兵士が各地の属州で感染を拡げるなど、広大な領地の運営維持に綻びが生じたローマ帝国は東西に分裂します。

                                                        フン族に逐われたゴート族らゲルマン諸族やペルシャ軍の襲来をかわした西ローマ帝国ですが、フン族は撃退したもののゲルマン一派のヴァンダル族に「帝国の穀物庫」北アフリカを奪われて衰退…現スペインは西ゴート族、現フランス周辺はフランク族、現イギリス平野部はブリトン人を駆逐したアングロ・サクソンなど欧州は群雄割拠状態に。
                                                        黄金期を過ぎてからはキリスト教を認めたりローマ以外にも市民権を与えたり、巨大浴場を作って初期の「パンとサーカス」政治を踏襲したりで民衆サービスに努めたけど再興ならずで。

                                                        ちなみに地球環境の変動は本書が触れていない一般論です、あと西ローマ無き後の東ローマ帝国がオスマン帝国に滅ぼされるまでは省略されていますがヨーロッパ文化の母体としては非常に分かりやすくまとめられているのではないかと。


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                                                          | books | 2013.12.14 Saturday | comments(0) | trackbacks(0) |
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                                                          沙村広明「無限の住人」30巻

                                                          ついに完結、最終巻です。
                                                          全員集合の那珂湊、文字通りの血で血を洗う三つ巴。
                                                          前巻ラストの偽一登場で槇絵の命もここまでかと思いましたが、捨て身の騙しで天津の下に…そして天津と左目も失った吐を庇う燎たちに横槍を入れた英と鉄砲衆を華麗に撫で斬りし絶命、深手を負いながらも吐を葬り槇絵の亡骸を抱いて大陸に渡ろうとした天津も見事に凜が止めを刺して3年越しの仇討ちに幕です。

                                                          “親の恨みつらみを引きずるのは困りモンだけど/親の「想い」ってのはさ/受け継がれる時はどうしたって受け継がれちまうモンなんじゃないのかねぇ”という百淋の言葉で、これは親子を描いた物語だった事に気付かされましたよ…凜の仇討ちも天津の旗揚げも、多くの者が親との確執なり因縁なりを抱えてたっけ。
                                                          だからこそ偽一も子を宿している百淋を守るために命乞いをしたのですなぁ、自分たちの不始末を次の代には引き継がせないように。

                                                          そして最終話、凜との別れから90年…廃刀令が発布されて6年が過ぎた明治の東京に舞い戻ってきた万次は、不死の発端を作った八百比久尼が連れてきた幼女と新たな旅に出発します。
                                                          今度は刀に頼れない護衛の道行き、その幼女が差し出した古い人相書きとアイヌ彫りの短刀…更に小指の思い出(笑)と、まるで先日みた「ザ・ライド」の首飾りみたいで本編とは関係ないけど不思議な気分でした。
                                                          連載開始の'93年から20年弱、後追いで読んできましたが終わりとなると少し寂しいものですなぁ!


                                                          追記:八百比久尼(八百比丘尼)に関して、ちょっと面白い解釈を発見したので、興味ある方は【最近読んだ本】宮部みゆき(原作)、皇なつき(作画)「お江戸ふしぎ噺 あやし」のリンク記事をご参照ください。


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                                                            007を引退したショーン・コネリーが主演した'74年のカルトSF、ご存知の方は僕が「オズの魔法使い」で本作を思い出した事はお分かりでしょう…ネタバレを避けて非常にザクッと説明すると「ザブングル」の世界で「ルパン三世マモーとの対決」と「漫画版ナウシカ後半」をやってる感じかな、個人的にはPSソフト「RIVEN」の独特さにもテイストが近いような。
                                                            時代的にCGもSFX(←死語か?)もないし、100万ドルの低予算でショーンのギャラ40万なんて監督が自腹を切った位のチープな映像だから覚悟して観てね!笑

                                                            最初は「マカロニほうれん荘」「ドラネコロック」のギャグだと思ってたんですよ、当然ながら実際は本作がネタ元だった訳ですが…かつて昼の映画番組で観てビックリ、そして何十年と経って曖昧な記憶を確かめたくなったのです。
                                                            初っ端から漫画で描かれてたのと同じ巨大な顔面岩が浮遊する紀元2293年、それをザルドスと崇める獣人の中にショーンがいました。
                                                            絶対服従の神ザルドスとは何か、なぜ獣人はザルドスの秘密に気付いたのか?

                                                            生殖と暴力、宗教と搾取、知と恐怖、不死と労働、死と解放、ボームとT.S.エリオット…管理社会とワイルドすぎるショーン!笑
                                                            知性と妖艶さを兼ね備えたシャーロット・ランプリングと共に老いて死ぬ静かなラストは、改めて観ても不思議な魅力がありました。
                                                            予告編じゃありませんが、本当にオーウェルの1984もアーサーの2001も越えてしまったんですな…21世紀になっても本作が奇妙に未来的である事は、考えてみれば驚異です。

                                                            ロケ地となったウィックローヒル(WICKLOW MOUNTAINS)はアイルランドの監督宅に近いそうで、ちょっと行ってみたくなりました。
                                                            ちなみに当時とは違って“現在は1日出演しただけの運転手でも”表記しなければならないという話で、なるほど「銀河ヒッチハイク・ガイド」「ブラザーズ・グリム」の細々としたスタッフ・ロールにはイギリス映画業界の新ルールがあったという訳でしたか!
                                                            ドラネコロック _ザルドス.jpg


                                                            〈ショーン・コネリー〉関連記事:
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                                                              別にジャズ・ピアニストとは関係ないんですね、当然ながらアジア地域にも何ら関係ありはしません。
                                                              “英雄行為”でL.A.に甚大な被害を与え続けるスーパーマン、それがハンコックという黒人青年です。

                                                              清廉潔白からは程遠く、ヤクをキメて酔っ払って道端のベンチで野宿して…女子供からも見下され、市長からは「N.Y.にでも行ってくれ」と言われる始末。
                                                              だけど危機一髪を見逃せない彼は、踏切事故で命を救った冴えないPRマンのレイ(ジェイソン・ベイトマン)から食事に招かれます。
                                                              レイは街の鼻つまみ扱いのハンコックを、正当なスーパーヒーローとして市民に愛される戦略を立てます。

                                                              例えばウルトラマンが地球を救うためとはいえ、破壊されたビルや押し潰された自動車の持ち主たちは平気なのか…その疑問に対する一つの答えが本作かもしれませんね、非力な市民たちによって否定される超人というシニカルなユーモア。
                                                              孤立無援な彼の味方は、善良すぎて危なっかしい男。

                                                              “知り合いが誰も名乗り出なかった”
                                                              頭を強打して搬送された記憶喪失の青年は、身元を示す物は何もなくて署名を意味するスラング「ジョン・ハンコック」を名前にした日から80年目にして初めての友人を得たのですが…レイの妻こそが!笑
                                                              そして不死身の筈だったハンコックが重傷を負い、レイの妻も瀕死に…(まさか「泣いた赤鬼」みたいな話じゃないだろうな〜?)と思ってたら、もうちょっとオトナのほろ苦い締めくくり方でしたねぇ。

                                                              ハンコックをウィル・スミスが、前半と後半でキャラを演じ分けるレイの妻メアリーをシャーリーズ・セロンが演じております。
                                                              及第点、というか惜しい感じのする映画でしたねー。
                                                              アクションに引っ張られてドラマ要素が勿体ない事になってます、慌ただしいクライマックスの決断を掘り下げて描いてほしかった!
                                                              サントラはラップ系だけでなく、J・ガイルス・バンドやジョン・リー・フッカーなど何気に渋い曲も…個人的にはM.I.A.が歌う「Paper planes」に、元CLASHの面々がクレジットされていたのが気になりました。


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                                                                '02年刊、双葉社文庫名作シリーズ「コミック世界の名作シリーズ」…元は'95年に世界文化社「世界の文学シリーズ(1) 赤と黒」で、原作はご存知スタンダールです。
                                                                って、僕は(一生読まないだろう)と思ったけど!笑
                                                                そもそも色調として、赤と黒っていう組み合わせが好きじゃないんだな昔から…むしろ嫌いに近いぐらいかも、個別の色としては嫌いでもないんだけどねぇ。

                                                                それだけに、まさかの「限りなく透明に近いブルー」的なオチに打たれました…未読ですが村上龍のデビュー作も、もしやここから採ったのでしょうかね?
                                                                しかし作者あとがきには“死に臨むジュリアンの気持ちや、彼がこだわる価値観については、わたしなりにかなり大胆に理由付けをした”とあり、原作どおりじゃないのかもしれないし。
                                                                飽くまでも、視点を決めてキャラやエピソードをギューッと絞り込んだ「里中版」なのだろうけどね。

                                                                美貌の青年が、その生来の容姿と磨き抜いた知性とを武器に強烈な野心を叶えてゆくピカレスク…だったなら大薮春彦なのですが、そこまで非情には徹しきれなかったが故に断頭台の藻屑と消えるのは純文学的。
                                                                なるほどなー、古典でありながら昼メロ的エンターテイメントでもありってか?
                                                                出自を超えて頂点を究めたナポレオンの赤と、権謀術数渦巻く僧職を象徴する黒…王政復古の時代に平民の出で権力に迫る青年の、ぶっちゃけ青臭い生涯です。

                                                                だけど今更、散々パクられてる筈だけど感動しちゃいましたよ…宗教的な縛りの中でも姦淫モラルの大らかな貴族社会に戸惑いながら、上昇思考よりも己の愛の至高に殉じてゆく魂に。
                                                                “生まれや育ちに左右される社会を否定しているこのおれが/上流社会に あぐらをかいているやつを利用してやるのだ”と誓った彼に“生きて愛して人生はすばらしいものだと知った今この時に極上の味わいに満たされて旅立ちたい”と言わせしめるとはね。
                                                                ジュリアン同様、僕にも女性たちの思考は謎ですが。


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                                                                以下、個人的メモ。
                                                                続きを読む >>
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                                                                  舟崎克彦(文)、橋本淳子(絵)、小林敏也(構成)「大仙人」

                                                                  '02年に出版された本書は、'97年「季刊ぱろる」にて「大仙人図鑑」として連載されたものだそうで。
                                                                  古代中国の「列神伝」「神仙伝」から41柱の仙人が一同に会しております。

                                                                  いいですねぇ、この素っ気なさ…雑とか手抜きって意味ではなく、南伸坊が「李白の月」「仙人の壺」で書いていた(乾いてる感じ)が堪らなく気持ち好い。
                                                                  “いつ誰がどうしてこうなった”的な描写が寸足らずな、なんだか子供に喋らせた聞き書きみたいな…かゆい所に手が届かない、でもそれが何故か好いのです。
                                                                  疎らに埋まったパズルのように想像の余地ありまくり、所々で訳わかめ。笑

                                                                  皇帝に召し抱えられた仙人、術を見せろと催促したら羊の石像になった…飾っておいたら消えた、以上。
                                                                  また別の仙人が別の皇帝に仕え、殺された後で何箇所も同時に現れた…墓を開けたら空だった、以上。
                                                                  真理も冗談も解する仙人が宮仕えを辞めて田舎で薬を売っていた、以上。
                                                                  素潜りで捕らえた鯉を飼っていたら角と翼が生えて、誘われるがまま昇天した…でも年に何度か帰宅して家族と食事した、以上。
                                                                  とまぁ、更に詰めて解説すると一層(はぁ?)ですな!

                                                                  だけど愉しいのです、一種の(喉越し)を味わう話なのかもなこれは。


                                                                  〈中国〉関連記事:
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                                                                    最近読んだ本
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                                                                    少し大判のムック的な本にしては写真が少なめですが、そこは“責任編集・松谷みよ子”ですから心配ご無用です。
                                                                    ほとんどすべての民族や文化に共通する「死と再生」にまつわる物語を、まるで遠くから近付けてくるような構成で紹介しています。
                                                                    前半は世界各地に伝わる民話と、アジア少数民族に伝わる祭礼儀式のリポート。
                                                                    まだまだ知らない伝承があるんだなぁ、知ってる話が一つもなかったのは新鮮。

                                                                    様々な寄稿文の中で秀逸だったのは、もう一人の責任編集者に名を連ねる樋口淳という方のコラム。
                                                                    要約すると「昔話の残酷性を悪しきものとして排除してはいけない、物語のダークサイドは比喩的に子供たちの内面を肯定し健全なバランスを育む」といった内容で、賢いつもりになっている現代人の陥りがちな傾向を指摘しています。

                                                                    後半は現代のフォークロア、日本各地で採話したパーソナルな死と再生の逸話。
                                                                    明治から現在に至る、身近な人々の体験談…それは生まれ変わりであったり幽体離脱であったり、あるいは臨死体験であったり。
                                                                    それは少なくとも当事者たちには信じがたい真実であり、また古くからの言い伝えとも一致する点が興味深く思えます。
                                                                    例えば文字のような痣を持って生まれた子供は、前世で埋葬された場所の土でしか痣を消せないとか。


                                                                    関連あるかもしれない記事:
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                                                                      | books | 2011.07.13 Wednesday | comments(0) | - |
                                                                      最近読んだマンガ
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                                                                      少し間が空きまして、少し間を飛ばしましたが。
                                                                      致し方ないです、図書館で借りて読んでるのでね。

                                                                      まぁしかし、ちょっとぐらい飛ばしても平気かなって気持ちもあったんです。
                                                                      続けて読んでても時制バラバラで分かりにくいし、ざっくりと筋が掴めてればいいかなって。

                                                                      いきなり話は陰陽寮の昔話からスタート、黒目の男女は兄妹だったのかぁ。
                                                                      新キャラ緋褪(ひざめ)は陰陽寮を創設した佐々木の旦那の懐刀、というか八百比丘尼…って事は人魚喰らいの不死者超人ですかね?

                                                                      で、昔話が終わった坂守(サカガミ)神社に夜行襲来。
                                                                      いつの間にか堂々と「帝天にケンカ売る」なんて言うようになった主人公、鴇時(ときどき)は反目しあう妖と陰陽寮をまんまと手懐けてしまった模様。
                                                                      しかもご無沙汰でしたの篠ノ女(しののめ)と朽葉(くちは)も結集し、帝天に逆らって上書きされる前の銀朱が遺した記録が緋褪の口からご開帳〜。

                                                                      最後は夜行とセットの鵺が神社の奥の院、陰陽寮に入り込んで上様&真朱に王手をかけた所で次巻へ。
                                                                      今回、現代編は登場せず。
                                                                      相変わらず、アクション・シーンでは何が何やら。


                                                                      次巻

                                                                      前巻


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                                                                        最近読んだマンガ
                                                                        岡野玲子「陰陽師」13(太陽)巻

                                                                        前に読んだ「少女まんが魂」で絶賛されてた、夢枕獏の代表作を漫画化した作品なのですが…僕には全っ然、分かりません。笑

                                                                        のっけから古代エジプトのファラオたちが、平安京の陰陽師対決と平行して描かれていきます。
                                                                        どうやら都の設計に関わるゲマトリア的な伏線みたいなのですが、いちいち考えるのが面倒臭くなったので本来の意図は不明です。
                                                                        絵は上手いけどクセが強い、というかね…誰が誰なのか区別が付かんのですが!
                                                                        結構(分からん奴など知ったことか)と言わんばかりの勢いなので、まぁ途中から読んでるから仕方ないけど…萎えますなぁ。

                                                                        よくある晴明ものと趣きが大きく異なるのは、道満法師が八百比丘尼に通ずる異形の者として描かれている点でしょう。
                                                                        女性の姿をしながら人ならぬ、不老不死の神。
                                                                        御簾の御前で催された射覆(せきふ)の儀において、晴明は道満法師に競り負けてしまいます。

                                                                        都の結界を破り禍をもたらす道満と、後手に回った晴明の知略を懸けた攻防戦。
                                                                        その辺はあとがきの射覆に関する解説にも詳しいのですが、さっぱりですわ。
                                                                        ただ、己の胸に受けた傷で魑魅魍魎を使役するといった件(くだり)に、五十嵐大介の短編集「魔女」のクマリが用いた大いなる呪術を思い出したりしました。

                                                                        巻末の謝辞に手塚眞の名があるのは、旦那さんでしたっけか?


                                                                        関連記事:
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                                                                        【最近読んだマンガ】皇なつき「黄土の旗幟のもと」| 2015.04.24
                                                                        【最近読んだ本】田中俊明(監修)「この一冊で早わかり 日本・中国・朝鮮 東アジア三国史」| 2016.10.25
                                                                        【最近読んだ本】ポール・アンダースン(著)、岡部宏之(訳)「百万年の船 (2)」| 2016.12.31
                                                                        【最近読んだマンガ】山内直実「ざ・ちぇんじ!」1巻| 2019.04.30

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                                                                        【最近読んだマンガ】里中満智子「マンガ ギリシア神話3 冥界の王ハデス」| 2009.05.18
                                                                        【最近読んだマンガ】荒川 弘「鋼の錬金術師」17巻| 2010.01.16
                                                                        【最近読んだマンガ】高山しのぶ「あまつき」10巻| 2011.06.27
                                                                        【最近読んだ本】松谷みよ子、樋口 淳・責任編集「死と再生の民話」| 2011.07.13
                                                                        【最近読んだ本】舟崎克彦(文)、橋本淳子(絵)、小林敏也(構成)「大仙人」| 2012.12.31
                                                                        【最近みたDVD】「ハンコック」| 2013.02.23
                                                                        【最近みたDVD】「未来惑星ザルドス」| 2013.03.14
                                                                        【最近読んだマンガ】沙村広明「無限の住人」30巻| 2013.11.28
                                                                        【最近読んだマンガ】田辺イエロウ「終末のラフター」| 2014.07.26
                                                                        【最近読んだ本】宮部みゆき(原作)、皇なつき(作画)「お江戸ふしぎ噺 あやし」| 2014.10.19
                                                                        【最近みたDVD】「AVALON」| 2014.10.28
                                                                        【最近みたDVD】「THE NATURAL」| 2014.10.31
                                                                        【最近読んだ本】トバイアス・S・バッケル「クリスタル・レイン」| 2016.03.27
                                                                        【最近読んだマンガ】池田さとみ「さよならのJAMU」| 2016.04.20
                                                                        【最近やったゲーム】PS2ソフト「幻想水滸伝III」| 2016.05.11
                                                                        【最近読んだマンガ】赤松健「UQ HOLDER!」1巻| 2016.10.30
                                                                        【最近読んだマンガ】茶鳥木明代「デュラララ!!」3巻| 2016.11.23
                                                                        【最近読んだ本】ポール・アンダースン「百万年の船 (2)」| 2016.12.31
                                                                        【最近みたDVD】「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」| 2017.03.01
                                                                        0
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                                                                          最近読んだマンガ
                                                                          荒川弘「鋼の錬金術師」17巻

                                                                          いよいよエルリック兄弟の実父ホーエンハイムの謎が明かされます…といっても一部ですけどね!笑
                                                                          しかしトリシャが彼の事情を承知の上で連れ添っていたとはなぁ〜、なるほど不死よりも共に老いて添い遂げたいと願う気持ちも分かる気がしてきます。

                                                                          さてブリッグズ要塞のエルリック兄弟、新たなホムンクルスと遭遇するわ釘は刺されるわの大騒ぎ。
                                                                          スカーとの一戦で重体のキンブリーは賢者の石パワーで超回復、レイブン中将と要塞に乗り込んできますが…アームストロング少将の逆鱗に触れてコンクリに沈められた中将からして、どうやら中央上層部は生身の人間って事なのでしょう。

                                                                          ともあれホムンクルスが国を囲むように地下を掘っている理由も、大総統の養子=プライドが強大な影の化け物だともキンブリーは知っているのでしょうな。
                                                                          ここで初期のエピソードが活きてくる訳ですが、マルゴーの予測する(一国まるごと錬成陣)という建国プランでは済まなそうで。
                                                                          メイの言う(龍脈を活用する錬丹術)とは違うアメストリス型の錬金術、その改変の裏にもキナ臭さが漂って参りました。

                                                                          旅烏ホーエンハイムの仕込みは“お父様”の長い企みを台無しに…出来るかな?


                                                                          次巻

                                                                          前巻


                                                                          〈長命/不老/不死〉関連記事:
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                                                                          【最近読んだマンガ】里中満智子「マンガ ギリシア神話3 冥界の王ハデス」| 2009.05.18
                                                                          【最近読んだマンガ】岡野玲子「陰陽師」13(太陽)巻| 2010.03.10
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                                                                          【最近読んだ本】松谷みよ子、樋口 淳・責任編集「死と再生の民話」| 2011.07.13
                                                                          【最近読んだ本】舟崎克彦(文)、橋本淳子(絵)、小林敏也(構成)「大仙人」| 2012.12.31
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                                                                          0
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                                                                            最近読んだマンガ
                                                                            里中満智子「マンガ ギリシア神話4 悲劇の王オイディプス」

                                                                            全8巻も本書にて読了、順番めちゃくちゃでもテーマで巻を分けているので問題なしです。
                                                                            まぁ時系列も伝承によってちぐはぐだったり、神々の複雑な相関図など覚え切れるものではありませーん。

                                                                            本書は主に、神罰と呪いにまみれたテバイ王国の連鎖的な悲劇が描かれます。
                                                                            たとえ軽微な過失であれ、神の怒りに触れた者には災いがあり、神でなくとも力ある者の呪いは成就する。
                                                                            半ば“親の因果が子に酬い〜”の世界です。
                                                                            努力が報われる、償えば赦される…と、そうそう道理が立たない浮き世の習いを分かってらっしゃる。
                                                                            いかに人の本質が愚かしく、心の面では2千年だろうが4千年だろうが変わらないかっていう話。
                                                                            故に今もギリシア悲劇は心に響くし、すべての物語の母型となっているのです。

                                                                            巻頭を飾る、愛(エロス=後世のクピド)と魂(プシュケ=心理)が試練を経て天上に喜びを生む物語。
                                                                            今風に言えば象徴的なスピリチュアル・プロセス。
                                                                            美神の息子で創始の神でもある愛は、魂の魅力を奪う命令に反して心惹かれ、仮初めの営みを設けます。
                                                                            しかし隠されたり疑ったり試したりといった恐れによって、愛と魂の関係が一度は損なわれてしまいます。
                                                                            魂には出来る筈がない障害も立ち向かう事で助力を得ますが、性懲りもなく目先に気を取られてしまう。
                                                                            しかし愛の、明らかさの決断で打開された訳ですね。


                                                                            「マンガ ギリシア神話5 英雄ヘラクレス」

                                                                            「マンガ ギリシア神話3 冥界の王ハデス」


                                                                            関連記事:
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                                                                              最近読んだマンガ
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                                                                              ギリシア神話の白眉、トロイア戦争が本書の中心となっています。
                                                                              アキレウスやヘラクレスなど、神々の血を継いだ英雄たちが軒並み登場します。

                                                                              トロイアの地は、エーゲ海を挟んだギリシアの反対側にあります。
                                                                              それは近代にシュリーマンというロマンチストが発掘した、現在のトルコの一角なんですね。
                                                                              ギリシャとトルコの因縁は、つまり紀元前12世紀まで遡るという事でしょうか…。

                                                                              とはいえギリシアの民も、その8世紀前にエーゲ海の北にある黒海方面方から南下して先住民を制圧したといわれています。
                                                                              この10年にわたるトロイア戦争の引き金とされる美女ヘレネも、元はスパルタ地方の先住民に崇められた樹木の女神といわれます。

                                                                              トロイア戦争の物語は、母系社会であった先住民を支配し男性優位の社会制度を維持する装置としても機能してきた一面を持っているのでした。
                                                                              後世の弁論家ゴルギアスが唱えた「ヘレネは悪くない」論も、現代の感覚からすれば詭弁でもなかったりします。


                                                                              「マンガ ギリシア神話8 オデュッセウスの冒険」

                                                                              「マンガ ギリシア神話6 激情の王女メディア」


                                                                              関連記事:
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                                                                                本編は神話のなかの女性観がテーマです。

                                                                                古代ギリシアは民主的でも何でもない、特権階級以外は人と見なさない社会だったそうです。
                                                                                女性は滅多に外へ出られず、発言も許されていなかったといいます。
                                                                                だからきっと異民族に女戦士を見て、恐怖のアマゾネスとして神話に取り込んだのでしょう。

                                                                                異国の美貌と知識を備えたメディアもまた、その気高さがギリシア人の価値観には脅威となり裏切られ続けるのでした。
                                                                                賢く行動力のある女性はギリシアのモラルでは悪女なんですね、 己の幻想を壊される事を人は拒絶し憎悪を抱くという典型。
                                                                                幼稚な神々に心弱き人々、故に葛藤と悲しみに彩られた物語に惹かれるのかもしれません。

                                                                                言うまでもなく本書は原典ではない、というか伝承の過程で変容し多様化したバリエーションを整理したものに過ぎません。
                                                                                つまり取捨選択の基準となるテーマがあり、シリーズ全体では男女差や権力構造に重点が置かれているようです。
                                                                                だからこそ、このリベラルなテクスト解釈もバリエーションの1つだと心に留めておきたいものです。

                                                                                ところでメディアとは、ミディアム(巫女=神託の回路)の複数形だとか。


                                                                                「マンガ ギリシア神話7 トロイの木馬」

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                                                                                  まぁ中身は一緒です。

                                                                                  このシリーズの魅力は、本編もさることながら解説が二度美味しいのです。
                                                                                  ジェンダー視点や神話の背景、そして日本神話との類似性に思いを馳せながら改めて読み返すのが楽しい。

                                                                                  英雄とは神の血を引く超人であり、権力者に疎まれて難事を克服する運命にあるようです。
                                                                                  しかしながら醜女に生まれたが故に殺されるメドゥーサには同情を禁じ得ませんね、本当は先住民の大地母神なのに…。
                                                                                  まぁこれも語り口によって見方が変わるのですけど。

                                                                                  ゼウスの奥さんの嫉妬から「ヘラの狂気」に打ちのめされる十代を送った、半神アルケイデス。
                                                                                  神託により(よりによって)「ヘラの栄光(クレス)」と改名した上に、12の難事を成し遂げて自由を勝ち得るものの悲劇的な死を迎える。

                                                                                  たとえ死後に天上界へ迎え入れられようと、後世まで吟遊詩人に歌い継がれようとも、何事もなく静かに死ねる幸福に比べたら英雄とは不幸の引き寄せ体質のようだな…。
                                                                                  かと思えば、同じ半神半人でありながらトラキアの王みたいに英雄らしからぬ生きざまもあったり。

                                                                                  しかしエチオピアから中央アジアまで、さすがにヤマトタケルとはスケールが違いますね。


                                                                                  「マンガ ギリシア神話6 激情の王女メディア」

                                                                                  「マンガ ギリシア神話4 悲劇の王オイディプス」


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                                                                                    ハデスは裁き人ではないし、ゼウスやポセイドンの兄弟ですから神様です。
                                                                                    しかし他の神々が、不老不死でありながら冥界に来るには悲しい訳がある…。
                                                                                    役目とはいえ、なかなか人格(?)者なハデスです。

                                                                                    ところでどの神も自然界や人間性の一面を象徴してるのに、それが更に各々を象徴する動物や植物を持っている…というのが入れ子っぽくて面白いですね。
                                                                                    で、生き物たちや人の性分に神々の化身を見る。
                                                                                    つまり動植物を直接に神格化してはいない、飽くまで不可視のエレメントを擬人化した点は大きな特徴かと思います。

                                                                                    ギリシアの神々はローマの文明に引き継がれる中で統廃合されていきますが、ローマが国教を変えた後も言葉の中に残りました。
                                                                                    ギリシアの神話世界に多くの語源を持つという事は、今もその世界観を強く受け継いでいるという事です。

                                                                                    欧米だけが世界ではありませんが、主流をなす動きの背景にはキリスト教的な文化が、その土台にはヘレニズム(ギリシア文明)が根付いている事を念頭に置いてないと理解しきれません。

                                                                                    むしろ日本は連続しているようで断絶している、そんな違いを感じたりも…。
                                                                                    こんなにも似通った神話を持っているのにねぇ。


                                                                                    追記:(ギリシャ文明=ヘレニズム)なのかは知らないのですが、「哲学的な何か、あと科学とか」というサイトの「ヘレニズム文化 B.C.300年頃」という記事がアレキサンダー帝国の文化的カオスを同時代的な視点で考察されていて興味深かったのでご紹介。
                                                                                    しかしヘレニズムって、ジェラシーの語源といわれる女神ヘレに由来するのか、それとも美しすぎてトロイア戦争が起きたヘレネに由来するのかで、印象が違ってくるだろうなー。笑


                                                                                    「マンガ ギリシア神話4 悲劇の王オイディプス」

                                                                                    「マンガ ギリシア神話2 至高神ゼウス」


                                                                                    関連記事:
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                                                                                    【最近読んだ本】ポール・アンダースン「百万年の船 (2)」| 2016.12.31
                                                                                    【最近みたDVD】「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」| 2017.03.01
                                                                                    0
                                                                                      | comic | 2009.05.18 Monday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                                                                      最近読んだ本
                                                                                      松本路子「魂の布」

                                                                                      サブタイトルに「モンスーンアジア 12人の女性作家たち」とありまして、高温多湿な気候帯における織布の作業場を訪ねて手仕事の魅力を伺った本です。

                                                                                      機械産業や科学製品によって消えかけていた伝統の技法に息を吹き込み、あるいは独自の工夫と手間で仕上げてゆく。
                                                                                      もちろん例外なく自然に囲まれたアトリエで、古民家を移築したり改装したりされてる訳で。
                                                                                      当然ロハスなんて消費思考よりも古くから、各々の“ものづくり”として続けていらっしゃっている方々。

                                                                                      実際に拝見してみたい心惹かれる環境ですし、写真ではなく触れてみたくなる薄絹やバティックなのです。
                                                                                      同様に、この企画と構成にも安っぽさや心地わるさはないのですけれども…。
                                                                                      なにか、純粋に見ることを妨げられるのですね。
                                                                                      その何かが、自分でも解らないだけに落ち着かない気持ちになるのです。

                                                                                      なんだろうな、受け手が抱くであろう幻想が透けてみえる感じだろうか…?

                                                                                      ちょっと答えが出ないので、それは置いといて。
                                                                                      先日の「ギリシア神話」で奇しくも指摘されていた、父権制と糸紡ぎの関係を思い出してしまいました。
                                                                                      機織りを女性の役目とした社会の構造、その背後に隠された抑圧…って本書とは何ら関係しないのですが。
                                                                                      たまたま自分のアンテナの中でリンクしてる感じが、これまた興味深いです。
                                                                                      重ねて申し上げますが、これも本書の感想ではありませんので誤解なきよう。


                                                                                      〈アーツ・アンド・クラフト〉関連記事:
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                                                                                      0
                                                                                        | books | 2009.05.15 Friday | comments(0) | trackbacks(0) |
                                                                                        最近読んだマンガ
                                                                                        里中満智子「マンガ ギリシア神話2 至高神ゼウス」

                                                                                        引き続き大神によるご乱行と妃ヘラ(ジェラ?)の女性的な見当違いの神罰が、様々なドラマ(作品)を生んでいきます。

                                                                                        歴史修正主義者でなくとも、あまりに現代と違うモラリティに馴染むことは難しいでしょう。
                                                                                        まぁ無邪気な神々です、大らかな気持ちで見れば悲劇あっての生命の躍動とも思えたり…いや失敬、どうかカリカリしないで!笑

                                                                                        神々も不条理さに嘆いたり苛立ったりしながら人との交わりを深めていきます。
                                                                                        それは、まるで人類の起源にまつわる多種多様な現代のスピリチュアル話の原型かとも思えてきます。
                                                                                        とすると…?
                                                                                        神話の中に驚くべき真実が隠されていたのか、それとも神話を深読みし過ぎた現代人の2次創作なのか。

                                                                                        ともあれ、神話成立以前の神々ったら皆さん気の毒な扱われようですなぁ。
                                                                                        神話の知識が教養だった時代ですから(最初のボスキャラが実はザコ)的になるのも致し方ないか、それに自分たちの矛盾を神話に織り込んで納得してた気も。

                                                                                        南下してきた集団が先住の農耕民族と融和してギリシア文明が…って、実は一方的な支配と搾取だったという話はないだろうなぁ。
                                                                                        でも働く者は下賤で人と見なされなかったとも聞くし、神話の裏事情を考えてしまったり。


                                                                                        「マンガ ギリシア神話3 冥界の王ハデス」

                                                                                        「マンガ ギリシア神話1 神々と世界の誕生」


                                                                                        関連記事:
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                                                                                          最近読んだマンガ
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                                                                                          先日たまたま読んだ最終巻に刺激されて、もっと読んでみようと思いまして。

                                                                                          で、シリーズの最初は…要するに主要な登場人物の紹介であり、神が子作りに明け暮れる話の連続です。
                                                                                          初巻にして相関図を見ても把握できない有り様ですが、ここに後々の因果が詰め込まれているのでキッチリ抑えておきたいところ。
                                                                                          ちなみに人類を第五時代に区分する歴史観はマヤ文明と奇しくも同じ(ホピ族は4番目の世界だったか)。

                                                                                          このシリーズは、ジェンダーと日本神話を構成のポイントにしているようです。
                                                                                          そもそもエーゲ海周辺で口伝として広まったので、僕が知っている話とは細部が異なったりもして新鮮。
                                                                                          西村賀子教授による解説も面白いですし、日本神話との類似性は知るほど不思議に思えてきます。
                                                                                          あまりにも共通していて、伝播の過程で受けた筈の影響が感じられないほど。

                                                                                          作者は原典を読み込むだけでなく、方針に沿うよう打ち合わせながら描いたのでしょうから、原作物の作画よりも大変だったのではないでしょうか?
                                                                                          長く活躍されている漫画家の中には時代遅れだろうが変わらない人もいますが、作者のタッチはさりげなく変化していると思います。
                                                                                          昔の少女マンガは苦手なので(ダメかもなー)と思って読み始めたのですが、まったくの杞憂でした。
                                                                                          まぁ今風な訳でもないけれど。


                                                                                          「マンガ ギリシア神話2 至高神ゼウス」


                                                                                          関連記事:
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                                                                                            最近読んだマンガ
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                                                                                            古いようで意外にも'01年の作品集、本作はシリーズ最終巻です。
                                                                                            少女マンガの巨匠は今も現役でしたか、着物でテレビに出てるばかりだと思ってましたが…いやはや失敬!

                                                                                            しかし何故ギリシア神話?
                                                                                            西村賀子教授による巻末の解説に「神話をジェンダー視点から読む」とあり、なるほどな〜と思いました。
                                                                                            家父長制によって怪物に貶められたメデューサら大地母神たち、糸紡ぎと貞淑の関連性など非常に面白い。
                                                                                            完全人格の唯一神と違い、万物の性質を擬人化した多神教の神々に男性優位社会の背景思想を見たりして。
                                                                                            神話の中に(昔も今も人の心は変わらんな)と思う先に、家父長制の連綿と続くパラダイムがあるのね。

                                                                                            まぁそれはともかく、本編も充分に面白かったです。
                                                                                            トロイア戦争での加護に仇なしたオデュッセウス一行が、ポセイドンの怒りによって苦難と誘惑の長い試練を旅する物語。
                                                                                            部下の不始末に余計な罰を何度も食らい、ドラマチックに帰還を果たして涙々!
                                                                                            謙虚であれ、しかし常にタフ(そして絶倫)であれ。笑

                                                                                            トロイアから敗走したヴィーナスの息子も苦難の旅を経て再興の地に至り、子孫ロムルスの都がギリシアの文化を受け継いでゆく話。
                                                                                            その他に「ロミオとジュリエット」の元ネタ、ロバ耳ミダスのゴールドフィンガーなどなど盛り沢山。
                                                                                            神話の舞台が分かる地中海周辺図が、なかなか便利。


                                                                                            「マンガ ギリシア神話7 トロイの木馬」

                                                                                            |←「マンガ ギリシア神話1 神々と世界の誕生」


                                                                                            関連記事:
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                                                                                              以前から老子の説く道(タオ)に関心があり、しかし道教との関連性が謎だった。
                                                                                              道教の持つ、福(平安)禄(財力)寿(長命)の現世利益に抜きん出た俗っぽさに抵抗があった。
                                                                                              とはいえ教義なき宗教が仏教とも習合し、日本文化の根底にも大きく関わっている事は新鮮だった。
                                                                                              東洋の錬金術ともいえる神仙思想の歴史も面白く、中国のシュールな怪異譚を楽しむ一助になりそうだ。
                                                                                              陰陽道や易経で用いられるような護符の描き方が、妙に丁寧に紹介されていた。
                                                                                              素人が真似ても仕様がないのにね。


                                                                                              〈中国〉関連記事:
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                                                                                              【最近みたDVD】「古代建築博物館」| 2010.05.15
                                                                                              【最近読んだ本】ケレン・スー「ふるさとのパンダ」| 2010.06.06
                                                                                              【最近読んだ本】莫邦富「中国全省を読む地図」| 2010.07.09
                                                                                              【最近読んだマンガ】加藤四季「お嬢様と私」3巻| 2010.07.10
                                                                                              【最近読んだ本】奥平卓+大村益夫(訳)「[中国の思想]老子・列子」| 2010.07.18
                                                                                              【最近みたDVD】「NHKスペシャル 文明の道」第5集「シルクロードの謎 隊商の民ソグド」| 2010.11.06
                                                                                              【最近読んだ本】奈良行博「中国の吉祥文化と道教」| 2011.08.15
                                                                                              【最近読んだ本】金庸「射(周鳥)英雄伝【第一巻】砂漠の覇者ジンギスカーン」| 2012.10.14
                                                                                              【最近読んだ本】舟崎克彦(文)、橋本淳子(絵)、小林敏也(構成)「大仙人」| 2012.12.31
                                                                                              【最近読んだ本】伊藤清司(監修・解説)「怪奇鳥獣図巻」| 2014.08.09
                                                                                              【最近読んだ本】杉原たく哉「いま見ても新しい 古代中国の造形」| 2014.09.23
                                                                                              【最近読んだ本】田中俊明(監修)「この一冊で早わかり 日本・中国・朝鮮 東アジア三国史」| 2016.10.25
                                                                                              【最近みたDVD】「スキップ・トレース」| 2018.03.14
                                                                                              【最近読んだ本】宮城谷昌光「重耳 (上)」| 2019.05.10
                                                                                              【最近行ったところ】「中国写真紀行 −日本人が撮った100年前の風景−」展| 2018.10.29


                                                                                              〈長命/不老/不死〉関連記事:
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                                                                                              【最近読んだマンガ】荒川 弘「鋼の錬金術師」17巻| 2010.01.16
                                                                                              【最近読んだマンガ】岡野玲子「陰陽師」13(太陽)巻| 2010.03.10
                                                                                              【最近読んだマンガ】高山しのぶ「あまつき」10巻| 2011.06.27
                                                                                              【最近読んだ本】松谷みよ子、樋口 淳・責任編集「死と再生の民話」| 2011.07.13
                                                                                              【最近読んだ本】舟崎克彦(文)、橋本淳子(絵)、小林敏也(構成)「大仙人」| 2012.12.31
                                                                                              【最近みたDVD】「ハンコック」| 2013.02.23
                                                                                              【最近みたDVD】「未来惑星ザルドス」| 2013.03.14
                                                                                              【最近読んだマンガ】沙村広明「無限の住人」30巻| 2013.11.28
                                                                                              【最近読んだマンガ】田辺イエロウ「終末のラフター」| 2014.07.26
                                                                                              【最近読んだ本】宮部みゆき(原作)、皇なつき(作画)「お江戸ふしぎ噺 あやし」| 2014.10.19
                                                                                              【最近みたDVD】「AVALON」| 2014.10.28
                                                                                              【最近みたDVD】「THE NATURAL」| 2014.10.31
                                                                                              【最近読んだ本】トバイアス・S・バッケル「クリスタル・レイン」| 2016.03.27
                                                                                              【最近読んだマンガ】池田さとみ「さよならのJAMU」| 2016.04.20
                                                                                              【最近やったゲーム】PS2ソフト「幻想水滸伝III」| 2016.05.11
                                                                                              【最近読んだマンガ】赤松健「UQ HOLDER!」1巻| 2016.10.30
                                                                                              【最近読んだマンガ】茶鳥木明代「デュラララ!!」3巻| 2016.11.23
                                                                                              【最近読んだ本】ポール・アンダースン「百万年の船 (2)」| 2016.12.31
                                                                                              【最近みたDVD】「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」| 2017.03.01
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